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2007年1月31日 (水)

【掲載記事の一覧】

 ブログをお読みくださってありがとうございます。
 これまでに連載した内容について、コメントを添えてご案内します。
 お読みくださって、感想・意見・連絡などがありましたら、
       kokugo.kyoiku@gmail.com
  宛に、よろしくお願いします。

◆国語教育を素朴に語る (01)~(34)~継続予定
    [2006年8月29日から、2006年10月1日まで掲載しました。]
 雑誌『月刊国語教育』(東京法令出版)に毎月連載している、中学校・高等学校の国語科教員向けの文章です。現在のところ、2007年(平成19年)4月号までの執筆を終えました。それが連載40回目にあたります。このブログのタイトルは、その題名をそのまま使っています。もう少したまったら続きを掲載します。

◆相手を思いやる姿勢と、自分を表現する力 (1)~(3)
    [2006年10月2日から、2006年10月4日まで掲載しました。]
 雑誌『兵庫教育』(兵庫県教育委員会)に掲載した、教員向けの文章です。

◆学力づくりのための基本的な視点 (1)~(7)
    [2006年10月5日から、2006年10月11日まで掲載しました。]
 雑誌『月刊ホームルーム』(学事出版)に掲載した、学級(ホームルーム)を担当している教員向けの文章です。

◆兵庫県の方言 (1)~(4)
   [2006年10月12日から、2006年10月15日まで掲載しました。]
 ラジオ関西で放送したものの原稿です。時間は30分間で、対象は高齢者(と一般聴取者)です。

◆教員志望者に必要な読解力・表現力 (01)~(18)
    [2006年10月16日から、2006年11月2日まで掲載しました。]
 雑誌『教職課程』(協同出版)に掲載した、教員志望者(学生など)向けの文章です。

◆これからの国語科教育 (1)~(6)
    [2006年11月3日から、2006年11月8日まで掲載しました。]
 高等学校国語科教員向けの講座(兵庫県教育委員会)で話した内容をまとめました。

◆高校生に語りかけたこと (01)~(29)
    [2006年11月9日から、2006年12月7日まで掲載しました。]
 自家版『ことば旅3』からの転載です。いろんな機会に高校生に向かって話したことを集めたものです。

◆高校生に向かって書いたこと (01)~(15)
    [2006年12月8日から、2006年12月22日まで掲載しました。]
 自家版『ことば旅3』からの転載です。いろんな機会に高校生に向かって書いたことを集めたものです。

◆六甲の山並み[言葉つれづれ] (01)~(04)~継続予定
   [2006年12月23日から、2006年12月26日まで掲載しました。]
 書き下ろしです。折に触れて言葉に関して考えたことです。この連載は、時々、再開する予定です。

◆神戸圏の文学散歩 (01)~(05)~継続予定
   [2006年12月27日から、2006年12月31日まで掲載しました。]
 雑誌『月刊国語教育』(東京法令出版)に、年2回のペースで連載しているものです。カラーグラビアに文章を添えて4ページ構成です。1回につき30枚以上の写真を載せますから、取材・撮影にも時間がかかります。①明石、②須磨、③有馬、④高砂、⑤尼崎、⑥生田・布引が掲載済みで、次は⑦芦屋を取材中です。

◆おもしろ日本語・ふしぎ日本語 (001)~(004)~継続予定
    [2007年1月1日から、2007年1月4日まで掲載しました。]
 書き下ろしです。新聞・雑誌などの文章の事例に基づいて、感じたことを書き綴ります。この連載は、時々、再開する予定です。

◆言葉カメラ (01)~(27)~継続予定
    [2007年1月5日から、2007年1月31日まで掲載しました。]
 書き下ろし(撮りおろし)です。1冊の本にまとめられたら嬉しいと思っています。まだまだ材料はいっぱいあります。いずれ、再開します。

◆ゆったり ほっこり 方言詩 (01)~
 2月からは、この連載を始めます。甲南女子大学の学生たちの作品を紹介していきます。方言詩についての経緯は、「国語教育を素朴に語る(34)」(10月1日のブログ)で書いています。

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言葉カメラ(27) 【滑らかな口調】

滑らかな口調で印象を残す

 1枚目の写真は、工事に携わる人向けの提言だろうと思いますが、通りを歩く人によく見えるところに書いてありました。内容も適切ですし、口調もよくて、なるほどと納得させられました。
 2枚目の写真は、新聞の宣伝です。言葉がちょっと多すぎますが、いい言葉が選んであります。逆引き国語辞典のようで印象に残りました。「スポやか」「ウマやか」は、スポーツ紙、競馬専門紙に無理にこじつけていますから、ない方が爽やかだったかもしれません。

【1枚目の写真は、2003年(平成15年)5月20日に、神戸市兵庫区内で撮影。2枚目の写真は、2001年(平成13年)4月16日に、大阪市中央区内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

【「言葉カメラ」は今回で、いったん終わります。続きはいずれ、そのうちに再開します。】

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2007年1月30日 (火)

言葉カメラ(26) 【「年中夢中」】

「無休」かどうかは知りませんが…

 「年中無休」というような表示は、街中にあふれています。中には「年始の3日間を除いて、年中無休」などというのもありますし、無休のはずの店が「臨時休業」をすることもあります。正真正銘の無休などというのは至難のことかもしれません。
 さて、「年中夢中」というのは楽しい言葉です。「年中無休」という発音を念頭に置いて作ったことは間違いありませんし、「◯中◯中」という取り合わせにも脱帽です。
 もちろん、通りすがりに撮りましたから、休日がどうなっているのかは確かめませんでした。

【写真は、2000年(平成12年)10月13日に、長野県長野市内で撮影。】

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2007年1月29日 (月)

言葉カメラ(25) 【「◯◯京阪」】

「◯◯京阪」という表示

  「言葉カメラ(17)」の[野田阪神]との関連です。
 「三条京阪」は路線図で示しましたが、実際に駅を撮った写真がありましたので掲載します。1枚目の写真です。
 関連したことを書きます。大阪市(城東区)内に「関目京阪前」というバス停があります。国道1号を走るバス路線で、京阪電鉄の関目駅のすぐ近くです。2枚目の写真です。こういう場合は普通、「阪神西宮駅前」「JR西ノ宮駅前」「阪急西宮北口駅前」のような表記が多いのですが、写真の例は「京阪」が後ろになっていました。
 近くに大阪市営地下鉄・谷町線の「関目高殿」駅があります。3枚目の写真です。もしかして、関目という地域の中で、京阪駅に近いところと、高殿(旭区)との境界にあるところという区別をしているのでしょうか。

【1枚目の写真は、2001年(平成13年)4月29日に、京都市東山区内で撮影。2枚目・3枚目の写真は、2001年(平成13年)5月16日に、大阪市城東区内で撮影。】

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2007年1月28日 (日)

言葉カメラ(24) 【「音入れ」】

音入れ

 まさか納豆を食べ続けたらダイエットに効果があるとは信じない人でも、テレビの人気番組で紹介されたら納豆のまとめ買いをしたくなるのでしょう。「発掘!あるある大事典Ⅱ」の捏造は悪質きわまりないテレビ界の汚点になりました。
 テレビの番組作りの状況なども、新聞は紹介していました。
 「制作スケジュールがずれこんだら、出演者の予定、編集、音入れ、テロップなど細かい作業すべてに影響が出る。」
 [朝日新聞・大阪本社、2007年(平成19年)1月25日・朝刊、13版、34ページ]

 テレビ・映画などの制作で、後から映像に合わせて音声を録音するという意味の「音入れ」は広辞苑にも載っている言葉ですが、写真の「録音室 オトイレ」はちょっと違います。「おトイレ(toilet room)」を「音入れ(録音)」と洒落ているのです。あるラーメン屋さんで見かけました。雑誌か何かに紹介された切り抜きが添えてありましたが、写真からは読みとれません。

 実は、同様の表現を、ずっと昔に京都で見て写真に撮ったことがあるのですが、写真が見つかったら改めて紹介することにします。

【写真は、2003年(平成15年)4月3日に、東京都品川区内で撮影。】

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2007年1月27日 (土)

言葉カメラ(23) 【学割限定版】

学割の限定版

 学割は学生の特権です。交通費、入場料、飲食代……。種類はさまざまであっても、学生であれば誰でも恩恵に浴すものだろうと思っていましたが、中には、そうでないのもあるようです。この看板に「ガク割」という文字も見えますが、それは申し訳程度に書いてあります。
 「関大割」は関西大学の学生でなければ利用できない割引です。この写真は阪急電鉄千里線の関大前駅の近くで撮りました。近くに他の大学はありませんから、気を悪くする他大学生はいないのでしょう。他大学生を排除しようという意図ではなく、関大生に親しみをこめてエールを送っているように感じます。

【写真は、2003年(平成15年)4月17日に、大阪府吹田市内で撮影。】

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2007年1月26日 (金)

言葉カメラ(22) 【龍野・竜野】

龍野・竜野・たつの

 童謡「赤とんぼ」の作詩者の三木露風が生まれたのは龍野の町です。町には武家屋敷や白壁の土蔵が残っており、「播磨の小京都」とも呼ばれています。醤油や素麺でも知られています。
 市名も学校名も「龍野市」「兵庫県立龍野高等学校」という文字ですが、JRの駅名は「竜野」です。山陽本線にあるのが竜野駅(駅の所在地は、もとの揖保川町)、姫新線にあるのが本竜野駅です。
 1枚目の写真は、「竜野」橋東詰にあった案内板ですが、「龍野」の文字が使われており、ハローワークだけがなぜか「たつの」です。
 その向こうに見えている案内板を拡大したのが2枚目の写真です。「本龍野駅」の方向を示しています。
 駅に着いてみたら、3枚目の写真のように、そこは「本竜野駅」です。

 ところで、2005年(平成17年)10月1日に龍野市、揖保郡新宮町・揖保川町・御津町が合併して、新しい市が誕生しました。新しい市名は平仮名の「たつの」になりました。

【写真は3枚とも、2003年(平成15年)6月9日に、兵庫県龍野(現在は、たつの)市内で撮影。】

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2007年1月25日 (木)

言葉カメラ(21) 【左右横書き】

右横書きと左横書き

  「言葉カメラ(01)」の[右横書き]との関連です。
 兵庫県加東郡社町(現在は加東市)にある兵庫県立教育研修所に勤務していた頃に、通勤のバスの窓から見える文字が気になっていました。かなり後になってから、付近を歩く機会があって写真に撮りました。
 「KKハシモト・モータース」が、左右の両端から真ん中に向かって書いてあるのです。真ん中が凹んだような奥行きのある看板ではなくて、平らな一枚です。なぜこのように書いたのかを尋ねることは忘れました。道路を左から走ってくる車からも、右から走ってくる車からも、手前の文字から読めるようにしてあるのかもしれません。

【写真は、2003年(平成15年)6月20日に、兵庫県小野市内で撮影。】

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2007年1月24日 (水)

言葉カメラ(20) 【「うっとこ」】

うっとこで買うて!

 中学生時代に、国語の先生から、「このあたりの人は『うっとこ』と言うので、何を売るところかと思っていたら、自分の家という意味だったね」と言われて、びっくりしたことがあります。「自分の家」⇒「うちとこ」⇒「うっとこ」という変化は、ごく自然なことであると思っていたからです。
 「うっとこ」は関西で広く使われていると思います。〝自分の家〟だけでなく、〝自分の勤め先〟とか〝自分の住んでいる地域〟とかの意味でも使います。「うっとこの会社、始まりの時間が遅いねん」、「うっとこの秋祭は10月の末や」などと言います。「うっとこ」という言葉が熟して一語のように感じられるから、ご丁寧に「うっとことこは駅からバスで5分かかる」などと、改めて「とこ」を付け加える言い方もあります。私の地域では、自宅のことを、「うっとこ」の他に「うちね(ー)」とも言います。
 写真は、姫路のみゆき通り商店街に掲げられていたものです。この場合の「うっとこ」は〝私の店〟という意味です。このキャンペーンでは、他にいくつかの言葉も使われていたのですが、それは改めて紹介することにします。

【写真は、2004年(平成16年)10月19日に、兵庫県姫路市内で撮影。】

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2007年1月23日 (火)

言葉カメラ(19) 【愛し空き缶】

愛し空き缶

  「言葉カメラ(15)」の「あ缶」との関連です。明石市大久保町(県立明石北高等学校付近)で見ました。「缶」の文字の誤りには目をつぶりましょう。「愛し空き缶 手から離すな」というのが趣旨で、ポイ捨て防止なのですが、上の句が何とも心憎い表現です。出典とか、類歌とかがあるのでしょうか。個人の作なら秀逸だと思います。

【写真は、2002年(平成14年)7月21日に、兵庫県明石市内で撮影。】

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2007年1月22日 (月)

言葉カメラ(18) 【「ずつない」】

おなか一杯で「ずつない」

 「術(ずち)なし」の現代語「ずちない」の発音が転じると「ずつない」になります。一般的には、〝どうにも仕方・方法がない、どうしようもない〟というような意味ですが、〝病気などで体の具合が悪い、息苦しい〟という意味で使う地域も広がっています。そして極まりは、〝食べ過ぎて苦しい〟という意味です。姫路市内で、お店のシャッター一面に描かれた絵には、思わず笑ってしまいそうになりました。子どもの頃、「ずつのうなるほど食うたらあかんぞ」と言われたのを思い出しました。

【写真は、2005年(平成17年)9月15日に、兵庫県姫路市内で撮影。】

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2007年1月21日 (日)

言葉カメラ(17) 【野田阪神】

「野田阪神」駅は阪神電鉄ではない

 阪神電鉄と山陽電鉄は大阪・梅田と姫路の間で直通特急を運転しています。山陽姫路駅から「阪神梅田」行きの電車が頻発しています。
 「阪神梅田」は阪神電鉄の駅ですが、「野田阪神」(大阪市福島区)は阪神電鉄の駅ではなく、大阪市営地下鉄・千日前線の起点駅です。阪神電鉄野田駅から少し離れたところにJR大阪環状線野田駅があります。地下鉄の起点駅が阪神電鉄の駅に近いということを表すために「野田阪神」になったのでしょう。(千日前線では、JR野田駅の近くに玉川駅を設けています。)
 同様な例として、京都市営地下鉄・東西線の「三条京阪」があります。駅は京阪電鉄三条駅に直結しています。もともと地上を走っていた京阪電鉄京津線の一部を地下化して、京都市営地下鉄の路線に組み込んだこともあって京阪電鉄に敬意を表しているのかもしれません。

【写真は、1999年(平成11年)12月9日に、大阪市福島区内で撮影。地図は、京都市交通局のホームページから転載。】

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2007年1月20日 (土)

言葉カメラ(16) 【算盤】 

算盤で知らせる

 小野市は播州算盤で知られる町です。電卓に押されて、かつてほどの生産量は望めませんが、算盤が人間の知能に与える好影響を見直すべきだという意見もあります。
 小野市の中心部は加古川左岸(東側)に開けていますが、JR加古川線の小野町駅は右岸(西側)にあります。それをつなぐのが加古川に架かる大住橋です。橋の長さは204.8メートルで、竣工したのが1986年(昭和61年)です。その数字を算盤の珠で表現しているのはさすがに算盤の町です。

【写真は2枚とも、2004年(平成16年)11月9日に、兵庫県小野市内で撮影。】

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2007年1月19日 (金)

言葉カメラ(15) 【「あ缶」】

禁止の言葉をユーモラスに

 関西人にとって「あく」とか「あかん」とかは日常語です。「あくか、あかんか、やってみなわからへん。」などと言います。〝ダメか、ダメでないか…〟という意味です。けれども、「あく」を使うことは稀で、圧倒的に「あかん」の使用例が多いのです。
 「あかん」にはいろんな意味が込められていますが、何かの行為を禁止する場合にも使います。「…するな」という禁止よりも、「…したらあかん」という方が遠慮がちな気持ちが出ています。
 「あ缶」というのは、投げ捨て防止の看板です。煙草もあるでしょうが、大半は飲料水などの空き缶です。だから「あ」+「缶」の文字がぴったりします。関西の各地で見かけます。
  たいていは道端に、小さく「捨てたら、あ缶!」などと書いてあるのですが、この写真の看板は大きくて迫力があります。
  缶の絵が描いてあって、その前(左側)に「あ」の文字が書いてあるのも見かけます。「あっ、缶(を捨てないでね)」というような気持ちでしょう。缶の絵が消えかかったら、「あ」の文字だけが残って、「あ」だけの看板=「あ看」になります。

【写真は、2003年(平成15年)9月16日に、兵庫県尼崎市内で撮影。】

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2007年1月18日 (木)

言葉カメラ(14) 【「サヨカ」】

「サヨカ」という社名

 「明日は都合が悪ーて行かれまへんねん」「さよか。残念やけど、しょーがおまへんなぁ」などという会話は、ごく日常的なものです。「さよか」は「左様か」であって、全国どこでも通用します。けれども、「さようか」が「さよか」になって、日常の慣用的な言い回しになると、これは関西(あるいは大阪)独特の言葉に聞こえてきます。
 その「さよか」を社名にしてしまうことに、ますます関西(大阪)らしさを感じます。この印象的な社名は、あれこれと話題になったりして、商売をする上に役立っていることと思います。

【写真は3枚とも、2003年(平成15年)12月20日に、大阪市西区内で撮影。】

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2007年1月17日 (水)

言葉カメラ(13) 【「る」】

小さい「る」

 猫に続いて、犬の話です。犬の糞に悩まされるのは全国共通ですが、マナーに訴えかける看板なども随所にあります。
 この看板は、「小さい子供たちをはじめ多くの方々が大変迷惑しています。」ということが書いてあります。
 達筆の原稿を、看板を書く人に渡したのでしょう。真剣に丁寧に書いていこうとすると、前後の文脈などを忘れて一文字一文字に注目することになります。ワープロなどのなかった昔、謄写版(ガリ版)で試験問題などを作った経験のある者には、実感できることです。
 楷書で書いていない「子」という文字を読みとって、丁寧に「る」という文字を書いたのでしょう。書いた人も、ここに設置作業をした人も気付かずに、古くなってもそのままということのを見て、かえってほほえましくなりました。

【写真は、2003年(平成15年)8月21日に、兵庫県明石市内で撮影。】

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2007年1月16日 (火)

言葉カメラ(12) 【猫のエサ】

猫のエサ

 猫にエサを「あげる」という表現が過剰であるという批判があります。人間でない猫に敬語を使うのは間違っているというのです。それならいっそ猫を「お猫さま」と持ち上げてしまえば「あげる」との違和感がなくなろうというものです。1枚目の写真には、そんな気持ちが込められているようにも思えます。
 2枚目の写真は、猫にエサを与えることを「置きエサ」と言っている表示です。ここには猫という文字はありませんが、付近の別の表示からは、このあたりの人々が猫に困っているということがわかります。

【1枚目の写真は、2003年(平成15年)8月28日に、兵庫県尼崎市内で撮影。2枚目の写真は、2007年(平成19年)1月5日に、兵庫県芦屋市内で撮影。】

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2007年1月15日 (月)

言葉カメラ(11) 【空所補充】

空所補充の問題

 試験問題の設問形式のひとつに空所補充というのがあります。文章中の重要な語句の部分を空欄にして、適切な語句を書き入れさせようとするものです。必要な知識や、文脈を読みとる力が問われます。こういう設問は、問題作成者のセンスが問われるもので、文脈などを無視して、重要語句の箇所を次々に空所にすると、解答者泣かせの問題になってしまいます。

 さて、1枚目の写真は、明石市の魚住海岸の歩行者用道路の脇に立っている看板です。建設省という文字も見えますから、ちょっと古いものです。それにしても、これは、見事に空所補充問題になっています。
 作ったときには、文章全体は黒い文字で、とりわけ重要な部分は赤い文字で書いたものでしょう。そのときの意図はじゅうぶん理解できます。それが風雨にさらされて、赤い文字が消えてしまったのです。文字が消えかかっている看板は効果がないと思いません。「海岸保全施設は大切に利用しよう。コンクリート・石を破壊することをしないで、美しい環境づくりに努めよう」という気持ちは読みとれます。けれども、肝心な部分(何をすべきか、何をしてはいけないのか)が読みとりにくいのは残念です。
 ところで正解は、空所①は「タキ火」、空所②は「絶対にしない」、空所③は「ゴミ・ガレキ等を捨てない」です。近寄って、塗料の残りを観察すれば、かろうじてわかります。

 2枚目の写真は、芦屋市の電柱に付けられているもので、付近の電柱は、ほとんど同じように数字が読みとりにくくなっています。残念なことに、数字は文脈では判断できません。市役所の電話番号だから調べたらわかるだろうという言い訳は成り立ちません。それなら最初から電話番号を書かなくてもよいのですから。

【1枚目の写真は、2006年(平成18年)2月10日に、兵庫県明石市内で撮影。2枚目の写真は、2007年(平成19年)1月5日に、兵庫県芦屋市内で撮影。】

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2007年1月14日 (日)

言葉カメラ(10) 【「深夜」】

「深夜」は何時まで?

 何時までとか、何時からとかということが決まっていなくても、私たちは、時刻を表す言葉を使い分けてきたように思います。
 「深夜」は、夜更け、真夜中という意味であり、「未明」は、夜がすっかり明けきらない時を表す言葉です。午前5時が「深夜」だという感覚は、いつごろから始まったのでしょうか。このような感覚は、若い人たちに広く浸透しているのでしょうか。24時を通り越して、25時、26時…というような使い方が多くなっていることと関係があるのでしょうか。

【写真は、2003年(平成15年)10月14日に、兵庫県伊丹市内で撮影】

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2007年1月13日 (土)

言葉カメラ(09) 【近く?遠く?】

「近くても?」「遠くても?」

 「近くても帰宅は明るく広い道」という看板を見たとき、瞬時に「遠くても…」の間違いではないかと思いました。遠回りになっても、明るく広い道を通って帰りましょうという勧めだと思ったのです。
 〝家の近くであっても安心してはいけません、念には念を入れて、明るく広い道を通って帰りましょう〟という意味が込められているのだろうと気付いたのは、そのすぐ後でした。このフレーズを思いついた人の深謀遠慮なのかもしれません。

【写真は、2003年(平成15年)8月2日に、東京都品川区内で撮影】

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2007年1月12日 (金)

言葉カメラ(08) 【警察の指導】

警察の指導?

 災害の報道などで、「通信線の回復にしたがって、被害規模が拡大すると思われる」というような、舌足らずな表現があります。「通信線の回復によって被災地の状況が明らかになると、現在わかっている規模よりも、被害が大きいことが判明するだろう」という意味です。「通信線が回復しなければ、被害規模は小さくてすむのか」というのは屁理屈であることはわかっていても、そのように言いたくなります。

 さて、この看板は、「兵庫警察の指導により駐車禁止(にする)」という意味には違いないのですが、言葉の順序が間違っています。まるで「兵庫警察の指導により交通の妨げ(が生じる)」と言っているように見えます。警察が加害者のように見えても、警察は表現を改めるように指導する権限はあるのでしょうか、ないのでしょうか。

【写真は、2003年(平成15年)7月24日に、神戸市兵庫区内で撮影】

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Samatage

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2007年1月11日 (木)

言葉カメラ(07) 【「気いつける」】

「気いつける」

 関西では一音節の名詞を、たいていは長音化して二音節として発音しています。けれども、文字に書くときは二音節として書くことをしないのが普通です。
 ところで、この看板には、「気をつける」ではなく、遠慮がちに「気ぃつける」でもなく、「きいつける」と書いてあります。堂々とした大きな文字です。
 ひったくりにあわないようにという呼びかけには、これぐらいのインパクトが必要なのかもしれません。
 関西では、「ええ ええを こおた。」と言うのは、「ええ(良い)えぇ(絵)をこう(買っ)た。」という意味であることは誰にでもわかります。「きいつける」の意味を誤解する人は、いないでしょう。

【写真は、2005年(平成17年)9月16日に、大阪市此花区内で撮影】

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Kii_tuke

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2007年1月10日 (水)

言葉カメラ(06) 【バスの回転】

バスの「回転地」

 昔の蒸気機関車(SL)は、終着地点の大きな駅に「転車台」があって、方向を変えていました。電車はそのままで前後に進めますが、バスも終点で方向を変えなくてはなりません。
 ひとつの記事を紹介します。その回転場跡地を売却するというニュースです。
 「回転場は、神姫バス高丘七丁目のバス停前にある住宅街の一角。市バス大久保営業所管内の路線移譲で、二〇〇六年十月から高丘線は神姫バスが運行。市域に運行を限っていた市バスでは必要だった回転場が、神戸市域も運行する神姫バスでは不要となったため、売却する。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、「明石」(地域版)、28ページ]

 1枚目の写真(県立神戸商業高等学校前)は、記事と同様の「回転地」を使っていますが、2枚目の写真(県立伊川谷高等学校付近)は、「方転地」を使っています。
 「回転場」と「回転地」は、ほぼ同じですが、「場」と「地」の違いがあります。
 「方転地」はたぶん「方向転回地」の略でしょう。「回転」か「転回」かという違いがあります。
 前者は神戸市バスと山陽電鉄バスの共同運行、後者は神戸市バスと神姫バスの共同運行ですから、神戸市バスは二通りの言葉を使っていることになります。
 どこかで、これらとは違った呼び名を写真に撮った記憶があるのですが、見つかったら、改めて紹介します。

【1枚目の写真は、2003年(平成15年)9月17日に、神戸市垂水区内で撮影。2枚目の写真は、2003年(平成15年)10月9日に、神戸市西区内で撮影。】

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2007年1月 9日 (火)

言葉カメラ(05) 【えびすさま】

商売繁盛・家内安全の「十日戎」

 関西では、初詣がすめば、次は十日戎です。
 「1月9日   宵えびす    午後2時 有馬温泉献湯式
  1月10日 本えびす   午前6時 開門神事福男選び
  1月11日  残り福」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、第5朝刊・12ページ、西宮神社の広告]

 この「宵えびす、本えびす、残り福」というのは、十日戎を催す関西各地の神社のほぼ共通した呼び名です。西宮神社の「福男選び」は開門の瞬間にスタートし、本殿までの一番乗りを競う激烈なもので、毎年、全国的なニュースとして取り上げられています。
 その西宮神社は「えびす宮総本社」と称し、「えびすさま」と言っています。上記の広告でも、「えびす宮総本社」が使われています。1枚目の写真です。
 西宮神社の玄関口となる阪神電鉄西宮駅には、乗降口のひとつとして「えびす口」があります。2枚目の写真です。
 そして、西宮神社のそばの道路につけられた愛称は「えべっさん筋」です。3枚目の写真です。
 改まって呼べば「えびすさま」でも、日常的には、親しみをこめて「えべっさん」と呼んでいるのです。「えびっさん」という呼び方も聞きます。

【写真は、3枚とも、2003年(平成15年)11月26日に、兵庫県西宮市内で撮影】

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2007年1月 8日 (月)

言葉カメラ(04) 【「海水」】

「海水」は海水浴のこと

 私の祖母は、海水浴のことを「かいすい」と言っていました。「かいすいに行って、戻ってきたら西瓜を切ってやる。」などという言葉を聞きました。昭和30~40年代の頃のことです。
 「すいに いる」という言葉も聞きました。漢字で書けば「水に入る」であって、「海水浴をする」とか「水中に潜る」とかの意味であったように思います。
 数年前に、淡路島の洲本・大浜海岸で「海水用品」という言葉を見かけました。「海水浴で使う品」という意味であることは明らかです。浮き輪などが思い浮かびます。「かいすい」という言葉の使用が個人レベルのものでなく、使用地域が広がっていることを感じました。
 「プール」と「海水浴場」があって、「プール用品」と「海水浴場用品」(または「海水浴用品」)という言葉が使われるとします。そして、後者をもう一歩つづめたのが「海水用品」です。それは海水浴を「かいすい」と言うことを前提にして成り立つ言葉です。

【写真は、2000年(平成12年)8月17日に、兵庫県洲本市内で撮影】

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Kaisui

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2007年1月 7日 (日)

言葉カメラ(03) 【掛詞「あかし」】

「明石」と「証し」の掛詞

 かつて、JR西日本の明石駅ホームに、大きな看板が吊り下げられていました。「速さはJRのあかしです」というキャッチフレーズですが、これは明石駅だからこそのフレーズだと思って眺めていました。平仮名書きの「あかし」は「証し」のはずですが、地名を響かせているのです。
 尼崎市内で大事故が起こってからは、速さを売り物にした宣伝をさし控えるようになりましたから、この看板も取り外されました。「安全運転はJRのあかしです」というような言葉にすることも可能なわけですが、まだその段階には至っていないという批判が出るかもしれません。

【写真は、1999年(平成11年)7月26日に、兵庫県明石市内で撮影】

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Akashi

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2007年1月 6日 (土)

言葉カメラ(02) 【「仇」】

「仇」かと思った

 路線バスはワンマン化が進んで、車掌さんのいる路線はほとんどなくなってしまったようです。ワンマンバスは、料金均一区間でない限り、整理券方式になっています。
 運転席の左上の位置などに整理券番号と料金が表示されますから、乗客にとっては便利です。運転手さんは、整理券番号を確認しながら料金を即座に判断しなければならなりませんから、神経が疲れることだろうと推測します。
 整理券番号にはアラビア数字が使われていますが、「6」と「9」は、整理券の方向によって見誤りやすいので、「六」と「九」という漢数字が使われることが多いようです。
 さて、びっくりしたのは岡山電気軌道のバスの整理券番号です。「16」が「1」と「六」を合わせて一つの文字に、「19」が「1」と「九」を合わせて一つの文字になっていました。「1」が人偏を思わせる書き方でしたから、一瞬「仇」という文字を連想してしまいました。
 「16」が逆になって「91」に見えても、「19」が逆になって「61」に見えても、実際には、そんなに大きな数字は、整理券では使われていませんから、格別の問題は起きないでしょう。私の住んでいる地域でも「六」「九」は使われていますが、二桁になった場合は「16」「19」です。
 岡山と同じような表示が行われている地域があったら、その情報をお知らせくださいませんでしょうか。

【写真は、2006年(平成18年)11月10日に、岡山市内で撮影】

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Okayama

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2007年1月 5日 (金)

言葉カメラ(01) 【右横書き】

右横書きの数字

 かつて『言語生活』という雑誌がありました。国立国語研究所の監修で、筑摩書房の発行でした。言葉に関して、肩の凝らない文章が載っていて、私は毎号、隅から隅まで読んでいました。この雑誌に「目」「耳」「カメラの散歩」というページがあって、読者の投稿に開放されていました。ちょっとした言語情報を持ち寄るという趣旨のもので、私は一時期、毎号のように、数行程度のメモのようなものを載せていただいたことがありました。
 「カメラの散歩」に初めて掲載していただいたのが、この写真です。阪急電鉄の六甲駅前(神戸市灘区)で撮りました。
 トラックなどに社名や商品名を書くときに、運転台から後ろに向かって書くということがありますから、右から始まる横書きは、今でも見かけます。けれども、それは漢字や仮名に限ってであって、数字やアルファベットは左からの横書きになっています。
 この建物は、この当時でも既に年季の入ったものでした。右からの横書きが当たり前であった時代の建物でしょう。それでも、数字の右横書きは珍しく、思わずカメラを向けたのでした。
 写真を撮った1964年(昭和39年)というのは、東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した年でした。東京だけでなく、全国が活気に満ちていました。この時、私は大学4年生でした。恥じらいからか、氏名の文字遣いを変えています。
【雑誌『言語生活』(筑摩書房発行)1964年(昭和39年)11月号、17ページ】

Yokogaki

 街角などで見かけた、言葉に関する写真を撮り始めてから、40年以上が経ちました。撮り貯めている状態のままで過ごしてきましたが、そろそろ整理してみたいと思うようになりました。もとより、系統的な整理はできませんが、方言に関する写真も含めて掲載していきます。

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2007年1月 4日 (木)

おもしろ日本語・ふしぎ日本語(04) 【カタカナ語】

カタカナ語の出自

 新年です。気持ちが改まると、言葉も改まります。新しい言葉に接すると、爽やかに感じることがあります。
 けれども、カタカナ語はあまり歓迎できません。カタカナ言葉の氾濫には眉をしかめてみせるマスコミも、それを自分たちで作ることには抵抗を感じないようです。
   ☆    ☆    ☆
 「『第2の敗戦』と呼ばれたバブル崩壊を少年期に迎え、『失われた10年』に大人になった若者たち。『ロストジェネレーション』。米国で第1次大戦後に青年期を迎え、既存の価値観を拒否した世代の呼び名に倣って、彼らをこう呼びたい。」
 [朝日新聞・大阪本社発行、2007年(平成19年)1月1日、13版、1ページ]
 「土地を生かし、消費の目を磨き、海外に活路を見いだす。家計のお金が市場に向かい、企業を変え、国を動かす『(家)イエコノミー』。日本経済に新たな好循環を生み出すカギも握っている。」
 [日本経済新聞・大阪本社発行、2007年(平成19年)1月1日、13版、1ページ]
   ☆    ☆    ☆
 どちらも大型企画の連載もののタイトルに使おうとしている言葉です。前者はかつてアメリカで使われた言葉であっても、これからの日本で広く使わせようとする意図が感じられます。後者は、日本語と英語を合わせた、怪しげな言葉ですが、社内では既に「イエコノミー取材班」を編成しているという熱の入れ方です。
 マスコミが大々的に使い始めた言葉は、結局は定着せざるを得ないのです。だからこそ、使い始めは慎重にと願いたいのです。
 カタカナ語の中には、誰が、いつ使い始めたのかわからないものも多くあります。言葉とはそのようなものです。ここにあげた2例は、言葉の出自や意図が明確に示されています。「ロストジェネレーション」と「イエコノミー」という2つの言葉が、今後の日本語にとって望ましい言葉か否かが議論されるとき、使い始めた者への賞賛もしくは非難には、きちんと対応してほしいと思います。

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2007年1月 3日 (水)

おもしろ日本語・ふしぎ日本語(03) 【「-」】

「-」の多用

 今回の話題は「-」という記号です。新聞から引用をします。原文はすべて縦書きです。
 長音を表す「ー」ではなくて、棒線の「-」です。新聞には、この記号が増えてきているように思います。
 実際の例を、元日の一紙の、主としてニュース面に限って引用します。
   ☆    ☆    ☆
①「リニューアルの方向性として、復興への新たな課題と情報の追記▽防災・減災に関する情報発信の追加▽ ……[筆者注・一部、中略]…… ▽分かりやすく、参加体験できる展示の展開-を示した。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、14版、3ページ]
②「ドングリで森をつくろう-。大観小学校(大明石町二)の三年生四十四人が、一年生の時にドングリから発芽させ、校内で育てた樹木で森をつくる計画を進めている。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、「明石」(地域版)、28ページ]
③「横綱を締めた親イノシシに、二頭の愛らしいうりぼう-。佐用町船越の船越山瑠璃寺に、今年も縦三・五㍍、横五㍍の大絵馬が登場し、参拝客らの目を引いている。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、29ページ]
④「絶体絶命の瞬間、山から一頭の巨大なイノシシが突然現れ、追手をけ散らした。難を逃れた清麻呂は、その後大任を果たし、道鏡の野心を打ち砕いた-。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、29ページ]
⑤「新年の年男、年女は千六十三万人-。総務省が三十一日発表した二〇〇七年一月一日現在の人口推計によると、『猪年生まれ』は男性が五百十七万人、女性は五百四十六万人で、総人口(一億二千七百七十三万人)に占める割合は8・3%だった。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、15版、30ページ]
⑥「きょうは第6朝刊まで、計96㌻の新聞をお届けします。新年がいい年になるように-との願いを込めました。」
 [神戸新聞、2007年(平成19年)1月1日、15版、30ページ]
   ☆    ☆    ☆
 ①は並列して述べた事柄に区切りをつける働き、⑥は引用的な事柄を受ける働きですが、これらは、従来は「、」(読点)で行ってきたように思います。
 ④は、昔の話を述べた部分に一区切りをつける働きです。「…」などで表記することから「-」に変化してきています。
 ②・③・⑤はいずれも記事の冒頭部分です。最初の一文で記事の方向を印象づけようとする意図が働いて、強調したり、余韻を残したりしようとしているのでしょう。②は、児童の気持ちを「 」(カギ括弧)を用いて表すことの代用かもしれません。③・⑤には「-」を使う必然性はないように思いますが、一文目と二文目以降とを区別したい(できれば、改行したいぐらいだ)という意識が働いているのでしょう。あるいは、冒頭の一文が体言止めとなる唐突さを緩和しようとしているのかもしれません。
   ☆    ☆    ☆
 新聞は、制約された字数で表現することが求められています。きびきびした文章にしようという努力が感じられます。
 けれども、その結果、体言止めの文や、尻尾を切り落としてしまったような文などが目につきます。このような文章表現は新聞記事だから通用するのであって、若い生徒や学生には、新聞の文章を見習ってほしくないと、私は考えています。
 「-」の使用も、これ以上に増えないようにと願っています。

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2007年1月 2日 (火)

おもしろ日本語・ふしぎ日本語(02) 【「を」】

語頭の「を」の復活

 関西で、元旦の新聞に登場する季節ニュースの定番の一つに八坂神社の行事があります。
 「新年の無病息災を祈る古都の年越し行事『をけら詣り』が、31日夜から元日の朝にかけ、京都市東山区の八坂神社であり、『をけら火』を求める参拝客でにぎわった。
 キク科の薬草『をけら』を燃やした火を、竹で編んだ『吉兆縄』に移して自宅に持ち帰り、雑煮を炊いて食べると、一年を健やかに過ごせるといわれる。」
 [読売新聞・大阪本社発行、2007年(平成19年)1月1日、13版、1ページ]
 現代仮名遣いでは、「を」という文字は格助詞だけに認められていると考えるのが普通でしょう。行事名とは言え、新聞のニュースに「をけら」という文字遣いが現れたのには驚きました。
 この記事では、『をけら詣り』の「詣」に「まい」というルビが、『吉兆縄』に「きっちょうなわ」というルビが施されています。古典仮名遣いを尊重するのなら、「詣り」のルビは「まゐり」としてほしかったので、画竜点睛を欠いている感は否めません。
   ☆    ☆    ☆
 他の新聞は、どうかというと、まだ語頭の「を」には抵抗があるようです。
 「新年の無病息災を願う『おけら詣り』が31日夜、京都市東山区の八坂神社であった。境内3カ所に並んだ灯籠にくべたキク科の薬草オケラに火がつけられると、参拝者は竹で編んだ『吉兆縄』に火を移し、消えないように気をつけながら持ち帰っていた。」
 [朝日新聞・大阪本社発行、2007年(平成19年)1月1日、13版、38ページ]
 この記事の『詣り』『灯籠』にルビがあって、「まい」「とうろう」と書かれています。
   ☆    ☆    ☆
 この行事を報じた新聞は、もう一つあります。
 「京都の大みそかの風物詩『おけら詣(まい)り』が、31日夜から元日の未明にかけて、京都市東山区の八坂神社で行われ、『おけら火』をつけた縄を持ち帰る参拝客らでにぎわった。境内の灯籠(とうろう)の火種に使われている『おけら』は胃を丈夫にする薬草。持ち帰った火で雑煮を煮て食べることで無病息災と招福を願う風習がある。」
 [産経新聞・大阪本社発行、2007年(平成19年)1月1日、14版、30ページ]
 こちらは、ルビではなく、本文に読みが書き加えられています。
   ☆    ☆    ☆
 おけら火を吉兆縄に移し、消えないようにぐるぐる回しながら持ち帰り、神棚の灯明や雑煮を作る火などに用いるという行事は、八坂神社だけのものですから、固有名詞と言ってよいのでしょう。
 けれども、固有名詞は「をけら詣り」と「をけら火」までで、薬草「をけら」は普通名詞のはずです。
 無病息災という言葉が3紙ともに共通してのは、神社から示された効能の言葉かもしれません。憶測するなら、神社が「をけら詣り」という文字を使っていて、新聞がそれを尊重したのかもしれません。
 この方向が進んでいけば、「男」や「岡・丘」や「折り紙」などが、「を」で始まる文字遣いになるかもしれないのですが、新聞記事に、そういうことは起こらないでしょうね、きっと。

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2007年1月 1日 (月)

おもしろ日本語・ふしぎ日本語(01) 【「初」】

「初」という文字

 新しい年が明けました。「初日」を拝んで、一年が始まります。昨日と変わらない景色でも、新年の気持ちで眺めたら「初景色」です。年賀状として戴く「初便り」が届く時を待ちかねて、心わくわくです。年の初めの「初詣」は、私はいつも、氏神である住吉神社(明石市魚住町)に詣ります。ここには、万葉集の笠金村の歌碑があります。
 デパートなどの「初市」は健在でも、幟をはためかせた「初荷」という情景は見かけることが少なくなりなりました。情緒などよりも経済が優先されて、正月風景は様変わりしています。それでも、人みな心改まるときに、今年も「初夢」だけは大きく見たい(持ちたい)と思います。
   ☆    ☆    ☆
 先日の新聞で、こんな文章を見ました。
 「フィギュアスケート世界選手権(07年3月、東京)の代表選考を兼ねた全日本選手権の最終日は29日、名古屋レインボーアイスアリーナで女子自由があり、浅田真央(愛知・中京大中京高)が自由でも高得点の演技をし、計211.76点で初優勝した。」
 [朝日新聞・大阪本社発行、2006年(平成18年)12月30日、13版、12ページ]
 スポーツの大会でも、芸術のコンクールでも、優勝を約束されている人は多くないと思います。そのような中での「初優勝」であり、2回目以降も優勝する可能性が高いという判断で、使った言葉だろうと思います。
   ☆    ☆    ☆
 「初」というのは、初めてであるという意味です。それを細かく言うと、①その年や季節にとって最初であるという使い方と、②その人や物事にとって初めてであるという使い方があると思います。
 「初日」や「初詣」は①の使い方であって、毎年、繰り返されることです。「初優勝」は②の使い方であって、「初…」があっても、「二度目の…」はないことがあります。
   ☆    ☆    ☆
 「二度目」がない場合に「初」を使うのはおかしいと思います。「初優勝」は、後になって、二度、三度と同じことが繰り返された場合に、初回のことを指して言うべき言葉だと思うのです。「V1」とか「V2」というのと「初優勝」というのは、異なった意味合いを持っているはずです。
 浅田選手を称える(あるいは、待ち望んだことが実現した)という気持ちが「初優勝」の言葉に表れてしまったのでしょう。
   ☆    ☆    ☆
 というわけで、これが私の今年の「初原稿」です。

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【あけましておめでとうございます】

  新しい年が明けました。おめでとうございます。2007年(平成19年)の開幕です。今年もよろしくお願いします。

 昨年8月以来、1日に1つずつ掲載してきました。何回かのシリーズであることが原則です。今のところ、一回限りのものはありません。その題名には番号を付けていますが、初回を(1)としたのは10回に満たない連載、(01)としたのは100回に満たない連載、(001)としたのは100回以上を目指した連載です。断続的に連載を続けます。

 全体のタイトルの「国語教育を素朴に語る」は、東京法令出版の雑誌「月刊国語教育」に連載している文章のタイトルをそのまま使っています。開設当初は、その連載を転載しました。それ以外のものを載せるようになってからも、タイトルはそのままにしています。

 お読みくださって、ご意見やご感想があれば、ブログに書き込んでくださっても結構ですが、私信の形でお書きくださる場合は、次のアドレスにお願いします。     kokugo.kyoiku@gmail.com
 メールをいただいた場合には、必ずご返事を差し上げます。

 公開している文章を転載・紹介してくださることは差し支えありません。ただし、その旨をお知らせくださるようお願いします。

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