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2007年2月13日 (火)

ゆったり ほっこり 方言詩(13) 【せこい】

せこい            多田千鶴

おじいちゃん
おばあちゃんのお墓まいり
ふと思い出した

「せこい」
と言い、はしゃぎ遊びまわっていた幼いころを
妹と比較され
「せこい」
と言い、いじけていた昔を

おじいちゃん おばあちゃん
もう何年になるだろう
「せこい」
と言って皆を心配させてしまったのは…

今ではもう
会うことも話すこともできないが
あの時 皆で笑ったことは
この先ずっと忘れないよ
           [方言取材地……徳島県名西郡石井町]

[たちばな氏の立ち話]
 「せこい」は、共通語では〝けちくさい。みみっちい〟という意味で、関西では〝ずるい〟という意味も加わっています。徳島に思い出がある作者は、〝疲れた。しんどい〟という注を付けています。関西に住む者から見れば、〝ずるい〟という意味のように誤解しそうになりますが、そうではないのです。
 『日本方言大辞典』(小学館、1989年刊)を見ると、「せこい」は、①仕事などが難儀だ、苦しい、つらいという意味で使う地域として岡山・徳島・香川・愛媛・高知、②息苦しいという意味で使う地域として兵庫県淡路島・徳島、③生活が苦しいという意味で使う地域として香川、④努力が徒労に終わってばからしいという意味で使う地域として徳島、⑤許しがたいという意味で使う地域として徳島、⑥忙しいという意味で使う地域として香川が挙げられています。意味に変化はありますが、これらの方言的意味は四国(とその周辺の一部)に特有のようです。
 もはや会うことができない祖父や祖母ですが、作者の胸の中では一つの方言の言葉とともに生き続けているのです。

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