« 2007年2月 | トップページ | 2007年4月 »

2007年3月31日 (土)

【掲載記事の一覧】

 ブログをお読みくださってありがとうございます。
 これまでに連載した内容について、コメントを添えてご案内します。
 お読みくださって、感想・意見・連絡などがありましたら、
       kokugo.kyoiku@gmail.com
  宛に、よろしくお願いします。

◆国語教育を素朴に語る (01)~(34)~継続予定
    [2006年8月29日から、2006年10月1日まで掲載しました。]
 雑誌『月刊国語教育』(東京法令出版)に毎月連載している、中学校・高等学校の国語科教員向けの文章です。現在のところ、2007年(平成19年)6月号までの執筆を終えました。それが連載42回目にあたります。このブログのタイトルは、その題名をそのまま使っています。明日・4月1日から、次の6回分を掲載します。

◆相手を思いやる姿勢と、自分を表現する力 (1)~(3)
    [2006年10月2日から、2006年10月4日まで掲載しました。]
 雑誌『兵庫教育』(兵庫県教育委員会)に掲載した、教員向けの文章です。

◆学力づくりのための基本的な視点 (1)~(7)
    [2006年10月5日から、2006年10月11日まで掲載しました。]
 雑誌『月刊ホームルーム』(学事出版)に掲載した、学級(ホームルーム)を担当している教員向けの文章です。

◆兵庫県の方言 (1)~(4)
   [2006年10月12日から、2006年10月15日まで掲載しました。]
 ラジオ関西で放送したものの原稿です。時間は30分間で、対象は高齢者(と一般聴取者)です。

◆教員志望者に必要な読解力・表現力 (01)~(18)
    [2006年10月16日から、2006年11月2日まで掲載しました。]
 雑誌『教職課程』(協同出版)に掲載した、教員志望者(学生など)向けの文章です。

◆これからの国語科教育 (1)~(6)
    [2006年11月3日から、2006年11月8日まで掲載しました。]
 高等学校国語科教員向けの講座(兵庫県教育委員会)で話した内容をまとめました。

◆高校生に語りかけたこと (01)~(29)
    [2006年11月9日から、2006年12月7日まで掲載しました。]
 自家版『ことば旅3』からの転載です。いろんな機会に高校生に向かって話したことを集めたものです。

◆高校生に向かって書いたこと (01)~(15)
    [2006年12月8日から、2006年12月22日まで掲載しました。]
 自家版『ことば旅3』からの転載です。いろんな機会に高校生に向かって書いたことを集めたものです。

◆六甲の山並み[言葉つれづれ] (01)~(04)~継続予定
   [2006年12月23日から、2006年12月26日まで掲載しました。]
 書き下ろしです。折に触れて言葉に関して考えたことです。この連載は、時々、再開する予定です。

◆神戸圏の文学散歩 (01)~(05)~継続予定
   [2006年12月27日から、2006年12月31日まで掲載しました。]
 雑誌『月刊国語教育』(東京法令出版)に、年2回のペースで連載しているものです。カラーグラビアに文章を添えて4ページ構成です。1回につき30枚以上の写真を載せますから、取材・撮影にも時間がかかります。①明石、②須磨、③有馬、④高砂、⑤尼崎、⑥生田・布引が掲載済みで、次は⑦芦屋を取材中です。

◆おもしろ日本語・ふしぎ日本語 (01)~(04)~継続予定
    [2007年1月1日から、2007年1月4日まで掲載しました。]
 書き下ろしです。新聞・雑誌などの文章の事例に基づいて、感じたことを書き綴ります。この連載は、時々、再開する予定です。

◆言葉カメラ (01)~(51)~継続予定
    [2007年1月5日から、2007年1月31日まで掲載しました。]
    [2007年2月21日から、2007年2月28日まで掲載しました。]
    [2007年3月16日から、2007年3月31日まで掲載しました。]
 書き下ろし(撮りおろし)です。言葉に関する写真にコメントを添えています。
 1冊の本にまとめられたら嬉しいと思っています。まだまだ材料はいっぱいあります。

◆ゆったり ほっこり 方言詩 (01)~(35)~継続予定
    [2007年2月1日から、2007年2月20日まで掲載しました。]
    [2007年3月1日から、2007年3月15日まで掲載しました。]
 方言で書かれた詩や、方言にまつわる詩です。学生たちが書いた作品を紹介しています。

【掲載記事の一部変更】
 2007年3月10日の「ゆったり ほっこり 方言詩(30) 【きんさい】」の記事に、写真を追加しました。

≪著作の紹介(その2)≫
 『現代文演習 評論問題の解法』
  1994年(平成6年)12月1日
  桐原書店・発行
  B5判 本体79ページと、解説・解答書56ページ
    ISBN:4-342-74810-X

Photo_89

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

| | コメント (0) | トラックバック (0)

言葉カメラ(51) 【佐用】

佐用は「さよ」か「さよう」か

 兵庫県佐用郡佐用町は、JR姫新線と智頭急行とが交わる交通の要衝です。町は、周囲を山に囲まれた盆地にあり、晩秋から冬にかけての早朝、町は霧に覆われます。大撫山から望む朝霧は、「佐用の朝霧」として知られています。
 さて、この町の名前の読み方は、「さよ」と「さよう」に分かれています。1枚目の写真は、JR佐用駅の駅名板で、2枚目の写真は、智頭急行佐用駅の駅名板です。どちらも「さよ」です。ところが、町へ出てみると、「星の都・さよう」というのに出会います。3枚目の写真と4枚目の写真がそれです。マンホールの蓋などは町の行政と関係があるでしょうから、「さよう」が公式の呼び方なのかと思いますが、町のホームページを見ると、メールアドレスが machizukuri@town.sayo.lg.jp となっていて、「さよ」です。
 佐用郡佐用町は、2005年(平成17年)10月1日、佐用郡内の佐用町・上月町・南光町・三日月町が合併し、新たに発足しました。
 長崎県佐世保(させぼ)市について、「サセボも、サセホも、ホボ(おおよそ)同じ」という冗談めいた言葉があります。佐用について、「サヨでも、サヨウでも、どっちでも、ええねん。」と言われたら、「ああ、サヨか(左様か)。」と言いたくなります。

【1枚目の写真は、2002年(平成14年)9月1日に、2・3・4枚目の写真は、2003年(平成15年)7月22日に、いずれも兵庫県佐用郡佐用町内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

【「言葉カメラ」は今回で、いったん終わります。続きはいずれ、そのうちに再開します。】

Photo_84 Photo_85 Photo_86 Photo_87

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月30日 (金)

言葉カメラ(50) 【むしたん】

そのものずばり、よくわかる

 写真は2枚とも同じ店のものです。「蒸し薩摩芋」とか「蒸し鳴門金時」とかいう堅苦しさに比べて、なんとも嬉しい名付け方です。日常の話し言葉では「蒸したん」というような言い方をするのに、文字になったら改まってしまうのが普通です。「ん」(または「の」)は準体助詞です。この店で、ホッとするような書き言葉に出会いました。ともかく、よくわかる言葉です。1グラムが1円という値段もほのぼのしています。そのくせ、「アイテム」などという外来語を使っているのはご愛嬌です。

【写真は2枚とも、2003年(平成15年)4月18日に、大阪市西区内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_82 Photo_83

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月29日 (木)

言葉カメラ(49) 【からっぽやみ】

「からっぽやみ」など

 小樽の商店街を歩いていると、「おもしろ小樽弁」の垂れ幕がありました。
 1枚目の写真の「からっぽやみ」は、他の地域の人には通じにくい言葉だろうと思います。『日本方言大辞典』(小学館、1989年刊)によれば、「からほねやみ」を、〔骨惜しみをする者〕という意味で使う地域として、岩手、秋田、青森が挙げられています。その発音が変化したものが、東北地方などにあるようですが、北海道では「からっぽねやみ」「からっぽやみ」になる地域があるようで、小樽は「からっぽやみ」なのですね。
 2枚目の写真の「いいふりこき」は方言には違いありませんが、〔良い振りをする人〕ですから、意味は難解ではありません。
 3枚目の写真の「へっちゃら」は共通語であるように思うのですが、発音とかアクセントとかに方言的特徴があるのでしょうか。後ろに見える「ごんぼほる」は東北、北海道でよく使われる方言のようです。

【写真は3枚とも、2001年(平成13年)6月18日に、北海道小樽市内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_79 Photo_80 Photo_81

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月28日 (水)

言葉カメラ(48) 【市街・町街】

「市街」と「町街」

 市の中心部を「市街」と呼ぶのに抵抗感はありませんが、町の中心部を「市街」という例もあちこちで見かけます。合併によって今は市となっているけれども、撮影時には町であったという例を紹介します。
 1枚目の写真は、当時は津名町、現在は淡路市です。「津名市街」と書いています。淡路市は、津名郡内の津名町、淡路町、北淡町、一宮町、東浦町が合併して2005年(平成17年)4月1日に発足し、市庁舎は旧・津名町内にあります。
 2枚目の写真は、当時は社町、現在は加東市です。「社町街」と書いています。加東市は、加東郡内の社町、滝野町、東条町が合併して2006年(平成18年)3月20日に発足し、市庁舎は旧・社町内にあります。(おもしろいことに、旧・加東郡社町のホームページは現在も残されています。)
 道路番号の表記からもわかるのですが、1枚目の写真は兵庫県道に設置されていたもので、2枚目の写真は国道に設置されていたものです。県と国の考えの違いなのかどうかはわかりません。

【1枚目の写真は、1999年(平成11年)9月7日に、兵庫県津名郡津名町(現在は、淡路市)内で撮影。2枚目の写真は、1999年(平成11年)8月30日に、兵庫県加東郡社町(現在は、加東市)内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_77 Photo_78

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月27日 (火)

言葉カメラ(47) 【電車道】

「電車道」

 「電車道」という言葉で、私が思い浮かべるのは、〔路面電車が走っている道路〕です。あるホームページを見ていたら、京阪電鉄の大津市内の路面軌道(電車・自動車併用)について「玄関先をかすめながら、狭い電車道を2両編成の電車が静々と通ります。」と書いてありました。私の語感にびったりでした。
 ついでながら、私の祖母は、昭和20~30年代に、鉄道線路のことを「てっとーみち」(鉄道道)と言っていました。国鉄(当時)の山陽本線は、西明石駅までが電化され、それ以西は蒸気機関車が活躍していました。小学生だった私は「てっとーみち」の近くで土筆を摘んだ記憶があります。
 『広辞苑』を見ていたら、「電車道」に〔相撲で、立ち合いから一直線に押されたり寄られたりして、そのまま土俵の外に出されること〕という説明がありました。路面電車に関することが書かれていないのを、もの足りなく思いました。
 ついでながら、『精選国語辞典・新訂版』(明治書院、1998年10月20日発行)を見ていて、「電車」という見出しがないことに気づきました。「殿舎」という見出しはあるのに「電車」はないのです。
 長い前置きになってしまいました。さて、……
 淡路島の三原町(当時)のあたりを歩いているときに、写真のような案内に出会いました。道路工事をしているから、通れない箇所があるというお知らせです。その中に「電車道」という言葉がありました。
  「言葉カメラ(29)」の[駅前]でも書きましたが、淡路交通の電車は1966年(昭和41年)9月に廃止されました。たぶん、その線路跡なのでしょうが、今は立派な舗装道路になっています。〔電車の走っていた跡を道路にしたもの〕を「電車道」と言っているようです。「駅前」と同様に、ここでも、電車の記憶は長く残り続けているのです。

【写真は、2000年(平成12年)6月12日に、兵庫県三原郡三原町(現在は、南あわじ市)内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_76

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月26日 (月)

言葉カメラ(46) 【アカンずきん】

「あ缶」と「アカンずきん」

  「言葉カメラ(15)」の[あかん]の続きです。
 1枚目の写真は、前項と同じ趣旨のものですが、あちらこちらにあるものの例として紹介します。飲み物の容器の投げ捨てをたしなめているのです。
 2枚目の写真は、煙草に関するものです。吸い殻の投げ捨てはもちろん厳禁ですが、その上に、歩きながら煙草を吸うことを咎めています。「赤頭巾」が登場しなければならない必然性は強くないのですが、それでも広報の効果はあると思います。
 いずれにせよ、関西で使われる禁止の言葉は、なんといっても「あかん」が主流です。

【1枚目の写真は、2003年(平成15年)5月15日に、兵庫県芦屋市内で撮影。2枚目の写真は、2007年(平成19年)1月14日に、大阪市西区内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_74 Photo_75

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月25日 (日)

言葉カメラ(45) 【仮名ばかり】

仮名ばかりの店名

 1枚目の写真の、平仮名の店名「へのへのもへの」は、店名だけから業種を判断できなくても、誰でも知っている言葉です。
 2枚目の写真の、カタカナの店名「トノワキテントテン」は、一瞬、何だろうと思いますが、脇に「テント」「シート」という文字が見えます。「とのわき」さんという屋号(苗字)の「テント」を扱う「店」ということです。カタカナばかりの店名ですが、言葉にリズムを感じます。

【1枚目の写真は、2000年(平成12年)6月4日に、京都市中京区内で撮影。2枚目の写真は、2000年(平成12年)8月31日に、兵庫県洲本市内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_72 Photo_73

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月24日 (土)

言葉カメラ(44) 【なんやしゃんけど】

「なんやしゃんけど」

 51回目を迎えた丹波篠山デカンショ祭のポスターと、それを伝える新聞記事に、「なんやしゃんけど」という言葉が使われていました。実は、この催しは撮影した日よりも前に終わっていたようです。1枚目の写真は、丹波地域を中心に張り出されていたポスターです。2枚目の写真は、氷上郡柏原町(当時)にある丹波新聞社に掲示されていた新聞紙面を撮影したものです。
 「なんやしゃんけど」というのは、なぜだか知らないけれど、という意味です。「知らん」を「しゃん」と発音するところに郷土色を強調しようとしているのでしょう。このキャッチフレーズは、この年に作られたもののようですが、その後も使われ続けているのかどうかは知りません。

【1枚目の写真は、2003年(平成15年)8月22日に、兵庫県三田市内で撮影。2枚目の写真は、2003年(平成15年)8月22日に、兵庫県氷上郡柏原町(現在は、丹波市)内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_70 Photo_71

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月23日 (金)

言葉カメラ(43) 【制服・制帽】

「制服・制帽」

 「関係者以外立入禁止」とか「係員以外は手を触れないでください」とかいう表現はよく見かけます。ところで、阪神電鉄西大阪線の西九条駅(終点)で見かけた禁止札は、具体的な表現でした。
 鉄道の場合、勤務中の人は「制服・制帽」が原則でしょう。この「制服・制帽」は、係員というのと同義で、それを具体的な姿・形で表現したものなのか、あるいは、それ以外の意味を込めているのかはわかりませんでした。
 「軌道内」を通行すると事故を心配しなければなりません。禁止札の有無にかかわらず、軌道内に入ってはいけないことは、誰もわかっているでしょう。一方、「通路」というのは、現在、使っていないホームの方へ行かないようにという呼びかけであるように思います。
 なお、阪神電鉄は西大阪線の延伸工事を行っています。2009年(平成21年)4月頃には阪神西九条駅と近鉄難波駅の間が結ばれて、それを介して三宮(神戸市)と奈良の間に直通電車が走る予定になっています。

【写真は、2003年(平成15年)5月11日に、大阪市此花区内で撮影。】

Photo_69

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月22日 (木)

言葉カメラ(42) 【飛砂、落雪】 

「飛砂」「落雪」の注意

 1枚目の写真は、久里浜海岸を走る道路脇に立っていたものです。風の強い日には、海岸の砂が舞い上がって人や車の進行を妨げるのでしょう。
 2枚目の写真は、民家の軒下で見つけました。訪問者が玄関を開けようとしたときに、庇から不意に雪がなだれ落ちる風景を想像してしまいました。
 どこででも見られるものではなく、それぞれの地域らしさを感じます。

【1枚目の写真は、1999年(平成11年)11月16日に、神奈川県横須賀市内で撮影。2枚目の写真は、1999年(平成11年)9月29日に、北海道旭川市内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_67 Photo_68

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月21日 (水)

言葉カメラ(41) 【右横書きの英単語】

右横書きの英単語

  「言葉カメラ(01)」の[右横書きの数字]との関連です。
 車体の進行方向右側に書かれている文字は、漢字や仮名書きの場合は、右横書きも珍しくありませんが、英単語の右横書きに出会うと、珍しさよりも異様さを感じてしまいます。左からたどると、英単語でないような文字の並び具合であるからでしょうか。

【写真は、2000年(平成12年)5月23日に、兵庫県洲本市内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_66

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月20日 (火)

言葉カメラ(40) 【いってらっしゃい】

「いってらっしゃい」「おかえりなさい」

 スペースの有効利用ということでしょうか、駅も車両も広告であふれているというのが、鉄道の姿です。都心では、階段にも広告を貼り付けている駅が多くあります。
 柘植駅は、JR関西線と草津線の分岐駅です。関西線(柘植以西)と草津線は大阪近郊区間に含まれますが、伸びやかな風景が広がっていて、心が安まる車窓風景です。
 駅の階段にも心遣いがありました。「いってらっしゃい」「おかえりなさい」という言葉に、こんな場所で出会うとは思いがけないことでした。地元の人に向かってだけではなく、旅人にも優しく語りかけているように感じました。
 この地域は、2004年(平成16年)11月1日に、上野市、阿山郡伊賀町、阿山町、大山田村、島ヶ原村、名賀郡青山町の6市町村が合併して、伊賀市が誕生しました。

【写真は2枚とも、2000年(平成12年)9月3日に、三重県阿山郡伊賀町(現在は、伊賀市)内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_64 Photo_65

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月19日 (月)

言葉カメラ(39) 【駅前駅】

「駅前」という名の駅

 京福電鉄の嵐山本線と北野線は「嵐電(らんでん)」という名前で、京都市民にも観光客にも親しまれています。この電車の駅名は、西院(さい)、蚕ノ社(かいこのやしろ)、太秦(うずまさ)、帷子ノ辻(かたびらのつじ)、有栖川(ありすがわ)、車折(くるまざき)、御室(おむろ)、竜安寺道(りょうあんじみち)など、由緒ある名前や、読み方の難しい名前があります。
 この嵐電の全線の駅名のうち7つが、今日・3月19日から改称されます。三条口→西大路三条、太秦→太秦広隆寺、車折→車折神社、高雄口→宇多野、御室→御室仁和寺、竜安寺道→龍安寺。そしてもう一つあります。
 駅の名前に「駅前」と付いていたのは、昔は珍しくありませんでした。鉄道の駅の近くに、軌道(路面電車など)の「◯◯駅前」というのが、あちらこちらにありました。嵐電にも「嵯峨駅前」という名の駅がありましたが、今日から「嵐電嵯峨」になります。
 1枚目の写真は、「嵯峨駅前」の駅名板です。この駅から「徒歩2分」のところに、JR山陰線(この地域での愛称は嵯峨野線)の嵯峨嵐山駅と、嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅とがあります。なお、嵐電嵯峨駅(改称後の名称)と、西隣の嵐山駅(この線の終点)との駅間距離はわずか0.3キロメートルです。2枚目の写真には、「嵯峨駅前駅のりば」という文字が書かれています。3枚目の写真は、JRの嵯峨嵐山駅です。もともとは嵯峨駅でしたが、1994年(平成6年)9月4日に嵯峨嵐山駅に改称されました。

【写真は3枚とも、2001年(平成13年)9月24日に、京都市右京区内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_59 Photo_60 Photo_61

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月18日 (日)

言葉カメラ(38) 【後導】

後ろから導く

  「言葉カメラ(35)」の[後押車]との関連です。
 何台ものバスを連ねて旅行団を組む場合には、バスの先頭に乗用車の「先導車」が付くことがあります。
 荷台の長いトラックの場合は、後続の車が追い越しをしようとして、追い越しきれずに、事故が起こるおそれがあります。トラックなどの後ろについて、注意を促していることを「後導中」と言っているのでしょう。後ろから導くというのは、言葉遣いとしてはおかしいと思いますが、意味はよくわかります。

【写真は、2000年(平成12年)1月30日に、兵庫県明石市内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

__1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月17日 (土)

言葉カメラ(37) 【入三】

大阪の専売特許でない?

 大阪では、「上本町六丁目」を「上六」、「天神橋六丁目」を「天六」、「日本橋一丁目」を「日本一」というような略称で呼び慣わしています。大阪市営地下鉄の谷町線では、谷町四丁目駅、谷町六丁目駅、谷町九丁目駅が連続しますから、短く「谷四」・「谷六」・「谷九」と言うのが能率的です。
 こんな言い方は大阪特有のようにも感じられていますが、東京にもありました。1枚目の写真は、「入舟三丁目」が「入三」になっています。東京では、このような言い方がどれぐらい広まっているのでしょうか。単に文字遣いの上での略記なのか、実際に「いりさん」と言っているのか、わかりません。この写真は、東京駅から佃島の方へ歩いている途中で撮ったように記憶しています。
 参考までに、2枚目の写真として、日本橋一丁目が「にほんいち」となっている例を添えておきます。

【1枚目の写真は、1999年(平成11年)8月26日に、東京都中央区内で撮影。2枚目の写真は、2000年(平成12年)4月21日に、大阪市中央区内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_57 Photo_58

| | コメント (0)

2007年3月16日 (金)

言葉カメラ(36) 【じばん】

襦袢が「じばん」に

 手術という言葉は言いにくいので、「しじつ」になることがあります。同様に、襦袢は「じばん」になります。拗音の「しゅ」・「じゅ」を、「し」・「じ」に置き換えてしまうのです。言葉の省エネルギーです。手術は、もう一歩すすんで「しうつ」になることもあります。

【写真は、2003年(平成15年)6月20日に、兵庫県小野市内で撮影。】

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_56

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月15日 (木)

ゆったり ほっこり 方言詩(35) 【まいど、おおきに】

接客           多田千鶴

いらっしゃいませ
ありがとうございました
またお越しくださいませ

そこに心があるかはわからない
だがお客様は神様ですと言われる今の時代
営業する上で忘れてはならない言葉なのだろう

しかし私は
まいど
おおきに
また来てな
この言葉のほうが好きだ
スーパーや百貨店にはない言葉
自然と会話もはずみ
まるで言葉のキャッチボール
敬意よりも感謝を感じる
そこが良いのだ
           [方言取材地……大阪府枚方市]

[たちばな氏の立ち話]
 いろんな接客の場で使われている言葉が批判されることがあります。社員やアルバイターの教育のためにマニュアルを作っているのですが、教育を受けた方は、場面などを考えずに一律に使ってしまって、場違いを指摘されることも多いようです。言葉は心のありようが表にあらわれたものです。相手に対する気持ちを素直に表現した言葉が、相手に好印象を与えるのです。
 「まいど、おおきに、また来てな」というような言葉は、片言のように聞こえたり、あらっぽく聞こえたりすることもあるでしょうが、使い方しだいで、お互いの心を結び合わせる働きが強まるのですね。

【「ゆったり ほっこり 方言詩」は、今回でいったん一区切りとし、いずれ再開することにします。】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月14日 (水)

ゆったり ほっこり 方言詩(34) 【ぎょうさん】

おばあちゃん       竹中亜華梨

ぎょうさん 持っといでぇ
ぎょうさん  あげよか?
おばあちゃんがよく言っていた。
『ぎょうさん』
絶対、私は使わんけど
なんか耳に残る
『ぎょうさん』
           [方言取材地……神戸市北区]

[たちばな氏の立ち話]
 たくさんという意味をあらわす言葉は、私の場合は、「ぎょうさん、ようさん、ようけ、やっと」などです。ぎょうさんは、漢字で書けば「仰山」ですが、日常語としては関西を中心にして使われているのでしょう。
 詩の作者自身は使わない言葉であっても、「なんか耳に残る」というのは、この言葉の持つ意味や語感に心が動くからでしょう。「絶対、私は使わんけど」と言いながら、いつかこの言葉を使っている自分に驚くときが来るかもしれません。言葉の伝承とは、そのようなものであると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月13日 (火)

ゆったり ほっこり 方言詩(33) 【なーもない】

自然          [匿名]

久しぶりに帰ってきたけど
やっぱり田舎はいいね。
空気も澄んでるし
都会の雑踏とは違う。
けど、ちょっと どっか行こうかな…。
「ここら辺 何かある?」
「ナーモナインヤデー…」
うん。
もう少し自然に触れておこう。
ナーモなくとも
自然はあるんやし。
           [方言取材地……福井県勝山市]

[たちばな氏の立ち話]
 都会生活の便利さや賑やかさに慣れた人には、田舎は物足りなく感じることがあるでしょう。けれども、半世紀前は、日本全国「ナーモナイ」という状況だったのです。「ナーモナイ」という言葉が、田舎の良さ、自然のありがたさを表していると思います。日本人(あるいは、世界の人たち)が、今、何を加速度的に失いつつあるのかということを、何もないように見える田舎が教えてくれているように思います。「ナーモなくとも 自然はあるんや」という「自然」の中には、人間の心も含まれているのだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月12日 (月)

ゆったり ほっこり 方言詩(32) 【言いな】

言いな         [匿名希望]

友達と喋ってるとき
「早よ言いな」って言うと
これは「早く言って」っていう意味。
でも
「そんなん言いなやー」って言うと
「そんなん言うのやめとき」って意味。
むつかしいわぁ~。
           [方言取材地……兵庫県高砂市]

[たちばな氏の立ち話]
 アクセントひとつで意味が逆転することは、便利ですが、難しいものです。これは慣れるしかないと思います。
 けれども、ちょっと理屈っぽいことを述べます。命令表現のうち、一般的なのは「言え」(動詞の命令形)ですが、きつく響いてしまうことを気にするときは「言い」(連用形)を使います。その「早よ 言い!」に、誘いかける気持ちを表す助詞「な」が付いているのです。
 禁止表現は、一般的なのは「言うな」ですが、これも響きを弱めると「言いな」になるのです。
 言葉は、口に出すときの心のありようが大切なのですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月11日 (日)

ゆったり ほっこり 方言詩(31) 【あほぉ】

平和         [匿名=N・A]

平日の夕方
母との二人だけの会話
何しゃべっとったっけ……
内容は覚えていない
でも
「あほぉ」
……
笑ってしまった
面白い話をしていたのではない
ただ何となく
母の何気ないツッコミが
平和やなぁと感じた
           [方言取材地……兵庫県神戸市]

[たちばな氏の立ち話]
 「あほぉ」という文字から、ちょっと間延びしたような物言いが伝わってきます。関西言葉のアクセントで口にする「あほぉ」は、たしなめるような気持ちが含まれていることもありますし、ちょっとした照れ隠しに使うこともありますし、その他いろいろ、複雑です。お互いのやりとりの文脈の中で、さまざまな意味をあらわします。「あほぉ」と言われたときに、どう返答したらよいのか迷うこともあります。笑って切り抜けるのも一つの方法かもしれません。
 こういう複雑怪奇な(?)言葉を持っているということこそ、関西文化の奥深さなのかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月10日 (土)

ゆったり ほっこり 方言詩(30) 【きんさい】

いってきます      [匿名=C・N]

「おはよう」
「今日も寒いでぇ
 道路は凍っとるけぇ
 こけんように気をつけて
 学校行くだでぇ」
「うん、じゃあ行ってきます」
「気をつけて行ってきんさい
 今日はあったかいもん作って
 待っとるけぇ」
           [方言取材地……鳥取県八頭郡八頭町]

[たちばな氏の立ち話]
 家族との対話でしょうが、ほのぼのとした雰囲気が伝わってきます。こんなときは、やっぱり方言の世界です。改まった言葉を使ったら、この気持ちはあらわしにくいのではないでしょうか。地域の言葉を壊さないように、逃がさないように使いたいと思います。
 かつての同僚に岡山県北部出身の方がおられて、「早うしんさい」とか「この本、読んでみんさい」とかいう言葉をしばしば聞いていましたから、私にとっては「行ってきんさい」という表現も、懐かしく聞こえます。

【写真は、2003年(平成15年)7月22日に、岡山県英田郡大原町(現在は、美作市)内で撮影。】
 智頭急行の大原駅で見かけたポスターです。「来んさい! 見んさい! 踊りん祭!」という言葉は、方言の言い回しを活用しながら、「祭」との掛詞にもなっていて、出来の良さに感心しました。
 大原町(岡山県美作市)-智頭町(鳥取県八頭郡)-八頭町(鳥取県八頭郡)は、智頭急行とJR因美線で結ばれている町です。

≪画像をクリックしてください。大きくて鮮明な画像になります。≫

Photo_88

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 9日 (金)

ゆったり ほっこり 方言詩(29) 【なぁよ】

なぁよ        [匿名希望]

免許合宿で和歌山の海南に行ってん
車運転しとったら教官に
「次 右に曲がりなぁよ」
って言われてんけど……
「なぁよ」って何のことかわからんかった
後でわかったんやけど
「次 右に曲がって」
ってことやったみたい
           [方言取材地……和歌山県海南市]

[たちばな氏の立ち話]
 特別に難解な言葉でなくても、ふと耳にした言葉の意味がわからないということは、よくあります。しかも、アクセントが異なっていたりするとなおさらです。
 この詩の場合、文字で書いてしまうと、なんでもないように見えるのですが、初めて聞いたときには「わからんかった」のですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 8日 (木)

ゆったり ほっこり 方言詩(28) 【めっさ】

勉強          [匿名希望]

ほんま めっさ嫌やぁ
ごっつやる気ないわー
これやったら絶対頭痛なんねんなぁ
けどやっぱ自分のためになることやんなぁ
それに努力していい結果でたらめっさ嬉しいしなぁ
頑張ろぉ
           [方言取材地……兵庫県尼崎市]

[たちばな氏の立ち話]
  作者の注によれば、「めっさ」は、とても、すごくの意味で、「めっちゃ」が変化した形だそうです。「めっちゃ」や「むっちゃ」は比較的に新しい言葉だと思います。「めっちゃ」が「めっさ」になるということから類推すれば、「むっちゃ」は「むっさ」になるのでしょうか。滅茶苦茶、無茶苦茶は「茶」という文字を使っていますから、「茶」が「さ」という音に転じてもおかしくないのだろうか、などと考えてしまいました。
 関西弁の「ごっつ」は、大きいという意味の他に、とても、すごくという副詞の働きがあって、この詩の言葉はその用法です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 7日 (水)

ゆったり ほっこり 方言詩(27) 【いけん】

異文化コミュニケーション   黒田麻由

海外のホームステイに行ったとき
折り紙で鶴を作ってあげた
子どもは不思議そうに見つめていたけど
できたての鶴を手にとりまるめて
遊びだす
思わず私は「いけん、いけん」
ホストマザーもつられて
「IKEN IKEN!」
これも一つの異文化コミュニケーションかも
         [方言取材地……鳥取県鳥取市(旧・気高郡鹿野町)]

[たちばな氏の立ち話]
 折り鶴の扱い方がよくないと思って、思わず作者が口にしたのが「いけん」という言葉だったのでしょう。ホストマザーはそれを方言だとは夢にも思わないから「IKEN」という言葉を真似たのでしょう。
  大阪に住む外国人が関西弁に染まるのと同様に、海外に鳥取弁を伝えたなら、まさに異文化コミュニケーションです。
 十年以上も前になりますが、NHKの日本語講座のテキストを買ったことがありました。その中の例文に、謝るときの言葉を「すいません」としていたのに驚いたことがあります。外国の人に「すみません」でなく、発音の崩れた「すんません」を教えようとしていたのです。それなら、「いけん、いけん」を教えてあげることを気にする必要はありませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 6日 (火)

ゆったり ほっこり 方言詩(26) 【かなん】

かなん           中澤敦美

冬は寒うて
かなんなぁ
手が
冷とうなって
かなんなぁ
冬ってほんまに
なんぎやなぁ
           [方言取材地……兵庫県明石市]

[たちばな氏の立ち話]
 今年の冬は暖冬で、地球温暖化を心配しなければなりませんが、冬はやっぱり暖かい方がありがたいと思います。既に梅が満開の季節を迎えており、今年の関西は、奈良のお水取りが終わるのを心待ちにしなくてもいいようです。
 作者は、私と同じ明石市大久保町の在住です。同じ兵庫県でも但馬に比べると温暖な気候の瀬戸内沿岸ですが、それでも冬になると、寒いのは「かなんなぁ」と思います。早(はよ)う春になってくれへんかなぁ、と願うのです。
 この詩には、とりわけ意味のわからない言葉は使われていないのですが、言い回しがゆったりとしていて、方言の色合いが強く出ています。私の場合は「冷(つめ)とうなる」を「ちめとうなる」と発音することもあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 5日 (月)

ゆったり ほっこり 方言詩(25) 【夏休み】

あぁ夏休み         國廣斐佳

やっとれんでよ
こんなにようけぇ宿題あって
どこにも遊びに行けんのんよね
ほんまにせんないでよ
今週中に終わらしたら
遊園地連れてってくれるんよね
ほんなら がんばるいね
           [方言取材地……山口県岩国市]

[たちばな氏の立ち話]
 大学生には宿題は多くないと思いますから、これは中学・高校時代のことを思い出して書いているのかもしれません。作者の注によれば、「やっとれんでよ」は、やっていられないという意味で、「ようけぇ」は、たくさんの意味で、「せんない」は、面倒くさいという意味です。
  たくさんというのを「ようけ」と言うのは、発音の変化したものも含めると、全国的な分布になっています。「ようけぇ」という発音には方言の香りがこもっているのでしょう。
 「せんない」は、共通語としては、仕方がない、無益であるという意味です。『日本方言大辞典』(小学館、1989年刊)によれば、「せんない」を、つらい、苦しい、やるせない、情けないという意味で使うのは中国地方になっています。面倒くさいという注は、それらの意味に通じているように思います。
 休みは生徒・学生の特権ですが、時間を全く自由に使えるわけでもないというのが辛いところなんですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 4日 (日)

ゆったり ほっこり 方言詩(24) 【てや】

あったまる        [匿名希望]

いつもは気にして隠していても
ケンカをすると出てしまう。
「ほがいなこと言うたっち、こまいこと
 言いすぎやてや。」
恥ずかしいと思っていたのに
怒っていた気持ちが
あったまる。
           [方言取材地……愛媛県大洲市]

[たちばな氏の立ち話]
 作者の注によれば、「ほがいなこと言うたっち、こまいこと 言いすぎやてや。」というのは、「そんなことを言っても、細かいことを言い過ぎなんだよ」という意味です。この部分が方言としての言葉が生き生きとあらわれています。
 そして、そんな言葉を口にすることによって「怒っていた気持ちが あったまる。」というのが方言のよさ、効用なのです。
 『日本方言大辞典』(小学館、1989年刊)によれば、「てや」を文末に置いて、念を押したり意味を強めたりする用法は、石川県あたりから西の方に点在しているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 3日 (土)

ゆったり ほっこり 方言詩(23) 【へん?】

変……?           長谷川歩美

「昨日、そう言っとったへん?」
「そうだっけ」
「だへん?」
「あたし、言ってないへん?」

へん?
何がへん?
日本語へん……
           [方言取材地……鳥取県米子市]

[たちばな氏の立ち話]
 詩の作者は「へん?」の注を「よね?」としています。疑問の意味よりも、念を押すという意図の方が強い言葉と感じているのです。
 これを大阪・神戸あたりの言葉でどう言うのか考えてみました。けれども、「昨日、そう言うとったんやあらへん?」、「あたし、言うとらへん?」という言い回しでは、米子でのニュアンスとかなり違ってしまうのでしょうね、きっと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 2日 (金)

ゆったり ほっこり 方言詩(22) 【疑問】

疑問            [匿名=もっちゃん]

なに?
なんや?
なんなん?
なんやねん?
なんでやねん?

あかん、聞いてるつもりが
いつの間にか つっこみになってもた。
           [方言取材地……大阪市都島区]

[たちばな氏の立ち話]
 「ねん」という助詞は不思議な働きをすると思います。ぶっきらぼうに「明日、行く」と言うよりも、「明日、行くねん」と言う方が親しみを込めた言い方になります。
 ところが、「なんや」という疑問の言い方を「なんやねん」とすると、相手を問い詰める気持ちを表したり、相手を寄せつけようとしないような姿勢を示したりするように感じます。
 「ねん」には、念を押す働きがあるのですが、その効果を考えて使わなければならないようです。詩の後ろの2行の言い方を比べてみましょう。文脈にもよりますが、「なんやねん」は、たいていは相手に向かって発する言葉です。それに対して、「なんでやねん」は相手に向かって発する場合もありますが、自分に対して尋ねている風情もあって、後者の方が響きがやわらかいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 1日 (木)

ゆったり ほっこり 方言詩(21) 【引っ越し】

引っ越し           [匿名=M]

「それ ほかして」
「あのゲームは あかん」
「お金が足りんかもしらん」
「ねぇ よせてー」

今の家に住むまで標準語やった。
だから最初は
意味がわからへんかった。
まだ使ってない言葉もあるけど
ここらへんの言葉
大好きやで。
           [方言取材地……兵庫県加古川市]

[たちばな氏の立ち話]
 東播磨地域の方言ですから、私自身の地元の言葉です。詩のはじめの部分には、日常的な言葉が並んでいます。詩の作者がここに住み始めたときには意味がわからなかった例です。
 「ほかして」は、捨てて(ほしい)という意味です。「あかん」はダメだという意味で、この場合は、面白くないということです。「足りん」は、足りないということです。「よせる」というのは、仲間に入れるという意味で、一緒に遊びたいときに、「よせてー」とねだっているのです。
 言葉は、耳になじんで、ふと口をついて出て、胸の中にしみこんで、「ここらへんの言葉 大好きやで」という気持ちになっていくのですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年2月 | トップページ | 2007年4月 »