言葉カメラ(205) 【三大うどん】
奈良は「うどん」の本場であるか
日本三景(松島、天橋立、宮島)とか、三名園(偕楽園、兼六園、後楽園)とか、三大都市圏(首都、中部、近畿)とかは、それぞれどこを指すかということに異論はないと思います。
けれども、三大急流(最上川、富士川、球磨川) や、三古湯(道後温泉、白浜温泉、有馬温泉)などになりますと、それ以外のメンバーを主張する人々や地域があるように思います。
昔から決まっているものもあれば、時代の流れに沿って中身が入れ替わることもあるでしょう。食べ物などはその典型で、「三大うどん」「三大そば」「三大ラーメン」などというものが不動のものとなることはないでしょう。
極論すれば、自分で勝手に、都合のよいものを並べて「三大……」と主張することもあるわけです。
だから、奈良市で見かけた「三大うどん処」という言葉も、自分の店のことを主張したいから、どこかの他の二軒を道連れにして「三大」と名乗ったのだろうと思いました。そもそも、奈良市がうどんの名所(本場)であろうはずはないのです。
ところで、一説によれば、「三大うどん」とは、水沢うどん(群馬県伊香保町)、稲庭うどん(秋田県稲川町)、讃岐うどん(香川県高松市など)を指しているのですが、メンバーの入れ替えの主張も聞こえます。
写真の店は「麺闘庵」というのですが、ホームページを見ていると、こんな紹介があって、ファンが多いようです。
「秋田の稲庭うどん、群馬の水沢うどん、長崎の船頭(ふなさき)うどん(椿油が練り込まれている)の三大うどんが一度に味わえる(讃岐うどんが入っていないのは謎)。実はゆで時間がそれぞれ違うのだが、食べ比べたいときは一度に持ってきてほしい旨を伝えるとそうしてもらえる。それぞれの味の違いを楽しんでほしい。」
自分の店が「三大うどん処」なのではなくて、「三大うどんを味わえる処」という意味であるとわかって、納得した次第です。
【写真は、2007年(平成19年)11月26日に、奈良県奈良市内で撮影。】
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