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2012年7月 7日 (土)

文章の作成法(6)

4 書くことの手順(続き)

⑦読む人のことを思い浮かべて、文章を推敲する

 はじめにも申しましたが、私は、今日のこの話をするために原稿を書きました。最初は思いつくままに書き始めて、読み返して、順番を入れ替えたり、言葉を改めたり、いろんなことをして、まとめました。
 今日のような内容の話をするにしても、高校生を相手に話をする場合と、大学生にする場合とは違います。高年の方々にお話をする場合も違います。
 つまり、聞いてくださる相手のことを考えながら、原稿を作ったのです。
 文章を書く場合、読む人のことを思い浮かべて文章を書き、そして推敲をすることは大切なことです。
 相手にわかりやすいようにしなければなりません。何度も言うようですが、言葉は自分と相手とをつなぐものです。相手に通じなければ、言葉を使った意味が薄らいでしまいます。相手のことを考えて、相手によくわかるように書くということが重要なのです。
 一気に書き進めた草稿を、何度も読み返して修正を加えて、わかりやすい文章になるように努力してください。

 推敲するときに気をつけるべきことは、
①自分の言いたいことがしっかりと述べられているか、
②序論・本論・結論などが明確に構成されているか、
③章や節や段落などがきちんと区別されているか、
④話の材料などを適切に使って、わかりやすく説明できているか、
⑤話の構成(順序など)が読む人の心理状態に沿ったものになっているか、
⑥原稿用紙の書き方の誤り、用字・用語の誤り、文法的な誤りなどはないか、
などです。
 書き終わってから、他の人に読んでもらって、気づいたことを指摘してもらうということをすれば、自分一人ではわからないことが明らかになってくるでしょう。

⑧清書をして完成させる

 最後は清書をすることですが、ワープロの場合は、いろんな修正を完了させたら、それで清書も終わったということになります。

 なお、文章の題名のことについて述べたいと思います。主題(テーマ)と題名とは同じではありません。環境問題を考えるとか、国際化社会のことを考えるとかというのは主題です。その環境問題について自分はどう考えたか、その中心となる事柄や主張を、題名にすればよいと思います。
 題名は、一見して論文の内容がわかるようにしたいと思います。「環境問題について」という題名では、環境問題の何を論じているのかわかりません。それに対して、例えば「分別収集を推進する方法」という題名の方が中味を端的にあらわしていると思うのです。人を引きつけて、中味を読んでみたいと思わせるような題名をつける方が、自分にとっては得策だと思います。場合によっては、副題(サブタイトル)を使うという方法もあります。

 ここで、ちょっと、原稿用紙の書き方について話をしておきたいと思います。
 原稿用紙を使って文章を書くことに慣れておられる方も多いとは思いますが、復習のつもりでお聞きください。
 皆さんがお書きになる論文は横書きで、ワープロを用いて書くのかもしれませんが、原稿用紙は、縦書きでも横書きでも、大きな違いはありません。数字や英単語などを書く場合にちょっとした違いが生じます。ワープロを用いて書くということは、原稿用紙の升目はなくて、文字だけを入力していくということですが、原稿用紙の使い方に準じた書き方になりますので、配付した資料を参考にしてください。
 さて、具体的なことをいくつか申します。
 段落の初めの行では、最初の一文字をあけて書き始めます。段落を改めた場合も同じようにしましょう。
 段落を改めるという理由は、文章を読みやすくするということです。原稿用紙1枚の中で一度も段落が改まっていないような場合は、息苦しくて、読みにくいと思います。考えなどのまとまりごとに、適度な長さで段落を切る(すなわち、改行する)ことにしましょう。
 一つの文をだらだらと長く書くのもやめましょう。作家の谷崎潤一郎は長々とした文を書くことによって微妙なニュアンスを表現しようと試みて、その効果をあげています。けれども、論文(論理的な文章)と小説(文学的な文章)とは違います。一つの文の中に、いろんなことを混ぜて述べると、読む人が混乱してしまいます。あまり長い文を書かないということを心がけてください。
 句読点を適切に使うことも大切です。句読点(テンやマル)は、文章を読みやすくして、誤解を防ぐために役立っています。句読点(特にテン)は多すぎるのも読みにくいのですが、ちょっと長い文の場合は、途中にテンがないのも読みにくいのです。
 文体を統一しましょう。文体には「です・ます」や「だ・である」があるのですが、一つの文章の中に、「です・ます」や「だ・である」が混じりあっているのは見苦しく、読みにくいものです。
 文体は、本来は、書く人の好みで選んでよいのですが、論文の場合は、文の末尾を「だ・である」とするのが原則です。
 比喩表現(喩えを使う言い方)は、文学作品などではイメージをふくらませるのに役立ちますが、論文では誤解を招くような比喩は避けたいと思います。
 また、論文では、感情的な表現も避けなければなりません。

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コメント

文章を書くことは重要なコミュニケーションスキルのひとつですよね。

投稿: よし@コミュニケーションスキル | 2012年7月10日 (火) 23時09分

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