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2012年9月30日 (日)

【掲載記事の一覧】

 「明石日常生活語辞典」は急に連載ができなくなりました。けれども、もし、全体を復元して最終稿を掲載できるようになれば復活させたいと念じております。
 当面は「名寸隅の記」の連載を長期にわたって行いたいと思っております。

 ブログをお読みくださってありがとうございます。
 これまでに連載した内容の一覧を記します。
 お読みくださって、感想・意見・連絡などがありましたら、
   tachibana@actv.zaq.ne.jp
  宛に、よろしくお願いします。

◆名寸隅の記 (1)~(11)~継続予定
    [2012年9月20日~2012年9月30日]

◆失って考えること (1)~(6)
    [2012年9月14日~2012年9月19日]

◆明石日常生活語辞典 (1)~(1116)~一旦休止
    [2009年7月8日~2009年7月24日]
    [2009年8月1日~2009年8月9日]
    [2009年8月14日~2009年8月31日]
    [2009年9月11日~2009年12月28日]
    [2010年1月4日~2010年2月18日]
    [2010年3月11日~2012年9月13日]

◆『明石日常生活語辞典』写真版 (1)~(4)~継続予定
    [2010年9月10日~2011年9月13日]

◆言葉カメラ (1)~(385)~継続予定
    [2007年1月5日~2007年1月31日]
    [2007年2月21日~2007年2月28日]
    [2007年3月16日~2007年3月31日]
    [2007年4月19日~2007年4月30日]
    [2007年5月9日~2007年5月30日]
    [2007年10月1日~2007年10月13日]
    [2007年11月1日~2007年11月26日]
    [2007年12月13日~2007年12月30日]
    [2008年1月19日~2008年1月30日]
    [2008年2月1日~2008年2月10日]
    [2008年5月1日~2008年5月10日]
    [2008年6月1日~2008年6月8日]
    [2008年7月21日~2008年7月30日]
    [2008年8月1日~2008年8月30日]
    [2008年9月25日~2008年9月29日]
    [2008年10月1日~2008年10月30日]
    [2008年11月1日~2008年11月11日]
    [2008年12月1日~2008年12月7日]
    [2008年12月16日~2008年12月30日]
    [2009年1月20日~2009年1月30日]
    [2009年2月9日~2009年2月15日]
    [2009年3月17日~2009年3月31日]
    [2009年5月1日~2009年5月17日]
    [2009年5月27日~2009年5月31日]
    [2009年7月1日~2009年7月7日]
    [2009年7月25日~2009年7月31日]
    [2009年8月10日~2009年8月13日]
    [2009年12月29日~2009年12月30日]
    [2010年2月19日~2010年3月10日]

◆消えたもの惜別 (1)~(10)
    [2009年9月1日~2009年9月10日]

◆地名のウフフ (1)~(4)
    [2012年1月1日~2012年1月4日]

◆ことことてくてく (1)~(26)
    [2012年4月3日~2012年4月11日]
    [2012年4月17日~2012年5月3日]

◆テクのろヂイ (1)~(40)
    [2009年1月11日~2009年1月19日]
    [2009年2月1日~2009年2月8日]
    [2009年3月1日~2009年3月15日]
    [2009年6月23日~2009年6月30日]

◆神戸圏の文学散歩 (1)~(5)
    [2006年12月27日~2006年12月31日]

◆母なる言葉 (1)~(10)
    [2008年1月1日~2008年1月10日]

◆六甲の山並み[言葉つれづれ] (1)~(4)
   [2006年12月23日~2006年12月26日]

◆おもしろ日本語・ふしぎ日本語 (1)~(29)
    [2007年1月1日~2007年1月4日]
    [2007年6月7日~2007年6月29日]
    [2009年6月1日/2009年6月4日]

◆西島物語 (1)~(8)
    [2008年1月11日~2008年1月18日]

◆鉄道切符コレクション (1)~(24)
    [2007年7月8日~2007年7月31日]

◆足下の観光案内 (1)~(12)
    [2008年11月14日~2008年11月25日]

◆写真特集・薔薇 (1)~(31)
    [2009年5月18日~2009年5月26日]
    [2009年6月1日~2009年6月22日]

◆写真特集・さくら (1)~(71)
    [2007年4月7日~2007年4月17日]
    [2008年4月1日~2008年4月22日]
    [2009年4月1日~2009年5月8日]

◆写真特集・うめ (1)~(42)
    [2008年2月11日~2008年2月24日]
    [2009年2月16日~2009年2月27日]
    [2009年3月1日~2009年3月16日]

◆写真特集・きく (1)~(5)
    [2007年11月27日~2007年11月29日]
    [2008年11月12日~2008年11月13日]

◆写真特集・紅葉黄葉 (1)~(19)
    [2007年12月1日~2007年12月7日]
    [2008年11月26日~2008年11月29日]
    [2008年12月8日~2008年12月15日]

◆写真特集・季節の花 (1)~(3)
    [2007年5月8日、5月31日、6月30日]

◆屏風ヶ浦の四季
    [2007年8月31日]

◆昔むかしの物語
    [2007年4月18日]

◆小さなニュース
    [2008年2月28日]

◆しょんがつ ゆうたら ええもんや (1)~(13)
    [2009年1月1日~2009年1月10日]
    [2010年1月1日~2010年1月3日]

◆辰の絵馬
    [2012年1月1日]

◆文章の作成法 (1)~(7)
    [2012年7月2日~2012年7月8日]

◆朔日・名寸隅 (1)~(19)
    [2009年12月1日]
    [2010年1月1日]
    [2010年2月1日]
    [2010年3月1日]
    [2010年4月1日]
    [2010年5月1日]
    [2010年6月1日]
    [2010年7月1日]
    [2010年8月1日]
    [2010年9月1日]
    [2010年10月1日]
    [2010年11月1日]
    [2010年12月1日]
    [2011年1月1日]
    [2011年2月1日]
    [2011年3月1日]
    [2011年4月1日]
    [2011年5月1日]
    [2011年6月1日]

◆教職課程での試み (1)~(24)
    [2008年9月1日~2008年9月24日]

◆改稿「国語教育を素朴に語る」 (0)~(102)
    [2008年2月25日~2008年3月30日]
    [2008年4月23日~2008年4月29日]
    [2008年5月11日~2008年5月30日]
    [2008年6月9日~2008年7月20日]

◆相手を思いやる姿勢と、自分を表現する力 (1)~(3)
    [2006年10月2日~2006年10月4日]

◆学力づくりのための基本的な視点 (1)~(7)
    [2006年10月5日~2006年10月11日]

◆教員志望者に必要な読解力・表現力 (1)~(18)
    [2006年10月16日~2006年11月2日]

◆教職をめざす若い人たちに (1)~(6)
    [2007年6月1日~2007年6月6日]

◆これからの国語科教育 (1)~(10)
    [2007年8月1日~2007年8月10日]

◆現代の言葉について考える (1)~(7)
    [2007年7月1日~2007年7月7日]

◆自分を表現する文章を書くために (1)~(11)
    [2007年10月20日~2007年10月30日]

◆兵庫県の方言 (1)~(4)
    [2006年10月12日~2006年10月15日]

◆暮らしに息づく郷土の方言 (1)~(10)
    [2007年8月11日~2007年8月20日]

◆姫路ことばの今昔 (1)~(12)
    [2007年9月1日~2007年9月12日]

◆私の鉄道方言辞典 (1)~(17)
    [2007年9月13日~2007年9月29日]

◆高校生に語りかけたこと (1)~(29)
    [2006年11月9日~2006年12月7日]

◆ゆったり ほっこり 方言詩 (1)~(42)
    [2007年2月1日~2007年2月20日]
    [2007年3月1日~2007年3月15日]
    [2007年5月1日~2007年5月7日]

◆高校生に向かって書いたこと (1)~(15)
    [2006年12月8日~2006年12月22日]

◆1年たちました (1)~(7)
    [2007年8月21日~2007年8月27日]

≪絶版として扱うもの≫  (ただし、ブログからは消去しておりません。)
◆国語教育を素朴に語る (1)~(51)
    [2006年8月29日から、2007年12月12日まで] 4回に分けて連載。

◆明石焼の歌 (1)~(3)
    [2007年8月28日~2007年8月30日]

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名寸隅の記(11)

江井ヶ島の由来

 江井ヶ島の大字の地名には「江井」と「島」とがあり、それが「東」「西」に分かれます。東から順に、東江井、西江井、東島、西島です。東江井は日常的には東江と言い、西江井も西江と言っています。普段の発音では東江が「ひがっせ」、西江が「にっせ」となることがあります。
 江井ヶ島の地名の由来は、上記のこととは別に、魚のエイと結びつけた話などが流布しています。江井ヶ島海水浴場の傍に「江井島」を説明した石碑が建っています。そこに彫られている文章は次のようになっています。( )内はルビです。

 むかし、江井島一帯は「嶋(しま)」と呼ばれていました。この「嶋」に港をつくった行基(ぎょうき)というお坊さんが、海上安全の祈とうをしている時、港の中にタタミ二枚ほどもある大きな「エイ」が入ってきました。村びとたちは、気味悪がってエイを追い払おうとしましたが、いっこうに去ろうとしません。行基がエイに酒を飲ませてやると、エイは、満足そうに沖へ帰っていきました。このことがあってから、だれいうとなく、「エイが向ってくる嶋-鱏向島(えいがしま)」と呼ばれるようになったということです。
 また、江井島一帯はむかしから「西灘(にしなだ)の寺水」と呼ばれる良い水の出るところとして知られています。そこで、「ええ水が出る井戸のある嶋」がつまって「江井島」になったともいわれています。   

 江井ヶ島のことを「島」と呼ぶ言い方は、現在にも残っています。江井ヶ島の海岸でエイが釣れた経験はありますから、「エイが向ってくる嶋-鱏向島(えいがしま)」という説は突飛ではないかもしれませんが、「行基がエイに酒を飲ませてやると、エイは、満足そうに沖へ帰っていきました」というのはおとぎ話のように聞こえないでもありません。ただし、東島の古刹・長楽寺に残る「長楽寺縁起」にこの話が書かれているようです。江井ヶ島と行基との結びつきについての言い伝えはたくさんありますが、それはまた別項で述べることにします。         
         
【写真は、江井ヶ島海岸に建っている「江井島」の碑。2012年(平成24年)9月26日14時25分撮影。】
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2012年9月29日 (土)

名寸隅の記(10)

海に臨む住吉神社

 富田砕花の『歌風土記 兵庫縣』は「明石郡・大久保町江井ヶ島」の次に、「明石郡・魚住村中尾字城山…住吉神社」と題して次の歌が載せられています。

 住吉の四社明神の秋祭な寄せそ風浪これのきりぎし

 中尾の住吉神社は、前述のように、西島地区の氏神さんであり、「行き巡り見とも飽かめや名寸隅の船瀬の浜にしきる白波」の歌碑が建てられているところです。明石市は1951年(昭和26年)に、旧明石郡大久保町と魚住村、旧加古郡二見町の3町村を合併していますが、『歌風土記 兵庫縣』の刊行はその前年の1950年です。
 住吉神社の秋祭りは、姫路から明石に至る播州海岸地域の最後を飾る祭りです。本来は10月29日が宵宮(夜宮)、10月30日が本宮(昼宮)でしたが、今は10月の最終土曜日・日曜日に開催しています。住吉神社は、底筒男命(そこつつのをのみこと)、中筒男命(なかつつのをのみこと)、表筒男命(うはつつのをのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと=神功皇后)を祀っていますので「四社」です。
 砕花はここでも風浪のイメージを持続させて、風浪が「な寄せそ」(寄せてくれるな)と願っています。「きりぎし」は、切り立った険しい岸のことです。住吉神社は北側(集落の側)にも南側(海岸の側)にも鳥居がありますが、南側は海岸に面していますが断崖・絶壁ではありません。海岸線の一部は小さな漁港になっています。
 ただし、10月下旬の祭礼ですから、何年かに一度は季節風が吹き始めて、寒いお祭りになることがあります。

【写真は、明石市魚住町中尾の住吉神社本殿。2012年(平成24年)9月16日16時31分撮影。】
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2012年9月28日 (金)

名寸隅の記(9)

酒どころの江井ヶ島

 「明石郡・大久保町江井ヶ島」と題された歌群の三首目は、次の歌です。

 酒蔵を棚田のまにま建てつらねひそけき秋の江井ヶ島かも

 江井ヶ島は酒どころ。酒蔵の建ち並ぶところです。人々の洋酒志向によって、日本酒の醸造元は減ってしまいましたが、今も酒作りが続いています。酒蔵の辺りには静かさが漂います。「ひそけき」空気です。
 「棚田」というと、山や丘を切り開いたような地形を思い浮かべますが、江井ヶ島は平坦な土地です。棚田があろうはずはありません。短く緩い坂道がある程度です。私が子どもの頃は酒蔵が建て連ねられていましたが、ほんのちょうとした坂道の向こうに酒蔵が見えるというのが実際の姿です。酒蔵が集中していた大久保町西島の地は、もともと半農半漁の村ですから、それを表すのに「棚田」という言葉がふさわしいと考えたのかもしれません。

 『白い国の詩』(東北電力発行)という広報誌があります。他の電力会社が原発PRに傾斜していた中にあって、この雑誌(月刊、のちに季刊)は東北(および全国)の文化や歴史に注目した記事を掲載し続けています。「文学の森」という連載の2004年1月号では、詩人の嶋岡晨が富田砕花のことを書いています。嶋岡は砕花を〈民衆の詩人〉と位置づけ、不死鳥の気骨を持っていると述べています。盛岡市生まれの砕花は、父の死もあって、母と東京に出て職を得ます。しだいに詩人としての活躍が知られるようになりますが、若くして肋膜を患います。若い詩人たちがキリスト教伝道師の斎田武三郎のところに集まったりしていましたが、斎田が芦屋に移住したので、空気のよい芦屋の斎田方に寄寓し、砕花は療養をしたそうです。砕花の終焉の地である兵庫県との縁です。後に砕花は神戸新聞の詩の選評も行い、多くの学校の校歌の作詩も行っています。

【写真は、静けさの中にたたずむ、西島地区にある酒蔵。2012年(平成24年)9月22日14時07分撮影。】
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2012年9月27日 (木)

名寸隅の記(8)

浪が荒れる江井ヶ島のイメージ

 富田砕花の『歌風土記 兵庫縣』の「明石郡・大久保町江井ヶ島」と題された歌群の二首目は、次の歌です。

 東島の船瀬を越してしぶき入る秋浪荒き日の海のいろ

 江井ヶ島を、砕花は波の荒れるイメージでとらえているようです。一首目では「しまきて浪ぞ騒げる」と言い、二首目では「しぶき入る秋浪荒き」と言っています。
 東島は江井ヶ島の字の名のひとつで、もともと大久保村に属していました。船瀬のあった名寸隅は西島で、もとは魚住村です。けれども、東島はもともと漁業を中心とした集落で、現在の江井ヶ島港は東島にあります。現代と結びつけるなら、「東島の船瀬」と言うのが似つかわしいと考えたのでしょう。
 「船瀬を越してしぶき入る」というのは台風のような猛烈な風を感じてしまいますが、砕花はそんな日を思い浮かべたのでしょうか。
 江井ヶ島は穏やか曲線の明石海岸の中で、東から見ると少しだけ突き出た恰好になっています。突堤には小さな灯台が設けられています。

【写真は、江井ヶ島港を守る突堤の先端にある、白く可愛い灯台。2012年(平成24年)9月21日11時13分撮影。】
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2012年9月26日 (水)

名寸隅の記(7)

富田砕花の江井ヶ島

 富田砕花の『歌風土記 兵庫縣』は、兵庫県下を巡って作られた396首が収められた歌集です。その中の「明石郡・大久保町江井ヶ島」と題された歌群の一首目は、次の歌です。

 雲凝りて重く閉ぢたる屏風浦けふはしまきて浪ぞ騒げる

 明石市の林崎、藤江、八木から江井ヶ島にかけての海岸は、10メートルを越す断崖が続いています。波に洗われて地層が露出し、切り立った断崖が屏風のように見えることから屏風ヶ浦(びょうぶがうら)と呼ばれてきました。今では海岸の護岸と養浜が行われて遊歩道「浜の散歩道」が整備されています。かつては、浸食されて崩れ落ちる断崖から、原人の腰骨や象の化石が発掘されました。
 さて、この歌の「しまく」という動詞は、風などが吹き巻くという意味です。旋風です。雲が重く垂れている海岸に旋風が吹いて、白波が立ち騒いでいるというのです。歌としては重厚な感じがしますが、温暖な地域ですから、吹き荒ぶ風は日常的な風景ではありません。「けふ(今日)」は普段とは違った情景になっているのです。
 富田砕花(とみた・さいか)は、1890年(明治23年)生まれで1984年(昭和59年)に没した詩人です。芦屋市に富田砕花の旧居が保存されています。
 『歌風土記 兵庫縣』は、詩人・砕花が兵庫県内を行脚して、短歌を数首ずつ神戸新聞に掲載したのをまとめたものです。歌は摂津、播磨、丹波、但馬、淡路の国別に並べてあり、1960年(昭和25年)12月1日、神戸新聞社の発行です。戦後すぐの県内各地の情景を、懐かしさをこめて思い起こさせる作品です。

【写真は、『歌風土記 兵庫縣』の外函。外函も表紙も同じ体裁になっています。】
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2012年9月25日 (火)

名寸隅の記(6)

百人一首の「松帆の浦」

 歌人百人の秀歌を一首ずつ選び集めた歌集が百人一首ですが、とりわけ、小倉百人一首は広く知られています。
 小倉百人一首は藤原定家が選び、後の人が補修したとするのが一般的な説です。もちろん定家自身の歌も入っています。定家の歌は、

 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ

ですが、新勅撰和歌集に収められている歌から選んでいるのです。歌の意味は、

 いくら待っても来てくれない人を待っている私は、松帆の浦の夕凪の時に焼く藻塩のように、身も焦がれるほどに恋い続けているのです。

ということです。この歌の「まつほ」は、「来ぬ人を待つ」と「松帆の浦」が掛けられています。また、「まつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の」は「こがれ」にかかる序詞だと考えてもよいのですが、それでも松帆の浦で藻塩を焼く情景を脳裏に浮かばせることが大切です。それから、「焼く」「藻塩」「こがれ」は縁語になっています。

 この有名な定家の歌は本歌取りという手法を用いています。以前に詠まれた歌をうまく活用して、自分の歌に活かすというやり方で、和歌の世界では修辞技巧の一つとして広く行われています。
 言うまでもなく、笠金村の長歌の「(名寸隅の 船瀬ゆ見ゆる 淡路島) 松帆の浦に (朝なぎに 玉藻刈りつつ) 夕なぎに 藻塩焼きつつ」を下敷きにして、三十一音の短歌に作り上げたのです。笠金村の使った「恋ふる」を、定家は「こがれ」に置き換えています。
 笠金村の生没年は不詳ですが、715年~733年頃に盛んに作歌をしていました。藤原定家の生没年は1162年~1241年です。

【写真は、淡路市の松帆の浦にある「来ぬ人を…」の歌碑。2008年(平成20年)12月25日13時15分撮影。】
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2012年9月24日 (月)

名寸隅の記(5)

穏やかな名寸隅の海

 長歌と短歌を一つずつ紹介しましたが、もう一つの短歌(反歌)があります。国歌大観番号の936です。

 玉藻刈る海人娘子ども見に行かむ船梶もがも波高くとも

 一読して意味はわかると思いますが、岩波書店の「新日本古典文学大系」の「萬葉集二」を引用しますと、

 玉藻を刈る松帆の浦の海人おとめたちを見に行けるような舟や梶があればよいのに。波が高くても。

という解釈です。これは、935の長歌が「舟も梶もない」という表現に対して、「舟や梶が欲しい」と言っているのですが、実現性の乏しい願望です。そして「海人娘子」が複数であることがわかります。
 ところで、935に波のことは述べられていません。937では「しきる白波」となっていますが、渚にうち寄せる波のことです。江井ヶ島の海岸には今も「しきる白波」がうち寄せています。荒々しい白波ではなく、わずかに泡立つような白波です。936では「波高くとも」となっていますが、これは、仮に波が高くともという意味で、現実に波が高いと言っているのではありません。
 名寸隅(江井ヶ島の辺り)では、冬の季節風の吹く頃や台風の時には波が高くなりますが、普段は穏やかな海です。現在の江井ヶ島の海上では平穏な海を活用して、海苔の養殖が盛んです。
 名寸隅は明石市大久保町西島の赤根川の河口付近に措定されています。前述の発掘調査は、この河口の左岸で行われています。

【写真は、明石市大久保町西島の赤根川河口。2012年(平成24年)9月16日15時40分撮影。】
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2012年9月23日 (日)

名寸隅の記(4)

見える松帆、行けぬ松帆

 前回に書いた笠金村の長歌の解釈を、岩波書店の「新日本古典文学大系」の「萬葉集二」から引用しますと、

 名寸隅の舟泊まりから見える淡路島の松帆の浦に、いつも朝凪に玉藻を刈り夕凪に藻塩を焼いて、海人おとめがそこにいるとは聞くが、見に行くすべもないので、ますらおらしい心もなく、たおやめのようにしおれて、うろうろと進みかねて恋い慕っていることだ、舟も梶もなく。

ということになります。

 天皇の行幸に従ってきた歌人ですが、この歌は天皇をたたえる表現ではなく、個人的な恋の歌です。しかも、「海人娘子 ありとは聞けど」という伝聞です。噂を聞いて恋い慕っているのです。「船梶をなみ」ですから、「見に行かむよし」がないのです。
 噂に聞く海人娘子の姿は、名寸隅からは見えませんし、海を渡ることもできません。けれども、天気が良ければ、名寸隅から松帆の浦のあたりは見えます。
 今は、淡路島の大阪湾沿いを東浦と言い、播磨灘に面しているところを西浦と言っています。東浦は淡路島の背骨のような山の向こう側です。直接には見えませんから想像の世界になります。それに対して、松帆の浦から西浦にかけての海岸線は見えているのです。あそこが松帆の浦だとわかりますから現実の世界です。

 写真の場合、望遠レンズを使えば、淡路の建物などは手に取るように見えます。添付した写真は野島地区を望んだもので、そこは兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の震源地にあたります。

【写真は、明石市大久保町江井島の海岸から、淡路市野島のあたりを望む。2012年(平成24年)9月8日17時56分撮影。】
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2012年9月22日 (土)

名寸隅の記(3)

笠金村の長歌

 笠金村の「行き巡り…」の歌は、長歌の反歌です。国歌大観番号935の長歌の後に2首の反歌が添えられています。
 935の歌の詞書きは、次のようになっています。
  三年丙寅(へいいん)の秋九月十五日、播磨国の印南郡に幸(みゆき)したまひし時
  に、笠朝臣(あそみ)金村の作りし歌一首 短歌を幷せたり
 神亀3年(西暦726年)9月15日に、聖武天皇の印南郡への行幸に際して笠金村が作った歌というわけです。
 その笠金村の長歌は、次のとおりです。
  名寸隅の 船瀬ゆ見ゆる 淡路島 松帆の浦に 朝なぎに 玉藻刈りつつ 夕な
  ぎに 藻塩焼きつつ 海人娘子(あまをとめ) ありとは聞けど 見に行かむ よ
  しのなければ ますらをの 心はなしに たわやめの 思ひたわみて たもとほ
  り 我(あれ)はそ恋ふる 船梶(ふねかじ)をなみ

 この歌の解釈は次回に譲るとして、名寸隅と淡路の位置関係は明瞭に示されています。名寸隅の船瀬から淡路島の松帆の浦が見えるというのです。松帆の浦は、淡路島の最北端で、明石海峡に突き出したようになっています。神戸淡路鳴門自動車道の明石海峡大橋よりも西側です。
 名寸隅(すなわち、江井ヶ島)は明石市中心部から8㎞ほど西に離れています。松帆の浦は、名寸隅からは南東の方角にあたって、特に突き出たような形には見えません。明石海峡を隔てて松帆の浦と、その近くにある江碕灯台が見えます。
 松帆の浦に行ってみると、あたりには松林があり、会社の保養施設などもありますが、観光開発や住宅開発が進んでいません。冬に訪れたときには荒涼とした感が否めませんでした。その方が「朝なぎに玉藻刈りつつ 夕なぎに藻塩焼きつつ」という風情が残ると思います。

【写真は、淡路市の松帆の浦。2008年(平成20年)12月25日13時05分撮影。】

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2012年9月21日 (金)

名寸隅の記(2)

名寸隅の船瀬

 名寸隅(なきすみ)という地名は、現代の住居表示では使われていません。この地域は、明石市大久保町西島と、明石市大久保町江井島とを合わせた地域であって、今は江井ヶ島(えいがしま)と呼んでおり、それが一つの小学校の通学区域です。
 実は、現在の江井ヶ島のうち、大久保町西島は、もともとは魚住村に属していました。魚住村西島です。明治期に大久保村に編入されました。江井島に属する地区は東島、西江井、東江井で、秋祭りは同じ日に行っています。西島の秋祭りは、現在の魚住町の中尾、西岡、大見の地区と同じ日に行っています。
 タイトルにした名寸隅というのは、万葉集の歌に詠まれた地名です。
 笠金村(かさのかなむら)の歌が万葉集・巻六に収められています。
     行き巡り見とも飽かめや名寸隅の船瀬の浜にしきる白波
という歌で、国歌大観番号では937です。
 岩波書店の「新日本古典文学大系」の「萬葉集二」を引用しますと、
  行きめぐっていくら見ても、見飽きることがあろうか。名寸隅の舟泊まりの浜に、  次々寄せる白波は。
という解釈になります。
 この歌の歌碑は、前述のように繋がりの強い明石市魚住町中尾の住吉神社の境内に建てられています。西島地区は、この住吉神社の氏子です。
 なぜ赤根川河口で発掘が行われているのかというと、それはこの名寸隅の船瀬の遺跡を確認するためのものなのです。かなり前にも発掘が行われましたが、改めて調査を行っているのです。

【写真は、明石市魚住町中尾の住吉神社で。2012年(平成24年)9月16日16時34分撮影。】
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2012年9月20日 (木)

名寸隅の記(1)

赤根川河口の発掘調査

 今、赤根川の河口の左岸(東側)のサザンカ公園というところで発掘調査が行われています。海岸に立てば、左に淡路島が見え、明石海峡大橋も望めます。右は播磨灘の中に小豆島と家島群島が浮かんでいます。
 発掘現場の周りはフェンスで囲まれていて、調査期間中は中に入ることはできません。けれども、堤防の上からフェンス越しに、中をうかがうことはできます。先日、9月14日の午後のことですが、たまたま、1メートル余りの木が掘り出されていました。丸い木で、どんな加工がされている木かはわかりませんが、どろどろの木が掘り出されて、それに水がかけられているところでした。
 どんな価値がある木なのか、それ以外にどんな掘り出し物があるのか、いずれ何かの報道があろうと思います。
 翌々日にも見に行きましたが、休日はブルーシートがかぶせられて、人影はありませんでした。
 古くから開けた土地ですから、考古学上や古代史上の遺跡があちらこちらに広がっているところなのです。
 国立民俗学博物館教授を退官した春成秀爾さんは、中学校と高等学校の同級生です。明石原人が発見された場所は2㎞ほど東です。春成さんは中学時代から西八木海岸やその他の地域に関心を持っていろいろ調べていました。
 けれども、私は考古学などには無縁の人間です。

【写真は、明石市大久保町西島のサザンカ公園で。2012年(平成24年)9月16日15時41分撮影。】

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2012年9月19日 (水)

失って考えること(6)

「物」も人生記録もあっという間に消え去る

 震源地の対岸で、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を経験しました。震源地(野島地区)までは海を隔てておよそ15㎞ほどの距離にあります。天気が良ければ、野島断層を保存している北淡震災記念公園の傍に立つ風力発電用の風車や、その近くの「かんぽの宿・淡路島」の特徴的な建物さえかすかに見えます。
 たいへんな被害は、淡路島から神戸・阪神の方向に広がりましたから、震源地が見えるとはいえ、そこから北西の方向に住んでいた私は、生命に関わる恐怖は感じませんでした。けれども、人の世の無常・はかなさは痛切に感じました。
 形のある物は何もいらない、命さえあればありがたい、と心底から思いました。
 けれども、時間がたつにつれて、書物をはじめとして「物」は増えています。使うか使わないかわからないような生活用品を買うことは少なくしていますが、精神生活に関するものはあまり抑制していないというのが、私の現状だろうと思います。

 人間は、自分の記憶の容量には限界があり、自分の体以外のところにも記憶の手段を持たなければなりません。
 他人が作った情報は、「物」と同じで収集癖を放棄すればよいのですが、自分の作ったものは保存しておきたいと思うのです。パソコンなどの情報機器に頼っていることは否定できません。少なくともディスクなどは場所をとりませんから、物欲とは別のものであるかのように思っていました。

 人の世の無常に例外はなく、何であれ、消え去るときには消え去ります。何年間かの人生記録が消えてなくなることはごく当たり前の出来事です。いずれは自分の命も消えゆくのです。
 ハードディスクの事故は、生きる覚悟のようなものをも考えさせてくれました。

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2012年9月18日 (火)

失って考えること(5)

自筆の文字が残らない

 今年から10年連用日記を自筆で書こうとしていたことは、先日書いたとおりです。
 昔々、学校に勤め始めた頃は、多くの人に同じものを配る必要が生まれたら、ガリを切りました。謄写版です。ヤスリの上に原紙を置いて、鉄筆でガリガリと書いていきました。だいぶ力のいる作業です。間違ったら茶色い修正液で消して、乾くのを待って、その上に新しい文字を書きました。図表のようなものも原紙に直接、書きましたから、これは大変なことでした。下手なガリ版印刷の文字を見て赤面することもありました。
 そのうちに、コピーが使えるようになって、文字は手書きでも、図表の部分はコピーを貼り付けて、全体としての原稿を作り、それを印刷機にかけるというように進歩しました。 ワープロの出現は、このようなことに対して、まったく革新的な進歩でした。本に書いてあるような綺麗な文字で印刷ができるということに目を見張りました。同じ内容の文章や語句であれば一瞬のうちにコピーできるというのも嬉しいことでした。
 私は、ワープロ専用機を使った経験がありません。初めからパソコンでワープロ・ソフトを使いました。出来上がった書類にワープロ専用機とパソコンとの差はありませんが、当初は機種ごとにどんなことができるかという機能には差がありました。
 いずれにしても、打ち出したものが印刷機にかけられて、しかも原稿を残しておけるわけですから、謄写版世代からすれば、夢のように感じられました。
 手書きの時代ではなくなって、ガリを切るという作業は急速に廃れましたが、パソコンなどを苦手とする人は、手書き原稿を印刷機にかけました。手書きのプリントは時代遅れというように、しだいに感じられるようになりました。
 私の大学時代はコピー機というようなものとも無縁でしたから、卒業論文は、カーボン紙を使って手書き原稿用紙を複製しながら書き上げました。一部を大学に提出し、一部(カーボン紙の色で複写されているもの)を自分の手元に残しました。懐かしい作業で、今どきには考えられないことです。
 自分が書いたもので手元に残っているのは、昔のものは手書きです。今はほぼ例外なくプリントアウトした書類です。今回の出来事(ハードディスクの事故)は、上記のことに関して反省を迫られました。手書きであれば、あちこちに残りますが、ハードディスクのものは壊れたら何も残りません。日々、行ってきたことが、痕跡を残さなくなる可能性があるというのは、衝撃的なことです。
 ディスクのバックアップを取るということは当然ですが、自分の書いた文字を残すという作業もしなければならないということを痛切に感じる出来事でした。

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2012年9月17日 (月)

失って考えること(4)

バックアップを怠っていた

 コンピュータの知識・技能には詳しくはありません。けれども、新しいもの好き、下手の横好きで、パソコンはずいぶん昔から使っています。
 初めに買ったのはNECのVM2です。名機と言われました。パソコンとプリンターと「一太郎」などを買ったら、当時の月給の何倍にもなりました。今のノートパソコンの安価さからは想像もできない額でした。
 初期のワープロソフトは、ずいぶんいろんなものが売り出されていました。オーロラとかユーカリとかも使いましたが、本格的に使ったのは「一太郎」です。もうご存じの方は少ないでしょうが、初めて売り出されたときの名前は「太郎」です。バージョンアップされたときに「一太郎」になりました。次は「二太郎」だろうか、「三太郎」になったら「三太郎の日記」を思い浮かべて面白いだろうと思いました。けれども「一太郎」のままで、バージョン数だけが改訂されていきました。
 表計算ソフトも高価でした。しばらくして教育研修所に転勤になり、同僚などにいろんなものを使わせていただいたりしました。
 さて、記録媒体のことですが、5インチのフロッピーディスクから始まりました。その5インチ・ディスクにも2種類があって、2DDと2HDとがありました。その後に3.5インチのディスクになりました。
 その後は、フロッピーと並行して、MOもかなり使いました。補助的にUSBスティックを携帯用に使ったりしました。そして、最後はハードディスクになって、記録容量が格段に飛躍しました。
 フロッピーやMOの時代に1枚分ダメになることはありましたが、あきらめがつきました。写真だけは意識してバックアップを取りました。失ったら二度と再現できないと思ったからです。本当は文書も同じなのですが、文書などのバックアップを軽く見ていたことは否定できません。

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2012年9月16日 (日)

失って考えること(3)

生活の記録について

 ここ数年は、ちょっと時間の余裕が生まれつつありましたので、かなり詳しい記録を書いておりました。誰に書き残すというような目的ではありません。あくまで自分のためですが、失ってしまうと、胸の中に空洞ができたような気持ちになっています。

 生活の記録は、日記の文章の他に、どのようなことにどの程度の時間を費やしたかというようなことを時系列で、毎日、記録していました。実は、今年から10年連用日記を買いました。パソコンだけでなく、自筆の日記も残しておきたかったのです。自筆日記だけは、他の人(家族)が読むことを意識しておりました。ところが、パソコン日記はきちんと書き続けましたが、それを自筆で書き写すことは、怠けてかなり遅れておりました。結果として、書き写せない、すなわち、空白の部分が生じてしまいました。ただし、スケジュール・ソフト(SASUKE)を使ってかなり詳しい予定を書き込んでいましたから、いつ、何をしたかということは再現できないわけではありません。けれども、その日に書いたナマの文章は再現できません。

 通信の記録としては、自分の書いた手紙・葉書・メール等はすべて、ワープロ・ソフト(一太郎)の形や、葉書作成ソフト(宛名職人)で残しておりました。手紙は原文のまま保存し、必要な場合は相手の手紙(スキャン保存)も残しておりました。葉書は、原則として自分の撮った写真を上半分に入れて下半分に小さな文字で通信文を書きました。写真は、あくまで1回限りで、同じ写真を他の人向けの葉書には使いませんでした。メールのうち重要なものは、発信・受信とも保存しておりました。そう言えば、年賀状などの住所録(エクセル)も一瞬で消えました。

 読書の記録は、図書館などから借り入れた書物のリスト、読み終えた書物のリスト、ちょっとした感想・意見。その書物を紹介したリーフレットや新聞・雑誌等の記事(スキャン保存)など。
 美術展や映画などは、それを紹介したリーフレットや新聞・新聞等の記事(スキャン保存)、感想・意見。
 旅(各地を歩き回ることや、西国三十三か所巡りなど)についても同様です。

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2012年9月15日 (土)

失って考えること(2)

『明石日常生活語辞典』の刊行について

 ブログの『明石日常生活語辞典』は、同じ名前で刊行する予定の書物の、途中段階を報告する意図で連載していました。ブログの連載は中断(途中休止)という形でもよいのですが、書物の原稿としては大きな痛手になりました。
 『明石日常生活語辞典』の原稿を完成させるためには、当面の対応として、ブログから逆にコピーをして、それに加除訂正を加えていくしか方法がありません。
 実際には、ブログに発表するための原稿をその都度作っていたわけではありません。「あ」から「ん」に至る全ページの補訂を毎日続けており、その補訂中のものを50行程度ずつ、原稿の最新版として連載していたのです。
 その補訂の原稿は、完全には復元できない状態になりました。もう一度、思い出しながら作業を継続していくしかありません。
 『明石日常生活語辞典』の出版は、2年後あたりを目途に考えていましたが、今回のハードディスクの事故によって、その予定がおよそ1年延びることになります。ブログの1回分を書籍の1ページ分と見積もってみると、600ページ以上の書物です。
 おおざっぱな言い方をすれば、この辞典は完成に近づいているのですが、全体の統一や対応関係などをきちんと施さなければなりません。その作業に時間がかかるのです。
 実際には、私の心身の老化との戦いです。これまで50年間にわたって行ってきた方言研究(と言えるほどのものではないかもしれませんが、)の集大成のつもりでしたので、何としてでも完成させるつもりです。
 一方では、吹っ切れた気持ちもあります。少しでも良いものを目指して書き続けてきましたが、ここまで来たら、不完全な部分があっても、この仕事の区切りをつけてしまおうという気持ちにもなっています。

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2012年9月14日 (金)

失って考えること(1)

ブログの『明石日常生活語辞典』の中断について

 つい先日、1枚のハードディスクが動かなくなりました。
 携帯型のハードディスクを4枚、据付型のハードディスクを3基、持っております。作成した文書はもちろんですが、撮影した写真、録音したもの、スキャナーした書類などをハードディスクに保存しています。
 パソコンを使って作成した原稿や文書の保存は、携帯型の1枚に集中しておりました。この携帯型のものは、ここ数年間は、自宅と勤務先とを毎日のように往復して使っておりました。重宝して使っておりましたが、酷使していたと思います。動かなくなった原因は私にはわかりませんが、大事な大事な1枚でした。
 ハードディスクやフロッピーなどに事故が起こることは考えていましたから、時々はバックアップを取ることはしていましたが、気まぐれなものでした。動かなくなったハードディスクは、不用意なことですが、ここ2~3年間はバックアップを取ることはしていませんでした。
 当然のことですが、ブログの『明石日常生活語辞典』の連載用の原稿もこれに保存しておりました。『明石日常生活語辞典』は少し先々まで作って公開できるようにしておりましたが、それが9月13日の分で途切れることになりました。
 しばらくは呆然として、やる気が失せておりましたが、ちょっとだけ元気が戻ってきました。たった1枚のハードディスクですが、失って考えることはいろいろ、ありました。しばらく、そのことについて書いてみようと思います。そうしているうちに、ブログの次の素材の準備ができるだろうと考えています。ブログは、開始以来、1日に1つ以上の記事を書き続けて、昨日までに記事数は2353件になっています。これを中断することだけはしません。

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2012年9月13日 (木)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1116)

おかしや【お菓子屋】《名詞》 飴・煎餅など多様な嗜好品や、子供向けの安価な玩具などを売っている店。駄菓子屋。「おかしや・で・ 」〔⇒おかしんや〕

おかしん【お菓子】《名詞》 食事以外に食べる、飴・煎餅など多様な嗜好品。「おかしん・を・ 食べ過ぎ・たら・ 虫歯・に・ なる・よ。」〔⇒おかし〕

おかしんや【お菓子屋】《名詞》 飴・煎餅など多様な嗜好品や、子供向けの安価な玩具などを売っている店。駄菓子屋。「おかしんや・に・ 帳面・や・ 鉛筆・も・ 売っ・とる。」〔⇒おかしや〕

おかず《名詞》 主食に添える食べ物。副食。総菜。「おかず・の・ 好き嫌い・を・ 言(ゆ)ー・たら・ あか・ん・よ。」

おかた【お方】《名詞》 「人」を敬って言う言葉。「ご用・の・ ある・ おかた・は・ こちら・に・ おいで・ください。」

おかっぱ《名詞》 女の子の髪型で、前髪や後ろ・横の髪を切り揃えた形。また、そのようにした子。「わしら・の・ 子ども・の・ 頃・は・ おかっぱ・の・ 女・の・ 子ー・が・ ぎょーさん・ おっ・た・もんや。」

おかね【お金】《名詞》 ①財産。「おかね・の・ ある・ 家」②紙幣と硬貨を合わせたもの。「財布・の・ 中・に・ おかね・が・ ない。」

おかまい【お構い】《名詞》 客に対するもてなし。「何・の・ おかまい・も・ でき・まへ・ん・でし・て。」

おかまいなし【お構いなし】《形容動詞や・です》 周りの人などのことを気にかけない様子。「人・の・ 言(ゆ)ー・ こと・なんか・ おかまいなしに・ 勝手な・ こと・を・ し・とる。」

おかみさん《名詞》 店などの女主人。「魚屋・の・ おかみさん」

おがむ【拝む】《動詞・マ行五段活用》 ①神や仏、あるいは自然のものに、手を合わせて祈る。「神棚・を・ おがむ。」「初日の出・を・ おがみ・に・ 行く。」②「見る」の謙譲表現。大切なものを拝見する。「赤ちゃん・を・ おがま・し・てもらい・に・ 来・まし・てん。」

おかゆ【お粥】《名詞》 水を多くしてやわらかく炊いた御飯。「旅館・の・ 朝飯・に・ おかゆ・が・ 出・た。」〔⇒かい、かゆ、おかい、おかいさん〕

おから《名詞》 ①豆腐のしぼり粕。「豆腐・の・ おから」②豆腐の粕に具を加えて、副菜にしたもの。「おから・に・ 人参・や・ 牛蒡・が・ 入っ・とる。」

おがわ【小川】《名詞》 小さな川。「赤根川・は・ 村・の・ 中・を・ 流れ・とる・ おがわ・や。」

おかわり【お代わり】《名詞、動詞する》 同じ食べ物や飲み物を、もう一度もらうこと。また、その食べ物や飲み物。「そない・ なんべん・も・ おかわりし・たら・ 体・に・ 毒や。」

おかん《名詞》 お母さん。母。「うち・の・ おかん・は・ 今・ ちょっと・ 入院し・て・ます・ねん。」◆「おかあ」よりも更にぞんざいな言い方である。「おかん」には「さん」を付けることができない。〔⇒おかあ〕■類語=「おとん」「おじん」「おばん」

おき【沖】《名詞》 ①岸から少し離れた海。「船・に・ 乗っ・て・ 沖・で・ 釣る。」②岸からはるか遠く離れたところ。「おき・の・ 方・に・ 黒い・ 雲・が・ 見える。」◆①の意味では、岸からせいぜい数十メートル程度でも使う。海岸線すれすれのところは「じ〔じー〕【地】」と言う。

おき【熾き】《名詞》 赤くおこった炭火。薪が燃え終わって炎や煙が出なくなって炭火のようになったもの。「おくどさん・の・ おき・を・ 取っ・て・ 消し壺・に・ いれ・とい・てんか。」

おき【置き】《接尾語》 時間・距離・数量などに、規則的に間隔を設けることを表す言葉。「一時間おき」「三日おき」「五人おき」「十ページおき」

おきあい【沖合】《名詞》 岸から遠く離れたところ。「おきあい・を・ 大きな・ 船・が・ 通っ・とる。」

おきおき【起き起き】《名詞》 起きたばかりであること。起きた直後。「おきおき・に・ 体操する。」■「おきたて」という言葉も使うことがある。〔⇒おきぬけ、おきしな、おきがけ〕

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2012年9月12日 (水)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1115)

おかあさん〔おかーさん〕【お母さん】《名詞》 母を敬い、親しんで言う呼び方。「おかーさん・は・ お元気です・か。」■類語=「おとうさん」「おにいさん」「おねえさん」

おかい《形容詞》 数や量がたくさんある。「花見・に・ 来・とる・ 人・は・ 今日・の・ 方・が・ おかい。」「仕事・が・ おこー・て・ すま・ん・なー。」〔⇒おおい、ぎょうさん、ようさん、ようけ〕

おかい【お粥】《名詞》 水を多くしてやわらかく炊いた御飯。「腹・が・ とーっ・とる・さかい・ おかい・に・ し・てんか。」〔⇒かい、かゆ、おかゆ、おかいさん〕

おかいさん【お粥】《名詞》 水を多くしてやわらかく炊いた御飯。「冷や飯・を・ おかいさん・に・ し・て・ 食べる。」「風邪・ ひー・た・ん・やっ・たら・ おかいさん・でも・ 食べ・て・ 寝・とっ・たら・ えー・やん。」◆「おかゆさん」とは言うことは、極めて少ない。「おかえさん」という発音になることがある。〔⇒かい、かゆ、おかい、おかゆ〕

おかえし【お返し】《名詞、動詞する》 ①ものをもらったお礼として、ものを贈ること。「良(え)ー・ もん・ もろ・た・さかい・ 何・ぞ・ おかえし・を・ せ・な・ 気ずつない。」②お釣りの金。「千円・ 預かっ・た・さかい・ おかえし・が・ 二百円・です。」③仕返しの言動。「ちょっと・ 言(ゆ)ー・たら・ ごっつい・ おかえし・を・ 言わ・れ・て・ びっくりし・た。」

おかえり【お帰り】《感動詞》 「ただいま」という帰宅の挨拶に対して、迎える側が口にする言葉。「よー〔=よくぞ〕・ おかえり。」◆「おかえり」は家族に対する言葉とは限らない。私は、生まれたところも、いまの住所も同じである。ずっと住み続けているから、一日の勤めを終えて帰る姿を見たときに、近所の人が「おかえり」と声をかけてくれることが多い。ごく自然な挨拶言葉になっているのである。もちろん、私は近所の人に「ただいま」と声をかけるから「おかえり」と応じてもらっているわけではない。「おかえり」が生きている地域に住んでいることを嬉しく思っている。

おかがみ【お鏡】《名詞》 正月やお祝いのときに、大小二つを重ねて神仏に供える円く平らな餅。鏡餅。「おかがみ・の・ 上・に・ 橙・と・ うらじろ・を・ 載せる。」

おかき【お欠き】《名詞》 餅を薄く切って乾燥させたもの。「おかき・を・ 油・で・ 揚げ・て・ 食べる。」〔⇒かきもち〕

おかげ【お陰】《名詞》 ①神、仏、人などから受けた力添えや恵み。「おかげ・で・ 病気・が・ だいぶ・ よーなっ・た。」②人から受ける、良くない影響。「あいつ・の・ おかげ・で・ 試合・に・ 負け・た。」

おかげさん【お陰さん】《名詞》  神、仏、人などから受けた助け。「おかげさん・で・ 命拾い・を・ し・た。」◆「おかげ」を丁寧に表現した言葉。

おかし【お菓子】《名詞》 食事以外に食べる、飴・煎餅など多様な嗜好品。「遠足・に・ 持っ・ていく・ おかしん・を・  買(こ)ー・といで。」〔⇒おかしん〕

おかしい〔おかしー〕【可笑しい】《形容詞》 ①滑稽で笑いたくなる。「あの・ 漫才・は・ ごっつい・ おかしー。」②普通と違っている。変だ。「おかしー・ 雨・の・ 降り方・で・ 気持ち悪い。」③怪しい。「夜中・に・ 何・やら・ おかしー・ 音・が・ し・た。」

おかしげな《連体詞》 ①普通と違っている。「外・で・ おかしげな・ 音・が・ し・た。」②怪しい。「おかしげな・ やつ・が・ 家・の・ 中・を・ 覗い・とる。」③滑稽で笑いたくなる。「おかしげな・ 落語・を・ 聴く・の・が・ 好きや。」〔⇒おかしな、おかしないな〕

おかしな《連体詞》 ①普通と違っている。「おかしな・ 空模様・に・ なっ・てっ・た。」②怪しい。「おかしな・ 人・が・ うろうろし・とる。」③滑稽で笑いたくなる。「おかしな・ 新喜劇」〔⇒おかしげな、おかしないな〕

おかしないな《連体詞》 ①普通と違っている。「おかしないな・ もの・の・ 言ー方・を・ する・ 人・や・なー。」②怪しい。「おかしないな・ やつ・が・ うろつい・とる。」③滑稽で笑いたくなる。「おかしないな・ 漫才」〔⇒おかしげな、おかしな〕

おかしなる《動詞・ラ行五段活用》 ①経済状態や経営などが不如意になる。「会社・が・ おかしなっ・て・ 心配や・ねん。」②調子が狂う。「途中・から・ 歌・が・ おかしなっ・た。」「ピッチャー・が・ おかしなっ・て・ 負け・ても・た。」

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2012年9月11日 (火)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1114)

おおひろま〔おーひろま〕【大広間】《名詞》 旅館などの、広く大きな部屋。「おーひろま・で・ 宴会・を し・た。」

おおまか〔おーまか〕【大まか】《形容動詞や・です》 細かいことにこだわらない様子。「おーまかに・ 数え・たら・ 八十人・ほど・やっ・た。」「おーまかな・ 性格・の・ 人」

おおみず〔おーみず〕【大水】《名詞》 大雨などによって、川や池の水があふれ出すこと。「おーみず・で・ 家・が・ つかっ・た。」〔⇒こうずい〕

おおみそか〔おーみそか〕【大晦日】《名詞》 一年の最後の日。十二月三十一日。「おーみそか・の・ 紅白歌合戦・を・ 見る。」〔⇒おおつもり〕

おおむかし〔おーむかし〕【大昔】《名詞》 ずいぶん昔。「これ・でも・ おーむかし・は・ 陸上選手・やっ・た・ん・や。」「おーむかし・は・ 恐竜・が・ 住ん・どっ・た・ん・や。」

おおむね〔おーむね〕【概ね】《名詞、副詞》 ものごとの大体のこと。あらまし。「おーむね・は・ みんな・ 賛成し・とる。」「そこ・まで・ でけ・たら・ おーむね・ 完成・や。」

おおめ〔おーめ〕【多め】《名詞》 数や量が少し多い程度。「おまけし・て・ おーめ・に・ 入れ・とい・てんか。」〔⇒おおいめ〕■対語=「すくなめ」「すくないめ」

おおめにみる〔おーめにみる〕【大目に見る】《動詞・マ行上一段活用》 細かなことをうるさく言わないで許す。「酒・ 飲ん・で・ 運転し・たら・ おーめにみ・てくれ・へん・ぞ。」

おおもと〔おーもと〕【大元】《名詞》 ものごとのいちばん大事な事柄。中心になっている人。「おーもと・を・ 考え・て・から・ 細かい・ こと・を・ 考える。」「祭り・の・ 警備係・の・ おーもと・の・ 人」

おおもの〔おーもの〕【大物】《名詞》 ①同型のものの中で、大きなもの。「おーもの・の・ 鯛・が・ 釣れ・た。」②その分野などで、能力が優れていたり、勢力を持ったりしている人物。「おーもの・や・さかい・ 選挙・で・ 通る・やろ。」■対語=「こもの」

おーけー【OK】《名詞、動詞する》 わかったということ。了解したということ。同意したということ。許可。「頼ま・れ・た・ こと・を・ おおけーし・て・ 準備・を・ 始める。」〔⇒おっけー〕

おーけー【OK】《感動詞》 よろしい。わかった。「おおけー・任し・とい・てんか。」〔⇒おっけー〕

おーとばい【オートバイ】《名詞》 エンジンで動く二輪車。単車。「おーとばい・を・ 乗り回す。」〔⇒ばたばた、ばたこ〕

おーばー【オーバー】《名詞》 寒さを防ぐために上着の上に着るもの。外套。「風・が・ 強ー・て・ おーばー・ 着・とっ・ても・ 寒かっ・た。」

おーばー【オーバー】《形容動詞や・です》 表現や態度が大げさである様子。「何・でも・ おーばーに・ 言(ゆ)ー・ 人・が・ おる。」

おーばー【オーバー】《動詞する、形容動詞や・です》 一定の数量を超えること。「定員・おーばー・や。」「予算・を・ おーばーし・ても・た。」

おーらい【オーライ】《感動詞》 承知したり、許可したりしたときに発する言葉。よろしい。「発車・ おーらい。」

おか【丘】《名詞》 土地が少し高くなっているところ。低い山。「線路・の・ 北側・は・ おか・に・ なっ・とる。」

おか【陸】《名詞》 (海に対して)陸の方。「舟・を・ 波止・に・ 着け・て・ おか・に・ 上がる・」「おか・に・ 近い・ とこ・で・ 魚・を・ 釣る。」

おかあ〔おかー〕《名詞》 お母さん。母。「おかー・が・ 迎え・に・ 来・てくれ・た。」「おかー・が・ 作っ・てくれ・た・ 弁当・は・ うまい・ねん。」◆ややぞんざいな言い方である。〔⇒おかん〕■類語=「おとう」「おじい」「おばあ」「おにい」「おねえ」

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2012年9月10日 (月)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1113)

おおげんとう〔おーげんとー、おーげんと〕【大見当】《名詞、形容動詞や・です》 おおよそであること。大雑把であること。たぶんそうであろうと思うこと。大抵に当てはまること。「おーげんとー・の・ 計算・を・ し・たら・ 一週間・ぐらい・は・ かかる・やろ・と・ 思う・ねん。」「おーげんとで・ 答え・たら・ 合(お)ー・とっ・た。」

おおごと〔おーごと〕【大事】《名詞、形容動詞や・です》 ①重大な事柄。「倒産し・たら・ おおごと・や・ぞ。」②広く公にすること。「おーごとに・ せ・んと・ 収め・とき。」

おおざっぱ〔おーざっぱ〕【大雑把】《形容動詞や・です》 細かいことにこだわらない様子。細かいことに注意が行き届かない様子。「おおざっぱな・ 数・で・ 考え・てください。」「あいつ・は・ おーざっぱな・ 人間・や・さかい・ あんまり・ あて・に・ なら・へん・ぞ。。」

おおしお〔おーしお〕【大潮】《名詞》 満ち潮と引き潮の差が大きいこと。また、その時期。「明日・は・ おーしお・や・さかい・ 貝掘り・に・ 行か・へん・か。」

おおすじ〔おーすじ〕【大筋】《名詞》 ものごとの大体のところ。あらまし。あらすじ。「おーすじ・は・ その・ 通り・や・けど・ 細かい・ こと・は・ ちょっと・ 違う・ねん。」

おおずもう〔おーずもー〕【大相撲】《名詞》 プロの力士によって興行される相撲。「おーずもー・の・ 春場所」

おおぜい〔おーぜー〕【大勢】《名詞、形容動詞》 たくさんの人。「祭り・は・ おーぜー・の・ 人出・が・ あっ・た。」

おおぜき〔おーぜき〕【大関】《名詞》 相撲で、横綱の次の位。「今度・の・ 場所・は・ おーぜき・が・ 四人・に・ なっ・た。」

おおそうどう〔おーそーどー〕【大騒動】《名詞、動詞する》 大勢が騒ぎ立てること。たいへん混乱すること。「へそくり・が・ 見つかっ・て・ おーそーどーやっ・た。」

おおぞら〔おーぞら〕【大空】《名詞》 広く大きな空。「秋・の・ おーぞら・を・ 見・とっ・たら・ 気持ち・が・ 良(え)ー。」

おおだこ〔おーだこ〕【大蛸】《名詞》 大型の蛸。「おーだこ・を・ 干し蛸・に・ する。」◆小型の蛸は「くもだこ」などと言う。

おおだすかり〔おーだすかり〕【大助かり】《形容動詞や・です》 費用や苦労がたいへん少なくてすむ様子。負担が減って気持ちが楽になる様子。「手伝い・に・ 来・てくれ・た・さかい・ おーだすかりやっ・た。」

おおちがい〔おーちがい〕【大違い】《名詞、形容動詞や・です》 ①大きく異なること。「行き・と・ 帰り・の・ 時間・は・ おーちがいやっ・た。」②予想したことと大きく反すること。「考え・とっ・た・ こと・と・ おーちがいやっ・た。」

おおづかみ〔おーずかみ〕【大掴み】《名詞、形容動詞や・です》  大雑把に理解や判断をすること。「人数・を・ おーずかみに・ 計算する。」

おおつもり〔おーつもり〕【大晦日】《名詞》  一年の最後の日。十二月三十一日。(ただし、旧暦の場合は、十二月二十九日または三十日の年末。)「おーつもり・に・ 年越し・の・ 蕎麦・を・ 食べる。」〔⇒おおみそか〕

おおどおり〔おーどーり〕【大通り】《名詞》 道幅が広く、賑やかな通り。「明石・の・ 銀座・の・ おーどーり」

おおにんずう〔おーにんずー〕【大人数】《名詞、形容動詞や・です》 人の数が多いこと。「おーにんずーで・ よってこって・ 田植えする。」

おおばこ〔おーばこ〕【車前草】《名詞》 楕円形の葉と長い柄があり、葉などを胃腸薬・咳止めとして使う野原に生える草。「おおばこ・は・ 強ー・て・ はびこっ・とる。」〔⇒おばこ〕

おおはば〔おーはば〕【大幅】《形容動詞や・です》 数量や程度の開きが大きい様子。「おーはばに・ 値上げする。」

おおばん〔おーばん〕【大判】《名詞》 ①普通より形が大きいもの。「おーばん・の・ 雑誌」②古い時代に流通した楕円形の金貨。「おーばん・ 小判・が・ ざっくざっく」

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2012年9月 9日 (日)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1112)

おおきに〔おーきに〕《感動詞》 感謝の気持ちを表す言葉。ありがとう。「どーも・ おーきに。何・ど・ また・ 礼・を・ する・な。」「おーきに・ ありがとう・ござい・ます。」〔⇒おおき、おおけに、おっけに〕

おおきにありがとうさん〔おーきにありがとーさん、おーきにありがとさん〕《感動詞》 深く感謝の気持ちを表す言葉。とてもありがとう。「昨日・は・ おーきにありがとさん。」〔⇒おおきありがとうさん、おおけにありがとうさん、おっけにありがとうさん〕

おおきめ〔おーきめ〕【大きめ】《名詞、形容動詞や・です》 すこし大きい程度。どちらかと言えば大きいと思われる程度。「おーきめ・の・ 弁当箱・に・ 詰める。」〔⇒おおきいめ、おおけいめ、おっきいめ、おっけいめ、おおけめ、おっきめ、おっけめ、ごっついめ、ごっつめ〕■対語=「ちいさめ」

おおけ〔おーけ〕《副詞》 たいそう。大変。とても。「おーけ・ 苦労・を・ かけ・た・なー。」「おーけ・ お世話・に・ なり・まし・た。」〔⇒おおき、おっけ、ごっつい、ごっつう〕

おおけいめ〔おーけーめ〕【大けいめ】《名詞、形容動詞や・です》 すこし大きい程度。どちらかと言えば大きいと思われる程度。「おーけーめ・の・ 声・で・ しゃべっ・てくれ・へん・か。」〔⇒おおきいめ、おっきいめ、おっけいめ、おおきめ、おおけめ、おっきめ、おっけめ、ごっついめ、ごっつめ〕■対語=「ちいさいめ」「こまいめ」

おおけえ〔おーけー〕【大けえ】《形容詞》 ①かさが多い。「もっと・ おーけー・ 入れ物・が・ 欲しい。」②面積が広い。「おーけー・ 紙・が・ 欲しい・ねん。」③背丈が高い。「おーけー・ 建物・が・ ぎょーさん・ 並ん・どる。」④数や程度が甚だしい。「おーけー・ お世話・や。」⑤年が上である。「おーけー・ 子ー・と・ 喧嘩し・たら・ 勝た・れ・へん・よ。」〔⇒おおきい、おっきい、おっけい、ごっつい〕■対語=「ちいさい」「こまい」「こんまい」

おおげさ〔おーげさ〕【大袈裟】《形容動詞や・です》 実際以上のように言ったりしたりすること。「おーげさな・ 話・や・さかい・ 信用・が・ でけ・へん。」

おおけする〔おーけする〕【大けする】《動詞・サ行変格活用》 ①人や動物・植物などを育てる。「戦争中・に・ 息子・ 二人・を・ おーけし・た・ん・や。」「水・を・ やっ・て・ 木・を・ おーけする。」②発展させる。規模などを拡大する。「一代・で・ 会社・を・ おーけし・た。」〔⇒おおきする、おっきする、おっけする、ごっつする〕

おおけな〔おーけな〕【大けな】《連体詞》 ①かさが多い。「おーけな・ 家・を・ 建て・た・ん・や・なー。」「おーけな・ ボール」②面積が広い。「おーけな・ 封筒」③背丈が高い。「おーけな・ ビル」④数や程度が甚だしい。「おーけな・ 金額・や・から・ 準備する・の・が・ むつかしー。」「おーけな・ 儲け・に・ なる。」⑤年が上である。年かさである。「おーけな・ 人・に・は・ 逆らわ・れ・へん。」〔⇒おおきな、おっきな、おっけな〕

おおけなる〔おーけなる〕【大けなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①人や動物・植物などが成長する。「子ども・が・ おーけなっ・て・ 手ー・が・ かから・ん・よーに・ なっ・た。」「芽・が・ 出・た・ 思(おも)・たら・ じっきに・ おーけなっ・て・ 蕾・が・ つい・た。」②発展する。規模などが拡大する。「日食・が・ だんだん・ おーけなっ・た。」〔⇒おおきなる、おっきなる、おっけなる、ごっつなる〕

おおけに〔おーけに〕《感動詞》 感謝の気持ちを表す言葉。ありがとう。「おーけに。また・ 来・て・な。」〔⇒おおき、おおきに、おっけに〕

おおけにありがとうさん〔おーけにありがとーさん、おーけにありがとさん〕《感動詞》 深く感謝の気持ちを表す言葉。とてもありがとう。「息子・が・ 世話・に・ なっ・て・ おーけにありがとーさん。」〔⇒おおきありがとうさん、おおきにありがとうさん、おっけにありがとうさん〕

おおけめ〔おーけめ〕【大けめ】《名詞、形容動詞や・です》 すこし大きい程度。どちらかと言えば大きいと思われる程度。「おーけめ・の・ 袋・に・ 入れる。」〔⇒おおきいめ、おおけいめ、おっきいめ、おっけいめ、おおきめ、おっきめ、おっけめ、ごっついめ、ごっつめ〕■対語=「ちいさめ」

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2012年9月 8日 (土)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1111)

おおがかり〔おーがかり〕【大掛かり】《形容動詞や・です》 規模や仕組みなどが大きい様子。「おーがかりな・ 祝賀会・を・ 開く。」「おーがかりな・ 機械・が・ いっぱい・ ある・ 工場」

おおかぜ〔おーかぜ〕【大風】《名詞》 ①強く激しい風。「おーかぜ・が・ 吹い・て・ 桜・が・ 散っ・た。」②台風。「二百十日・に・ おーかぜ・が・ やってくる。」

おおかた〔おーかた〕【大方】《名詞、副詞》 ①おおよそ。大体。あらまし。「宿題・は・ おーかた・ 出来上がっ・た。」②大部分。ほとんど全て。たいてい。「案内状・を 出し・たら・ おーかた・の・ 人・が・ 来・た。」③もうすこしで…しそうであるという様子を表す言葉。危うく。「おーかた・ 溝・に・ はまり・かけ・た。」④可能性が高いだろうということを表す言葉。たぶん。おそらく。「おーかた・ 明日・は・ 雨・やろ。」

おおがた〔おーがた〕【大形・大型】《名詞》 形が大きいこと。規模が大きいこと。同類のものの中で、他と違って大きいこと。「六十人乗り・の・ おーがた・の・ バス・で・ 遠足・に・ 行っ・た。」

おおかみ〔おーかみ〕【狼】《名詞》 山野にすみ、犬に似て、犬よりも荒々しい性質を持った動物。「村・の・ 近く・まで・ おおかみ・が・ 出・てき・た。」〔⇒おおかめ〕

おおかめ〔おーかめ〕【狼】《名詞》 山野にすみ、犬に似て、犬よりも荒々しい性質を持った動物。「今・は・ もー・ おーかめ・は・ おら・へん。」〔⇒おおかみ〕

おおがら〔おーがら〕【大柄】《形容動詞や・です》 ①体つきや形が大きいこと。「おーがら・の・ 柔道選手・や・さかい・ 強かっ・た。」②柄や模様が大きいこと。「おーがらな・ 花模様・の・ 服・を・ 着る。」

おおき〔おーき〕《副詞》 たいそう。大変。とても。「おーき・ お世話・に・ なり・まし・た。」「おーき・ ご苦労さん。」〔⇒おおけ、おっけごっつい、ごっつう〕

おおき〔おーき〕《感動詞》 感謝の気持ちを表す言葉。ありがとう。「どーも・ おーき。」「昨日・は・ 世話・に・ なっ・て・ おーき。」〔⇒おおきに、おおけに、おっけに〕
おおきありがとうさん〔おーきありがとーさん、おーきありがとさん〕《感動詞》 深く感謝の気持ちを表す言葉。とてもありがとう。「いろいろ・ 世話・に・ なっ・て・ おーきありがとさん。」〔⇒おおきにありがとうさん、おおけにありがとうさん、おっけにありがとうさん〕

おおきい〔おーきー〕【大きい】《形容詞》  ①かさが多い。「九州行き・の・ おーきー・ 船・が・ 通っ・とる。」②面積が広い。「おーきー・ 運動場・や・さかい・ 伸び伸びと・ 使える。」③背丈が高い。「おーきー・ ビル・の・ 二十階・が・ 事務所・や。」④数や程度が甚だしい。「おーきー・ 間違い・を・ し・ても・た。」⑤年が上である。「おーきー・ 兄ちゃん」〔⇒おおけえ、おっきい、おっけい、ごっつい〕■対語=「ちいさい」「こまい」「こんまい」

おおきいめ〔おーきーめ〕【大きいめ】《名詞、形容動詞や・です》 すこし大きい程度。どちらかと言えば大きいと思われる程度。「おーきーめ・の・ 袋・を・ 持っ・ていく。」〔⇒おおけいめ、おっきいめ、おっけいめ、おおきめ、おおけめ、おっきめ、おっけめ、ごっついめ、ごっつめ〕■対語=「ちいさいめ」「こまいめ」

おおきする〔おーきする〕【大きする】《動詞・サ行変格活用》 ①人や動物・植物などを育てる。「子ども・ 一人・ おーきする・の・は・ えらい・ こと・や。」「花・を・ おーきする・の・も・ 楽しい・ こと・です。」②発展させる。規模などを拡大する。「店・を・ おーきし・た。」〔⇒おおけする、おっきする、おっけする、ごっつする〕

おおきな〔おーきな〕【大きな】《連体詞》 ①かさが多い。「おーきな・ 箱」②面積が広い。「おーきな・ 公園」③背丈が高い。「おーきな・ 竹」④数や程度が甚だしい。「おーきな・ 借金・が・ ある。」⑤年が上である。年かさである。「わし・より・ 三つ・ おーきな・ 先輩・や。」〔⇒おおけな、おっきな、おっけな〕

おおきなる〔おーきなる〕【大きなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①人や動物・植物などが成長する。「おーきなっ・て・ もー・ 小学校・に・ 入る・ん・や・なー。」②発展する。規模などが拡大する。「会社・が・ おーきなる。」〔⇒おおけなる、おっきなる、おっけなる、ごっつなる〕

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2012年9月 7日 (金)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1110)

おうせつま〔おーせつま〕【応接間】《名詞》  民家などで、来客の相手をする部屋。「玄関・を・ 入っ・た・ 横・が・ おーせつま・や。」

おうだん〔おーだん〕【横断】《名詞、動詞する》 横切って通ること。一方の側から向かい側へ、まっすぐに行くこと。「信号・の・ ある・ 所・で・ 道・を おーだんする。」

おうだんほどう〔おーだんほどー〕【横断歩道】《名詞》 人が車道を横切るために、しるしを付けて指定している場所。「おーだんほどー・でも・ 事故・は・ 起きる・ん・や。」

おうち【お家】《名詞》 ①あなた。「おうち・も・ 一緒に・ 行っ・てくれ・ませ・んか。」②あなたの家。「おうち・は・ どこ・です・か。」◆①②③とも、やや敬意を込めた言い方である。〔⇒おたく、おたくさん、おたくはん。①⇒あんた〕

おうちゃく〔おーちゃく〕【横着】《形容動詞や・です、動詞する》 手を抜いて怠ける様子。すべきことを怠ける様子。図々しくふるまう様子。「坐っ・た・まま・ 挨拶する・よーな・ おーちゃくな・ やつ・に・は・ 腹・が・ 立つ。」「おーちゃくし・て・ 自分・で・ しよ・ー・と・ せー・へん。」

おうどいろ〔おーどいろ〕【黄土色】《名詞》 黄色みを帯びた茶色。「茶色・と・ 黄色・の・ 絵の具・を・ 混ぜ・て・ おーどいろ・を・ 作る。」

おうて〔おーて〕【王手】《名詞》 ①将棋で、相手の王を追いつめる手。「この・ 駒・を・ ここ・へ・ 動かし・たら・ おーて・や・ぞ。」②相手を窮地に追いつめること。「今日・ 勝っ・たら・ 優勝・に・ おーて・や。」

おうふく〔おーふく〕【往復】《名詞、動詞する》 行ったり来たりすること。行って戻ること。「半時間・で・ おーふくする。」

おうふくはがき〔おーふくはがき〕【往復葉書】《名詞》 往信部分と返信部分が一続きになっている葉書。「同窓会・の・ 案内・を・ おーふくはがき・で・ 出す。」

おうぼ〔おーぼ〕【応募】《名詞、動詞する》 募集しているところに申し込んだり集まったりすること。「懸賞・に・ おーぼし・た・けど・ 当たら・なんだ。」

おうむ〔おーむ〕【鸚鵡】《名詞》 熱帯の森林にすみ、人の言葉の真似ができる鳥。「おうむ・が・ もの・を・ 言(ゆ)ー・た。」

おうよう〔おーよー〕【応用】《名詞、動詞する》 原理や考え方などを、他の場合や実際のものに当てはめて活用すること。「計算・の・ おーよー・問題」

おうよう〔おーよー〕【鷹揚】《形容動詞や・です》 ゆったりとして大らかな様子。小さなことにこだわらない様子。「おーよーで・ 少々・の・ こと・で・は・ 怒ら・へん・ 人・や。」

おお〔おー〕《感動詞》 ①人に応えて返事をしたり、承諾の気持ちを表したりするときに発する言葉。「おー。何・や。」「おー・ お前・の・ 言(ゆ)ー・とおり・や。」②感動したり驚いたりしたときに発する言葉。「おー・ 寒い。」

おお〔おー〕【大】《接頭語》 大きい、多い、優れているというような意味を添える言葉。「おー通り」「おー助かり」「おー急ぎ」

おおあめ〔おーあめ〕【大雨】《名詞》 激しくたくさん降る雨。豪雨。「台風・が・ 来・て・ おーあめ・が・ 降っ・た。」

おおい〔おーい〕【多い】《形容詞》 数や量がたくさんある。「参加し・たい・と・ 考え・とる・ 希望者・が・ おーい。」〔⇒おかい、ぎょうさん、ようさん、ようけ〕

おおい〔おーい〕【覆い】《名詞、動詞する》 ものが隠れるように、かぶせたり包んだりすること。また、それに用いるもの。「寒さ除け・の・ おーい」「車庫・に・ 雨除け・の・ おーい・を・ 作る。」

おおい〔おーい〕《感動詞》 離れた所にいる人に呼びかけたり応えたりするときに発する言葉。「おーい・ 聞こえる・かー。聞こえ・たら・ 返事し・てくれー。」

おおいめ〔おーいめ〕【多いめ】《名詞》 数や量が少し多い程度。「ガソリン・を・ おーいめ・に・ 入れる。」〔⇒おおめ〕■対語=「すくなめ」「すくないめ」

おおいり〔おーいり〕【大入り】《名詞、形容動詞や・です》 客がおおぜい入ること。「映画館・が・ おーいりで・ 満員・や。」

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2012年9月 6日 (木)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1109)

おいまわす〔おいまーす〕【追い回す】《動詞・サ行五段活用》 ①あちらこちらへ、しつこく追いかける。「阪神タイガース・を・ おいまーし・て・ 試合・を・ 見・に・ 行っ・とる・ねん。」「女・の・ 尻・を・ おいまーす。」②休むことなく働かせる。「仕事・に・ おいまーさ・れ・て・ 日曜日・が・ あら・へん・の・や。」

おいもさん【お芋さん】《名詞》  薩摩芋。馬鈴薯。里芋。◆食べ物に「お…さん」を付ける言い方は、他に「お粥(かい)さん」「お豆さん」などがある。豆は「まめさん」とも言うが、芋を「いもさん」ということはない。粥も「かいさん」とは言わない。

おいる【オイル】《名詞》 ①水と混ざらない、燃えやすい液体。石油の類。「おいる・が・ 値上がりし・た。」②植物の実や種などからとれる、水と混ざらない、燃えやすい液体。食用油。「菜種・の・ おいる」③機械などが摩擦などに妨げられず滑らかに動くようにする油。潤滑油。「自転車・に・ おいる・を・ 注す。」〔⇒あぶら〕

おいんなはる《動詞・ハ行五段活用》 ①いらっしゃる。「行く」の尊敬表現。「昨日・は・ どこ・へ・ おいんなはっ・た・ん・です・か。」②いらっしゃる。「来る」の尊敬表現。「ここ・へ・ いつ・ おいんなはっ・た・ん・です・か。」「こっち・の・ 方・が・ 空(す)い・とる・さかい・ おいんなはれ。」③いらっしゃる。「おる」「ある」の尊敬表現。「子どもさん・は・ 何人・ おいんなはる・の。」◆もともとは「おいで」+「なはる」であるが、一語に熟しているとみることができる。〔⇒おいなはる〕

おう〔おー〕【追う】《動詞・ワア行五段活用》 ①せきたてて前に進ませる。「牛・を・ おー・ていく。」②無理に他の場所へ行かせる。追い立てて遠くへやる。「蝿(はい)・を おう。」〔②⇒おいはらう〕

おう〔おー〕【負う】《動詞・ワア行五段活用》 背中や肩に乗せる。背負う。おんぶする。「子ども・を・ おー・ていく。」「風呂敷・を・ おー・て・ 歩く。」〔⇒おたす〕
おう〔おー〕【王】《名詞》 ①国や領地を治める、最高の位の人。「南・の・ 島・の・ おー・さん」②何かのことに最も優れている人。「今年・の・ ホームラン・おー」③相手に攻められて動けなくなったとき、将棋が負けとなる最も重要な駒。王将。「おー・を・ 動け・ん・よーに・ する。」

おう〔おー〕《感動詞》 相手の呼びかけなどに応じて発する声。「おー。聞こえる・ぞー。」

おうえん〔おーえん〕【応援】《名詞、動詞する》 ①味方や関係ある者を励ますこと。ひいきの者に肩入れをすること。「おうえんし・て・ 寄付・を・ する。」②声を出したり拍手をしたりして、選手などを元気づけること。「スタンド・から・ 自分ら・の・ 学校・の・ チーム・を・ おーえんする。」

おうかん〔おーかん〕【王冠】《名詞》 ①王の被るかんむり。優勝者の被るかんむり。「金・や・ ダイヤモンド・で・ でけ・とる・ おーかん」②瓶の口金。「一升瓶・の・ おーかん・を・ 開け・て・ 酒・を・ 注ぐ。」

おうぎ〔おーぎ〕【扇】《名詞》 手に持ってあおいだり、儀式や舞踊などで手にしたりする具。「踊り・に・ 使う・ おーぎ・に・ 絵・を・ 描く。」〔⇒せんす〕

おうぎがた〔おーぎがた〕【扇形】《名詞》 せんすを開いたような形。「神戸・の・ 港・は・ おーぎがた・に・ なっ・とる。」

おうじ〔おーじ〕【王子】《名詞》 王の息子。「おーじ・さん・が・ 出・てくる・ お話・が・ 好きや。」

おうじょう〔おーじょー〕【往生】《名詞、動詞する》 ①死ぬこと。極楽浄土に生まれ変わること。「九十五・まで・ 生き・て・ 大おーじょー・や。」「長生きし・て・ 良(え)ー・ おーじょーし・なはっ・た。」②どうしたらよいか困ってしまうこと。行き詰まって動きがとれなくなること。「急に・ 大雨・に・ 降ら・れ・て・ おーじょーし・た。」「どない・ 答え・たら・ 良(え)ー・の・か・ わから・んで・ おーじょーし・た。」

おうしん〔おーしん〕【往診】《名詞、動詞する》 医者が病人の家へ診察に出向くこと。「おーしん・に・ 来・てくれる・ 親切な・ 先生・や。」

おうせつしつ〔おーせつしつ〕【応接室】《名詞》  会社・学校などで、来客の相手をする部屋。「おーせつしつ・で・ 長いこと・ 待た・さ・れ・た。」

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2012年9月 5日 (水)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1108)

おいちに〔おいちにー〕【お一二】《感動詞》 号令をかけるときなどに使う「一、二」を、語気を強めて「おいち、に」と言うことがある。「足並み・を・ 揃え・て・ おいちにー・ おいちにー。」◆「おいちにー、三四(さんしー)、五六(ごーろく)、七八(ひちはち)……」と続けていくこともある。◆「おちに」と聞こえることもある。

おいつく【追いつく】《動詞・カ行五段活用》 前を行く者を追いかけて、並ぶ。「一生懸命に・ 走っ・て・ やっと・ みんな・に・ おいつい・た。」

おいで《①名詞、②動詞(連用形)》 ①行くこと。来ること。居ること。「昨日・は・ どこ・へ・ おいで・やっ・た・ん・です・か。」②行くこと、来ること、居ることを命令したり要求したりするときに言う言葉。いらっしゃい。「こっち・へ・ おいで。」◆②は、「おいでなはれ」の「なはれ」などが省略された形であるから、「行け」「来い」「居れ」などのような強い響きはない。
おいでおいで《名詞、動詞する》 手招きをすること。「向こー・の・ 方・から・ 見つけ・て・ おいでおいでし・とる。」

おいど《名詞》 ①尻。「おいど・ 出し・とっ・たら・ 笑わ・れる・ぞ。」②末尾。「おいど・から・ 二人目・に・ 坐っ・とる。」◆「しり」よりも上品な言葉である。〔⇒しり〕

おいどからげ《名詞、動詞する》 着物の後ろの裾をかかげること。◆ズボンの裾をめくり上げることなどにも使う。「雨・の・ 中・を・ おいどからげし・て・ 歩く。」◆「しりからげ」よりも上品な言葉である。〔⇒おいどまくり、しりからげ、しりまくり〕

おいとく【置いとく】《動詞・カ行五段活用》 ①置いておく。「その・ 辺・に・ おいとい・てください。」②捨てておく。放置する。「こんな・ とこ・に・ おいとい・たら・ 邪魔に・ なる・がな。」③止める。終わりにする。「えー・ かげん・に・ し・て・ おいとこ・か。」◆もとは、動詞「おく」と助動詞「とく」が結びついたものであるが、熟した意味・用法になっている。

おいどまくり《名詞、動詞する》 着物の後ろの裾をかかげること。◆ズボンの裾をめくり上げることなどにも使う。「ズボン・の・ おいどまくり・を・ する。」◆「しりまくり」よりも上品な言葉である。「おいど・を・ たくる」とも言う。〔⇒おいどからげ、しりからげ、しりまくり〕

おいどむき《名詞、動詞する》 ①周りの者に、後ろを見せること。「おいどむき・に・ 置い・たら・ 見え・へん・がな。」②互いに後ろを見せる位置にあること。「二人・ずつ・ おいどむき・に・ 立ち・なはれ。」◆「しりむき」よりも上品な言葉である。〔⇒おいどむけ、しりむけ、しりむき〕■対語=「まえむき」

おいどむけ《名詞、動詞する》 ①周りの者に、後ろを見せること。「おいどむけ・に・ 立た・んと・ 前・を・ 向き・なさい。」②互いに後ろを見せる位置にあること。「椅子・に・ おいどむけし・て・ 坐っ・とる。」◆「しりむけ」よりも上品な言葉である。〔⇒おいどむき、しりむけ、しりむき〕■対語=「まえむけ」

おいど(を)むける《動詞・カ行下一段活用》 ①周りの者に、後ろを見せる。②互いに後ろを見せる位置にある。「お客さん・に・ おいどむけ・たら・ あか・ん・がな。」◆「しり(を)むける」よりも上品な言葉である。〔⇒しり(を)むける〕

おいなはる《動詞・ハ行五段活用》 ①いらっしゃる。「行く」の尊敬表現。「電車・に・ 乗っ・て・ 今日・は・ どこ・へ・ おいなはる・ん。」②いらっしゃる。「来る」の尊敬表現。「あんた・は・ どこ・から・ おいなはっ・た・ん・です・か。」③いらっしゃる。「おる」「ある」の尊敬表現。「地震・の・ 時・は・ どこ・に・ おいなはっ・た・ん・や。」◆もともとは「おいで」+「なはる」であるが、一語に熟しているとみることができる。〔⇒おいんなはる〕

おいはぎ【追い剥ぎ】《名詞》 道を行く人を脅して、金品を奪うこと。また、それをする人。「今・でも・ 時々・ おいはぎ・が・ 出る・ん・や・ぜ。」

おいはらう【追い払う】《動詞・ワア行五段活用》 無理に他の場所へ行かせる。追い立てて遠くへやる。「野良猫・を・ おいはらう。」「手ー・で・ 蝿(はい)・を・ おいはらう。」〔⇒おう〕

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2012年9月 4日 (火)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1107)【お】

お〔おー〕【緒】《名詞》 紐や糸のように細長いもの。「凧・を・ 揚げる・ おー・で・ 手ー・を・ 切っ・た。」

お〔おー〕【尾】《名詞》 ①動物の尻から細長く伸びた部分。「犬・が・ おー・を・ 振っ・とる。」②後ろに長く伸びているもの。「帚星・が・ おー・を・ 引ー・とる。」〔⇒しっぽ〕

お《接頭語》 名詞の前に付けて、丁寧、尊敬の気持ちを表す。「お日ーさん」「お車」◆食べ物について「お」を付けることが多く、さらに「お~さん」という言い方をすることが多い。「お豆さん」「お粥(かい)さん」「お芋さん」「お揚げさん」など。

おい【甥】《名詞》 兄弟・姉妹の子で、男の子。「おい・が・ 高校・に・ 入っ・た・さかい・ お祝い・を・ し・た。」

おい〔おーい〕《感動詞》 親しい人に呼びかける言葉。「おい・ こっち・へ・ 来い。」◆やや乱暴に言う言葉であって、目下の人に向かって使うことが多い。

おいえ《名詞》 家族が食事をする座敷。茶の間。畳敷きの間。「おいえ・に・ テレビ・を・ 置く。」

おいおい《感動詞》 「おい」を重ねた言葉で、親しい人に呼びかける言葉。◆やや乱暴に言う言葉であって、目下の人に向かって使うことが多い。また、相手の言うことを聞きとがめたり、行動をいさめたりする気持ちを表すときに使うことも多い。「おい・ こっち・へ・ 来い。」

おいおい《副詞と》 しだいに。そうしているうちに。「仕事・に・ おいおい・ 慣れ・ていく。」「おいおい・ みんな・は・ わかっ・てくれる・ こと・やろ。」〔⇒だんだん〕

おいかえす【追い返す】《動詞・サ行五段活用》 この場所におらせまいとして、無理に帰らせる。受け入れないで、元の場所へ戻らせる。「押し売り・を・ おいかえす。」〔⇒おいかやす〕

おいかける【追いかける】《動詞・カ行下一段活用》 前を行く者を、後から追う。「おいかけ・た・けど・ 見失(みうしの)ー・た。」〔⇒おわえる〕

おいかぜ【追い風】《名詞》 進む方向の後ろから吹いてくる風。「おいかぜ・や・から・ 走りやすい。」■対語=「むかいかぜ」

おいかやす【追い返す】《動詞・サ行五段活用》 この場所におらせまいとして、無理に帰らせる。受け入れないで、元の場所へ戻らせる。「」〔⇒おいかえす〕

おいこ【負いこ】《名詞》 子どもを背中に背負うときに使う綿入れのはんてん。「おいこ・で・ 子ども・を・ おたし・とっ・たら・ 自分・も・ 温ー・て・ えー・もん・や。」〔⇒ねんねこ〕

おいごえ【追い肥】《名詞、動詞する》 作物が生育している途中で与える肥料。追加して与える肥料。「おいごえ・を・ やっ・たら・ 綺麗な・ 花・が・ 咲く。」

おいこす【追い越す】《動詞・サ行五段活用》 前のものを抜いて、自分が前に出る。「急行・が・ 普通電車・を・ おいこす。」

おいこむ【追い込む】《動詞・マ行五段活用》 追い立てて、ある場所に入れる。「鶏小屋・に・ おいこむ。」

おいしい〔おいしー〕【美味しい】《形容詞》 味が良い。「やっぱり・ 明石・の・ 鯛・は・ おいしー・なー。」◆「うまい」よりも上品な言い方である。〔⇒うまい〕■対語=「まずい」「もみない」「あじない」「うまない」

おいしがる【美味しがる】《動詞・ラ行五段活用》 味が良いと感じる。味が良いということを言動などで示す。「西瓜・を・ おいしがっ・て・ 食べ・てくれ・た。」◆「うまがる」よりも丁寧な言い方。〔⇒うまがる〕■対語=「みずくさがる」

おいだき【追い焚き】《名詞、動詞する》 ①さめた風呂を、再び焚いて熱くすること。「そろそろ・ おいだきし・たろ・か。」②再び焚いて熱くするために使う薪や藁。「おいだき・が・ 足ら・ん・よーに・ なっ・た。」

おいだす【追い出す】《動詞・サ行五段活用》 ①追い立てて、外に出す。「蚊取り線香・を・ 焚い・て・ 蚊ー・を・ おいだす。」②家族・仲間・組織などから除外する。「あいつ・は・ 嫁はん・を・ おいだし・た・そーや。」

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2012年9月 3日 (月)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1106)

えんちょう〔えんちょー〕【園長】《名詞》 幼稚園・保育園・動物園などの、いちばん上の責任者。「えんちょー・の・ 先生・の・ お話・を・ 聞い・た。」

えんちょうせん〔えんちょーせん〕【延長戦】《名詞》 試合の決着が付かないときに、時間や回数を延ばして行う試合。「中京・と 明石・の・ 二十五回・の・ えんちょーせん」

えんでん【塩田】《名詞》 塩を取るために作った砂地の田。「赤穂・の・ えんでん・の・ 跡・に・ 遊園地・が・ でき・た。」

えんどう〔えんどー、えんど〕【豌豆】《名詞》 豆やさやを食用にする、つるのある植物。また、その豆やさや。「えんどー・に・ 花・が・ 咲い・とる。」〔⇒えんどうまめ〕

えんどうまめ〔えんどーまめ、えんどまめ〕【豌豆豆】《名詞》 豆やさやを食用にする、つるのある植物。また、その豆やさや。「えんどーまめ・を・ 植える。」〔⇒えんどう〕

えんとつ【煙突】《名詞》 煙を空中に出すための縦に長い筒。「工場・の・ えんとつ・から・ 真っ黒・の・ 煙・が・ 出・とる。」「籾焼き・の・ えんとつ」

えんなか【家の中】《名詞》 ①家の中。室内。「風邪・ ひー・て・ 三日間・ えんなか・に・ おっ・た。」②家族の人間関係。「えんなか・で・ もめ・た。」

えんのした【縁の下】《名詞》 縁側の下。床の下ぜんたい。「えんのした・が・ 湿ら・ん・よーに・ 石灰(いしばい)・を・ 撒く。」〔⇒だんのした〕

えんば《形容動詞や・です》 あいにくうまく事が運ばないという様子。折悪しくよくないという様子。「えんばな・ こと・で・ 誰・も・ おり・まへ・ん・ねん。」「えんばと・ 知っ・とる・ 人・が・ 誰・も・ おら・なんだ。」「えんばな・ こと・に・ 売り切れ・てまい・まし・た。」「あの・ 時・は・ 家・に・ おら・ん・で・ えんばやっ・た。」◆似たような様子を表す言い方として、「まん・が・ 悪ー・て」などがある。

えんばん【円盤】《名詞》 円くて平たいもの。「子ども・の・ 頃・は・ 空飛ぶ・ えんばん・の・ こと・に・ 興味・が・ あっ・た・なー。」

えんぴつ【鉛筆】《名詞》 木の軸の中に黒鉛の芯を入れた筆記用具。「消しゴム・の・ つい・た・ えんぴつ」〔⇒いんぴつ、えんぺつ〕

えんぴつけずり【鉛筆削り】《名詞》 芯のすり減った鉛筆を削るための道具。「手ー・で・ ぐるぐる・ 回す・ えんぴつけずり」◆かつての「いんぴつけずり」はナイフ(肥後の守)であり、電動削り器が現れたときは驚いたものである。ナイフ系のものにもいろいろな種類があり、「けずり」「とげり」とも呼んだ。〔⇒えんぴつけずり、えんぺつけずり、けずり、とげり〕

えんぶん【塩分】《名詞》 食品や海水に含まれている塩の量や比率。「えんぶん・の・ 多い・ 味噌汁」

えんぺつ【鉛筆】《名詞》 木の軸の中に黒鉛の芯を入れた筆記用具。「ナイフ・で・ えんぺつ・を・ 削る。」〔⇒えんぴつ、いんぴつ〕

えんぺつけずり【鉛筆削り】《名詞》 芯のすり減った鉛筆を削るための道具。「電気・で・ 回る・ えんぺつけずり」◆かつての「いんぴつけずり」はナイフ(肥後の守)であり、電動削り器が現れたときは驚いたものである。ナイフ系のものにもいろいろな種類があり、「けずり」「とげり」とも呼んだ。〔⇒えんぴつけずり、えんぺつけずり、けずり、とげり〕

えんぼう〔えんぽー〕【遠方】《名詞》 遠いところ。遠くの方。「あんた・は・ えんぽー・に・ お住まい・です・か。」◆相手に感謝するための挨拶の言葉としては、特に遠方からでなくても、この言葉を使うことがある。「えんぽー・から・ わざわざ・ 来・てもろ・て・ すん・まへ・ん。」

えんま【閻魔】《名詞》 仏教で考えられている存在で、生前の行いから判断を下して賞罰を与えるという地獄の王。「嘘・ つい・たら・ えんまさん・に・ 舌・を・ 切ら・れる・ぞ。」

えんまん【円満】《形容動詞や・です》 不満や争いごとがなく、穏やかな様子。角が立たないで人柄が穏やかな様子。「今日・の・ 寄り合い・は・ えんまんに・ 済ん・だ。」「人格・の・ えんまんな・ 人」

えんりょ【遠慮】《名詞、動詞する》  ①控えめにすること。「えんりょせ・んと・ なんぼ・でも・ 食べ・なはれ。」②遠回しに断る場合に使う言葉。「あんた・は・ えんりょし・てくれ・へん・やろ・か。」

えんりょがない【遠慮がない】《形容詞》  構わない。気にする必要がない。「よー・ 使(つこ)・た・さかい・ 忘れ・てき・ても・ えんりょがない・ 傘・や。」

えんりょはそんりょ〔えんりょわそんりょ〕【遠慮は損慮】《成句》 遠慮をしていては損だという意味を表す言葉。「えんりょはそんりょ・や・さかい・ 言ー・たい・ こと・は・ 言(ゆ)ー・とき・なはれ。」

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2012年9月 2日 (日)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1105)

えりもと【襟元】《名詞》 襟の辺り。襟の合わさる胸の辺り。「えりもと・が・ 寒そーや。」

える《助動詞》 受け身の意味を表す言葉。「えらい・ ごっつー・ 怒ら・え・た。」◆「れる」が使われることが多いが、時に「える」となることがある。例えば、「殴られる」「殴らえる」の両方が使われる。〔⇒れる〕

えろう〔えろー〕《副詞》 たいそう。甚だしく。ずいぶん。「えろー・ 早(はよ)ー・に・ 着い・た・ん・や・なー。」「今年・は・ えろー・ 寒い・ 日ー・が・ 続い・とる。」〔⇒えらい、ごっつい〕

えろないな《連体詞》 たいそうな。甚だしい。ずいぶんな。「えろないな・ 苦労・を・ し・た。」

えろなる〔えろーなる〕《動詞・ラ行五段活用》 ①苦しくなる。辛くなる。「年・を・ とっ・て・ 外・を・ 歩く・の・が・ えろなっ・た。」②悪い方向に、程度が進む。「病気・が・ だいぶ・ えろなっ・て・から・ 入院し・た。」「今年・の・ 阪神タイガース・は・ 優勝する・の・は・ えろーなっ・た。」

えろなる〔えろーなる〕《動詞・ラ行五段活用》 地位や身分が高くなる。出世をする。「手柄・を・ 立て・て・ えろなっ・た・ん・や・なー。」

えん【円】《名詞》 ①円い形。「えん・を・ 書い・て・ 真ん中・に・ 座る。」②日本のお金の基本単位。「五百えん・の・ きつね饂飩」

えん【縁】《名詞》 ①ものごとの関係。結びつき。「金に・は・ えん・が・ ない。」②人と人とのつながり。「あの・ 人・と・は・ えん・が・ 深(ふこ)ー・て・ また・ 同じ・ 所(とこ)・へ・ 転勤・や。」③関係ができるきっかけ。「中学校・で・ 同じ・ 組・に・ なっ・た・ん・が・ えん・で・ 長い・ 間・の・ つきあい・を・ し・とる。」④ふち。ものの端の部分。特に、帽子のつば。「えん・の・ 広い・ 帽子・を・ かぶる。」

えんかい【宴会】《名詞、動詞する》 大勢の人が集まって、飲食したり歌ったりして楽しむ会。「旅行・の・ えんかい・が・ 楽しみ・や。」

えんがわ〔えんがー〕【縁側】《名詞》 住宅などで部屋の外側に作った細長い板敷き。「えんがー・の・ 板の間・で・ 涼む。」〔⇒えぎ、えんぎ、えんげ〕

えんき【延期】《名詞、動詞する》 決めた日時を先にのばすこと。「人数・が・ 集まら・へん・さかい・ 親睦旅行・は・ えんきする。」

えんぎ【縁起】《名詞》 何かの起こる前触れ。「茶碗・が・ めげ〔=壊れ〕・て・ えんぎ・が・ 悪い。」

えんぎ【縁ぎ】《名詞》 住宅などで部屋の外側に作った細長い板敷き。「えんぎ・で・ 将棋・を・ する。」〔⇒えぎ、えんげ、えんがわ〕

えんげ【縁げ】《名詞》 住宅などで部屋の外側に作った細長い板敷き。「坊さん・は・ えんげ・から・ 入っ・てもらう。」〔⇒えぎ、えんぎ、えんがわ〕

えんげい〔えんげー〕【園芸】《名詞》 草花・野菜などを育てること。「えんげー・の・ 趣味」

えんしょう〔えんしょー〕【煙硝】《名詞》 爆発するときに黒い煙を出す火薬。「えんしょー・を・ 使(つこ)・た・ おもちゃ・の・ ピストル」

えんせい〔えんせー〕【遠征】《名詞、動詞する》 遠いところまで試合などに行くこと。「野球部・が・ えんせーする。」

えんぜつ【演説】《名詞、動詞する》 大勢の前で自分の考えなどを述べること。「候補者・が・ 駅前・で・ えんぜつし・とる。」

えんそく【遠足】《名詞、動詞する》 運動や見学などのため、歩いて遠くへ行くこと。「秋・の・ えんそく・は・ 王子動物園・へ・ 行く。」「この頃・の・ えんそく・は・ バス・で・ 行く・の・が・ 多い。」

えんだん【縁談】《名詞》 結婚相手についての話。「えんだん・が・ まとまっ・て・ よかっ・た・なー。」

えんちょう〔えんちょー〕【延長】《名詞、動詞する》 時間や長さなどを延ばすこと。「えんちょー・の・ コード」「話・が・ えんちょー・に・ なっ・て・ かなわ・ん。」

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2012年9月 1日 (土)

明石日常生活語辞典〔最終稿〕(1104)

えへへ《感動詞》 照れ隠し、嘲笑、ごまかしなどの気持ちが伴うときや、平気を装おうとするようなときなどに、口をついて出る笑いの言葉。「えへへ・ ばれ・たら・ しょがない・なー。」

えへらえへら《副詞と、動詞する》 ①人に媚びている様子。「えへらえへらと・ 頭・を・ 下げる。」②ものごとを小馬鹿にして、真剣にとらえようとしない様子。人を馬鹿にしたように笑う様子。「えへらえへら・ 言(ゆ)ー・て・ ごまかし・てけつかる。」③だらしがない様子。締まりがない感じである様子。「えへらえへらし・て・ 仕事・が・ いっこも・ 進ん・どら・ん。」

えへん《感動詞》 ①咳払いをする声。「喉・が・ 痛(いと)ー・て・ えへん・ えへん・と・ なる・ねん。」②人に注意を促したり、自慢そうに威張ったりしているときに発する声。「えへん・(と・) 言(ゆ)ー・て・ いばり・やがっ・とる。」

えほん【絵本】《名詞》 文字が少なく、主に絵でかきあらわした本。「子ども・に・ えほん・を・ 買(こ)ー・てやる。」

えら【鰓】《名詞》 水中にすむ動物が呼吸するところ。「えら・を・ 動かし・て・ 泳い・どる。」

えら《接頭語》 じゅうぶんであることを表す言葉。間違いがないことを表す言葉。「えらわかり〔=十分にわかっていること。簡単にわかってしまうこと〕」「えら知り〔=間違いなく知っていること。知らないはずがないこと。〕」「えら有り〔=間違いなくあること。ないはずがないこと。〕」

えらい【偉い】《形容詞》 ①行いや考え方などが立派である。優れている。「大学・ 受かっ・て・ えらい・なー。」②高い地位や身分にある。「えらい・ 人・に・ なっ・てやっ・た〔おなりになった〕。」③大変だ。ひどい。普通でない。「えらい・ 地震・やっ・た・なー。」「今日・は・ えらい・ 寒い・なー。」「えらい・ ところ・を・ 見・られ・ても・た。」④許さない。「今度・ 喧嘩し・たら・ えらい・で。」〔①②⇒かしこい〕

えらい《形容詞》 苦しい。辛い。疲れ切っている。体力的に無理である。「年・ とっ・て・ 仕事・が・ えらい・と・ 思う・よーに・ なっ・た。」「坂・を・ 上っ・て・ 体・が・ えらい。」〔⇒しんどい〕

えらい《副詞》 たいそう。甚だしく。ずいぶん。「えらい・ 大けな・ 弁当・を・ 持っ・てき・た・ん・や・なー。」「えらい・ 偉い・ 人・なん・や・なー。」「体・が・ えらい・ えろなっ・た。」「今年・の・ 祭り・は・ えらい・ 人・やっ・た。」「宿題・ 忘れ・たら・ えらい・ 怒ら・れ・てん。」〔⇒えろう、ごっつい〕

えらいこと《名詞、形容動詞や・です》 ①たいそうな事柄。「そんな・ えらいこと・は・ 一人・で・は・ でけ・まへ・ん。」②大変なこと。困ったこと。「昨日・は・ 電車・の・ 事故・が・ あっ・て・ えらいことやっ・た。」「地震・で・ えらいこと・に・ なっ・た。」

えらいさん【偉いさん】《名詞》 会社や団体の首脳部にいる人。「出世し・て・ えらいさん・に・ なっ・とる。」「育友会・の・ えらいさん・を・ し・た。」

えらそう〔えらそー〕【偉そう】《形容動詞や・です》 威張った様子。生意気な様子。人を人とも思わない様子。「あの・ 野郎・は・ えらそーに・ 命令・を・ し・やがっ・た。」

えらそないな【偉そないな】《連体詞》 威張った。生意気な。「えらそないな・ もの・の・ 言ー方・を・ し・やがっ・て・ 腹・が・ 立つ・なー。」

えらぶ【選ぶ】《動詞・バ行五段活用》 いくつかの中から、目的や基準などにかなうものを取り出す。「結婚相手・を・ 自分・で・ えらぶ。」

えり【襟】《名詞》 ①衣服の、首の周りの部分。「ワイシャツ・の・ えり・が・ 汚れ・とる。」②首の後ろ。首筋。「えり・に・ 蚊ー・が・ 刺し・た。」〔②⇒えりくび〕

えりくび【襟首】《名詞》 首の後ろ。首筋。「風・が・ 吹い・て・ えりくび・が・ 寒い。」〔⇒えり〕

えりまき【襟巻】《名詞》 寒さを防ぐために襟に巻くもの。マフラー。「毛糸・の・ えりまき・を・ する。」

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