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2016年11月30日 (水)

【掲載記事の一覧】

 11月も、「奥の細道を読む・歩く」と、「【書籍版】『明石日常生活語辞典』」との2本立てを続けました。それ以外の記事はありません。

 11月末に3泊4日の「奥の細道」の旅に行き、秋田県の象潟に達しました。ただし出羽三山の登山と最上川下りは、来年の夏に行う予定で、除外しています。今年はこれでお終いです。来年は3月末に再開します。その間に連載のタイムラグを取り戻すつもりです。

 ブログをお読みくださってありがとうございます。

 お気づきのことなどは、下記あてにメールでお願いします。

 gaact108@actv.zaq.ne.jp

 これまでに連載した内容の一覧を記します。

 

◆奥の細道を読む・歩く ()(91)~継続予定

    [2016年9月1日開始~ 最新は20161130日]

 

◆【明石方言】 明石日常生活語辞典 ()(2212)~継続予定

    [2009年7月8日開始~ 最新は20161130日]

 

◆日本語への信頼 ()(261)~継続予定

    [2015年6月9日開始~ 最新は2016年7月8日]

 

◆名寸隅舟人日記 ()(16)~継続予定

    [2016年1月1日開始~ 最新は2016年4月2日]

 

◆新・言葉カメラ ()(18)~継続予定

    [201310月1日開始~ 最新は20131031日]

 

◆名寸隅の記 ()(138)~継続予定

    [2012年9月20日開始~ 最新は2013年9月5日]

 

……【以下は、連載を終了したものです。】……………………

 

◆名寸隅の船瀬があったところ ()()

    [2016年1月10日~2016年1月14日]

 

◆言葉カメラ ()(385)

    [2007年1月5日~2010年3月10日]

 

◆『明石日常生活語辞典』写真版 ()()

    [2010年9月10日~2011年9月13日]

 

◆新西国霊場を訪ねる ()(21)

 2014年5月10日~2014年5月30日]

 

◆放射状に歩く ()(139)

 2013年4月13日~2014年5月9日]

 

◆百載一遇 ()()

    [2014年1月1日~2014年1月30日]

 

◆茜の空 ()(27)

    [2012年7月4日~2013年8月28日]

 

◆国語教育を素朴に語る ()(51)

    [2006年8月29日~20071212日]

 

◆改稿「国語教育を素朴に語る」 ()(102)

    [2008年2月25日~2008年7月20日]

 

◆消えたもの惜別 ()(10)

    [2009年9月1日~2009年9月10日]

 

◆地名のウフフ ()()

    [2012年1月1日~2012年1月4日]

 

◆ことことてくてく ()(26)

    [2012年4月3日~2012年5月3日]

 

◆テクのろヂイ ()(40)

    [2009年1月11日~2009年6月30日]

 

◆神戸圏の文学散歩 ()()

    [20061227日~20061231日]

 

◆母なる言葉 ()(10)

    [2008年1月1日~2008年1月10日]

 

◆六甲の山並み[言葉つれづれ] ()()

   [20061223日~20061226日]

 

◆おもしろ日本語・ふしぎ日本語 ()(29)

    [2007年1月1日~2009年6月4日]

 

◆西島物語 ()()

    [2008年1月11日~2008年1月18日]

 

◆鉄道切符コレクション ()(24)

    [2007年7月8日~2007年7月31日]

 

◆足下の観光案内 ()(12)

    [20081114日~20081125日]

 

◆写真特集・薔薇 ()(31)

    [2009年5月18日~2009年6月22日]

 

◆写真特集・さくら ()(71)

    [2007年4月7日~2009年5月8日]

 

◆写真特集・うめ ()(42)

    [2008年2月11日~2009年3月16日]

 

◆写真特集・きく ()()

    [20071127日~20081113日]

 

◆写真特集・紅葉黄葉 ()(19)

    [200712月1日~20081215日]

 

◆写真特集・季節の花 ()()

    [2007年5月8日~2007年6月30日]

 

◆屏風ヶ浦の四季 [2007年8月31日]

 

◆昔むかしの物語 [2007年4月18日]

 

◆小さなニュース [2008年2月28日]

 

◆辰の絵馬    [2012年1月1日]

 

◆しょんがつ ゆうたら ええもんや ()(13)

    [2009年1月1日~2010年1月3日]

 

◆文章の作成法 ()()

    [2012年7月2日~2012年7月8日]

 

◆朔日・名寸隅 ()(19)

    [200912月1日~2011年6月1日]

 

◆江井ヶ島と魚住の桜 ()()

    [2014年4月7日~2014年4月12日]

 

◆教職課程での試み ()(24)

    [2008年9月1日~2008年9月24日]

 

◆相手を思いやる姿勢と、自分を表現する力 ()()

    [200610月2日~200610月4日]

 

◆学力づくりのための基本的な視点 ()()

    [200610月5日~20061011日]

 

◆教員志望者に必要な読解力・表現力 ()(18)

    [20061016日~200611月2日]

 

◆教職をめざす若い人たちに ()()

    [2007年6月1日~2007年6月6日]

 

◆これからの国語科教育 ()(10)

    [2007年8月1日~2007年8月10日]

 

◆現代の言葉について考える ()()

    [2007年7月1日~2007年7月7日]

 

◆自分を表現する文章を書くために ()(11)

    [20071020日~20071030日]

 

◆兵庫県の方言 ()()

    [20061012日~20061015日]

 

◆暮らしに息づく郷土の方言 ()(10)

    [2007年8月11日~2007年8月20日]

 

◆姫路ことばの今昔 ()(12)

    [2007年9月1日~2007年9月12日]

 

◆私の鉄道方言辞典 ()(17)

    [2007年9月13日~2007年9月29日]

 

◆高校生に語りかけたこと ()(29)

    [200611月9日~200612月7日]

 

◆ゆったり ほっこり 方言詩 ()(42)

    [2007年2月1日~2007年5月7日]

 

◆高校生に向かって書いたこと ()(15)

    [200612月8日~20061222日]

 

◆1年たちました ()()

    [2007年8月21日~2007年8月27日]

 

◆明石焼の歌 ()()

    [2007年8月28日~2007年8月30日]

 

◆中山道をたどる ()(424)

    [201311月1日~2015年3月31日]

 

◆日光道中ひとり旅 ()(58)

    [2015年4月1日~2015年6月23日]

 

◆奥州道中10次 ()(35)

    [20151012日~20151121日]

 

◆失って考えること ()()

    [2012年9月14日~2012年9月19日]

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奥の細道を読む・歩く(91)

武隈の松②

 

 岩沼駅に着くと、駅前広場に等身大の芭蕉像が立っています。にっこり微笑んで、左手に持った冊子として綴じたものに、右手で何かをしたためています。大きな顔、たくましい腕と手が強調されている像です。かたわらに「桜より松は二木を三月越シ」の句碑があります。私たち二人は、芭蕉像を見つけると必ず、一人が芭蕉と並んで立ち、もう一人がカメラのシャッターを押します。続いて入れ替わって写真を撮ります。そんな習慣ができあがっています。

 駅から南に向かって10分ほど歩いていくと、武隈の松があります。道路の歩道の内側に植えられているのですが、斜めに伸びた二本の松は歩道の上だけでなく車道の上にも張り出さんばかりになっています。道路の反対側から見ると、途中から別の枝が張り出しているようにも見えますが、これは、二本の松がきちんと並んで、同じような曲がり具合を示しているからです。松に並んで古歌の歌碑も立てられています。

 ここには、能因だけでなく西行も訪れており、陸奥の国の象徴のような存在として、歌枕になっていたようです。そばにある説明板によれば、陸奥の国司の藤原元善が植えて、その後は植え継がれて、現在のものは1862(文久2年)に植えられた7代目たと書いてあります。芭蕉が見たものとは異なる松だというわけです。「武隈の松にこそ、め覚る心地はすれ。」と感嘆しつつも、「根は土際より二木にわかれて、昔の姿うしなはずとしらる。」として、千年と言われる松も植え継がれて、昔の姿を継承しているということがわかっていたようです。加藤さんは歩道に立って二木の松をスケッチしています。

 武隈の松は、二木の松とも呼ばれていますが、奥の細道300年記念事業として「二木の松史跡公園」が作られています。東屋があり、「桜より松は二木を三月越シ」の句碑もあります。

 さて、「桜より松は二木を三月越シ」という芭蕉の句ですが、訪れたのは旧暦5月4日、新暦に直すと6月20日です。もはや遅桜の季節も過ぎてしまったが、二つの幹に分かれた二木の姿を、江戸・深川を出発してから三月越しに見ることができたと詠んでいます。

 武隈の松から少し南へ行くと竹駒神社があります。842(承和9年)に小野篁が陸奥守として多賀城に赴任したときに、奥州の鎮護を願って創建したと言いますから、武隈の松よりも歴史があるようです。ここは日本三稲荷のひとつだと言っていますが、さすがに荘厳な造りになっています。この神社にも細長い石柱の「桜より松は二木を三月越シ」句碑があります。竹駒神社を出て、竹駒寺を見て、そして岩沼駅に向かいます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (214)    (通算2212回)

日常生活語 「さ」⑩

 

ざぶん《副詞と》 水の中などに飛び込んだり落ち込んだりする様子。水の中にものを落としたり投げ入れたりする様子。また、それらのときの音。「鞄・を・ 落とし・たら・ 水たまり・に・ ざぶんと・ 落ち・た。」〔⇒どぶん、どぼん、じゃぶん〕

さほう〔さほー〕【作法】《名詞》 その社会や一定の方面で、動作や行動の仕方について、慣例などによって決まっているやり方。「人・の・ 前・で・ 話・を・ する・ とき・の・ さほー・を・ 心得る。」「お茶・の・ さほー」

サボテン〔さぼてん〕【スペイン語=sapoten】《名詞》 葉が針の形になっている、砂漠などの乾いた土地に育つ多年草。「西部劇・に・ 出・てくる・ 大きな・ さぼてん」〔⇒シャボテン【スペイン語=sapoten

サボり〔さぼり〕【フランス語=sabotageの名詞化】《名詞、形容動詞や()》 すべき仕事や勉強をしないで、ほうっておくこと。それをする時間の余裕があるのに、しないで無駄に過ごすこと。ずる休みをすること。また、そのようにする人。「あの・ さぼり・が・ また・ おら・ん・よーに・ なっ・ても・た。」〔⇒なまくら、なまくらぼうず、なまけ【怠け】

サボる〔さぼる〕【フランス語=sabotageの動詞化】《動詞・ラ行五段活用》 すべき仕事や勉強をしないで、ほうっておく。それをする時間の余裕があるのに、しないで無駄に過ごす。ずる休みをする。「学校・ さぼっ・て・ どない・ し・とっ・た・ん。」■名詞化=サボり【フランス語=sabotageの名詞化】〔⇒なまける【怠ける】、ずるける、どぶせる【ど臥せる】、なまくら(する)、なまくらぼうず【なまくら坊主】(する)

さま【様】《接尾語》[人を表す名詞などに付く] ①人の名前や職名などに付けて、敬う気持ちをあらわす言葉。「山田さま」②いろいろな言葉に付けて、丁寧さをあらわす言葉。「ご苦労さま」◆「さん」を使うよりも、改まった気持ちが強い。〔⇒さん()⇒はん、やん、たん〕

ざま【様、態】《名詞》 よくない格好や様子を、ののしって言う言葉。醜態。「なん・ちゅー・ ざま・や。」

さまざま【様々】《形容動詞や()》 種類、形、様子、考えなどが多様である様子。それぞれに異なる様子。「人・の・ 考え・は・ さまざまや。」〔⇒いろいろ【色々】

さます【冷ます】《動詞・サ行五段活用》 ①熱いものを冷たくする。「湯ー・を・ さます。」「冷蔵庫・で・ さます。」②意に反して、熱いものが冷たくなる。「お茶・を・ 入れ・た・の・を・ 忘れ・て・ さまし・ても・た。」③高まった情熱や雰囲気などが薄らぐようにさせる。「かんかんに・ なっ・とる・ 気持ち・を・ さまし・て・ 考え・させる。」■自動詞は「さめる【冷める】」

さます【覚ます】《動詞・サ行五段活用》 ①目を開けて、心の働きをはっきりさせる。「7時・に・ 目ー・を・ さまし・た。」②意識を正常な状態にする。「あいつ・の・ 女狂い・を・ さまし・たれ。」③酒の酔いを消す。「風・に・ 吹か・れ・て・ 酔い・を・ さます。」■自動詞は「さめる【覚める】」

ざまみる〔ざまーみる〕【様見る、態見る】《動詞・マ行上一段活用》 よくないことになる。よくないことを体験する。「さぼっ・たり・ する・さかい・ そんな・ ざまみ・た・ん・や。」

さみしい〔さみしー〕【寂しい】《形容詞》 ①静かで心細い。人の気配がない。ひっそりしている。「さみしー・ 海岸・や・なー。」②相手や仲間がいなかったり。心の通い合うものがなかったりして、悲しい気持ちがする。孤独でもの足りない。「仲・の・ 良かっ・た・ 友達・が・ 死ん・で・ さびしー。」③あるべきものがなくて、満ち足りた気持ちが失せている。「さみしい・さかいに・ 花・を・ 生ける。」◆「さびしい」よりも「さみしい」を使うことが多い。■対語=①「にぎやか【賑やか】」「にんやか【(賑やか)】」「にんぎゃか【(賑んぎゃか)】」〔⇒さびしい【寂しい】、さぶしい(寂しい)

さみしなる【寂しなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①人の気配が失せる。ひっそりしていく。「来・とっ・た・ 孫・が・ 去()ん・で・ さみしなっ・た。」②相手や仲間がいなくなったり、心の通い合うものがなくなったりして、悲しい気持ちがつのる。孤独でもの足りなく感じる。「同窓会・も・ この頃・は・ だいぶ・ さみしなっ・てき・た。」③あるべきものがなくなって、もの足りない気持ちになる。「要ら・ん・と・ 思(おも)・て・ 捨て・たら・ かえって・ さみしなっ・てき・た。」〔⇒さびしなる【寂しなる】、さぶしなる(寂しなる)

さむい【寒い】《形容詞》 気温や体で感じる温度が適温より低い。苦痛を覚えるほどに気温が低い。自分の体温より著しく低く感じられる。「今朝・は・ ごっつい・ さむい・なー。」■対語=「あつい【暑い】」〔⇒さぶい【寒い】

さむいぼ【寒疣】《名詞》 寒さ、恐ろしさ、感動などのために、皮膚が反射的に収縮して、毛穴が際立ってぶつぶつして見えるもの。鳥肌。「びっくりし・て・ さむいぼ・が・ でけた。」〔⇒さぶいぼ【寒疣】

さむがり【寒がり】《名詞》 他の人よりよけいに寒さを感じること。また、そのように感じる人。寒くて仕方がないという姿勢や態度をとっていること。また、そのような人。「さむがり・が・ とんど・に・ あたっ・とる。」■対語=「あつがり【暑がり】」〔⇒さぶがり【寒がり】、かじけ〕

さむけ【寒気】《名詞》 病気や恐怖などのために、体に身震いするほどの寒さを感じること。悪寒。「昨日・の・ 晩・は・ さむけ・が・ し・た・・ので・ 早(はよ)ー・ 寝・た。」〔⇒さぶけ【寒気】

さむさ【寒さ】《名詞》 気温が低いこと。気温の低い程度。「今年・の・ さむさ・は・ 特別や・なー。」■対語=「あつさ【暑さ】」〔⇒さぶさ【寒さ】

さむらい【侍】《名詞》 昔、朝廷や公家などに仕えて身辺警護などにあたった者。武士。「時代祭・の・ 行列・に・ さむらい・も・ 出・とる。」〔⇒さぶらい【侍】

さめ【鮫】《名詞》 紡錘形をした体の表面はざらざらして、鋭い歯をもって凶暴な海の魚。「海水浴・の・ 時・は・ さめ・に・ 気ーつけ・んと・ いか・ん。」〔⇒ふか【鱶】

さめる【冷める】《動詞・マ行下一段活用》 ①熱いものが冷たくなる。「お茶・が・ さめ・ても・た。」②高まった情熱や雰囲気などが薄らぐ。「試験・に・ 落ち・て・ やる気・が・ さめ・た。」■他動詞は「さます【冷ます】」

さめる【覚める】《動詞・マ行下一段活用》 ①目が開いて、心の働きがはっきりする。「まだ・ 目ー・が・ さめ・とら・へん。」②意識が正常な状態になる。「博打・に・ 熱中し・とっ・た・けど・ やっとこさ・ さめ・た。」③酒の酔いが消える。「二日酔い・が・ やっとこさ・ さめ・た。」■他動詞は「さます【覚ます】」■対語=①「ねむる【眠る】」「ねぶる【(眠る)】」

さや【鞘、莢】《名詞》 ①刀を納めておくための、その形に合わせて作った筒状のもの。「刀・を・ さや・から・ 抜く。」②豆の実を包んでいる、外側のもの。「豌豆・の・ さや」

さゆ〔さゆー〕【白湯】《名詞》 沸かしただけで、何も混ざっていない飲用の湯。「さゆー・で・ 薬・を・ のむ。」

さゆう〔さゆー〕【左右】《名詞》 北に向いたとき、東に当たる方と西に当たる方。まわり。「横断歩道・は・ さゆー・を・ よー・ 見・て・ 渡れ・よ。」〔⇒みぎひだり【右左】

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2016年11月29日 (火)

奥の細道を読む・歩く(90)

武隈の松①

 

 「奥の細道」の本文は、「鐙摺・白石の城を過、笠嶋の郡に入れば、…」として中将實方の塚を探して箕輪・笠嶋へ行こうとしますが、五月雨に阻まれて行くのを諦めて、岩沼に泊まると書いています。その後で武隈の松のことを書いていますが、実際には武隈の松の方が手前にあって、笠嶋が遠方にあります。

 私たちは、白石駅からJRで岩沼駅に降りて、武隈の松や竹駒神社、竹駒寺を見て、その後で名取駅に向かうことにします。

 

 「武隈の松にこそ、め覚る心地はすれ。根は土際より二木にわかれて、昔の姿うしなはずとしらる。先、能因法師思ひ出。往昔、むつのかみにて下りし人、此木を伐て名取川の橋杭にせられたる事などあればにや、『松は此たび跡もなし』とは詠みたり。代々、あるは伐、あるひは植継などせしと聞に、今将、千歳のかたちとゝのほひて、めでたき松のけしきになん侍し。

 『武隈の松みせ申せ遅桜』と、擧白と云ものゝ餞別したりければ、

   桜より松は二木を三月越シ 」

 

 能因法師の歌は後拾遺集にあります。「みちの国にふたゝび下りて、後のたび、たけくまの松も侍らざりければ、よみ侍りける。」という詞書きがあって、「武隈の松はこの度跡もなしちとせを経てや我は来つらむ」という歌が載っています。歌の意味は、武隈の松に来てみると跡形もなくなっているが、松は千年の命を保つということから考えれば、私がこの前に来たときから千年も経ってしまったのであろうかということです。能因は奥州へは少なくとも二度の旅をして、最初の時には武隈の松を見、この度はそれが消え失せているということを詠んでいるのです。

 陸奥の国司がこの松を伐って名取川の橋杭にしたことがあったが、伐ったり植え継いだりしながらも、芭蕉の頃には「千歳のかたち」が立派にそなわった姿になっているというのです。芭蕉が江戸を出るときに擧白が「武隈の松みせ申せ遅桜」という句を餞別として贈ってくれたということを書きながら、芭蕉は「桜より松は二木を三月越シ」という句を作っています。

 擧白の句の「遅桜」については、いろいろな考えが成り立つようです。遅桜は普通の桜よりも遅く咲く桜でしょうが、芭蕉が江戸を出発する頃に遅桜が咲いていたのか、気候の進みの遅い奥州の遅桜のことを言っているのか、断言はできないでしょう。「みせ申せ」についても、遅桜そのものに呼びかけているのか、あるいは曾良もしくは奥州の人に呼びかけているのか、判断はしにくいでしょう。しかし、いずれにしても、芭蕉が武隈の松をきちんと見ることを期待している気持ちが表現されています。

 擧白の気持ちに応えて、芭蕉は武隈の松を見て、「桜より松は二木を三月越シ」という句を作っているのです。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (213)    (通算2211回)

日常生活語 「さ」⑨

 

さといも【里芋】《名詞》 葉は蓮の形に似て大きく、地下でふくらんだ親芋に小芋がつく作物。「蛸・と・ さといも・を・ 一緒に・ 炊く。」

さとう〔さとー、さと〕【砂糖】《名詞》 砂糖黍、砂糖大根などから作る、甘い味付けに使う調味料。「さと・が・ 利きすぎ・とる。」

さとうきび〔さとーきび、さときび〕【砂糖黍】《名詞》 茎が甘みを持っていてその汁から砂糖を作る、背の高い植物。「子ども・の・ 頃・は・ さときび・を・ しがん・で・ おやつ・に・ し・た。」

さとがえり【里帰り】《名詞、動詞する》 婚家から実家に、しばらく帰ること。「さとがえりし・て・ 子ども・を・ 生む。」

サドル〔さどる〕【英語=saddle】《名詞》 自転車やオートバイなどの、腰を掛けるところ。「さどる・で・ 尻・が・ 擦れ・て・ 痛い。」

さなぎ【蛹】《名詞》 昆虫が成虫になる前に、栄養をとらず静止状態になっていて、かたい膜で覆われたもの。「蝶・に・ なる・ 前・の・ さなぎ」

さば【鯖】《名詞》 背は青緑色で波状の紋があり、腹は銀白色の、暖流にすむ魚。「さば・を・ 味噌・で・ 炊く。」

さばく【砂漠】《名詞》 雨の少なく草木がほとんど生えないところの、小石や砂地がむき出しになって広がっている地域。「さばく・を・ 駱駝・が・ 歩い・ていく・ お話」

さばく【裁く、捌く】《動詞・カ行五段活用》 ①魚を切ったりして、料理ができる状態にする。調理の下ごしらえをする。「今・の・ 時代・は・ 魚・を・ さばい・ておか・んと・ 売れ・へん。」②込み入ったものを手際よく処理する。面倒なことを上手に処置する。「よーけ・ ある・ 仕事・を・ さばい・ていく。」③もつれたりくっつき合ったりしているものを、整った状態にする。「網・を・ さばく。」「紙・の・ 束・を・ さばく。」④ものを売って処理する。「安(やす)ー・ し・て・ 早()よ・ さばい・た・ 方・が・ えー・やろ。」

さばける【捌ける】《動詞・カ行下一段活用》 ①ものわかりがいい。人付き合いが滑らかである。「さばけ・た・ 人・や・さかい・ つきあいやすい。」②ものが売れて、少なくなったり無くなったりする。「だいぶ・ えー・ 値ー・で・ さばけ・た。」③もつれたりくっつき合ったりしていたものが、整った状態になる。「もつれ・た・ 糸・が・ さばけ・た。」

さび【錆】《名詞》 金属の表面が、空気中の酸素や水に触れて傷み、赤茶色などに変わりもろくなってしまって生じた皮膜。「包丁(ほちょ)・の・ さび」「さび・が・ 浮い・とる。」

さびしい〔さびしー〕【寂しい】《形容詞》 ①静かで心細い。人の気配がない。ひっそりしている。「さびしー・ 一本道・を・ 歩く。」②相手や仲間がいなかったり。心の通い合うものがなかったりして、悲しい気持ちがする。孤独でもの足りない。「友達・が・ 転校し・て・ さびしー。」③あるべきものがなくて、満ち足りた気持ちが失せている。「今・は・ ちょっと・ 懐(ふところ)・が・ さびしー・ねん。」■対語=①「にぎやか【賑やか】」「にんやか【(賑やか)】」「にんぎゃか【(賑んぎゃか)】」〔⇒さみしい【寂しい】、さぶしい(寂しい)

さびしなる【寂しなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①人がいる気配が失せる。ひっそりした感じになっていく。「みんな・が・ 去()ん・で・ さびしなっ・た。」②相手や仲間がいなくなったり、心の通い合うものがなくなったりして、悲しい気持ちがつのる。孤独でもの足りなく感じる。「友だち・が・ 死ん・で・ さびしなっ・た。」③あるべきものがなくなって、もの足りない気持ちになる。「庭・の・ 木ー・が・ 枯れ・て・ さびしなっ・た。」〔⇒さみしなる【寂しなる】、さぶしなる(寂しなる)

さびつく【錆び付く】《動詞・カ行五段活用》 金属の表面が、変化してできた皮膜などによって、くっついて離れなくなる。動くべき金属の部分が動かなくなる。「さびつい・て・ 螺子(ねじ)・が・ 動か・へん。」

さびる【錆びる】《動詞・バ行上一段活用》 金属の表面が、空気中の酸素や水に触れて傷み、赤茶色などに変わりもろくなってしまう。「門・の・ 戸ー・が・ さび・ても・た。」■名詞化=さび【錆び】

さぶい【寒い】《形容詞》 気温や体で感じる温度が適温より低い。苦痛を覚えるほどに気温が低い。自分の体温より著しく低く感じられる。「今年・の・ 冬・は・ さぶい・そー・や。」■対語=「あつい【暑い】」〔⇒さむい【寒い】

さぶいぼ【寒疣】《名詞》 寒さ、恐ろしさ、感動などのために、皮膚が反射的に収縮して、毛穴が際立ってぶつぶつして見えるもの。鳥肌。「腕・に・ さぶいぼ・が・ でけ・とる。」〔⇒さむいぼ【寒疣】

さぶがり【寒がり】《名詞》 他の人よりよけいに寒さを感じること。また、そのように感じる人。寒くて仕方がないという姿勢や態度をとっていること。また、そのような人。「うち・の・ 犬・は・ 犬・の・くせに・ さぶがり・なん・や。」■対語=「あつがり【暑がり】」〔⇒さむがり【寒がり】、かじけ〕

さぶけ【寒気】《名詞》 病気や恐怖などのために、体に身震いするほどの寒さを感じること。悪寒。「恐ろしー・ 映画・を・ 見・て・ さぶけ・が・ し・た。」〔⇒さむけ【寒気】

さぶさ【寒さ】《名詞》 気温が低いこと。気温の低い程度。「さぶさ・が・ 身・に・ こたえる・なー。」■対語=「あつさ【暑さ】」〔⇒さむさ【寒さ】

ざぶざぶ《名詞、動詞する》 夏の暑いときなどに、たらいに湯や水を入れて、戸外で簡単に汗などを洗い流すこと。「日向水・で・ ざぶざぶし・て・ 汗・を・ 流す。」◆幼児語。〔⇒ぎょうずい【行水】、じゃぶじゃぶ、ばちゃばちゃ、ぱちゃぱちゃ〕

ざぶざぶ《副詞と》 ①音を立てて水の中を進む様子。また、そのときの音。「靴・を・ 脱い・で・ 砂浜・から・ ざぶざぶと・ 海・に・ 入(はい)る。」②水をかき回したり、水で洗ったりしている様子。また、そのときの音。「洗濯機・が・ 放り込ん・だ・ もの・を・ ざぶざぶと・ かき回す。」〔⇒じゃぶじゃぶ〕

さぶしい〔さぶしー〕(寂しい)】《形容詞》 ①静かで心細い。人の気配がない。ひっそりしている。「がらんと・ し・た・ 部屋・は・ ちょっと・ さぶしー・ もん・や。」②相手や仲間がいなかったり。心の通い合うものがなかったりして、悲しい気持ちがする。孤独でもの足りない。「みんな・ 別々の・ 学校・へ・ 行っ・ても・て・ さぶしー・なー。」③あるべきものがなくて、満ち足りた気持ちが失せている。「お膳・の・ 上・が・ ちょっと・ さぶしー。」■対語=①「にぎやか【賑やか】」「にんやか【(賑やか)】」「にんぎゃか【(賑んぎゃか)】」〔⇒さびしい【寂しい】、さみしい【寂しい】

さぶしなる(寂しなる)】《動詞・ラ行五段活用》 ①人の気配が失せる。ひっそりしていく。「空き家・が・ でき・て・ 近所・が・ さぶしなっ・た。」②相手や仲間がいなくなったり、心の通い合うものがなくなったりして、悲しい気持ちがつのる。孤独でもの足りなく感じる。「犬・が・ 死ん・で・ さぶしなっ・た。」③あるべきものがなくなって、もの足りない気持ちになる。「駅前・の・ スーパー・が・ つぶれ・て・ さぶしなっ・た。」〔⇒さびしなる【寂しなる】、さみしなる【寂しなる】

ざぶとん【座布団】《名詞》 座るときに敷くために使う、縫い合わせた布の間に綿などを入れて作った小さなもの。「ざぶとん・を・ ひとつ・ 当て・ておくん・なはれ。」◆単に「ふとん【布団】」とも言う。〔⇒おざぶ【お座布()、ふとん【布団】

さぶらい【侍】《名詞》 昔、朝廷や公家などに仕えて身辺警護などにあたった者。武士。「さぶらい・が・ 出・てくる・ 映画」〔⇒さむらい【侍】

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2016年11月28日 (月)

奥の細道を読む・歩く(89)

[白石の町]②

 

 舘堀川に沿って南に進むと常林寺があり、その寺からすぐのところに清林寺があります。1615(元和元年)の大阪夏の陣の時、真田幸村が片倉重長に女児・阿梅を託しましたが、重長はその後も幸村の遺児(大八など)と遺臣を引き受けたといいます。寺紋は真田の六文連銭です。

 清林寺から舘堀川に沿って左に曲がっていくと、片倉家の菩提寺である傑山寺があります。ここには片倉小十郎景綱をはじめ代々の城主などが弔われています。門を入ったところにどんと座った景綱の銅像がありますがこれは2012(平成24)に作られたものです。人の出入りする正面の場所に威圧するようなものを作ったのは現代人の考えなのでしょう。

 本堂の前を左の方に回って進むと、杉林の中に佐藤孝郷の墓があります。戊辰戦争の後、旧片倉家中の者は、白石で農民となるか、士族として北海道に入植するかの岐路に立たされますが、この時19歳の家老であった孝郷は、士族として生きることを家中の者に決意させ、咸臨丸で苦難の航海をしたと言います。現在の札幌市白石区の地域の基盤を作るとともに、初代札幌区長にもなっています。白石区という地名に誇らしさを感じないではおれません。

 景綱の墓は敵に暴かれぬように墓標を設けず、一本杉を印にしています。その杉の巨木を竹垣が囲い、その囲いの中に小さな塔が建てられています。墓所として大きな石造物を設けるよりも、自然物に託して葬るということに、当時の人たちの想像力の大きさを感じます。葬られた1615(元和元年)から400年を経て、石は苔むすことになっても、老木は命のままに生き続けているのです。

 能楽堂と茶室があるという碧水園のあたりから北に向かって、当信寺を目指します。この寺の山門が二階建ての瓦葺きであるのは、白石城東口門を移築したからです。白石城の遺構を伝える数少ない建造物だそうです。当信寺には真田幸村の遺児である阿梅と大八の墓があります。西国生まれの阿梅は、西国人も通るであろう街道近くに埋葬してほしいと遺言したと伝えられます。越河宿や斎川宿をへて北に向かっている奥州街道は、この寺のすぐ前を通っているのではないようですが、この寺は町中を南北に通る道筋にありますから、旅人が行き来したに違いありません。街道に託して西国とのつながりを保とうとする心には同感します。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (212)    (通算2210回)

日常生活語 「さ」⑧

 

ざっかや【雑貨屋】《名詞》 日常生活に必要な、こまごまとした品物を売っている店。「ざっかや・が・ 店じまい・を・ し・ても・た。」

さっき()】《名詞、副詞》 現時点から離れていない、つい先ほど。「さっき・ 聞い・た・ばっかり・や・のに・ もー・ 忘れ・ても・た・がな。」「さっき・から・ 何遍・も・ 言()ー・とる・やない・か。」〔⇒いまのいま【今の今】、いんまのいんま(今の今)、いまさっき(今先)、いんまさっき(今先)、さいぜん【最前】、さきほど【先程】、いま【今】、いんま()

ざっくばらん《形容動詞や()》 ①隠し事などをせず、さっぱりしている様子。「耳・の・ 痛い・ こと・でも・ ざっくばらんに・ 注意し・たげ・た・ 方・が・ 良()ー・と・ 思う・よ。」②遠慮しないで、気軽に言ったり行ったりする様子。「ざっくばらんに・ 意見・を・ 言()ー。」

さっさと《副詞、動詞する》 ためらうことなく、ものごとを手際よく素早く行う様子。「自分・の・ 仕事・が・ すん・だら・ さっさと・ 去()ん・でも・た。」〔⇒ちゃっちゃっと、ちゃっちゃと、ちゃんちゃんと、さっさっと、ちゃっと〕

さっさっと《副詞、動詞する》 ためらうことなく、ものごとを手際よく素早く行う様子。「さっさっと・ 仕事せ・なん・だら・ いつ・まで・ たっ・ても・ 終わら・へん・やろ。」◆さらに強調する場合は、「さっさっさっと」になる。〔⇒ちゃっちゃっと、ちゃっちゃと、ちゃんちゃんと、さっさと、ちゃっと〕

ざっし【雑誌】《名詞》 簡単な装丁や製本で、いろんな記事を集めて、定期的に次々と出していく書物。「子供向け・の・ ざっし」

ざっしゅ【雑種】《名詞》 動物や植物で、種類が少し違う雌雄の間に生まれたもの。「この・ 犬・は・ ざっしゅ・です・ねん。」

さつじん【殺人】《名詞》 人を殺すこと。「恐ろしい・ さつじん・事件・が・ 起き・ます・なー。」

ざっそう〔ざっそー〕【雑草】《名詞》 植えないのに自然と生えてくる、いろいろな植物。名前の知れない雑多な植物。農作物、庭木、草花などの成長を邪魔する植物。「庭・に・ はえ・てき・た・ ざっそー・を・ 抜く。」〔⇒くさ【草】

さっそく【早速】《副詞》 何かのことがあってから、時間を置かずに対応することを表す言葉。「さっそく・ 来・てもらっ・て・ ありがとう・ござい・ます。」

ざつだん【雑談】《名詞、動詞する》 取り立てて深い意味を持たない話をすること。気楽にあれこれと話すこと。目的もなく話すこと。本筋と関係のないことを話すこと。「ざつだん・を・ する・の・は・ 好きや・けど・ 挨拶する・の・は・ 苦手だっ・せ。」〔⇒しゃべり【喋り】、おしゃべり【お喋り】

さっちゅうざい〔さっちゅーざい〕【殺虫剤】《名詞》 人にとって害をもたらす虫を殺すための薬。「さっちゅーざい・(を・) 撒い・て・ 蚊ー・が・ 来・ん・よーに・ する。」

さっちょこ《名詞、動詞する》 両手を地面につけて体を支えて、両足をまっすぐ上に上げて立つこと。倒立。「さっちょこし・て・ 歩く。」〔⇒さかだち【逆立ち】、さっちょこだち【さっちょこ立ち】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】

さっちょこだち【さっちょこ立ち】《名詞、動詞する》 両手を地面につけて体を支えて、両足をまっすぐ上に上げて立つこと。倒立。「さっちょこだちし・たら・ 頭・に・ 血ー・が・ のぼっ・た。」〔⇒さかだち【逆立ち】、さっちょこ、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】

さっと《副詞》 ①雨や風が急に起こる様子。「雲・が・ 出・た・と・ 思(おも)・たら・ 雨・が・ さっと・ 降っ・てき・た。」②動きが速く素早い様子。簡単に済ませる様子。「さっと・ 部屋・の・ 中・を・ 掃除・を・ する。」「ほうれん草・を・ さっと・ 茹でる。」〔⇒さあっと。⇒ばあっと〕

ざっと《副詞》 細かいことは問題にしないで、おおよそのことを判断したり見積もったりする様子。手間をかけないで大まかに行う様子。「見・た・とこ・ ざっと・ 100人・ほど・ 来・とっ・た・な。」「話・の・ 内容・を・ ざっと・ まとめ・ておい・てくれ・へん・か。」

さっぱり《形容動詞や()、動詞する》 ①不快感などがあとに残らず、すがすがしく気持ちがよい様子。不必要なものがなくなって、爽快に感じる様子。「風呂・に・ 入っ・たら・ さっぱりと・ 気持ちよー・ なっ・た。」②味などがしつこくなく、あっさりしている様子。「さっぱりし・た・ 漬け物・を・ 食べ・た。」③課題や問題の答えや何かの所在などが、どうしてもつかめない様子。何から何まですべてにわたる様子。望ましい状態が少しも実現しない様子。「勉強・は・ し・とっ・た・ん・や・けど・ 試験・ 受け・たら・ さっぱりやっ・た。」「この・ 問題・は・ さっぱり・ わから・へん。」「あいつ・は・ この頃・ さっぱり・ 来・ん・よーに・ なっ・た。」「商売・は・ さっぱりや。」「世の中・は・ さっぱり・ わし・の・ 味方・に・ なら・へん。」◆③は、後ろに打ち消しの言葉を伴う。①②⇒すっきり。⇒かいもく【皆目】、まったく【全く】

さつまいも【薩摩芋】《名詞》 畑で作り、茎はつるになって地をはい、根に甘みのある芋ができる多年草。「さつまいも・の・ 天麩羅・を・ する。」

ざつよう〔ざつよー〕【雑用】《名詞》 こまごました、いろんな用事。「毎日・ ざつよー・に・ 追わ・れ・とる。」「会社・で・ ざつよー・の・ 仕事・を・ し・とる・ねん。」

さて〔さーて〕《接続詞》 ①話題を変えるときに使う言葉。前の話を打ち切って、別の話を始めるときに使う言葉。「さて・ 他・に・ 質問・は・ あり・ませ・ん・か。」②考えた後に、何かの行動を起こすようなときに使う言葉。「さーて・ この辺・に・ 印・を・ つけ・とこ・か。」⇒ところで〕

さて〔さーて〕《感動詞》 ①疑問に思ったり、ためらいや戸惑いを感じたりしたときに発する言葉。「さて・ どない・ し・たら・ えー・ね・やろ・か。」②人を促したり誘ったりするときに発する言葉。「さて・ そろそろ・ 出発し・まへ・ん・か。」③自分を奮い立たせたり決意を持ったりしたときに発する言葉。「さーて・ 一丁・ 頑張っ・てみる・か。」〔⇒さあ、さてと〕

さてと〔さーてと〕《感動詞》 ①疑問に思ったり、ためらいや戸惑いを感じたりしたときに発する言葉。「さーてと・ そんな・ こと・(は・) わし・に・ でける・ん・やろ・か。」②人を促したり誘ったりするときに発する言葉。「さてと・ ここら・で・ いっぺん・ 休み・ましょ・か。」③自分を奮い立たせたり決意を持ったりしたときに発する言葉。「さてと・ 今年・は・ 絶対に・ 優勝する・ぞ。」〔⇒さて、さあ〕

さては《感動詞》 ①原因や理由などについて、やはりそうだったのかという気持ちを表す言葉。「さては・ 初め・から・ 来る・ 気ー・が・ なかっ・た・ん・やろ。」②知ったことが、予想外であったという気持ちを表す言葉。「さては・ 騙し・やがっ・た・ん・や・なー。」

さと【里】《名詞》 ①生まれ育った家や故郷。「わたし・の・ さと・は・ 加古郡・です。」「さと・で・は・ 兄貴・が・ 親父・の・ 世話・を・ し・とり・ます・ねん。」②妻など、他の家の一員となった人の実家。「さと・の・ 親・は・ 百姓・です・ねん。」

さとい【聡い、敏い】《形容詞》 理解することが速く的確である。判断が素早かったり、ものを見つけやすかったりする。「商売・に・ さとい・ 人」「この・ 子・は・ 目ー・が・ さとい。」

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2016年11月27日 (日)

奥の細道を読む・歩く(88)

[白石の町]①

 

 夜に白石城がライトアップされているのをホテルから眺めましたが、朝の空気の中を白石城に向かって歩きます。白石駅前には、観光客に向けての鐘楼が作られていて、「歓迎 鐘響都 白石」と書いてあります。小京都をもじったようです。

 駅から西に向かい、壽丸屋敷の前を過ぎます。ここは明治の中頃に店蔵として建てられ、その後いろいろな建物が造られたようです。現在は町づくりの拠点のようですが早朝は静まっています。

 ちょっと北寄りを西に向かうと、武家屋敷の前に出ます。沢端川に面して中級武士の屋敷があったところです。旧小関家のあたりは庭木に囲まれて、寄せ棟、茅葺きの母家が朝の陽を受け始めています。

 川に沿って少し後戻りして、白石城へ向かいます。震災復興記念として山吹、紫陽花、枝垂れ桜が植栽されているところ南にたどりますが、白石城の堀をぐるっと西に回って歩きます。「樹木に親しむ径」と名づけられていて様々の木の名前が書かれています。その径が終わったところが城跡への入口です。城跡の遊歩道を少しずつ上っていきます。

 いくつかの文学碑がありますが、その中に芭蕉の「かげろふの我肩に立かみこかな」の句碑があります。冬の紙子を着替えずに身につけている私の肩のあたりにも陽炎が立っていることだ、という意味です。作られたのは江戸で、1689(元禄2年)の、奥の細道に出発する前の作のようです。いよいや春になったなぁという思いで、奥州への思いもますますつのっていた頃だったことでしょう。

 近くに、虚子の「羽と陸と併せて蔵王夏の山」の句碑があります。出羽の国と陸奥の国の真ん中にそびえる蔵王の夏山の雄大さを感じます。ここには、松窓乙二の句碑などもあります。

 細い道をたどって下りていくと、明治時代に第18代横綱になった大砲萬衛門の等身大の像がありますが、並んで写真を撮るのが恥ずかしいほど、堂々とした体躯です。白石城の三階櫓が目の前に見えます。

 平安時代に坂上田村麻呂が創基したという神明社の前を通って、菱御門から城内に入ります。本丸は益岡公園として整備されています。黒い瓦と白壁の城が、朝の日光を浴びて青空に映えます。高い丈の片倉小十郎景綱公頌徳碑があります。1602(慶長7年)に景綱が入場してから11代、260年にわたって片倉氏が居城したといいますから、白石の人にとっては忘れられない存在なのでしょう。

 古い石垣の残るあたりを南に向かって坂を下って、町の中に入っていきます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (211)    (通算2209回)

日常生活語 「さ」⑦

 

さしつかえ【差し支え】《名詞》 ものごとの滑らかな進行の邪魔になること。都合が悪いこと。予定などが重なっていること。「今度・の・ 日曜・は・ さしつかえ・が・ あり・ます・ねん。」〔⇒さわり【障り】

さしつかえる【差し支える】《動詞・ア行下一段活用》 何かをするのに都合の悪いことが起こる。予定などが重なる。「急に・ さしつかえ・て・ 行け・ん・よーに・ なり・まし・た。」■名詞化=さしつかえ【差し支え】

さしひき【差し引き】《名詞、動詞する》 ある数量から、他の数量を減らすこと。また、それによって残った数。「さしひきし・て・ 5千円・ 払(はろ)・てもらえ・まっ・か。」

さしひく【差し引く】《動詞・カ行五段活用》 ある数量から、他の数量を減らす。「給料・から・ 積立金・を・ さしひく。」■名詞化=さしひき【差し引き】

さしみ【刺身】《名詞》 新鮮な魚や貝などの肉を薄く切って、醤油や香辛料を添えて食べるように作った食べ物。「鯛・の・ さしみ・が・ 食い・とー・ なっ・た。」〔⇒つくり【造り】

さしむかい【差し向かい】《名詞》 2人が向かい合うこと。2つのものが向かい合うこと。「嫁はん・と・ さしむかい・で・ 飯・を・ 食う。」「さしむかい・に・ ある・ 家」

さしもん【指物】《名詞》 たんす、箱、障子など、板を組み合わせて作る家具や器具。「さしもん・は・ 素人(しろと)・が・ 作っ・たら・ おかしな・ もん・に・ なっ・てまう・ねん。」

さしもんだいく【指物大工】《名詞》 板を組み合わせて家具や器具を作ることを専門にしている人。「あの・ 人・は・ さしもんだいく・や・さかい・ 家・を・ 建て・たり・は・ せー・へん・ねん。」

さす【指す】《動詞・サ行五段活用》 ①針などの先が場所や方向などを示す。「時計・が・ 6時・を・ さし・とる。」②手や指などで、目標とする場所や方向などを示す。「どれ・なんか・ さし・てくれ・なんだら・ わから・へん。」③目指して、その方向に向かう。「西・を・ さい・て・ 歩く。」④将棋の駒を動かす。「昼休み・に・ 1番・ さす。」

さす【刺す】《動詞・サ行五段活用》 ①先の尖ったものの先端が、そのものの内部に入り込むように強く押す。貫いて通す。「千枚通し・で・ さす。」「魚(さかな)・を・ 魚串(うおぐし)・に・ さし・て・ 焼く。」②危害を加えようとして、動物が相手の体を細長いもので突き入れる。「蚊ー・に・ ささ・れ・た。」③殺す目的で相手を刃物などで突く。「腹・が・ 立っ・ても・ さし・たら・ あか・ん・ぞ。」⇒つきさす【突き刺す】

さす【差す】《動詞・サ行五段活用》 ①光が当たって、そこが明るく見える。「庭・に・ 月・が・ さし・とる。」②ある気持ちや状態が生まれる。「だんだん・ 嫌気・が・ さし・てき・た。」「魔・が・ さす。」③液体などを注ぎ入れる。「目薬・を・ さす。」「鍋・に・ 水・を・ さす。」④身に付ける。「刀・を・ さす。」⑤両手で上げて持つ。かざす。「傘・を・ さす。」

さす【挿す】《動詞・サ行五段活用》 花瓶などに花を入れる。「瓶・に・ チューリップ・を・ さし・て・ 飾る。」

さす《動詞・サ行五段活用》 ①人に何かをするようにしむける。「その・ 仕事・は・ あいつ・に・ さし・たら・ 良()ー。」②人にそれをすることを認める。それをするがままにさせておく。「学生時代・は・ し・たい・ こと・を・ さし・とく。」〔⇒させる〕

さす《助動詞》 ①人に何かをするようにしむけるという意味(使役)を表す言葉。「明日・ あいつ・を・ 来()・さし・まほ・か。」「あいつ・に・ 調べ・させ。」「様子・を・ 見・てこ・さす。」②人にそれをすることを認めるという意味(許可)や、それをするがままにさせておくという意味(放任)を表す言葉。「朝顔・を・ 植え・たい・ん・やっ・たら・ 植え・さし・なはれ。」◆「さす」は、「らす」と同様に上一段活用動詞、下一段活用動詞、カ行変格活用動詞に接続する。同じ活用型の補助動詞も同様である。サ行変格活用動詞からは、「す」「さす」「らす」のどれにも接続しない。その場合は、「さす」という動詞を使う。〔⇒す、らす〕

さす《接尾語》[動詞の連用形に付く] その行為を途中までする、あるいは途中まででやめるということを表す言葉。「料理・を・ 作りさし・て・ やめ・たら・ 困る・やない・か。」

さする【擦る】《動詞・ラ行五段活用》 痛みをやわらげるなどのために、手のひらや指先で、体などの表面を軽く撫でる。「くんにゃかし・た・ 足・を・ さする。」「苦しかっ・たら・ 背中・を・ さすっ・たろ・か。」

ざせき【座席】《名詞》 参加する人や出席する人が座る場所。また、その数や、順序や配置など。「結婚式・の・ ざせき・を・ 決める。」「バス・の・ ざせき・は・ 予約・の・ 人・で・ 満員・に・ なっ・とる。」

させる《動詞・サ行下一段活用》 ①人に何かをするようにしむける。「その・ 仕事・は・ わし・に・ させ・てくれ・まへ・ん・か。」②人にそれをすることを認める。それをするがままにさせておく。「黙っ・て・ させ・とい・たら・ 勝手な・ こと・を・ し・やがっ・た。」〔⇒さす《動詞》

さそい【誘い】《名詞》 一緒に何かをするように働きかけて勧めること。また、その内容。「一緒に・ 行か・へん・か・ ゆー・て・ さそい・が・ かかっ・た。」「同窓会・の・ さそい・の・ 葉書・が・ 来・た。」

さそう【誘う】《動詞・ワア行五段活用》 一緒に何かをするように働きかけて勧める。「花見ー・に・ さそわ・れ・て・ 行き・まし・てん。」「貯金せー・と・ さそわ・れ・た。」■名詞化=さそい【誘い】

さそり【蠍】《名詞》 熱帯地域にすむ、鋏を持ち、尾の先に針を持つ動物。「さそり・が・ 出・てくる・ 恐ろしー・ 話」

さつ【札】《名詞》 紙でできているお金。紙幣。「1000円・の・ さつ」「さつ・の・ 束」

さつ【冊】《助数詞》 本やノートなどを数えるときに使う言葉。「これ・は・ 5さつ・で・ 一揃い・や。」

ざつ【雑】《形容動詞や()》 ①考え方や行いが、大雑把で荒っぽい様子。仕事が念入りに行われていない様子。「ざつな・ やりかた・を・ せ・んとい・て・な。」②品物などが、粗雑な出来上がりである様子。「ざつな・ 入れ物・や・さかい・ じっきに・ めげ・ても・た。」〔⇒ざつい【雑い】

ざつい【雑い】《形容詞》 ①考え方や行いが、大雑把で荒っぽい。仕事が念入りに行われていない。「あの・ 人・は・ 仕事・が・ ざつい・さかい・ 二度・と・ 頼ん・だら・ あか・ん・で。」②品物などが、粗雑な出来上がりである。「ざつい・ 作り・の・ 箱」〔⇒ざつ【雑】

ざつおん【雑音】《名詞》 不愉快な感じを持つ、いろいろ入り混じった騒がしい音。聞きたくない音。通信の妨げとなる音。「昔・の・ ラジオ・は・ ガーガー・ ピーピー・ 言()ー・て・ ざつおん・が・ ごっつかっ・た・なー。」

ざっか【雑貨】《名詞》 日常生活に必要な、こまごまとした品物。「村・に・ ざっか・を・ 売る・ 店・が・ ない・と・ 不便や。」

さっかく【錯覚】《名詞、動詞する》 実際とは違うように見てしまったり理解してしまったりすること。勘違い。「今日・は・ 休み・や・と・ さっかくし・とっ・た。」

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2016年11月26日 (土)

奥の細道を読む・歩く(87)

ドレミファそら日記(17)     2016年9月5日

 

0816分 東海道新幹線、新大阪駅発。ひかり512号、東京行。

1110分 東京駅着。

1136分 東北新幹線、東京駅発。やまびこ49号。

1311分 福島駅着。

1341分 JR東北線、福島駅発。普通・仙台行。

1403分 貝田駅着。

1405分 日和田駅前から白石方面に向かって歩き始める。

1410分 福島県から宮城県に入る。

1415 下紐の石(石大仏)

      越河番所の前。

1435分 諏訪神社。芭蕉の句碑。(1445)

1450 越河宿の跡。

1505分 越河小学校の前。

1525分 コンビニで、コーヒーとドーナツ。

1600分 馬牛沼。(1605)

1615分 鐙摺坂。(1625)

1630分 田村神社。甲冑堂。(1705)

      甲冑堂・資料館を拝観。朱印を受ける。

1710分 鬼ずるす石の説明板。

      斎川宿の入口。

1715分 白石市民バス・甲冑堂停留所から乗車。

1730分 白石駅前着。

1740分 パシフィックホテル白石に着く。

1755分 白石温麺を食べる。(1840)

1845分 コンビニで買い物。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (210)    (通算2208回)

日常生活語 「さ」⑥

 

さげる【下げる、【提げる】】《動詞・ガ行下一段活用》 ①上から下に移す。高いところから低いところへ映す。高さを小さくする。「置い・てい・た・ 物・を・ 一段・ 下・の・ 棚・に・ さげる。」②空中の低いところへ移るようにさせる。「垂れ幕・は・ もーちょっと・ さげ・た・ 方・が・ 良()ー・やろ。」③上の方にあるものにくくりつけたりはさんだりして、垂れるようにする。ものの上端を固定して、下に垂らす。ぶらさげて落ちないように持つ。「胸・に・ 名札・を・ さげる。」「腰・に・ 手拭い・を・ さげる。」「鞄・を・ 肩・から・ さげる。」④しかるべき場所から、別の場所に移す。「お膳・を・ さげる。」⑤値段を安くする。「2割引・に・ さげる。」⑥慎ましい姿勢を示す。「頭・を・ さげ・て・ 納得し・てもらう。」◆③は、手に持つことにも、腰や肩などにかけることにも言う。背中になると「おたす」となる。■自動詞は「さがる【下がる】」■対語=②「あげる【揚げる】」①⑤⇒ひくする【低する】⇒ぶらさげる【ぶら下げる】

ざこ【雑魚】《名詞》 ①いろいろの種類が入り交じった、小さな魚。値打ちの低い魚。「釣れる・の・は・ ざこ・ばっかり・や。」②つまらない者。地位の低い者。「わしら・みたいな・ ざこ・は・ 黙っ・て・ 聞い・とる・だけ・や。」〔⇒じゃこ【雑魚】

ざこう〔ざこー〕【座高】《名詞》 椅子に腰掛けたときの、腰掛けの面から頭のてっぺんまでの高さ。「足・が・ 長(なご)ー・て・ ざこー・の・ 低い・ 人」

さごし《名詞》 鰆(さわら)の幼魚。「こまい・ さごし・や・なー。」

ささ【笹】《名詞》 背が低く細い竹。茎が成長した後も皮が残る竹。また、その葉。「笹・を・ 切っ・てき・て・ 七夕さん・を・ 飾る。」

さざえ【栄螺】《名詞》 厚い貝殻で表面にとげが並んでいる、海にすむ巻き貝。「さざえ・を・ 焼い・て・ 食う。」

ささげ《名詞》 豆やさやを食べる、つるのある植物。「ささげ・を・ めー〔=ひじき〕・と・ いっしょに・ 炊く。」〔⇒いんげん【隠元】、いんげんまめ【隠元豆】

ざざぶり〔ざーざーぶり〕【ざざ降り】《名詞、形容動詞や()》 強く激しく降る雨。また、その様子。「朝・から・ ざざぶり・で・ 外・へ・ 出・られ・へん。」〔⇒ざんざんぶり【ざんざん降り】、じゃんじゃんぶり【じゃんじゃん降り】

ざざもり〔ざーざーもり〕【ざざ漏り】《形容動詞や()、動詞する》 液体が隙間や穴などから盛んに出続けること。雨水などが激しくあふれ落ちること。「大雨・で・ 天井・から・ さざもりし・た。」〔⇒ざざもれ【ざざ漏れ】、ざんざんもり【ざんざん漏り】、ざんざんもれ【ざんざん漏れ】、じゃじゃもり【じゃじゃ漏り】、じゃじゃもれ【じゃじゃ漏れ】、じゃんじゃんもり【じゃんじゃん漏り】、じゃんじゃんもれ【じゃんじゃん漏れ】、だだもり【だだ漏り】、だだもれ【だだ漏れ】、だんだんもり【だんだん漏り】、だんだんもれ【だんだん漏れ】

ざざもれ〔ざーざーもれ〕【ざざ漏れ】《形容動詞や()、動詞する》 液体が隙間や穴などから盛んに出続けること。雨水などが激しくあふれ落ちること。「水道管・に・ ざーざーもれ・が・ 起こっ・とる。」〔⇒ざざもり【ざざ漏り】、ざんざんもり【ざんざん漏り】、ざんざんもれ【ざんざん漏れ】、じゃじゃもり【じゃじゃ漏り】、じゃじゃもれ【じゃじゃ漏れ】、じゃんじゃんもり【じゃんじゃん漏り】、じゃんじゃんもれ【じゃんじゃん漏れ】、だだもり【だだ漏り】、だだもれ【だだ漏れ】、だんだんもり【だんだん漏り】、だんだんもれ【だんだん漏れ】

ささら《名詞》 米びつなどを洗ったりするための、細く削った竹をまとめてくくった道具。「ささら・で・ 風呂桶・を・ 掃除する。」

ささる【刺さる】《動詞・ラ行五段活用》 尖ったものが、ものの表面を破って食い込む。「魚・の・ 骨・が・ 喉・に・ ささる。」◆「つきささる【突き刺さる】」よりも穏やかで、軽い印象が伴う。■他動詞は「さす【刺す】」〔⇒つきささる【突き刺さる】

さざんか【山茶花】《名詞》 秋から冬にかけて、白や桃色などの花が咲く、椿に似た庭木。「さざんか・を・ 家・の・ 垣・に・ する。」

さし【差し】《名詞》 長さを測ったり、あてがって直線を引いたりするときに使う、横に長い道具。「昔・は・ 竹・で・ でけた・ さし・が・ 多かっ・た。」◆大工さんは、「さし」という言葉を多く使っていたような記憶がある。〔⇒ものさし【物差し】、せんひき【線引き】、じょうぎ【定規】

さし【止し】《接尾語》[動詞の連用形に付く] 続いていた動作や状態などを途中で中止することを表す言葉。「読みさし・に・ し・とっ・た・ 本・を・ もっぺん〔=もう一度〕・ 初め・から・ 読む。」「燃えさし・の・ 木」

さじ【匙】《名詞》 液体や粉末の食べ物をすくい取るための、小皿のような頭部に柄をつけた小さな道具。「カレー・は・ ちょっと・ 大けな・ さじ・で・ 食べる。」〔⇒しゃじ()、スプーン【英語=spoon

さしあげる【差し上げる】《動詞・ガ行下一段活用》 ①高く上げる。両手で高く持ち上げる。「貰(もろ)・た・ 優勝カップ・を・ さしあげる。」②「与える」ということを謙譲して言う言葉。献上する。「これ・を・ あんた・に・ さしあげ・よー・と・ 思(おも)・て・ 持っ・てき・まし・た・ん・や。」◆②は、やや改まった場合の言い方である。⇒あげます【上げます】、あいます(上います)、あえます(上えます)、やいます(遣います)、やえます(遣えます)

さしえ【挿し絵】《名詞》 文章や記事の説明として描いてある、その内容に関係のある絵。「さしえ・が・ ある・ 方・が・ 読みやすい。」

さしおさえ【差し押さえ】《名詞、動詞する》 借金や税金を払わないとき、法律に基づいて、その人の持ち物を本人の自由にさせないようにすること。特に、取り上げてしまうこと。「税金・を・ ちゃんと・ 払わ・なんだら・ さしおさえ・に・ あう・ぞ。」

さしおさえる【差し押さえる】《動詞・ア行下一段活用》 借金や税金を払わないとき、法律に基づいて、その人の持ち物を本人の自由にさせないようにする。特に、取り上げてしまう。「家財道具・を・ さしおさえ・られる。」■名詞化=さしおさえ【差し押さえ】

さしがね【差し金】《名詞》 金属でできている、直角に曲がったL字形の物差し。「さしがね・で・ 測っ・て・ 木ー・に・ 印・を・ 付ける。」〔⇒かねじゃく【曲尺】

さしき【挿し木】《名詞、動詞する》 草木の茎や枝を土に挿して、根を出させて新しい株を作ること。「菊・の・ さしき・を・ する。」

ざしき【座敷】《名詞》 ①畳が敷いてある部屋。「ざしき・で・ 暴れ・たら・ あき・まへ・ん。」②日本家屋で、床の間があって、客を迎える部屋。「ざしき・に・ 上がっ・てもらう。」⇒おもて【表】、おもてのま【表の間】

さしげた【挿し下駄】《名詞》 歯を挿し替えることのできる下駄。「さしげた・の・ 歯ー・が・ 折れ・た。」

さしこみ【差し込み】《名詞》 ①電気器具に電気を引くために、壁や柱などに取り付けた接続口。「さしこみ・から・ はずれ・て・ 扇風機・が・ 止まっ・た。」②木などを接ぐように作ってある箇所。はめ入れるための狭い箇所。「さしこみ・が・ がたがたや。」⇒コンセント【英語=concentric plugから】

さしこむ【差し込む】《動詞・マ行五段活用》 ①光が入ってくる。「昼から・の・ 座敷・は・ 日ー・が・ さしこん・で・ 温い。」②狭い箇所に、はめ入れる。「錠前・に・ 鍵・を・ さしこん・で・ 開ける。」■名詞化=さしこみ【差し込み】

さしず【指図】《名詞、動詞する》 ものごとを行う方法や順序などを人に言いつけて、その通りにさせること。また、そのようにさせるために言いつける言葉。「何やかやと・ さしずさ・れ・たら・ 腹・も・ 立ち・まっ・せ。」

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2016年11月25日 (金)

奥の細道を読む・歩く(86)

[斎川の甲冑堂]

 

 馬牛沼を過ぎてすぐのところの左手に「斎川孫太郎餅」と書いた店があり、5分ほど歩くと右手に孫太郎虫供養碑があります。孫太郎虫は蛇やトンボの幼虫ですが、子どもの疳の妙薬とされてきました。全国の清流にすんでいますが、とりわけ斎川のものが有名であったようです。江戸時代に山東京伝が「敵討ち孫太郎虫」という本を出したら、その本がよく売れて、それといっしょに孫太郎虫も売れるようになったという話が伝わっています。江戸時代におけるマスコミの力と言ってよいでしょう。

 供養碑のそばに「あぶみすり坂」という標柱も立っています。道は下り坂で、右手は小さな丘になっています。義経の一行が馬の鐙を巨石に摺って通ったと伝えられているところです。歩いている道は広くて難路のようにも感じません。右手の丘に上る石段道がありますので上ってみます。少し行くと段がなくなって、茂みの中で頂上のようなところに出ます。さらに細くなった道が先の方に続いているように思われますが、そこまでで進むのをやめて元の道に戻ります。難路を実感することはできませんでした。

 元の広い道に戻って、ほんのちょっと進むと、「甲冑堂 源義経の家臣 継信・忠信の妻 楓・初音の像」と書いた大きな標柱が見えてきます。「奥の細道」という小さな標柱も見えます。田村神社の甲冑堂です。坂上田村麻呂を神として祀ったのが田村神社ですが、東北各地に田村神社があります。

 医王寺を訪れて、芭蕉は「二人の嫁がしるし」に涙したと書いていますが、この田村神社には、その引用文「ふたりの嫁がしるし まずあわれなり 女なれども かいがいしき名の 世に聞こえつるものかなと 袂をぬらしぬ」の石碑があります。現代仮名遣いで書かれています。

 社務所へ行って、甲冑堂の中を拝見できるかと尋ねたところ、甲冑堂の前で詳しい説明を聞かせていただき、中を見せてもらえました。義経の身代わりとなって戦死した佐藤継信・忠信の二人の嫁は、夫の形見の甲冑を身につけて、病床の義母を慰めたと伝えられていますが、その姿の木像です。顔かたちは女性らしく作られていますが、武具を携えた二人の姿は男性と変わらない強さを感じさせます。芭蕉は、佐藤兄弟の嫁のしるしを見たと書いていますが、それを実際に見たのは甲冑堂でのことと思われます。

 境内には、「いくさめく二人の嫁や尼あやめ」という天野桃隣の句碑などもあります。神社には資料館があって、鐙摺石のことや孫太郎虫売りの人の姿などが紹介されています。鐙摺石の写真を見ると、細い山道の傍らに大きな石があってその横をすり抜けなければならない様子がわかるのですが、それは「あぶみすり坂」の標柱のあるところではありません。

 この日は白石市内まで歩く計画でしたが、田村神社で17時を過ぎてしまいました。さてどうしたものかと思案しながら、田村神社を出発して、「鬼ずるす石」の標柱と説明板のあるところを過ぎ、斎川という川を渡り、斎川宿という表示のあるところへ来ます。すぐ近くに白石市民バスの甲冑堂停留所があり、1日6本だけのバスながら、次の通過時刻が1715分となっています。何と良いタイミングだと幸せを感じつつ、バスに乗り、白石駅前に出ます。

 ホテルに荷物を置いてから、駅前の白石温麺の店で食事をして、1日が終わります。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (209)    (通算2207回)

日常生活語 「さ」⑤

 

さきのつき【先の月】《名詞》 今月の前の月。「暑かっ・た・さかい・ さきのつき・は・ クーラー・を・ よー・ 使(つこ)・た。」■対語=「らいげつ【来月】」〔⇒せんげつ【先月】、あとのつき【後の月】

さきばらい【先払い】《名詞、動詞する》 給料や代金などを前もって渡すこと。「事情・が・ 事情・や・さかい・ さきばらいし・ます。」■対語=「あとばらい【後払い】」〔⇒まえばらい【前払い】、まいばらい(前払い)

さきほど【先程】《名詞、副詞》 現時点から離れていない、つい先刻。「さきほど・ 地震・が・ おまし・た・なー。」〔⇒いまのいま【今の今】、いんまのいんま(今の今)、いまさっき(今先)、いんまさっき(今先)、さいぜん【最前】、さっき()、いま【今】、いんま()

さきまわり〔さきまーり〕【先回り】《名詞、動詞する》 ①他の人より前に、その場所に行くこと。「さきまーりし・て・ 駅・へ・ 行っ・たら・ あいつ・に・ 会える・やろ。」②他の人がするより前に物事をすること。「言わ・れる・ 前・に・ さきまーりし・て・ 書類・を・ こしらえ・とく。」

さぎょう〔さぎょー〕【作業】《名詞、動詞する》 一定の手順に従って仕事をすること。特に、体を動かす仕事をすること。「今日・の・ さぎょー・は・ ここ・まで・で・ 終わり・に・ し・ます。」

さく【柵】《名詞》 木や竹や金属などを立て、横木や網などを付けて作った囲い。「動物園・の・ さく・に・ 猿・が・ ひっつい・とる。」

さく【咲く】《動詞・カ行五段活用》 花のつぼみが開く。「庭・の・ 向日葵・が・ さい・た。」

さく【割く、裂く】《動詞・カ行五段活用》 ①予定していたものの一部分を分けて、他のことに使う。「ちょっと・ 時間・ さい・て・ 手伝(てっと)・ーてくれ・へん・か。」②魚などを切って開く。切って割る。「穴子・を・ さい・て・ 焼く。」③ひとまとまりであった布や紙などを、ほぼ一直線に引き破る。「布(きれ)・を・ 手ー・で・ さく。」■自動詞は「さける【割ける、裂ける】」

さくい《形容詞》 粘り気がなく、もろい。壊れやすかったり、裂けやすかったりする。「さくい・ 岩・や・さかい・ 力・を・ 入れ・たら・ 割れ・た。」「さくい・ ボール紙」

さくさく《副詞と》 噛んだときに軽い歯ごたえのある、爽やかな様子。軽く噛み砕く様子。「さくさくと・ し・た・ 煎餅」

ざくざく《副詞と》 ①価値のあるものが次から次へと現れる様子。「ざくざくと・ 宝物・が・ 出・てき・た。」②大きな束や、大きなまとまりのものを、豪快に切り刻む様子。「大きな・ キャベツ・を・ ざくざくと・ 切る。」

さくじつ【昨日】《名詞》 今日より一日前の日。「さくじつ・は・ いろいろ・ お世話・に・ なり・まし・た。」◆改まったときなどに使う言葉である。〔⇒きのう【昨日】、きんの(昨日)

さくねん【昨年】《名詞》 今年の前の年。「さくねん・は・ いかが・でし・た・か。」◆普段はあまり使わないが、改まったときなどに使う。■対語=「らいねん【来年】」〔⇒きょねん【去年】、きょうねん(去年)、あとのとし【後の年】

さくひん【作品】《名詞》 人が作り上げたもの。特に、文学や音楽や美術工芸などの創造物。「夏休み・が・ 終わっ・たら・ みんな・の・ さくひん・が・ 集まっ・た。」

さくぶん【作文】《名詞》 何かの課題のもとに、文章を書くこと。また、そのようにして書いた文章。「遠足・の・ こと・を・ さくぶん・に・ 書く。」〔⇒つづりかた【綴り方】

さくら【桜】《名詞》 ①国内のいたるところに見られ、春に薄桃色を咲かせる花は日本の国花とされ、秋には落葉する木。「入学式・に・は・ さくら・が・ 咲い・とら・んと・ 気分・が・ 出ー・へん・なー。」②食用とする馬の肉。「九州・で・ さくら・を・ 食べ・た。」⇒ばにく【馬肉】

さくらもち【桜餅】《名詞》 塩漬けにした桜の葉に巻いた、薄皮に餡を包んだ菓子。「かわいい・ ピンク・の・ さくらもち」

さくらんぼ《名詞》 丸くて柄が長く、甘酸っぱい味のする、初夏に熟する桜桃の小さな実。「蜜豆・に・ さくらんぼ・が・ 入っ・とる。」

ざくろ【石榴】《名詞》 夏のはじめに花が咲き、秋に酸っぱくて球状の熟した種が食べられる庭木。「甘酸(あまず)いー・ ざくろ」〔⇒じゃくろ(石榴)

さけ【酒】《名詞》 ①米を発酵させて酒にする、我が国独特の醸造法によってつくられる酒。「江井ヶ島(えーがしま)・は・ 灘・に・ 負け・へん・ さけ・の・ 本場・だっ・せ。」②ビールやウイスキーなどの、アルコールを含むさまざまな飲料。「さけ・は・ どんな・ 種類・が・ 好き・です・か。」⇒にほんしゅ【日本酒】、せいしゅ【清酒】⇒アルコール【英語=alcohol

さけ【鮭】《名詞》 寒いところの川で生まれ、海に下って育ち、再びその川をさかのぼる、淡紅色の肉をした体長の大きな魚。「さけ・を・ 歳暮・に・ する。」〔⇒しゃけ()

さけ《接続助詞》 理由や根拠などを表す言葉。前に述べることが原因や理由となって、後ろに述べることが起こることを表す言葉。「雨・が・ 降り・そーや・さけ・ 行く・の・は・ やめ・に・ する。」〔⇒さかい、さかいに、さけに、はかい、はかいに、ので、から、し〕

さけ《終助詞》 相手に対して念を押して言う気持ちを表す言葉。「わし・は・ 先・に・ 行く・さけ。」〔⇒さかい、さかいに、さけに、はかい、はかいに、ので、から〕

さけに《接続助詞》 理由や根拠などを表す言葉。前に述べることが原因や理由となって、後ろに述べることが起こることを表す言葉。「金・が・ ない・さけに・ 今日・は・ うどん・一杯・で・ すます。」〔⇒さかい、さかいに、さけ、はかい、はかいに、ので、から、し〕

さけに《終助詞》 相手に対して念を押して言う気持ちを表す言葉。「もー・ あの・ 話・は・ 忘れ・てくれ・(と・) 言ー・とる・ん・や・さけに。」〔⇒さかい、さかいに、さけ、はかい、はかいに、ので、から〕

さけめ【裂け目】《名詞》 一続きのものが切れてわかれたところ。特に、地面などで、線のように引き破られて、離れているところ。「地震・で・ 道・に・ 大けな・ さけめ・が・ でけ・た。」〔⇒われめ【割れ目】

さける【避ける】《動詞・カ行下一段活用》 ①出会ったり、ぶつかったりしないように、近づかないようにしたり脇へ寄ったりする。「穴・の・ 空い・た・ ところ・を・ さけ・て・ 通る。」②望ましくないものに合わないようにする。災害などから逃れるために対策をとる。「通勤時間・を・ さけ・て・電車・に・ 乗る。」〔⇒よける【避ける】

さける【割ける、裂ける】《動詞・カ行下一段活用》 ひとまとまりであった布や紙などが、ほぼ一直線に引き破られる。「雷・が・ 落ち・て・ 木ー・が・ さけ・た。」■他動詞は「さく【割く、裂く】」

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2016年11月24日 (木)

奥の細道を読む・歩く(85)

[越河から馬牛沼へ]

 

 奥の細道の第5回の旅は、暑さが少しおさまりかけた9月はじめの3泊4日です。前回の最北端であった貝田駅に降り立ちます。白石方面に向かって歩き始めると5分ほどで福島・宮城県境になります。国道4号の東京から293㎞地点を過ぎたところです。

 芭蕉は、「鐙摺・白石の城を過、笠嶋の郡に入れば…」としていて、白石周辺の記述は少ないのですが、「曾良随行日記」には次のような記述があります。

 

 コスゴウトかいたトノ間ニ福嶋領ト仙臺領トノ堺有。左ノ方、石ヲ重而有。大仏石ト云由。さい川より十町程前ニ万ギ沼・万ギ山有。ソノ下ノ道、アブミコブシト云岩有。二町程下リテ右ノ方ニ次信・忠信が妻ノ御影堂有。

 

 越河、貝田、斎川という地名が書かれていて、それらを経由して歩いていったことと思われます。万ギ沼というのは馬牛沼のことです。私たちは、貝田から越河、斎川、白石市内へとゆっくり歩いてみたいと思います。

 県境を超えてすぐ、道の右側に「下紐の石」があります。大きな石がごろりと据えられています。このあたりは坂上田村麻呂が関所を置いて以来、下紐の関として歌枕にも挙げられています。下紐の石は、用明天皇の妃である玉世姫がこの石の上でお産の紐を解いたという伝説が残っています。

 東北線の線路の向こう側、左手の山際に越河番所という大きな文字が見えますが、見上げるだけで近寄ることはできません。険しさはありませんが山が迫り来るようで、関所や番所というにふさわしい地形です。間もなく東北自動車道の下をくぐります。

 「史跡・歌枕・伝説ルート」という小さな案内板があるので、それを見て越河宿の跡の道筋を歩きます。奥州街道の宿場としての雰囲気は消えかかっているように思います。途中で左に折れて、東北本線のガードをくぐってから、諏訪神社を探します。案内板などは設けられていません。

 ここではないかと見当をつけて、古びた石段を上っていった先に諏訪神社があります。小さな本殿があって、その前に芭蕉の句碑があるのですが、石が風化していて文字は読みとれません。立てられている標柱によって「咲きみだす桃の中より初さくら」という句であることを知ります。咲き乱れる桃の花の中から初桜がほころび始めたという意味ですから、桃から桜への交替という季節感を表しています。桃は桜より少し早い時期に咲きますが、この句は「初さくら」が主題です。1688(貞享5年)春の作のようですから、それなら「奥の細道」への出発前年です。この句がこの土地とどのような関係を持っているのかは知りません。

 この神社には、明治5年から6年ごとに御柱を奉納した人の名が書かれて平成22年まで24人の名前が連なっています。本殿の左側に、第25回・平成28年の御柱祭の神木が立てられています。皮をむいて磨いた柱です。

 元の道に戻って、越河小学校を過ぎ、東北線の越河駅の近くを通り、田園・山間風景の中を歩き続けます。貝田駅から2時間近く歩いて、水辺の風景にたどり着きます。

 冬になると白鳥が飛来するという馬牛沼です。春は桜が美しいということですが、桜にも白鳥にも縁のない季節で、曇り空で夕方が近づいた水面は静まり返っています。沼の中に鯉供養と書かれた碑が立っています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (208)    (通算2206回)

日常生活語 「さ」④

 

さかとんぼ【逆とんぼ】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。②両手を地面につけて体を支えて、両足をまっすぐ上に上げて立つこと。倒立。「さかとんぼ・の・ まま・で・ 歩く。」〔⇒さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼり【逆とんぼり】⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさま【逆様】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】⇒さかだち【逆立ち】、さっちょこ、さっちょこだち【さっちょこ立ち】

さかとんぼり【逆とんぼり】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「二人・の・ 子ども・が・ 頭・と・ 足・が・ さかとんぼりに・ なっ・て・ 寝・とる。」②両手を地面につけて体を支えて、両足をまっすぐ上に上げて立つこと。倒立。「さかとんぼりし・て・ 壁・に・ もたれる。」〔⇒さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさま【逆様】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】⇒さかだち【逆立ち】、さっちょこ、さっちょこだち【さっちょこ立ち

さかな【魚】《名詞》 ①海・川・池などにすんで、えらで呼吸し、、鱗があり、ひれを動かして泳ぐ動物。「川・の・ 中・を・ 大きな・ さかな・が・ 泳い・どる。」②それを調理して食べ物としたもの。「肉・より・ さかな・の・ 方・が・ 好きや。」〔⇒とと()、おとと(お魚)

さかな【肴】《名詞》 酒を飲むときにいっしょに食べるおかず。「チーズ・を・ さかな・に・ し・て・ 飲む。」

さかば【酒場】《名詞》 酒を造る業者。酒造業の家。「大けな・ 蔵・の・ ある・ さかば」◆酒を飲ませる店を言うのではない。〔⇒さかや【酒屋】

さかみち【坂道】《名詞》 ①一方が高く、他方が低くなっている道。「神戸・は・ さかみち・が・ 多(おか)い。」②人生の節目としての区切りや年齢。人生の困難な行程。「20代・は・ 苦しい・ さかみち・やっ・た。」〔⇒さか【坂】

さかむき【逆向き】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、逆であること。「みんな・と・ 違(ちご)・て・ さかむき・に・ 走る。」②道理や秩序などが逆転していること。「生徒・が・ 先生・を・ さかむきに・ 殴っ・たら・ あか・ん・がな。」〔⇒さかむけ【逆向け】

さかむけ【逆向け】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、逆であること。「靴・が・ さかむけ・に・ なっ・とっ・た・さかい・ 置き直し・た。」②道理や秩序などが逆転していること。「注意し・たっ・たら・ さかむけに・ 怒ら・れ・た。」〔⇒さかむき【逆向き】

さかむけ【逆剥け】《名詞、動詞する》 指の爪の付け根のあたりの皮膚が、指の付け根の方に向かってめくれること。ささくれ。「指・の・ 先・が・ さかむけ・に・ なっ・て・ 痛い。」

さかや【酒屋】《名詞》 ①酒を売る店。「さかや・で・ 味醂・を・ 買う。」②酒を造る業者。酒造業の家。「さかや・の・ 大けな・ 樽」⇒さかば【酒場】

さからう【逆らう】《動詞・ワア行五段活用》 ①人の言うことに素直に従わないで、反対したり抵抗したりする。「親・の・ 言()ー・ こと・に・ さからう。」②自然の勢いや流れと反対の方向に進む。「強い・ 風・に・ さかろー・て・ 歩く。」⇒はむかう【刃向かう】

さかり【盛り】《名詞》 ①衰え始める前の、いちばん勢いが盛んなとき。もっとも充実した時期。「花・の・ さかり」「育ちざかり」②動物が、一年の決まった時期に発情すること。「さかり・の・ つい・た・ 犬」

さがり【下がり】《名詞》 下に向かうこと。低くなること。「値段・の・ 上がり・さがり」■対語=「あがり【上がり】」

さがりめ【下がり目】《名詞》 目尻が下に向いているもの。「さがりめ・で・ 穏やかな・ 顔・の・ 人」■対語=「あがりめ【上がり目】」〔⇒たれめ【垂れ目】

さかる【盛る】《動詞・ラ行五段活用》 動物が発情して交尾をする。「道・の・ 真ん中・で・ 犬・が・ さかっ・とる。」〔⇒つるむ【連む】

さがる【下がる】《動詞・ラ行五段活用》 ①上から下へ移る。高いところから低いところへ移る。高さが小さくなる。「坂・が・ だんだん・ さがっ・とる。」②空中の低いところへ移る。「飛行機・が・ さがっ・てき・た。」③一端がものに付いていて、他方が下の方に垂れる。上の方にあるものにくっついたりして、垂れるようになる。「蜘蛛・の・ 巣ー・が・ さがっ・とる。」「つらら・が・ さがる。」④物事の程度などが低くなる。悪くなる。「点数・が・ さがる。」「成績・が・ さがる。」⑤値段が安くなる。「大根・の・ 値ー・が・ さがっ・た。」■他動詞は「さげる【下げる】」■対語=②「あがる【揚がる】」①⑤⇒ひくなる【低なる】⇒ぶらさがる【ぶら下がる】

さかん【左官】《名詞》 壁塗りなどを専門にしている職人。「壁塗り・は・ やっぱり・ さかん・さん・に・ 頼む・ こと・に・ する。」〔⇒しゃかん(左官)

さかん【盛ん】《形容動詞や()》 ①たいそう勢いがある様子。「見・とる・ 人・が・ さかんに・ 手・を・ たたく。」②広く行われる様子。「サッカー・が・ さかんな・ 町」「年末・は・ 忘年会・が・ さかんや。」

さき【先】《名詞》 ①続いているもののいちばん前。中心になるところよりも前。「みんな・の・ さき・を・ 歩く。」②続いている時間の、これから後。将来。「さき・の・ こと・は・ わから・へん・やろ。」③時間の、いち早い瞬間。「相手・より・ さき・に・ 攻撃する。」④ものの突き出ているところ。「枝・の・ さき」⑤一続きのものが終わるところ。「大阪・より・ さき・は・ 行っ・た・ こと・が・ あら・へん・ねん。」

さきおとつい【先一昨日】《名詞》 一昨日の前の日。3日前の日。「さきおとつい・と・ 言()ー・たら・ あの・ 大雨・の・ 日ー・の・ こと・や・な。」

さきおとどし【先一昨年】《名詞》 一昨年の前の年。3年前の年。「孫・が・ でけた・の・は・ さきおとどし・や。」

さきがり【先借り】《名詞、動詞する》 まだ受取日になっていないときに、給料などのお金を受け取ること。「給料・の・ さきがり・を・ 断ら・れ・た。」〔⇒まえがり【前借り】、まいがり(前借り)

さきごろ【先頃】《名詞》 あまり遠くない過去のあるとき。今日より少し前のとき。「さきごろ・ 会()ー・た・のに・ また・ 会い・まし・た・なー。」〔⇒せんじつ【先日】、せんだって【先だって】、こないだ、このあいだ【この間】

さきざき【先々】《名詞》 ①現在からのちのこと。将来。「さきざき・の・ こと・を・ 心配する。」②目的とする、あちこちの場所。「行っ・た・ さきざき・で・ 挨拶する。」③末端の部分のあちこち。「指・の・ さきざき・が・ 冷たい。」⇒あとあと【後々】

さきのしゅう〔さきのしゅー〕【先の週】《名詞》 今日が属している日曜日から土曜日までの7日間の、その一つ前の7日間。「展覧会・は・ さきのしゅー・で・ 終わっ・た。」〔⇒せんしゅう【先週】

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2016年11月23日 (水)

奥の細道を読む・歩く(84)

ドレミファそら日記(16)     2016年7月7日

 

0755分 東横イン福島駅東口2を出発。

0815 福島交通バス、掛田駅前行。

0841分 文知摺バス停着。

0850分 虎が清水。(0855)

0855分 文知摺観音。(1000) 文知摺石、芭蕉像、芭蕉句碑、子規句碑、         傳光閣。 ◆加藤さんスケッチ ◆朱印

1010分 安洞院の前。

1055分 胡桃川を渡る。

1100分 阿武隈川、月の輪大橋。芭蕉句碑。(1125) ◆加藤さんスケッチ

1140 阿武隈急行瀬上駅に着く。

1214分 阿武隈急行、瀬上駅発。福島行。

1224分 福島駅着。

1316分 東北新幹線、福島駅発。やまびこ140

1448分 東京駅着。

1503分 東海道新幹線、東京駅発。ひかり477

1803分 新大阪駅着。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (207)    (通算2205回)

日常生活語 「さ」③

 

さかい《終助詞》 相手に対して念を押して言う気持ちを表す言葉。「ここ・で・ 待っ・とっ・たる・さかい。」〔⇒さかいに、さけ、さけに、はかい、はかいに、ので、から、し〕

さかいに《接続助詞》 理由や根拠などを表す言葉。前に述べることが原因や理由となって、後ろに述べることが起こることを表す言葉。「あんた・が・ 誘(さそ)・てくれ・た・さかいに・ 参加する・ こと・に・ する・わ。」◆現在では、「さかい」「さかいに」よりも、「ので」「から」などを使う度合いが多くなってきている。〔⇒さかい、さけ、さけに、はかい、はかいに、ので、から、し〕

さかいに《終助詞》 相手に対して念を押して言う気持ちを表す言葉。「明日・まで・ 待っ・たる・さかいに。」〔⇒さかい、さけ、さけに、はかい、はかいに、ので、から、し〕

さかいめ【境目】《名詞》 ①土地と土地の区切り。ものとものとの区切りのところ。「隣・の・ 家・と・の・ さかいめ」②ものごとの分かれ目。「長い・こと・ 入院し・て・ 生き死に・の・ さかいめ・も・ あっ・てん。」〔⇒さかい【境】

さかぐら【酒蔵、酒倉】《名詞》 酒を醸造し、酒を貯蔵する蔵。「江井ヶ島・は・ さかぐら・が・ ぎょーさん・ あっ・てん・けど・ だんだん・ つぶさ・れ・ても・た。」

■神戸市の灘区と東灘区の地域で「灘の酒蔵探訪」という行事が、秋に行われている。スタンプを3か所集めて応募すると賞品が当たるというものである。いつから始まったのか知らないが、沢の鶴、白鶴、浜福鶴、菊正宗、桜正宗、灘泉、福寿などの名の知られた銘柄の酒蔵と、関連する施設などがスタンプ・ポイントになっている。灘の酒蔵の公開はこの時期に限ったものではなく、ほとんどの酒蔵が一年中、見学者を受け入れているが、スタンプ・ラリーは秋の行事になっている。

 灘の酒蔵を見学しても、その蔵の中にあるものは、この辞典の筆者にとっては、さして珍しいものではない。子どもの頃、江井ヶ島のあちこちにあった酒蔵の中をうろちょろしたことがある。寒い頃の風物詩だったと思うが、あちこちの広場(酒蔵の敷地内)では大きな桶が横に向けられて、並べてあった。この大桶は仕込みや酒の貯蔵のために使うものであるが、洗って干してあったのである。木でできた桶で、竹のタガがはめられていた。直径は子どもの背丈以上である。その大きな桶の中に腰を下ろして日向ぼっこをしたり、中で遊んだり、桶に上っていって桶にまたがったりした。転がして、少し位置を移動させるという悪戯もしたように思う。今にして思えば、不思議なことなのであるが、酒蔵の人から注意を受けたことはあるかもしれないが、怒鳴られたり追い出されたりという記憶はない。蔵人(くらびと)と呼ばれる人たちは、冬季に丹波の方から来るのであるが、通年の従業員はたいてい地元の人であったというのが理由であったのかもしれない。酒蔵の中をうろちょろできたのも、同じ理由からであろう。

さかさ【逆さ】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「靴・を・ さかさ・に・ 履い・とる。」「鏡・に・ さかさ・に・ 写っ・とる。」〔⇒さか【逆】、さかさま【逆様】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】

さかさま【逆様】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「線・を・ さかさまに・ つない・どる。」〔⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】

さかさん【逆さん】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「瓶・を・ 上下・ さかさん・に・ 持っ・たら・ こぼれる・よ。」〔⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさま【逆様】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】

さがしもん【探し物・捜し物】《名詞》 見当たらないものを探すこと。また、探しているもの。「昨日・は・ 一日中・ さがしもん・を・ し・とっ・た。」「さがしもん・が・ 見つから・へん。」

さがす【探す・捜す】《動詞・サ行五段活用》 ①見失った人やものを見つけようとする。また、そのために調べる。「失(うしの)ー・た・ 財布・を・ さがす。」②新しい人やもの、気付いていないものなどを見つけようとする。さぐる。「手伝ー・てくれる・ 人・を・ さがす。」「デパート・で・ 私・に・ 似合う・ 服・を・ さがし・た。」

さがす【探す】《補助動詞・サ行五段活用》[動詞の連用形に付く] あれこれと何かをしてまわる、あちらこちらで何かをするという意味を表す言葉。「あっちこっち・の・ 店・を・ 食い・さがし・て・ うまい・ もの・を・ 見つけ出す。」「し・さがす」「言い・さがす」〔⇒やく、やるく、あるく【歩く】

さかずき【盃】《名詞》 酒を飲むときに使う、小さな器。ちょこ。「さかずき・ 一杯・ 飲ん・だら・ 真っ赤に・ なる・ねん。」

さかだち【逆立ち】《名詞、動詞する》 両手を地面につけて体を支えて、両足をまっすぐ上に上げて立つこと。倒立。「さかだちし・た・まま・で・ 歩く。」〔⇒さっちょこ、さっちょこだち【さっちょこ立ち】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】

さかだる【酒樽】《名詞》 酒を入れるための、木で作った蓋付きの円い入れ物。「さかだる・の・ 蓋・を・ 割っ・て・ 鏡開き・を・ する。」

さかたん【逆たん】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「バット・の・ 握り方・が・ さかたんに・ なっ・とる。」〔⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさん【逆さん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】、ぎゃく【逆】

さかちん【逆ちん】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「注意し・たら・ さかちんに・ 怒鳴ら・れ・ても・た。」〔⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさま【逆様】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】

さかて【逆手】《名詞》 ①杖をつくような握り方で、腕の使い方を普通とは反対の向きにすること。「鉄棒・を・ さかて・に・ 握る。」②相手の攻撃を利用して、攻め返すこと。「言わ・れ・た・ こと・を・ さかて・に・ とっ・て・ 言い返す。」〔⇒ぎゃくて【逆手】

さかとんぶり【逆とんぶり】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「さかとんぶりに・ 頭・から・ プール・に・ はまっ・た。」②両手を地面につけて体を支えて、両足をまっすぐ上に上げて立つこと。倒立。「さかとんぶり・を・ し・とっ・たら・ 頭・が・ 痛(いと)ー・ なっ・た。」〔⇒さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】⇒さか【逆】、さかさ【逆さ】、さかさま【逆様】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】⇒さかだち【逆立ち】、さっちょこ、さっちょこだち【さっちょこ立ち】

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2016年11月22日 (火)

奥の細道を読む・歩く(83)

[月の輪、瀬の上]

 

 芭蕉は月の輪、瀬の上から医王寺の方へ向かい、その後で飯坂温泉に泊まったのですが、私たちは医王寺と飯坂を見て、伊達の大木戸までを歩き終えていますので、月の輪、瀬の上が今回の最終地点です。ただし、「奥の細道」では、「月の輪のわたしを越て、瀬の上と云宿に出づ。」という簡単な記述だけです。

 阿武隈川に向かって道路が少しずつ上っていったところに月の輪大橋があります。堤防が高くなっており、大橋の欄干が始まるところが「早苗とる手もとやむかししのぶ摺」の句碑を兼ねたものになっています。

 この橋から眺めると、南の方には信夫山が見え、北の方には阿武隈急行の橋梁が見えます。川はゆったりとした流れで、水面はあまり波立ってはいません。加藤さんはまず信夫山の方向に向かってスケッチをします。川の流れは信夫山を迂回するような感じで右の方からカーブして流れてきています。橋の欄干には、渡し船のレリーフなどがはめこまれています。

 橋を渡り終えたところの欄干に「橋名の由来」が彫られています。そこには、月の輪というのは阿武隈川が蛇行を繰り返した際に三日月形に残った湖を呼んだもので、芭蕉が通った渡し場に因んで橋の名とした、という旨が書かれています。

 阿武隈川の下流の右岸が向瀬上という地名で、左岸が瀬上ですが、このあたりには近年まで渡しがあったそうで、月の輪大橋の開通で1995(平成7年)に廃止されたと言います。

 月の輪大橋を過ぎて、工場団地のようなところを通ってから、阿武隈急行の瀬上(せのうえ)駅へ向かいます。集落から右の方に入っていって、りんご畑の中を通り抜けます。作業するための私道のようにも思われますが、それ以外には駅の方向への道は見当たりません。りんご畑が終わると瀬上駅が見えてきます。駅の名所案内には神社仏閣の名などが書いてありますが、その全体を「りんごの里」と記しています。瀬上駅は高架になっていますから南に広がる果樹園が見渡せます。

 この駅でおよそ半時間、ゆっくりと列車を待って、阿武隈川を渡ってきた気動車に乗って福島駅に向かいます。

 福島では駅前のロータリーのある向こう側に、大きな石の上に芭蕉と曾良の像が立っています。芭蕉は両手を前に組んで、その手で杖を握っています。曾良は芭蕉の左斜め後ろに笠を肩の上に持ち上げるようにして立っています。顔つきは芭蕉も曾良も元気にあふれています。

 福島駅で今回の3泊4日の旅が終わります。これで福島県の最北端までたどり終えたことになります。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (206)    (通算2204回)

日常生活語 「さ」②

 

さいで《接続詞》 前に述べたことを受けて、あるいは前に述べたことを理由として、後のことを述べるのに使う言葉。そうであるから。そのようなわけで。「さいで・ 結果・は・ どない・ なり・まし・た・ん・か。」◆相手に話を促したり話を続けさせたりしようとするときに、相づちのように使う場合もある。〔⇒そこで、それで、そいで、そんで、ほれで、ほいで、ほんで、ほで〕

さいてい〔さいてー〕【最低】《名詞、形容動詞や()》  ①位置や程度などがいちばん低いこと。また、その地点。「さいてー・の・ 温度・が・ 零度・より・ 下・に・ なっ・た。」「さいてー・でも・ 10万円・ かかる。」②いちばん劣っていること。この上もなく劣っていること。「あんな・ こと・ 言()ー・ 人・は・ さいてーや。」■対語=「さいこう【最高】」

さいな《連体詞》 形や状態などが、それと同じような。それほどの程度の。「さいな・ 大きさ・の・ 箱・は・ ここ・に・は・ あら・へん・なー。」「さいな・ こと・を・ 言()ー・ても・ 誰・も・ 賛成し・てくれ・へん・やろ。」〔⇒そんな、そないな、ほんな、ほないな〕

さいな《感動詞》 ①相手に同意や同感をする気持ちを表す言葉。そうだ。「さいな・ さいな・ わし・も・ そー・ 思(おも)・とっ・た。」②相手の考えなどに対して、疑問の気持ちをさしはさむ言葉。さあどうだろうか。「さいな・ それ・は・ 信用でける・ 話・やろ・か。」

さいなら《名詞、動詞する》 出会った人と別れること。「夕方・ 6時・に・ さいならし・た。」〔⇒さようなら、さよなら〕

さいなら《感動詞》 別れるときに言う、挨拶の言葉。「さいなら・ お元気・で。」〔⇒さようなら、さよなら〕

さいなん【災難】《名詞》 急に降りかかってきた、悪い出来事。「財布・ 落とし・て・ えらい・ さいなん・や。」

さいのう〔さいのー〕【才能】《名詞》 ものごとを理解してやり遂げる優れた能力。ものごとを上手くやり遂げる、ある方面や分野に優れた力。「音楽・の・ さいのー・が・ ある。」

さいばい【栽培】《名詞、動詞する》 草花や野菜や果樹などを植えて育てること。「小学校・の・ とき・ さいばい・委員・を・ し・て・ 花・の・ 水やり・が・ 仕事・やっ・た。」

さいばん【裁判】《名詞、動詞する》 法律に基づいて、訴えのあった事柄について、それが正しいかどうか、罪になるかどうかなどを決めること。「素人・が・ さいばん・に・ 参加する・の・は・ えらい・ こと・です・なー。」

さいふ【財布】《名詞》 布や革などで作った、お金を入れて持ち歩く入れ物。「新しい・ さいふ・を・ 買う。」

さいほう〔さいほー〕【裁縫】《名詞、動詞する》 布を裁って、和服や洋服などに縫い上げること。「夜なべ・に・ さいほー・を・ する。」「さいほー・箱」〔⇒ぬいもん【縫い物】、はりしごと【針仕事】

さいほうばこ〔さいほーばこ〕【裁縫箱】《名詞》 服を縫ったり繕ったりするための道具や用品を入れる箱。「針・と・ 糸・は・ さいほーばこ・に・ 入っ・とる・やろ。」〔⇒はりばこ【針箱】

ざいもく【材木】《名詞》 家や家具などを作る材料とするために、あらかじめ切ったりひいたりしてある角材や板など。「ざいもく・を・ 買()ー・てき・て・ 犬小屋・を・ 作る。」「ざいもく・屋」〔⇒き【木】

さいら《名詞》 刀のような細長い体をして、全体は深青色で腹は白い、海の魚。「秋・に・ なっ・たら・ さいら・が・ 美味い。」〔⇒さんま【秋刀魚】、さえら〕

ざいりょう〔ざいりょー〕【材料】《名詞》 ものを作ったり加工したりするときに、もととして用いるもの。「八百屋・で・ 料理・の・ ざいりょー・を・ 買う。」「工作・の・ ざいりょー」

サイレン〔さいれん〕【英語=siren】《名詞》 ①時刻を告げたり、緊急信号に用いたりするために、機械によって発する高い音。また、それ発する器械。「休憩時間・の・ さいれん・が・ 鳴っ・た。」「1時間目・の・ 始まる・ さいれん」②子どもの泣き声の比喩としての言い方。「隣・の・ 子ー・の・ さいれん・が・ やかましー。」

さいわい【幸い】《名詞、副詞、形容動詞や()》 ①精神的または物質的な面から見て、自分にとって嬉しく望ましく感じられる状態。「さいわいな・ 人」②ものごとが運よく展開すること。「さいわい・ 渋滞・に・ 遭わ・ず・に・ 帰っ・てこ・れ・た。」

さえ《副助詞》 ①あることに、別のことが加わって進展する意味を表す。「風・が・ 吹い・た・ 思(おも)・たら・ 雨・さえ・ 降っ・てき・た。」②ある例を挙げて、他のことは言うまでもないという気持ちを表す言葉。極端な例を示して強調する働きをする言葉。「子ども・で・さえ・ できる・さかい・ あんた・が・ でけ・ん・ こと・は・ あら・へん。」〔⇒まで〕

さえら《名詞》 刀のような細長い体をして、全体は深青色で腹は白い、海の魚。「焜炉・で・ さえら・を・ 焼い・て・ 食う。」〔⇒さんま【秋刀魚】、さいら〕

さえる【冴える】《動詞・ア行下一段活用》 頭がうまく回転する。目や耳の働きがはっきりしている。手さばきなどが鮮やかである。「今日・は・ 頭・が・ さえ・とる・なー。」「腕・が・ さえる。」

さお【竿】《名詞》 ①竹や金属などでできている、細い棒。「物干し・の・ さお・を・ 買い替える。」②魚を釣るために使う細い棒状のもの。「釣り・に・ 使う・ さお」③水底を突いて小舟を前進させる細長い棒。「さお・を・ 流し・ても・て・ 拾う・の・に・ 困っ・た。」⇒つりざお【釣り竿】

さか【坂】《名詞》 ①一方が高く、他方が低くなっている土地。一方が高く、他方が低くなっている道。傾斜がある状態。「さか・を・ あがっ・た・ とこ・に・ 駐在所・が・ ある。」「この・ 広っぱ・は・ ちょっと・ さか・に・ なっ・とる。」②人生の節目としての区切りや年齢。人生の困難な行程。「40・の・ さか・を・ 越え・た。」〔⇒さかみち【坂道】

さか【逆】《名詞、形容動詞や()》 上下・左右・前後・表裏などが、普通のものや正しいものとは逆であること。「右・と・ 左・が・ さかに・ なっ・とる。」〔⇒さかさ【逆さ】、さかさま【逆様】、さかさん【逆さん】、さかたん【逆たん】、さかちん【逆ちん】、さかとんぶり【逆とんぶり】、さかとんぼ【逆とんぼ】、さかとんぼり【逆とんぼり】、はんたい【反対】、ぎゃく【逆】

さかあがり【逆上がり】《名詞、動詞する》 鉄棒を握って、足の方から体を逆さにして鉄棒に上がること。「娘・は・ やっと・ さかあがり・が・ でける・よーに・ なっ・た。」〔⇒しりあがり【尻上がり】、けつあがり【穴上がり】

さかい【境】《名詞》 ①土地と土地の区切り。ものとものとの区切りのところ。「庭・と・ 道・と・の・ さかい・に・ 花・を・ 植える。」②ものごとの分かれ目。「試合・は・ あれ・を・ さかい・に・ し・て・ 負け始め・た・ん・や。」「生きる・か・ 死ぬ・か・の・ さかい・を・ 経験し・た。」〔⇒さかいめ【境目】

さかい《接続助詞》 理由や根拠などを表す言葉。前に述べることが原因や理由となって、後ろに述べることが起こることを表す言葉。「都合・が・ 悪い・さかい・ 今日・は・ 行か・へん・ねん。」◆現在では、「さかい」「さかいに」よりも、「ので」「から」などを使う度合いが多くなってきている。〔⇒さかいに、さけ、さけに、はかい、はかいに、ので、から、し〕

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2016年11月21日 (月)

奥の細道を読む・歩く(82)

しのぶの里④

 

 文知摺観音の境内は、ともかく様々なものが集積されていますから見るのに忙しいのです。1812(文化9年)建立の安洞院多宝塔は修理中ですが、福島県重要文化財に指定されています。多宝塔は近畿地方では見慣れていますが、関東以北には10棟ほどしかなく、東北地方では唯一のものだそうです。

 観音堂は1709(宝永6年)に改築されたものですが、他に経蔵・三十三観音堂もあります。鐘楼は古びた感じです。

 家出人などがあるときに地蔵尊の足のあたりを縛っておくと必ず無事に帰ってくるという「足止め地蔵尊」、これに祈願すると子どもの夜泣きがやむという「夜泣き石」といったものまでありますし、傳光閣という美術資料館も作られています。

 境内の上の方には草原が広がって、小学生が遠足に来たらはしゃぎ回れそうですし、小さな池には真っ白な睡蓮が花開いています。

 ともかく、ここは古典文学などにまつわる小宇宙を作り上げているような感じです。加藤さんは文知摺石などをスケッチし、私たちはここの朱印をもらいます。

 月の輪へ行くのならこのコースが良いということを文知摺観音で教えられて、山裾をめぐるような道に出て、月の輪のあたりを目指します。文知摺観音とゆかりの深い安洞院という寺の前を過ぎます。「生活圏森林除染をしています」という看板と、それらしい作業の様子を見て、大震災から続いていることのたいへんさを思います。県道(福島保原線)に出て、小さな流れの胡桃川を渡り、やっぱり除染作業中の様子を見たりしながら歩き続けます。

 文知摺観音から1時間ほど歩き続けて、やっと月の輪が近づいてきます。私たちの歩きは、見るべき拠点ごとに立ち止まって写真を撮ったりはしますが、そうでなければかなりの距離であっても休むことなく歩き続けることが多いのです。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (205)    (通算2203回)

日常生活語 「さ」①

 

〔さー〕【差】《名詞》 ①ものとものとの間の性質や状態などの違い。「朝晩・の・ 温度・の・ さー・が・ 大(おー)けー。」②ある数量から他の数量を差し引いたときの値。「10円・の・ さ・でも・ ぎょーさん・ 買()ー・たら・ だいぶ・ 違()ご・てくる。」

《接尾語》[形容詞・形容動詞の語幹などに付く] その性質や状態の、様子や程度などを表す言葉。「寒さ・が・ 身ー・に・ こたえる。」「元気さ」「高さ」「厚かましさ」

さあ〔さー〕《感動詞》 ①疑問に思ったり、ためらいや戸惑いを感じたりしたときに発する言葉。「さー・ わし・に・は・ わから・ん・さかい・ 本人・に・ 尋(たん)ね・てみ・なはれ。」②人を促したり誘ったりするときに発する言葉。「さー・ そろそろ・ 出発し・まほ。」③自分を奮い立たせたり決意を持ったりしたときに発する言葉。「さー・ 今度・こそ・ 負け・へん・ぞ。」〔⇒さて、さてと〕

サーカス〔さーかす〕【英語=circus】《名詞》 動物の芸や人の曲芸などを中心にした見せ物。「神戸・に・ さーかす・が・ 来・とる・そーや。」〔⇒かるわざ【軽業】、かりばた(軽業)

ざあざあ〔ざーざー〕《副詞と》 ①水が音を立てて盛んに流れたり、雨が音を立てて激しく降ったりする様子。また、その音。「滝・の・ 水・が・ ざーざー・ 落ち・とる。」「ざーざーと・ ものすごい・ 雨・の・ 降り方・や。」②ラジオやスピーカーなどで、雑音がする様子。また、その音。「ざーざーと・ ラジオ・の・ うるさい・ 音・が・ する。」

さあっと〔さーっと〕《副詞》 ①雨や風が急に起こる様子。「急に・ 風・が・ さあっと・ 吹きだし・た。」②動きが速く素早い様子。簡単に済ませる様子。「用事・の・ 合間・に・ さあっと・ 飯・を・ 食ー。」〔⇒さっと。⇒ばあっと〕

サービス〔さーびす〕【英語=service】《名詞、動詞する》 ①割り引いたり、おまけを付けたりして、ものを売ること。また、景品として添えるもの。「今日・は・ 2割引・の・ さーびす・を・ する。」「大根・を・ 1本・ さーびすし・とき・ます。」②客が満足するように、心のこもった対応をすること。「にこにこと・ さーびすし・てくれる・ 床屋さん」

さあま〔さーま〕《感動詞》 そんなことは知っているとか、それは当然なことだというような気持ちを表す言葉。既に承知したり了解済みであったりするという気持ちを表す言葉。「さーま・ そやさかい・ 忘れ物・を・ せ・ん・よーに・と・ 言()ー・たっ・た・やんか。」〔⇒はあま〕

さい【犀】《名詞》 巨大な体で頭が大きく首が短く、鼻の上に角をもつ熱帯にすむ哺乳動物。「動物園・で・ はじめて・ さい・を・ 見・た。」

さい(左様)】《形容動詞や()》 その通りである。そのようである。「わし・は・ さい・ 考え・た・ん・や・けど・ 間違(まちご)ー・て・ます・か。」「さいでっ・か。」〔⇒さよう【左様】、そう〕

さい(左様)】《感動詞》 相手の言うことを肯定したり、自分の思いなどを確かめたりするときに発する言葉。「さい・ お前・の・ 言()ー・とおり・や。」〔⇒さよ【左様】、そう、ほう〕

さいか(左様か)】《感動詞》 相手の言うことを聞いて、それを納得したり、それに疑問を感じたりするときに使う言葉。「さいか・ あか・なんだ・か。」「さいか・ それ・ ほんまやろ・か。」〔⇒さよか【左様か】、そうか、ほうか〕

さいきん【最近】《名詞》 ①少し前から今に至るまでの時。「さいきん・は・ 雨・が・ よー・ 降る・なー。」②今の時代。「さいきん・の・ 若者(わかもん)・に・も・ 親切な・ 子ー・が・ おる。」〔⇒ちかごろ【近頃】、このごろ【此の頃】⇒こんにち【今日】

さいく【細工】《名詞、動詞する》 ①手先を使って、細かいものを作ること。また、作ったもの。「さいく・が・ 上手や・なー。」「竹・ざいく」②細かい部分に工夫やごまかしを加えて、全体をうまく作り上げるようにたくらむこと。「帳簿・を・ さいくし・たら・ あか・ん・ぞ。」

さいご【最後、最期】《名詞》 ①続いているものごとのいちばん終わり。「祭り・の・ さいご・の・ 日ー・は・ 雨・やっ・た。」②人や生き物の命が終わるとき。特に、人が死にゆく間際。「さいご・に・ にこっと・ し・てくれ・た。」■対語=「さいしょ【最初】」⇒さいしゅう【最終】⇒しにぎわ【死に際】、りんじゅう【臨終】

さいこう〔さいこー〕【最高】《名詞、形容動詞や()》 ①位置や程度などがいちばん高いこと。また、その地点。「ここ・が・ 山・の・ さいこー・の・ 所・や。」②いちばん優れていること。この上もなく優れていること。「これ・は・ さいこー・の・ 味・や。」■対語=「さいてい【最低】」

さいころ【賽子】《名詞》 双六などに使うためのもので、小さな立方体の6つの面に、1から6までの数の印が記されたもの。「さいころ・を・ 振っ・て・ 前・へ・ 進む。」

さいさい【再々】《副詞》 同様のことがらが、回を重ねて繰り返し何度も起こったり行われたりすることを表す言葉。「友だち・が・ さいさい・ 見舞い・に・ 来・てくれ・た。」〔⇒たびたび【度々】

ざいさん【財産】《名詞》 自分で蓄積したり親などから譲り受けたりした、金銭、貴金属等、土地、家屋などのもの。個人や団体が持っている、金品、土地、技術、生命などの、価値あるもの。「子ども・に・ やる・ ざいさん・なんか・ 何・も・ あら・へん。」「命・だけ・が・ ざいさん・や。」

さいしゅう〔さいしゅー〕【最終】《名詞》 ①続いているものごとのいちばん終わり。「試験・の・ さいしゅー・の・ 日」②その日のダイヤで最後に出る電車やバスなど。「さいしゅー・に・ 乗り遅れ・たら・ えらい・ 事(こっ)・ちゃ・で。」■対語=①「さいしょ【最初】」、②「しはつ【始発】」⇒さいご【最後】⇒しゅうでん【終電】、しゅうでんしゃ【終電車】

さいしゅう〔さいしゅー〕【採集】《名詞、動詞する》 動物や植物や鉱物などを、研究や勉強などのために広く集めること。「夏休み・に・ 昆虫・さいしゅー・を・ する。」

さいしょ【最初】《名詞》 続いているものごとのいちばん初め。「さいしょ・に・ 開会・の・ 挨拶・を・ する。」■対語=「さいご【最後】」「さいしゅう【最終】」

さいせん【賽銭】《名詞》 神社仏閣などに参拝するときに、供えるお金。「ご縁・が・ あり・ます・よーに・ 言()ー・て・ 五円玉・を・ さいせん・に・ する。」

さいぜん【最前】《名詞、副詞》 現時点から離れていない、つい先ほど。「さいぜん・ 会()ー・た・のに・ また・ 会()ー・た。」〔⇒いまのいま【今の今】、いんまのいんま(今の今)、いまさっき(今先)、いんまさっき(今先)、さっき()、さきほど【先程】、いま【今】、いんま()

さいそく【催促】《名詞、動詞する》 約束などを早く果たすようにと、せき立てること。「有る・ とき・ 払い・の・ さいそく・ なし・に・ し・て・や。」

ざいた【座板】《名詞》 家の床に敷き詰めている板。椅子などの尻をのせる部分の板。「畳・の・ 下・の・ ざいた・の・ 音・が・ ぎしぎしと・ し・とる。」

サイダー〔さいだー〕【英語=cider】《名詞》 炭酸水に甘みや香りを加えた飲み物。「子ども・の・ 頃・に・ 飲ん・だ・ さいだー・の・ 味・が・ 忘れ・られ・へん。」

さいちゅう〔さいちゅー〕【最中】《名詞》 ものごとが盛んに行われているとき。それが行われているただ中であるとき。「飯・を・ 食()・とる・ さいちゅー・に・ 地震・が・ 起き・た。」◆強めた言い方は「まっさいちゅう【真っ最中】」

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2016年11月20日 (日)

奥の細道を読む・歩く(81)

しのぶの里③

 

 「早苗とる手もとや昔しのぶ摺」という句は、この地方で行われた忍ぶ摺はもう昔のものになってしまったが、せっせと田植えをしている早乙女の手つきを見て、昔のしのぶ摺の所作を偲ぶことにしよう、という意味です。忍ぶ摺は、信夫地域の名産で、布を模様のある石の上に置いて、忍ぶ草で染めたもののようです。

 曾良は『俳諧書留』で、次のように記しています。

 

 しのぶの郡、しのぶ摺の石は、茅の下に埋れ果て、いまは其わざもなかりければ、風流のむかしにおとろふる事ほいなくて、

 五月乙女にしかた望んしのぶ摺

 

 しのぶ摺の方法は、芭蕉の時代にはもはや早乙女のしぐさから想像するしかなかったのでしょう。

 さて、1794(寛政6年)に建立されたという「早苗とる…」の句碑は、しっかりと文字が読みとれます。また境内には、1875(明治8年)に建立された河原左大臣(源融)の百人一首「みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに…」の歌碑もあります。さらに、正岡子規の「涼しさの昔をかたれしのぶ摺」の句は1893(明治26)にここを訪れたときのもので、真筆で句碑になっています。

 他には沢庵和尚の歌碑や、小川芋銭の歌碑があり、相田みつをの歌碑まであります。

 福島正虎が漢文で書いた「陸奥国信夫郡毛知須利石」の碑は、石を囲った堂が作られています。そして、1885(明治18)信夫郡の郡長であった柴山影綱が文知摺石を発掘して現在の形にしたことへの顕彰碑もありますし、北畠親房の筆になるという「甲剛」碑もあります。甲剛とは金剛と同じで北斗七星を意味します。

 このような碑の群は、時代を経て蓄積されていったものでしょうが、建立しようとしたものを何もかも受け入れてしまったような雑然さを感じないわけでもありません。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (204)    (通算2202回)

日常生活語 「こ」24

 

こんちゅう〔こんちゅー〕【昆虫】《名詞》 人・獣・鳥・魚などを除いた、大量に生まれて地上・地中・水上・水中などにすむ小さな生き物。特に、とんぼ・蝶・蝉のような、体が頭・胸・腹に分かれ、触角や羽を持つ動物。「夏休み・に・ こんちゅー・を・ 採集する。」〔⇒むし【虫】、むいむい(虫虫)、ぶんぶん〕

こんど【今度】《名詞》 ①出会いや、一続きの会合や催し物などのうちの、今のとき。「こんど・ 入社し・まし・た。」②今までとは区別して、この次のとき。「こんど・は・ お前・の・ 番・や。」〔⇒こんどかい【今度回】、こんどめ【今度目】⇒こんかい【今回】

こんどかい【今度回】《名詞》 ①出会いや、一続きの会合や催し物などのうちの、今のとき。「こんどかい・の・ 展覧会・は・ もー・ すみ・まし・た。」②今までとは区別して、この次のとき。「こんどかい・は・ 負け・たり・ せー・へん・ つもり・や。」◆「いっかい【一回】」「にかい【二回】」…という言い方に引かれて、「こんど【今度】」にも「かい【回】」を付けたように思われる。〔⇒こんど【今度】、こんどめ【今度目】⇒こんかい【今回】

こんどめ〔こんどめー〕【今度目】《名詞》 ①出会いや、一続きの会合や催し物などのうちの、今のとき。「こんどめー・は・ 負け・ても・てん。」②今までとは区別して、この次のとき。「こんどめー・は・ 同じ・ 失敗・は・ せー・へん・ぞ。」◆「いちどめ【一度目】」「にどめ【二度目】」、「いっかいめ【一回目】」「にかいめ【二回目】」…という言い方に引かれて、「こんど【今度】」にも「め【目】」を付けたように思われる。〔⇒こんど【今度】、こんどかい【今度回】⇒こんかい【今回】

こんな《連体詞》 形や状態などが、これと同じような。これほどの程度の。「こんな・ 大きさ・の・ 箱・が・ 欲しー・ねん。」「こんな・ かいらしー・ 絵ー・の・ つい・た・ 弁当箱・を・ 買()ー・てほしー・ねん。」「こんな・ 綺麗な・ もん・は・ 他・に・は・ あら・へん。」〔⇒こないな〕

こんなり《副詞》 この状態のままで。この時のままで。「のし紙・なんか・ 要ら・ん・さかい・ こんなり・ 届け・ておい・てんか。」

こんなん《名詞》 形や状態などが、これと同じようなもの。これほどの程度のもの。「市場・で・ こんなん・を・ 買()ー・てき・てんか。」「こんなん・ 安物・でっ・さかい・ わし・でも・ 買え・まし・てん。」〔⇒こないなん〕

こんにち【今日】《名詞》 ①今の時代。「こんにち・は・ 言葉遣い・も・ 荒(あろ)ー・ なり・まし・た・なー。」②「きょう【今日】」の改まった言い方。「こんにち・は・ お日柄・も・ よろしい・よーで。」⇒このごろ【この頃】、ちかごろ【近頃】、さいきん【最近】

こんにちは〔こんにちわ〕【今日は】《感動詞》 昼間、人に出会ったときに挨拶として使う言葉。「こんにちわ・ 温(ぬく)なり・まし・た・なー。」〔⇒こんちは(今日は)

こんにゃく【蒟蒻】《名詞》 蒟蒻芋の球茎を原料にして固めた、半透明で弾力がある食べ物。「おでん・の・ こんにゃく・が・ うまい・なー。」〔⇒おこんにゃ(お蒟蒻)

こんね《名詞》【(此の家)】 ①ここの家。あなたの家。「こんね・の・ 庭・に・ 綺麗な・ 花・が・ 咲い・とり・ます・なー。」②この家庭。あなたの家庭。「こんね・は・ 何人家族・です・か。」◆現にその家に居るときなどに使う言葉である。

コンパス〔こんぱす〕【オランダ語=kompas】《名詞》 ①円を描くときに使う、自在に幅を変えられる2本の脚でできた用具。「こんぱす・で・ 大きな・ 円・を・ 書く。」②両足の長さ。歩幅。「こんぱす・の・ 大きい・ 人・は・ 歩く・の・が・ 速い。」

こんばん【今晩】《名詞》 今日の晩。「寄り合い・は・ こんばん・ 7時・から・です。」◆「こんや【今夜】」よりも比較的早い時刻を指す。〔⇒こんや【今夜】

こんばんは〔こんばんわ〕【今晩は】《感動詞》 夕方から夜にかけて、人に出会ったときに挨拶として使う言葉。「こんばんわ・ えー・ 月・が・ 出て・まん・なー。」

こんぺいとう〔こんぺーとー、こんぺーと〕【金平糖(ポルトガル語=confeitoから)】《名詞》 周りにとげのような形がついた、小さな砂糖菓子。「こんぺーとー・を・ なめる。」〔⇒こんぺんとう(金平糖)

ごんべえ〔ごんべー〕【ごん兵衛】《名詞、形容動詞や(ノ・ナ)、動詞する》 ①男の子が腕白であること。また、そのような子。「ごんべーや・さかい・ 何・でも・ じっきに・ めん〔=壊し〕・でまう。」②人を困らせるような意地悪をすること。また、そのようにする人。「ごんべー・が・ 喧嘩し・とる。」「ごんべし・て・ 泣かし・たら・ あか・ん。」〔⇒ごんた【ごん太】、ごんすけ【ごん助】、ごんたくれ【ごん太くれ】

こんぺんとう〔こんぺんとー、こんぺんと〕(金平糖)(ポルトガル語=confeitoから)】《名詞》 周りにとげのような形がついた、小さな砂糖菓子。「かいらしい・ こんぺんとー・や・さかい・ 食べる・の・が・ もったいない。」〔⇒こんぺいとう【金平糖】

ごんぼ(牛蒡)】《名詞》 大きな葉があり、土の中には細くて長い根が伸びて、それを食用にする野菜。「ごんぼ・を・ きんぴら・に・ する。」〔⇒ごぼう【牛蒡】

ごんぼざお(牛蒡竿)】《名詞》 藪から切り出した細い竹に、てぐすなどを付けて作った、粗雑に作った魚釣り用の竿。「小学校・の・ 頃・は・ 学校・から・ 戻っ・たら・ ごんぼざお・ 持っ・て・ あぶらめ・釣り・に・ よー・ 行っ・た。」

こんまい【小んまい】《形容詞》 ①体積がささやかで、わずかの場所を占めている。「こんまい・ 山・が・ 見える。」②面積が狭い。「うち・の・ 畑・は・ こんまい・ねん。」「欄・が・ こんまい・さかい・ 字ー・が・ 出・てまう。」③背丈などが低い。「こんまい・さかい・ 窓・の・ 外・が・ 見え・へん。」④数や程度が甚だしくない。「こんまい・ 会社・を・ 作っ・て・ それ・を・ 大けし・た。」「声・が・ こんまい・さかい・ 聞こえ・へん。」「そんな・ 失敗・は・ こんまい・ こと・や。」⑤年が下である。「こんまい・ 子ー・を・ 泣かし・たら・ あか・ん。」⑥けちである。金銭についてのこだわりがある。「こんまい・ 人・や・さかい・ 寄付・を・ し・てくれ・へん。」⑦繊細である。「一つ一つ・ こんもー・ 考え・てくれ・た。」■対語=「おおきい【大きい】」「おっきい【大っきい】」「おおけえ【大けえ】」「おっけえ【(大けえ)】」「ごっつい」「ごつい」〔⇒こまい【小まい】①②③④⑤⇒ちさい【小さい】、ちいさい【小さい】、ちっさい【小っさい】、ちっこい【小っこい】、ちいこい【小こい】、ちっちゃい【小っちゃい】

こんまいめ【小んまい目】《名詞、形容動詞や()》 ①ものの大きさが、少し小さいこと。比較的小さいと思われること。「こんまいめの・ 西瓜・を・ ください。」②音量が弱いこと。「音・が・ こまいめで・ よー・ 聞こえ・へん。」■対語=「おおきめ【大き目】」「おおきいめ【大きい目】」「おおけえめ【大けえ目】」「おっきめ【大っき目】」「おっきいめ【大っきい目】」「おおけめ【大け目】」「おっけめ【大っけ目】」「おっけえめ【大っけえ目】」「ごっつめ【ごっつ目】」「ごっついめ【ごっつい目】」〔⇒ちいさいめ【小さい目】、ちいさめ【小さ目】、ちっこいめ【小っこい目】、ちっちゃいめ【小っちゃい目】、こまいめ【小まい目】

こんまき(昆布巻)】《名詞》 魚や野菜を昆布で巻いて、甘辛い汁で炊いた食べ物。「鮭・の・ こんまき」

こんまけ【根負け】《名詞、動詞する》 相手より先に根気がなくなること。気力が続かなくなって相手に屈服したりすること。「あいつ・の・ 執念深さ・に・は・ こんまけし・てまう・なー。」

こんや【今夜】《名詞》 今日の夜。「こんや・は・ 十五夜・の・ 月・が・ 出・とる。」◆「こんばん【今晩】」よりも比較的遅い時刻を指す。〔⇒こんばん【今晩】

こんれい〔こんれー〕【婚礼】《名詞》 男女が正式に夫婦になることを誓い合う式典。また、結婚にかかわるいろいろな行事。「神社・で・ こんれー・を・ する。」〔⇒けっこんしき【結婚式】、しゅうげん【祝言】

こんろ【焜炉】《名詞》 土や鉄で作った、持ち運びのできる小さな炉。七輪。「こんろ・で・ 秋刀魚・を・ 焼く。」〔⇒かんてき〕

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2016年11月19日 (土)

奥の細道を読む・歩く(80)

しのぶの里②

 

 「文知摺石(鏡石)」という標柱のある石は、地上に出ている部分だけでも人の背丈ほどあります。横幅や奥行きは、高さよりも長いと思われます。玉垣のような石の柵によって文知摺石は囲まれています。ともかく、大きいのです。石は、上の方にびっしりと苔が はえており、その他のあちこちにも苔が見えます。あちこちに小さく円い形の白いものが表面に見えます。

 芭蕉は「石半土に埋てあり。」と書いていますが、埋もれているのが「半ば」なのかどうかはよくわかりません。子どもが芭蕉に説明したという「昔は此山の上に侍しを、往来の人の麦草をあらして、此石を試侍をにくみて、此谷につき落せば、石の面下ざまにふしたり」という話は、子どもの想像(あるいは、大人の作り話)としては面白いのですが、この巨石を簡単に突き落とせるものかどうか、大いに疑問です。

 私は、「谷につき落」とすという表現から、もっと小さいものだろうと想像していたのですが、あまりにも大きな石でした。

 この石について、井本農一『奥の細道をたどる 上巻』(角川新書)は、次のように記しています。

 

 芭蕉の見た当時はこの石は現在より深く土中に埋没していたらしい。芭蕉が訪れた数年後(元禄七年頃)ここの領主となった福島正虎が発掘せしめたということである。だからその後元禄九年にここを訪れた桃隣は「いつの比か岨より転落て、今は文字の方下に成、石の裏を見る。扇にて尺をとるに、長さ一丈五寸、幅七尺余、楢の丸太をもて囲ひ、脇より目印に杉二本植」(『陸奥鵆』)と記しており、それはほぼ現在の状態に近かったようである。 …(中略)

 石の向側は小高い丘になっているから、農夫がこれを下の谷に落したというのは、その丘の上から落したのであろうが、三百年間の地形の変化を勘定に入れても、少し無理な地形のように思われる。うまく転り落ちそうもないのである。これだけの巨石が転り落ちるには余程傾斜が急でなければ途中で止ってしまうであろう。第一この石を人力で下へ落すことは不可能のように思われる。     (同書・一一九ページ)

 

 この石の垣の傍らに「石の伝説」という説明板があって、再会を約して帰京した源融に対する、虎姫の情愛の深さが語られています。再会を待ちわびた虎女が百日詣りの願を掛け満願の日を迎えたが源融は現れず、嘆いた虎女が文知摺石の表面に源融の面影が浮かんだと思ったので駆け寄るとすぐに消えてしまった、という話です。それが、鏡石とも称する理由のようです。けれども、石を突き落としたというような説明は書いてありません。

 どうやら現在の文知摺観音は、石が突き落とされたものであるという説明を避けているようです。ごく普通の巨石ですが、それに源融と虎女の話が付与されて物語性を帯び、歌枕になっていったのでしょう。境内には、これを出発点としたさまざまの碑などが広がっています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (203)    (通算2201回)

日常生活語 「こ」23

 

こんげつ【今月】《名詞》 今日が属している月。現在、過ごしている月。「こんげつ・は・ 雨・が・ 多(おか)い・なー。」「こんげつ・の・ 新聞代・を・ 払う。」〔⇒このつき【此の月】

ごんけつ《名詞》 ぐっと握り固めた手の指。「ごんけつ・で・ 殴っ・たり・たい・なー。」◆「げんこつ【拳骨】」の前後の音が入れ替わったものであるが、同様のものとしては、「とだな【戸棚】→となだ」「からだ【体】→からだ」などがある。〔⇒げんこつ【拳骨】、にぎりこぶし【握り拳】

こんご【今後】《名詞、副詞》 時の経過の中で、現在より後。次回以降。「それ・は・ こんご・の・ 問題・や・ねん。」「こんご・は・ こんな・ 負け方・は・ せー・へん・ぞ。」〔⇒いご【以後】、これから、こいから〕

ごんごう〔ごんごー〕【五合】《名詞》 尺貫法で、1升の半分の量。およそ1.8リットル。「1升・ごんごー」◆「ごごう」とも言うが、「ごんごう」となることが多い。

こんころもち(心持ち)】《名詞》 ①その人が心の中に抱いている思いや感情。「自分・の・ こと・ばっかり・ 言()わ・んと・ わし・の・ こんころもち・も・ 考え・てくれ・や。」②何かをしたときや何かに遭遇したときなどに持つ、心の状態。「公園・で・ 風・に・ 吹か・れ・て・ えー・ こんころもち・で・ 居眠りし・とっ・てん。」◆「こころもち【心持ち】」に比べると、ややふざけた感じの言い方である。〔⇒きもち【気持ち】、こころもち【心持ち】⇒き【気】⇒きしょく【気色】、ここち【心地】

こんこん《名詞》 ①広い範囲にわたって、空気中の水蒸気が水の滴となって落タ。「昨日・も・ 今日・も・ こんこん・が・ 降っ・て・ 外・で・ 遊ば・れ・へん・なー。」②雨が降り続く天気。「こんこん・の・ 時・は・ テレビ・を・ 見・とき・なはれ。」◆幼児語。〔⇒あめ【雨】、あめこんこん【雨こんこん】

こんこん《副詞と》 ①咳をする様子。また、その音。「こんこんと・ 咳・を・ し・て・ 止まら・へん。」②堅いものを叩く様子。ノックするような叩き方をする様子。また、その音。「こんこんと・ 戸・を・ 叩く・ 音・が・ 聞こえる。」③狐が鳴く様子。また、その声。「こんこん・ 鳴く・ 声・が・ する。」

こんざつ【混雑】《名詞、動詞する》 その場所に人やものが無秩序に入り乱れていて、動きがとりにくいこと。「盆・の・ 頃・の・ 新幹線・は・ 毎年・ こんざつする。」

こんしゅう〔こんしゅー〕【今週】《名詞》 今日が属している日曜日から土曜日までの七日間。現在、過ごしている週。「こんしゅー・は・ ずっと・ 晴れ・とる。」〔⇒このしゅう【此の週】

こんじょう〔こんじょー、こんじょ〕【根性】《名詞》 ①ものごとに積極的に取り組もうとする、心の持ち方。頑張り抜こうとする精神力。「こんじょ・が・ 足ら・ん。もっと・ 精・ 出し・て・ 働け。」②行動の仕方や姿勢・態度などに現れる、その人が生まれつき持っている性格。「ゆったりし・た・ こんじょー・の・ 人・や。」〔⇒しょうね【性根】、しょうねん【正念】

こんじょうわる〔こんじょーわる、こんじょわる〕【根性悪】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①素直な心でなく、性格の上でよくない点がある様子。また、そのような人。「何・でも・ 反対する・ こんじょわるな・ 人」②他人に対して、悪意を持った態度で接する様子。人の嫌がることや困ることを、わざとする様子。また、そのようにする人。「小()まい・ 子ー・に・ こんじょわるせ・んとき・なはれ。」〔⇒いけず。⇒いじわる【意地悪】、しょわる【性悪】、いけずし(名詞)

ごんすけ【ごん助】《名詞、形容動詞や(ノ・ナ)、動詞する》 ①男の子が腕白であること。また、そのような子。「ごんすけ・が・ 花瓶・を・ めん・だ。」②人を困らせるような意地悪をすること。また、そのようにする人。「みんな・に・ ごんすけさ・れ・て・ 泣い・とる。」〔⇒ごんた【ごん太】、ごんべえ【ごん兵衛】、ごんたくれ【ごん太くれ】

コンセント〔こんせんと〕【英語=concentric plugから】《名詞》 電気器具に電気を引くために、壁や柱などに取り付けた接続口。「こんせんと・が・ ない・さかい・ ラジオ・が・ 聞か・れ・へん。」〔⇒さしこみ【差し込み】

ごんた【ごん太】《名詞、形容動詞や(ノ・ナ)、動詞する》 ①男の子が腕白であること。また、そのような子。「男・の・ 子ー・は・ ちょっと・ぐらい・ ごんたの・ 方・が・ えー。」②人を困らせるような意地悪をすること。また、そのようにする人。「ごんたし・て・ 友だち・の・ もの・を・ 隠し・ても・た。」〔⇒ごんすけ【ごん助】、ごんべえ【ごん兵衛】、ごんたくれ【ごん太くれ】

ごんたくれ【ごん太くれ】《名詞、形容動詞や(ノ・ナ)、動詞する》 ①男の子が腕白であること。また、そのような子。「ごんたくれ・が・ ボール・を・ 放っ・て・ ガラス・を・ めん・だ。」②人を困らせるような意地悪をすること。また、そのようにする人。「人・の・ もの・を・ 盗っ・たり・ する・ ごんたくれ」〔⇒ごんた【ごん太】、ごんすけ【ごん助】、ごんべえ【ごん兵衛】

こんだけ《名詞》 ①区切って限定した数量のもの。これぐらいの量。わずかな量。「今日・は・ こんだけ・しか・ 出来・なんだ。」②こんなにも沢山のもの。「こんだけ・ できた・ん・やさかい・ 誉め・てほしー・なー。」◆「こんだけ」に「だけ」(限定の意味)を付けて、「こんだけだけ」と言うこともある。〔⇒こんだけだけ〕

こんだけ《副詞》 これほど。こんなに。これほどまでに。「こんだけ・ 言()ー・ても・ また・ わから・へん・の・か。」〔⇒こんだけだけ〕

こんだけだけ《名詞》 ①区切って限定した数量のもの。これぐらいの量。わずかな量。「こんだけだけ・ 売っ・てくれ・へん・やろ・か。」②こんなにも沢山のもの。「こんだけだけ・で・ 2千円・で・ 良()ー・のん・か。」〔⇒こんだけ〕

こんだけだけ《副詞》 これほど。こんなに。これほどまでに。「こんだけだけ・ はりこん〔=奮発し〕・だら・ 売っ・てくれる・やろ。」〔⇒こんだけ〕

こんだて【献立】《名詞》 料理の種類や取り合わせ。メニュー。また、それが表になったもの。「晩ご飯・は・ どんな・ こんだて・が・ よろしー・か。」「給食・の・ こんだて・の・ 表」

こんちきしょう〔こんちきしょー〕【こん畜生】《名詞》 悪く言うときに使って、相手などを指す言葉。この野郎。「この・ こんちきしょー・が・ 落書きし・やがっ・た。」〔⇒こんちくしょう【こん畜生】

こんちきしょう〔こんちきしょー〕(こん畜生)】《感動詞》 ①ひどく腹が立っている気持ちを表す言葉。「こんちきしょー・ また・ 落第・や。」②これくらいのことで負けるものか、と自分の気持ちを奮い立たせるときに使う言葉。「こんちきしょー・ 今度・は・ 負け・へん・ぞ。」〔⇒こんちくしょう【こん畜生】

こんちくしょう〔こんちくしょー〕【こん畜生】《名詞》 悪く言うときに使って、相手などを指す言葉。「こんちくしょー・は・ 逃げる・の・が・ 速かっ・た。」〔⇒こんちきしょう(こん畜生)

こんちくしょう〔こんちくしょー〕【こん畜生】《感動詞》 ①ひどく腹が立っている気持ちを表す言葉。「こんちくしょー・ あいつ・に・ 負け・て・ 情けない。」②これくらいのことで負けるものか、と自分の気持ちを奮い立たせるときに使う言葉。「こんちくしょー・ 明日・は・ 絶対に・ 勝っ・たる。」〔⇒こんちきしょう(こん畜生)

こんちは〔こんちわ〕(今日は)】《感動詞》 昼間、人に出会ったときに挨拶として使う言葉。「こんちわ・ ごきげんさん。」〔⇒こんにちは【今日は】

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2016年11月18日 (金)

奥の細道を読む・歩く(79)

しのぶの里①

 

 「あくれば、しのぶもぢ摺の石を尋て、忍ぶのさとに行。遙山陰の小里に、石半土に埋てあり。里の童部の来りて教ける。昔は此山の上に侍しを、往来の人の麦草をあらして、此石を試侍をにくみて、此谷につき落せば、石の面下ざまにふしたりと云。さもあるべき事にや。

   早苗とる手もとや昔しのぶ摺 」

 

 今回の3泊4日の最終日、私たちも「あくれば、しのぶもぢ摺の石を尋て、忍ぶのさとに行」きます。

 福島駅前から乗ったバスの運転手さんに、文知摺観音までの運賃はいくらですかと尋ねたところ、手前のバス停の方が安いですよと教えられます。市内を通り抜けてから、阿武隈川に架かる文知摺橋を渡り、郊外の色合いが強まったところに文知摺という停留所があり、そこで降ります。少し歩いて「山陰の小里」という趣が強くなってきたところから左に折れて細い道に入ります。

 文知摺観音に着く手前に「虎が清水」があります。山口長者の娘・虎女が源融との再会を文知摺観音に祈願したときに身を清めた清水だといいますが、源融は都からの按察使としてこの地に来ています。この清水は1954(昭和29)の復元だそうです。

 文知摺観音の境内入口に、芭蕉像と「奥の細道」文学碑が一体になったものがあります。俳聖松尾芭蕉像とあるとおり、悟りを開いた僧侶のような風情が漂っています。像は文学碑の上部にあって、見上げる高さです。文学碑には、奥の細道の「月日は百代の過客にして…」の冒頭部分、「二本松より右に切れて…」という安積山の末尾部分、そして「あくれば、しのぶもぢ摺の石を尋て…」から「早苗とる」の句までが刻まれています。このような編集をした碑文には、初めてお目にかかりました。

 入口には社務所があって拝観料を払うことになっています。社務所というから神社の扱いなのでしょうか。境内には観音堂や多宝塔もあります。掲げられている境内案内図は、信夫文知摺公園案内図と書いてあります。公園と神社と寺が一緒になったものでしょうか。

 説明板には、ここは観音札所として、また文知摺石をめぐる伝説の地として古くから市民に親しまれてきて、この信仰と伝説が中核となって、この地には長い歳月にわたり堂塔が建立され多くの碑が配置されてきた、という旨のことが書いてあります。

 ところで、ここは百人一首の「みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに」の歌で知られているところです。作者は河原左大臣、すなわち源融です。しのぶもぢずりは、福島県のこのあたり信夫地方で産出した、乱れ模様に摺り染めた布のことですが、歌ではここまでが序詞です。けれども、単に言葉を導き出す働きなのではなく、複雑な乱れ模様のイメージと、作者の心の乱れとを重ね合わせるように詠んでいます。この歌の骨格は、私の乱れた恋心はあなたゆえのことなのですということです。この相手の女性は虎女のことなのでしょうか。境内には「河原左大臣源融公 虎女の墓」として2つの墓が並んでいるのですが、石柱には「昭和五十八年四月十日開眼す」と書かれているように、新しい墓です。

 それはともかくとして、よく知られた歌枕の地ですから、芭蕉も見過ごすことができずに、訪れたのでしょう。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (202)    (通算2200回)

日常生活語 「こ」22

 

ころころ《副詞と、動詞する》 ①小さなものが軽やかに転がる様子。また、その音。「ころころと・ ボール・が・ 転ん・でいっ・た。」②ほほえましく思われるほどに、太っていて、丸みのある様子。「ころころし・た・ かいらしー・ 犬」③ものごとが簡単に次々と変わる様子。言葉や考えなどが次々と変わる様子。「時刻表・が・ ころころと・ 変わる・さかい・ 覚え・られ・へん。」「言ー・ こと・が・ ころころ・ 変わる・ 人・や・さかい・ 信用でけ・へん。」④高い声で明るく笑い転げる様子。「中学生・の・ 女・の・ 子たち・が・ ころころと・ 笑い・ながら・ 歩い・とる。」

ごろごろ《名詞》 電気が空気中を流れて、大きな音と強い光とを出す現象。「ごろごろ・が・ 鳴っ・てき・た・さかい・ へそ・を・ かくせ・よ。」◆幼児語。〔⇒かみなり【雷】

ごろごろ《副詞と、動詞する》 ①大きなものが重そうに転がる様子。また、その音。「丸太・を・ ごろごろ・ 転ばす。」②雷の音が響く様子。また、その音。「ごろごろ・ 言ー・てき・た・さかい・ もうじき・ 雨・が・ 降る・ぞ。」③たくさんのものがある様子。たくさんのものが散らばってある様子。「土筆・が・ あっちこっち・に・ ごろごろ・ 生え・とる。」④何もしないで過ごす様子。「日曜日・は・ 家・で・ ごろごろし・とっ・た。」⑤小さなものがつかえたり移動したりする様子。「ごみ・が・ 入っ・て・ 目ー・が・ ごろごろする。」⑥猫などが喉を鳴らす様子。また、その音。「何・か・ 欲しそうに・ ごろごろ・ 喉・を・ 鳴らし・て・ 猫・が・ 来・た。」

ころす【殺す】《動詞・サ行五段活用》 生きているものの命を断つ。「小()まい・ 虫・でも・ ころさ・ん・よーに・ し・なはれ。」

ごろつき《名詞》 人に言いがかりをつけたり脅しなどを働いたりする、よくない人。「ごろつき・に・ からまれ・ん・よーに・ 気ーつけ・よ。」

コロッケ〔ころっけ〕【フランス語=croquetteから】《名詞》 茹でてつぶした馬鈴薯に、タマネギ・挽肉などを混ぜて、丸くしてパン粉をつけて揚げた食べ物。「はじめて・ ころっけ・ 食べ・た・ 時・は・ うまい・ もん・や・なー・と・ 思(おも)・た。」

ころっと《副詞》 ①すっかり。全部。「昨日・ 聞ー・た・ こと・を・ ころっと・ 忘れ・ても・とっ・た。」②何の前触れもなく突然に。いかにも無造作に。「犬・が・ ころっと・ 死ん・だ。」

ころばす【転ばす】《動詞・サ行五段活用》 ①丸い物体を回転させながら移動させる。「運動会・で・ 大玉・を・ ころばす。」②立っているものを横にする。転倒させる。「足・を・ かけ・て・ 相手・を・ ころばす。」③横にして置く。放置する。「田圃・に・ 丸太・を・ ころばし・とく。」■自動詞は「ころぶ【転ぶ】」「ころがる【転がす】」「ころこぶ【転こぶ】」〔⇒ころがす【転がす】⇒こかす、たおす【倒す】

ころぶ【転ぶ】《動詞・バ行五段活用》 ①丸い物体が回って動いていく。「丸太・が・ 坂・を・ ころん・でいく。」②立っていたものが横になる。転倒する。「道・で・ 石・に・ けつまずい・て・ ころん・だ。」「押し合いし・て・ 先・に・ ころん・だ・ 方・が・ 負け・や・で。」③横にして置かれている。放置されている。「小さい・ 球(たま)・が・ 敷居・の・ 上・に・ ころん・どる。」■他動詞は「ころがす【転がす】」「ころばす【転ばす】」〔⇒ころがる【転がる】①②⇒ころこぶ【転がる】⇒こける、たおれる【倒れる】

ころも【衣】《名詞》 ①坊さんの着る法衣。「紫・の・ ころも・を・ 着・た・ おじゅっさん〔=坊さん〕」②天麩羅などの外側の部分。天麩羅にするために食べ物の外側につけるもの。「海老・に・ ころも・を・ つけ・て・ 揚げる。」

こわい【恐い】《形容詞》 ①身に危険などを感じて気味が悪い。「幽霊・の・ こわい・ 話」②物事の程度が甚だしい。びっくりするほどである。「野菜・の・ 値段・が・ 上がっ・て・ こわい。」〔⇒おそろしい【恐ろしい】、おとろしい【恐ろしい】、おっとろしい(恐ろしい)⇒おとっちい(恐っちい)

こわい【強い】《形容詞》 固くて、ごわごわしている。水分が少なくて、柔らかくない。「今日・の・ ご飯・は・ ちょっと・ こわい・な。」「こわい・ 肉」「時期・が・ 過ぎ・て・ 野菜・が・ だいぶ・ こわい・よーに・ なっ・てっ・た。」「髪・の 毛ー・が・ こわい。」

こわがる【恐がる】《動詞・ラ行五段活用》 ①身に危険などを感じて気味悪く思う。恐れてびくびくする。「地震・を・ こわがっ・とる。」②物事の様子が尋常でなく、びっくりしたり、あきれたりする。「一等・が・ 当たっ・て・ こわがっ・とる。」〔⇒おそろしがる【恐ろしがる】、おとろしがる(恐しがる)⇒おじける【怖じける】、おびえる【怯える】

こわけ【小分け】《名詞、動詞する》 小さく、いくつかに分けること。また、そのようにして分けられたもの。「こわけし・て・ ラップ・で・ 包む。」

こわなる【恐なる】《動詞・ラ行五段活用》 平気な気持ちから、気味悪く感じるように変化する。恐ろしく感じるようになる。「墜落・が・ あっ・た・さかい・ 飛行機・に・ 乗る・の・が・ こわなっ・た。」〔⇒おそろしなる【恐ろしなる】、おとろしなる〕

こわなる【強なる】《動詞・ラ行五段活用》 固くて、ごわごわした状態になる。柔らかくなくなる。「旬・が・ 過ぎ・て・ 若布・が・ こわなっ・た。」

こわめし【強飯】《名詞》 餅米を炊いたご飯。「栗・を・ 入れ・た・ こわめし」〔⇒おこわ【お強】

こわる《動詞・ラ行五段活用》 腹が、突き刺すような感じで痛む。身にこたえるように痛む。「何・か・ 悪い・ もん・でも・ 食べ・た・ん・やろ・か・ こわっ・てき・た・なー。」〔⇒うずく【疼く】

こん【紺】《名詞》 青と紫が混じった色。濃い藍色。「こん・の・ 絣」

こん【根】《名詞》 ものごとを我慢強くやり続ける気持ち。飽きずに行う忍耐力。「だんだんと・ こん・が・ 続か・ん・よーに・ なっ・てき・た。」〔⇒こんき【根気】

こんかい【今回】《名詞》 出会いや、一続きの会合や催し物などのうちの、今のとき。「こんかい・の・ 寄り合い」■対語=「ぜんかい」「じかい」〔⇒こんど【今度】、こんどかい【今度回】、こんどめ【今度目】

こんがらがる《動詞・ラ行五段活用》 物事が入り混じって、ごちゃごちゃになる。糸などがもつれて、からまる。「話・が・ こんがらがっ・て・ 先・へ・ 進ま・へん。」「紐・が・ こんがらがっ・て・ ほどか・れ・へん。」

こんがり《副詞と》 餅やパンなどが香ばしく、ほどよくきつね色に焼ける様子。「パン・が・ こんがりと・ 焼け・た。」

こんき【根気】《名詞》 ものごとを辛抱強くやり続ける気持ち。飽きずに行う忍耐力。「こんき・が・ なかっ・たら・ 何・でも・ うまい・こと・ いか・へん。」〔⇒こん【根】

こんくらべ【根比べ、根競べ】《名詞、動詞する》 どちらが辛抱強くやり続けられるかを比べ合うこと。我慢くらべ。「こない・ なっ・たら・ あいつ・と・ こんくらべ・や。」

コンクリ〔こんくり〕【英語=concrete】《名詞》 セメントと砂と砂利などを、水といっしょに混ぜ合わせたもの。また、それを石のように固まらせたもの。「こんくり・の・ 壁」〔⇒コンクリート【英語=concrete

コンクリート〔こんくりーと〕【英語=concrete】《名詞》 セメントと砂と砂利などを、水といっしょに混ぜ合わせたもの。また、それを石のように固まらせたもの。「鉄筋・こんくりーと・の・ ビル」〔⇒コンクリ【英語=concrete

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2016年11月17日 (木)

奥の細道を読む・歩く(78)

ドレミファそら日記(15)     2016年7月6日

 

0745分 旅館永楽を出発。

0750分 ゆざわ芭蕉の道公園。鯖湖湯跡。芭蕉・曾良入浴地の碑。飯坂温泉発祥の地      の碑。鯖湖神社。お湯かけ薬師如来。鯖湖湯。(0800)

この後   強い雨。雨宿り。

0835 滝ノ湯跡。ちゃんちゃんこ。芭蕉ゆかりの地碑。(0845)

0850分 旧堀切邸。(0930)

0935分 西覚寺の前。「雨の日には雨のおめぐみ」

0940分 十綱橋。(0955)

1000分 福島交通・飯坂線、飯坂温泉駅発。普通・福島行。

1023分 福島駅着。

1040分 JR東北線、福島駅発。快速シティラビット3号・仙台行。

1053分 桑折駅着。

1110分 桑折駅から歩き始める。

1120分 無能寺。笠松。

1130 法圓寺。田植塚。芭蕉像。(1135)

1140分 桑折御蔵の前。

1145分 大安寺。

1150分 旧伊達郡役所。(1205)

1205分 桑折陣屋跡。

1210分 芭蕉像。

1220分 桑折寺。(1225)

1300分 奥州街道・羽州街道追分。柳の句碑。(1310)

1345分 路傍に、桃の無人スタンドあり。

      単調な道を行く。

1445分 阿津賀志山防塁。

1455分 国見峠長坂跡(伊達の大木戸の道)

1520分 谷津農園売店。

1540分 貝田駅に着く。

1600分 JR東北線、貝田駅発。普通・福島行。

1623分 福島駅着。

1640分 コンビニで買い物。

1645分 東横イン福島駅東口2に着く。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (201)    (通算2199回)

日常生活語 「こ」21

 

こりごり【懲り懲り】《形容動詞や()》 ひどい目にあって、再び同じようにはなるまいと心に強く感じる様子。「2度・と・ 行く・の・は・ こりごりや。」「あいつ・と・ 組む・の・は・ こりごりや。」

ごりごり《形容動詞や()、名詞》 食べ物などの中が軟らかくなっていない様子。また、そのようなもの。「この・ 芋・ 煮え・とら・ん・さかい・ ごりごりや。」〔⇒ごり〕

こりしょう〔こりしょー〕【凝り性】《形容動詞や()、名詞》 ①根気強く、一つのことに熱中して、満足するまでやり通す様子。また、そのような人。「こりしょー・や・さかい・ カラオケ・の・ 機械・まで・ 買()ー・ても・とる・ねん。」②肩こりが癖のようになってしまっている様子。また、そのような人。「こりしょー・や・さかい・ よー・ 按摩し・てもらう・ねん。」■対語=①「あきしょう【飽き性】」

こりゃ《名詞+副助詞》 指示語の「これ【此れ】」に、副助詞の「は」が続いて、発音が融合した言葉。そのものは。「こりゃ・ 何・が・ 何・やら・ わけ・が・ わから・へん。」〔⇒こら〕

こりゃ〔こりゃー〕《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「こりゃ・ そこ・を・ どい・てんか。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「こりゃ・ そんな・ こと・を・ し・たら・ あか・ん・やろ。」◆おどけた感じが伴うので、相手に伝わる感じを柔らかくして伝えるときに使うことが多い。〔⇒こら、こらこら、こりゃこりゃ、これ、これこれ、これな〕

こりゃこりゃ《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「こりゃこりゃ・ 忘れ物・を・ せ・ん・よーに・な。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「こりゃこりゃ・ 道・の・ 真ん中・で・ 遊ぶ・の・は・ やめ・なはれ。」◆おどけた感じが伴うので、相手に伝わる感じを柔らかくして伝えるときに使うことが多い。柔らかい感じも伴う。〔⇒こら、こらこら、こりゃ、これ、これこれ、これな〕

ゴリラ〔ごりら〕【英語=gorilla】《名詞》 アフリカの森林にすむ、力が強くて頭が良く体の大きな、猿の仲間の動物。「ごりら・が・ 怒っ・て・ 歯ー・を・ むい・た。」

こりる【懲りる】《動詞・ラ行上一段活用》 失敗などをしてひどい目にあって、再びやるまいと心に強く感じる。「こり・た・さかい・ 競馬・は・ やめる・ 言()ー・とる。」「年とっ・て・から・ 走る・の・は・ もー・ こり・た。」

こる【凝る】《動詞・ラ行五段活用》 ①筋肉が張って固くなる。筋肉が突っ張った感じになる。「残業し・て・ 肩・が・ こっ・た。」②一つのことに心を奪われて熱中する。「今・は・ ギター・に・ こっ・とる。」③細かいところにまで工夫をする。味わいがあるようにする。「こっ・た・ 絵ー・を・ 描く。」「着るもん・に・ こっ・て・ 金・を・ 使う。」■名詞化=こり【凝り】

コルク〔こるく〕【オランダ語=kurk】《名詞》 軽くて水や空気を通しにくいので瓶の栓や履き物などに使われる、コルクガシという木の皮の内側の部分。「こるく・の・ 栓・は・ 開けにくい。」「瓶・の・ こるく・が・ 抜け・へん。」〔⇒キルク【オランダ語=kurk

これ【此、是】《代名詞》 ①空間的にあるいは心理的に、自分に近いもの。「これ・を・ 売っ・てください。」②時間的に、近いもの。現在。「また・ これ・から・ 始める・の・や。」③目の前にいる、目下の人を指す言葉。「これ・は・ わし・の・ 孫・や。」〔⇒こい()()①③⇒こいつ【此奴、是奴】

これ〔これー〕《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「これ・ もー・ 11時・です・よ。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「これ・ ごんたする・の・は・ やめ・なさい。」◆「こら」よりも柔らかい感じが伴うので、女性が使うことが多い。〔⇒こら、こらこら、こりゃ、こりゃこりゃ、これこれ、これな〕

これから《名詞、副詞》 ①時の経過の中で、現在より後。次回以降。「これから・ 行く・ ところ・や。」「これから・ 気・を・ つけ・ます。」②限界としての場所や位置。「これから・ 中・へ・ 入っ・たら・ あか・ん。」〔⇒こいから。⇒こんご【今後】、いご【以後】

これこれ〔これこれー〕《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「これこれ・ ハンカチ・が・ 落ち・まし・た・よ。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「これこれ・ 話・を・ ちゃんと・ 聞ー・てください。」◆女性が使うことが多く、「これ」よりもさらに柔らかく響く。〔⇒こら、こらこら、こりゃ、こりゃこりゃ、これ、これな〕

これな〔これなー〕《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「これな・ もー・ お昼・の・ 時間・やない・かいな。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「これな・ そんな・ こと・ し・たら・ あき・まへ・ん・ぜ。」◆女性が使うことが多く、「これ」よりもさらに柔らかく響く。〔⇒こら、こらこら、こりゃ、こりゃこりゃ、これ、これこれ〕

これまで【これ迄】《名詞、副詞》 時の経過の中で、現在より前。「教え・てくれ・なんだ・さかい・ これまで・ 知ら・なんだ。」〔⇒いままで【今迄】

ころ【頃】《名詞》 話題として取り上げた時を、大まかに指し示す言葉。「子ども・の・ ころ・が・ 懐かしー。」「もー・ そろそろ・ 家・を・ 出る・ ころ・や。」〔⇒じぶん【時分】

ころ《名詞》 油を抜いて乾かした鯨皮。「ころ・を・ 入れ・た・ 粕汁・は・ うまい。」〔⇒いり【炒り】、いりがら【炒り殻】

ころ〔ごろ〕【頃】《接尾語》[名詞や動詞連用形に付く] ①おおよその時を表す言葉。「3時ごろ・に・ 来る・つもり・や。」②それにふさわしい時を表す言葉。「桜・が・ 見ごろ・に・ なっ・とる。」「年ごろ・の・ 娘はん」

ころがす【転がす】《動詞・サ行五段活用》 ①丸い物体を回転させながら移動させる。「ドラム缶・を・ ころがし・て・ 倉庫・に・ 入れる。」②立っているものを横にする。転倒させる。「立っ・とる・ 木・を・ 切っ・て・ ころがす。」③横にして置く。放置する。「西瓜・を・ 筵・の・ 上・に・ ころがす。」■自動詞は「ころぶ【転ぶ】」「ころがる【転がす】」「ころこぶ【転こぶ】」〔⇒ころばす【転ばす】⇒こかす、たおす【倒す】

ころがる【転がる】《動詞・ラ行五段活用》 ①丸い物体が回って動いていく。「ボール・が・ 運動場・の・ 端・まで・ ころがっ・ていっ・た。」②立っているものが倒れる。転倒する。「地震・で・ 家・の・ 中・の・ もの・が・ ころがっ・ても・た。」③横にして置かれている。放置されている。「運動場・に・ ボール・が・ ころがっ・とる。」■他動詞は「ころがす【転がす】」「ころばす【転ばす】」〔⇒ころぶ【転ぶ】①②⇒ころこぶ【転がる】⇒こける、たおれる【倒れる】

ころこぶ【転こぶ】《動詞・バ行五段活用》 ①丸い物体が回って動いていく。「ボール・が・ ころん・でいく。」②立っているものが倒れる。転倒する。「花瓶・が・ ころこん・で・ めげ・た。」◆ややふざけたような言い方である。■他動詞は「ころがす【転がす】」「ころばす【転ばす】」〔⇒ころぶ【転ぶ】、ころがる【転がる】⇒こける、たおれる【倒れる】

ころこぶ《動詞・バ行五段活用》 良いことがあって好ましく思う。望ましい出来事に満足して、嬉しく思う。また、そのような気持ちを態度で現す。「みんな・で・ ころこん・どる。」◆ややふざけたような言い方である。〔⇒よろこぶ【喜ぶ】

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2016年11月16日 (水)

奥の細道を読む・歩く(77)

[伊達の大木戸]

 

 「奥の細道」は、飯塚について書いた末尾を「路縦横に踏で伊達の大木戸をこす。」と締めくくっています。桑折から歩いてきた、私たちの今日の目的地も「伊達の大木戸」ですが、その位置については必ずしも明確ではありません。伊達の大木戸というのは、国境の関所というようなところで、そこから北が伊達領ということです。

 国道4号は福島・宮城の県境を越えるために上り坂になっていきますが、山が迫ってくるようなところではありません。大木戸支所バス停というのがありますが、これは町役場の支所のことでしょうか。

 道の左手に阿津賀志山防塁が見えてきます。大きな看板に、国指定史跡とあり、文治5年奥州合戦古戦場跡と書いてあります。源頼朝が率いる鎌倉軍を迎え撃つために、藤原秀衡の平泉軍が築いた堀と土塁の要塞です。およそ3㎞にわたる土塁は、堀が二重になっているそうですが、この国道4号のあたりでは外堀が完全に埋まってしまっているようです。

 義経の腰掛松というのが400メートル先にあるという表示が出ていますが、長く歩いてきましたから、寄り道するという気持ちの余裕がありません。

 さていよいよ奥州道中国見峠長坂跡です。国道から左に入って、上っていく道は木々の枝がかぶさってくるような感じで古道の面影が残っています。

 路傍の案内板は、ここに官道が走って奥羽地方の幹線道路として機能し、登り詰めたところが国見峠であると記し、さらに次のような言葉が続きます。

 

 近世におけるこの道は仙台、盛岡、松前藩などの諸侯が江戸と国元とを往来する参勤交代に使用され、元禄二年(1689)松尾芭蕉が『奥の細道』の紀行で、「路縦横に踏んで伊達の大木戸を越す。」と旅をしたのもこの道である。明治十年代の後半になると国見峠の急な坂道は車馬の通行に適せず、山麓に新道が開通されるにおよんで、長坂道は廃されて歴史的な使命を終えるが、旧道の景観と遺構はよく保存がなされている。

 

 ところで、矢印に従って上っていくと、空が広がって、丘の上に平坦な道が続いているようになります。道が改善されたのかもしれませんが、車馬の通行に適さない難路の面影は消えてしまっています。

 国道4号に、東京から291㎞という表示が出ています。道の傍の果物即売店に尋ねて、貝田駅が近いことを教えられ、元気が出ます。雨はわずかですが、やむことなく降り続いています。

 そして待望の、県境に近い貝田駅に着きます。県境は駅の少し先ですが、ここから電車で福島駅に戻ります。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (200)    (通算2198回)

日常生活語 「こ」⑳

 

ごもくごはん【五目御飯】《名詞》 魚・肉・野菜などの具をたくさん入れて炊いた飯。「ごもくごはん・を・ 弁当・に・ 入れる。」〔⇒かやくめし【加薬飯】、かやくごはん【加薬御飯】、ごもくめし【五目飯】、まぜめし【混ぜ飯】、まぜごはん【混ぜ御飯】、たきこみ【炊き込み】、たきこみごはん【炊き込み御飯】

ごもくずし【五目寿司】《名詞》 寿司飯の上に刺身、卵焼き、海苔、味をつけた野菜などをのせた料理。刺身、卵焼き、海苔、味をつけた野菜などを細かく切って、寿司飯に混ぜたもの。「薬味・を・ 混ぜ・て・ ごもくずし・を・ 作る。」〔⇒ちらし【散らし】、ちらしずし【散らし寿司】、ばらずし【ばら寿司】

ごもくめし【五目飯】《名詞》 魚・肉・野菜などの具をたくさん入れて炊いた飯。「野菜・が・ いっぱいの・ ごもくめし」〔⇒かやくめし【加薬飯】、かやくごはん【加薬御飯】、ごもくごはん【五目御飯】、まぜめし【混ぜ飯】、まぜごはん【混ぜ御飯】、たきこみ【炊き込み】、たきこみごはん【炊き込み御飯】

こもする【小もする】《動詞・サ行変格活用》 ①面積、体積、身長などの値をわずかにする。「握り飯・を・ こもし・て・ 作っ・てんか。」②会社や組織などを衰えさせる。程度や規模などを縮小する。「自治会・の・ 役員・の・ 人数・を・ こもする。」③隙間などを少なくする。「合間・を・ こもし・て・ 座布団・を・ 並べる。」④音量を弱くする。「テレビ・が・ うるさい・さかい・ こもせー。」■自動詞は「こもなる【小もなる】」■対語=「おおきする【大きする】」「おおけする【大けする】」〔⇒ちいさする【小さする】、ちいそする【小そする】、ちっさする【小っさする】、ちっそする【小っそする】、こまする【小まする】

こもなる〔こもーなる〕【小もなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①面積、体積、身長などの値がわずかになる。「年・を・ とっ・たら・ 背丈・が・ ちょっと・ずつ・ こもなっ・てき・た・みたいや。」②程度や規模などがわずかになる。「儲け・が・ こもなっ・て・ 商売・が・ あがったりや。」③隙間などが少なくなる。「筒・の・ 奥・の・ 方・が・ こもなっ・とる。」⑤音量が弱くなる。「後ろ・の・ 席・へ・ 来・たら・ 声・が・ こもなっ・て・ 聞こえ・へん・がな。」⑥恐縮してちぢこまる。「先生・の・ 前・で・ こもーなっ・とっ・てん。」■他動詞は「こもする【小もする】」■対語=「おおけなる【大けなる】」「おおきなる【大きなる】」〔⇒ちいさなる【小さなる】、ちいそなる【小そなる】、ちっさなる【小っさなる】、ちっそなる【小っそなる】、こまなる【小まなる】

こもの【小物、小者】《名詞》 ①同類のものの中で、小さなもの。こまごまとした付属の道具。「こもの・を・ 入れ・とく・ 抽斗(ひきだし)」②その分野や組織などの中で、能力が劣っていたり、勢力を持たない人。「あんな・ こももの・の・ 言()ー・ こと・は・ きか・ん・でも・ 良()ー。」■対語=「おおもの【大物、大者】」

こもり【子守】《名詞、動詞する》 赤ちゃんや子どもなどの面倒を見て遊んでやること。また、それをする人。「弟・の・ こもり・を・ させ・られ・た。」〔⇒もり【守】

こもりうた【子守唄】《名詞》 赤ちゃんや子どもをあやしたり眠らせたりするときに歌う歌。「こもりうた・ 歌(うと)・たっ・たら・ 寝・ても・た。」

こもる【籠もる】《動詞・ラ行五段活用》 ①どこかの中にいて、外に出ない。「こないだ・の・ 日曜日・・は・ 雨・やっ・た・さかい・ 家・に・ こもっ・とっ・た。」②空気などの流通がなくて、外に向かって発散しない状態になる。「煙草・の・ 煙・が・ 部屋・の・ 中・に・ こもっ・とる。」「湯気・が・ こもる。」

こもん〔こーもん〕【粉物】《名詞》 小麦粉などで作った菓子や、お好み焼きやたこ焼きなどの食べ物。「ご飯・より・も・ こーもん・が・ 好きや。」

こや【小屋】《名詞》 小さく簡単に作られている建物。雨露をしのぐだけの、仮に建てた簡略な建物「田圃・に・ こや・を・ 建てる。」「鶏・ごや」

こやし【肥やし】《名詞》 作物の成長をよくするために、土に与える栄養分。土に与えるためのもの。「こやし・を・ やら・なんだら・ 花・が・ 咲か・へん・ぞ。」〔⇒こえ【肥え】、ひりょう【肥料】

こゆび【小指】《名詞》 手足のいちばん外側の、小さな指。「親指・と・ こゆび・を・ 立て・て・ 影絵・で・ 角(つの)・を・ 作る。」〔⇒こゆべ(小指)

こゆべ(小指)】《名詞》 手足のいちばん外側の、小さな指。「こゆべ・に・ 怪我・を・ する。」〔⇒こゆべ【小指】

ごよう〔ごよー〕【御用】《名詞》 しなければならない事柄。対応すべき事柄。用件。「なんぞ・ ごよー・です・か。」◆丁寧に言う言葉である。〔⇒よう【用】、ようじ【用事】

こよみ【暦】《名詞》 ①時の流れを、年・月・週・日や季節を単位として、区切ったり数えたりする体系。「こよみ・で・は・ もー・ 春・や・けど・ 今年・は・ 寒い・なー。」②一年中の月・週・日や行事などを、日の順に書き込んだもの。「来年・の・ こよみ・を・ 買う。」◆②は、冊子となっているものも、「ひめくり【日捲り】」の形式のものも、一枚ものの「カレンダー【英語=calendar】」も、「こよみ」とは言うが、冊子のものは「こよみ【暦】」以外の名称がない。⇒カレンダー【英語=calendar

こより【紙縒】《名詞》 柔らかい和紙などを細く切って、細い紐のようにしたもの。「こより・で・ 紙・を・ 綴じる。」

こら《名詞+副助詞》 指示語の「これ【此れ】」に、副助詞の「は」が続いて、発音が融合した「こりゃ」が、さらに発音変化した言葉。このものは。「こら・ 大きすぎ・て・ 持た・れ・へん。」〔⇒こりゃ〕

こら〔こらー〕《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「こら・ 早(はよ)ー・ 去()ん・でん・か。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「こらー・ 人・を・ 殴っ・たら・ あか・ん・やろ。」◆強い響きをもって注意を促したり叱ったりするときに使うことが多い。〔⇒こらこら、こりゃ、こりゃこりゃ、これ、これこれ、これな〕

こらえる【堪える】《動詞・ア行下一段活用》 ①苦しさや痛さや辛さなどを受け止めて、耐える。感情を抑えて表面に出さないようにする。「泣く・の・を・ こらえ・とっ・た。」②過ちや罪を咎めないですませる。「悪気・が・ あっ・た・ん・やない・から・ こらえ・たっ・て・な。」⇒がまん【我慢】(する)、しんぼう【辛抱】(する)⇒ゆるす【許す】、かんにん【堪忍】(する)、かんべん【勘弁】(する)

こらこら〔こらこらー〕《感動詞》 ①人に注意を促すときに使う言葉。「こらこら・ もーちょっと・ 速(はよ)ー・ 走ら・んと・ 間に合わ・ん・ぞ。」②人を叱ったりとがめたりするときに使う言葉。「こらこら・ そんな・ こと・を・ し・たら・ あか・ん・ぞー。」◆荒々しい語気を伴って注意を促したり叱ったりするときに使うことが多い。〔⇒こら、こりゃ、こりゃこりゃ、これ、これこれ、これな〕

こらしょ《感動詞》 重いものを持ち上げるなどの動作を起こそうとして、力を入れるときなどのかけ声。「こらしょ・ こらしょ・ これ・は・ 重たい・なー。」◆「よいしょ」に続けて「こらしょ」と言うこともあり、また、「こらしょ」だけを重ねて使うこともある。〔⇒よいしょ〕

ごらん【御覧】《名詞》 ものを見ること。「ごらん・に・ なっ・てください。」◆相手を敬って使う言葉である。

ごり《形容動詞や()、名詞》 食べ物などの中が軟らかくなっていない様子。また、そのようなもの。「炊い・ても・ ごり・の・まま・の・ 大根」〔⇒ごりごり〕

こりこり《形容動詞や()、動詞する》 噛むと、気持ちのよい歯ごたえがある様子。「こりこりし・た・ 烏賊」

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2016年11月15日 (火)

奥の細道を読む・歩く(76)

[桑折]②

 

 郡役所から西に進むと桑折寺があります。木造で銅板葺きの黒い山門は、遠くから見ると旅笠のように見えないでもありません。境内を歩いてから、もと来た道を引き返します。

 いつの場合でも、どこであっても同じですが、初めて歩く道は長く、それを引き返すときは短く感じます。本当は同じ道ではなく周回のコースがあればよいのですが、ここでは来た道を帰るしかありません。

 桑折駅が近づいてきたところに追分があります。ここからは初めて歩く道になります。追分のところは、柳の木の両脇で道が二手に分かれています。奥州街道と羽州街道の分岐点です。五街道の奥州街道は日本橋から白河までですが、その延長として福島、仙台、盛岡を経て津軽半島へ延びています。羽州街道は桑折から分岐し、七ケ宿、上山、山形、秋田、弘前を経て奥州街道と結びつく道です。桑折にある道標には「右 奥州仙台道 左 羽州最上道」と書かれていたそうです。

 小さな休憩所のようなものがあって、そこに掲げられている写真を見ると、10年ほど前は、変哲もない建物の左右へ道が分かれているだけです。その分岐する場所に手を入れて、柳を植えて小公園としたもので、追分としての風情が醸し出されています。ひところ他の場所に移されていた柳の歌碑「夕暮れに心の通ふ柳かな」も、この場所に復元されたようです。街道は人が行き交い、物資や文化が交流するところで、追分はそれが集まったり分かれたりするところですから、遙かな旅先を自然と思い浮かべることになります。とりわけここで分岐する道の終着点は本州の北端ですから、旅の遠さを感じることになります。

 その先に奥州街道谷地一里塚跡というのがありますが、木柱が立っているだけです。そしてもう少し行くと、道路に面した材木所か何かの広場に、太く長い木が横たえられて、その端に熨斗の形をした木が打ちつけられています。そこに「御柱 樅 三月十九日伐木 半田山財産区 平成二十八年丙申歳」と墨で書いてあります。御柱というと諏訪神社を思い浮かべますが、長野県の諏訪大社ではなく、このあたりにある諏訪神社に奉納されるものでしょうか。半田というのはこのあたりの地名です。

 桑折には、江戸時代に佐渡、生野とともに日本三大鉱山といわれた半田銀山がありました。資源枯渇を理由に閉山とされていた銀山を、明治になって再興したのが五大友厚です。ただし、銀山がどのあたりにあったのかは知りません。

 小さな流れの佐久間川を渡るあたりでは次第に道が細くなっていき、いつの間にか桑折町が終わって伊達郡国見町に入ります。福島県の最北端の町です。特に注目するような名所旧跡のようなものもなく淡々とした歩きが続きます。JR藤田駅に通じる道という表示がありますから、列車に乗りたいという気持ちも生じますが、もう一駅先の貝田駅まで歩き続けます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (199)    (通算2197回)

日常生活語 「こ」⑲

 

ごみいれ【塵入れ】《名詞》 要らなくなったものや、使えなくなったものを、捨てるために入れるもの。「教室・の・ ごみいれ・が・ いっぱいに・ なっ・た。」〔⇒ごみくずいれ【塵屑入れ】

ごみかご【塵籠】《名詞》 要らなくなったものや、使えなくなったものを、捨てるために入れる籠。「部屋・の・ 隅・に・ ごみかご・を・ 置く。」〔⇒ごみくずかご【塵屑籠】

ごみくず【塵屑】《名詞》 ①要らなくなったもの。使えなくなったもの。「ごみ・を・ 少(すけ)のー・ する・よーに・ もの・を・ 大事に・ 使う。」②その場所を汚している、きたないもの。「風・で・ ごみくず・が・ 舞い上がっ・とる。」〔⇒ごみ【塵】

ごみくずいれ【塵屑入れ】《名詞》 要らなくなったものや、使えなくなったものを、捨てるために入れるもの。「弁当がら・を・ ごみくずいれ・に・ 入れる。」〔⇒ごみいれ【塵入れ】

ごみくずかご【塵屑籠】《名詞》 要らなくなったものや、使えなくなったものを、捨てるために入れる籠。「ごみくずかご・に・は・ 濡れ・た・ もの・を・ 捨て・たら・ あか・ん。」〔⇒ごみかご【塵籠】

ごみすてば【塵捨て場】《名詞》 ごみを集めておいたり捨てたりする場所。「運動場・の・ 隅・に・ ごみすてば・が・ あっ・た。」〔⇒はきだめ【掃き溜め】

こみっちい〔こみっちー〕《形容詞》 ①お金のことに細かくて、けちくさい。倹約しようとして、出し惜しみをする。「こみっちーに・ せ・んと・ 買()ー・たり・なはれ。」②細かいことにまで過度にこだわっている。「こみっちー・ こと・を・ ぐだぐだ・ 言()ー・たら・ 子ども・が・ 縮こまっ・てしまう・やろ。」〔⇒みみっちい〕

ごみとり【塵取り】《名詞》 掃き集めた塵やほこりを入れるための用具。「ごみとり・に・ 入れ・た・ん・を・ ごみ箱・に・ 捨てる。」〔⇒ちりとり【塵取り】

こむ【混む】《動詞・マ行五段活用》 ①人や物が、ある場所いっぱいに集まって、後から入る余地がなかったり思うように動けなかったりする。「今朝・の・ 電車・は・ こん・どっ・た。」②用事などが一度に重なり合う。「注文・が・ こん・どる・さかい・ ちょっと・ 待っ・てんか。」③することが細かい。することが丁寧だ。「手・の・ こん・だ・ 料理・を・ 作っ・てくれ・た。」■名詞化=こみ【混み】

こむぎ【小麦】《名詞》 畑で栽培して、その実を、味噌・醤油の原料にしたり、加工するために粉にしたりする穀物。「アメリカ・から・ こむぎ・を・ 輸入する。」

こむぎこ【小麦粉】《名詞》 パン・菓子・うどんなどの原料として使う、小麦の実をひいて作った粉。「こむぎこ・で・ にくてん・を・ 作る。」〔⇒メリケンこ【英語=American  粉】

ゴムけし〔ごむけし〕【オランダ語=gom  消し】《名詞》 鉛筆などで書いた文字や線などを消す、ゴムやプラスチックなどでできた道具。「間違(まちご)ー・て・ ごむけし・で・ 消し・て・ばっかり・ し・とる。」〔⇒けしゴム【消し  オランダ語=gom

ゴムとび〔ごむとび〕【オランダ語=gom  跳び】《名詞、動詞する》 一定の高さにゴムを張って、それを跳び越えようとする、子どもたちの遊び。「女・の・ 子・が・ ごむとび・を・ し・て・ 遊ん・どる。」

ゴムなが〔ごむなが〕【オランダ語=gom  長】《名詞》 ゴムで作った、膝の近くまで届く靴。「ごむなが・を・ はい・て・ 川・に・ 入る。」〔⇒ながぐつ【長靴】

ゴムのり〔ごむのり〕【オランダ語=gom  糊】《名詞》 ゴムをくっつけるための糊。「ごむのり・で・ 自転車・の・ チューブ・の・ 修繕・を・ する。」

こめ【込め】《接尾語》 違う種類のものを一緒にすること。あるものを他のものに含めること。「ふるたい〔=風袋〕・こめ・で・ 1貫目・や。」「消費税・こめ・で・ 千円・や。」〔⇒こみ【込み】

こめだわら〔こめだーら〕【米俵】《名詞》 米を入れる、藁などを編んで作った入れ物。米が入っている、藁などを編んで作った入れ物。「空・に・ なっ・た・ こめだーら・を・ 被っ・て・ 遊ぶ。」

こめぬか【米糠】《名詞》 米を精米するときにできる、外皮などの粉。「こめぬか・を・ 入れ・て・ たけのこ・を・ 炊く。」

ごめん【ご免】《感動詞》 ①謝るときや、許されたいときなどに使う言葉。「遅れ・て・ ごめん・ 堪忍し・て・な。」②断るときに使う言葉。「ごめん・ 明日・の・ 会・は・ 欠席さ・し・てんか。」③人の家を訪ねたときや、辞去するときに使う言葉。「ごめん・ おっ・て・かー。」〔⇒ごめんなさい【ご免なさい】、ごめんなはれ【ご免なはれ】、ごめんください【ご免下さい】

ごめんください【ご免下さい】《感動詞》 ①謝るときや、許されたいときなどに使う言葉。「昨日・の・ こと・は・ どーぞ・ ごめんください・な。」②断るときに使う言葉。「そんな・ 無理な・ 話・は・ ごめんください・な。」③人の家を訪ねたときや、辞去するときに使う言葉。「ほんなら・ これで・ ごめんください。」◆「ごめん」よりも丁寧な言い方である。〔⇒ごめん【ご免】、ごめんなさい【ご免なさい】、ごめんなはれ【ご免なはれ】

こめんじゃ《形容動詞や()》 細かく砕かれた様子。こなごなである様子。「ボール・が・ 当たっ・て・ 植木鉢・が・ こめんじゃに・ 割れ・た。」〔⇒こめんじゃこ〕

こめんじゃこ【こめん雑魚】《名詞》 鰯などの稚魚を煮て干した食べ物。「ご飯・に・ こめんじゃこ・を・ 振っ・て・ 食べる。」〔⇒ちりめんじゃこ【縮緬雑魚】

こめんじゃこ《形容動詞や()》 細かく砕かれた様子。こなごなである様子。「こめんじゃこに・ なっ・た・ ガラス」〔⇒こめんじゃ〕

ごめんなさい【ご免なさい】《感動詞》 ①謝るときや、許されたいときなどに使う言葉。「ガラス・を・ めん・で・ ごめんなさい。」②断るときに使う言葉。「ごめんなさい・ 高(たこ)ー・て・ 買え・まへん。」③人の家を訪ねたときや、辞去するときに使う言葉。「そんなら・ これ・で・ ごめんなさい。」◆「ごめん」よりも丁寧な言い方である。〔⇒ごめん【ご免】、ごめんなはれ【ご免なはれ】、ごめんください【ご免下さい】

ごめんなはれ〔ごめんなーれ〕【ご免なはれ】《感動詞》 ①謝るときや、許されたいときなどに使う言葉。「来・てくれ・た・のに・ 家・に・ おら・なんで・ ごめんなはれ・な。」②断るときに使う言葉。「ごめんなーれ・ わし・は・ そんな・ 難しー・ こと・は・ よー・ 請け負え・まへ・ん。」③人の家を訪ねたときや、辞去するときに使う言葉。「ごめんなはれ・ 誰(だい)・か・ おっ・て・かー。」◆「ごめん」よりも丁寧な言い方である。〔⇒ごめん【ご免】、ごめんなさい【ご免なさい】、ごめんください【ご免下さい】

ゴム〔ごむ〕【オランダ語=gom】《名詞》 さまざまな用途に加工される、ゴムの木の樹液で作った、伸び縮みする物質。「ごむ・の・ タイヤ」「ごむ・で・ でけ・た・ 靴」

こめ【米】《名詞》 日本人が主食として食べたり日本酒を作るのに使ったりする、稲の実の籾殻を取り去ったもの。「朝・は・ やっぱり・ こめ・の・ 飯・を・ 食べ・たい。」

こも【薦】《名詞》 藁を粗く織って作った筵。「こも・で・ 巻い・た・ 酒樽・で・ 鏡開き・を・ する。」

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2016年11月14日 (月)

奥の細道を読む・歩く(75)

[桑折]①

 桑折の駅前には「異国の丘」の歌詞を刻んだ碑が建っています。戦後の混乱期に流行った歌が桑折の町と縁があるとは、思いがけないことです。作曲者の吉田正を有名にした歌の作詞者・増田幸治が桑折の出身であると知らなかったのです。「今日も暮れゆく異国の丘に 友よ辛かろ切なかろ 我慢だ待ってろ嵐が過ぎりゃ 帰る日も来る春が来る」のメロディが頭の中を駈けゆくとともに、2番・3番の歌詞もすらすらと頭に浮かびます。満3歳で終戦を迎えた私ですが、もう何百回も聞いた歌です。

 「野ざらしを心に風のしむ身哉」の芭蕉の句の通り、旅に死ぬことは寂しいことだとは思いませんが、自分の意に反する死だけは迎えたくないと思っています。戦争はもちろん、事件・事故に巻き込まれての最期だけはまっぴらご免だ思います。各地の城の美しさには心を寄せながらも、戦国武将の生き方を手放しで賛美する気持ちがないということも、それと関係があるかもしれません。

 さて、桑折駅からはいったん南に向かって歩きます。明治天皇桑折御小休所という石柱が建つ無能寺には笠松(御蔭廼松)があります。笠の頂の高さは6メートル余なのに、東西南北に6~9メートルの枝を伸ばしています。枝の下を真っ直ぐに延びる参道を通って本堂に向かいます。樹齢は400年を超えるとされている、気品を感じさせる松です。

 方圓寺には田植塚があって、「風流の初やおくの田植うた」の句碑があります。田植塚記という碑もあります。この地の俳人・佐藤馬耳が「風流の」の句の短冊を埋めて、「芭蕉翁」と刻んだ石碑を建てたのは1719(享保4年)のことです。この碑は風化していますが文字は読みとれます。また、この寺には「みちのくの伊達の郡の春田かな」という富安風生の句碑もあります。

 お休み所で物品販売所でもある桑折御蔵を過ぎ、梵鐘のある大安寺を過ぎると、桑折町道路元標があって、目の前に旧伊達郡役所が迫ってきます。1883(明治16)に誘致運動の末、この地に建てられたという郡役所は、2階建てでバルコニーと塔屋を持つ建物です。1926(大正15)の郡役所廃止まで、伊達郡の行政の中心となっていました。いろいろな展示物がありますが、1階の大事務室の奥に郡長室があって、郡長の机というのがありますのでその椅子に座ってみます。書類も備品もない机上ですから実感は出ません。廊下や階段などは歩くたびにギシギシと鳴りますが、それはこの種の建物の常です。2階のバルコニーからさっきまで歩いてきた道筋を眺めやります。郡役所の建物の東側には、桑折陣屋跡があります。

 郡役所のちょっと西に芭蕉像があります。しっかりとした体格で、鼻筋の通ったたくましい感じの顔です。この像からは「野ざらしを心に」思い浮かべているようには感じられず、この姿では行き倒れることはないだろうと頼もしく感じます。像の下には、「月の輪の渡しを越えて」から「伊達の大木戸を越す」までの文章が記された銘板がはめこまれています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (198)    (通算2196回)

日常生活語 「こ」⑱

 

こまかくする【細かくする】《動詞・サ行変格活用》 ①小さく砕く。「石・を・ 金槌・で・ 叩い・て・ こまかくする。」②大きな金額の紙幣を小さな単位のものに変える。「ジュース・を・ 買()ー・て・ 一万円札・を・ こまかくし・た。」◆②の場合は、「くずす」を使って、「一万円札・を・ くずし・た。」とも言う。〔⇒こまこする【細こする】⇒くずす【崩す】

こまかしい〔こまかしー〕【細かしい】《形容詞》 ①隙間などが小さい。繊細である。細密である。「こまかしー・ 仕事・や・さかい・ 目ー・が・ 疲れる。」②けちである。金銭についてのこだわりがある。こまかしー・ こと・を・ 言()ー・て・ 金・を・ 集め・に・ 来・た。」③大事に影響を与えない。心配は要らない。「それ・ぐらい・は・ こまかしー・ こと・や・さかい・ 挽回・ でける・がな。」④行動や考えなどが緻密である。「こまかしーに・ 言ー・てくれ・て・ よー・ わかっ・た。」■対語=「おおきい【大きい】」「あらい【粗い】」〔⇒こまかい【細かい】、こまこい【細こい】、こまい【小まい】、こんまい【小んまい】

ごまかす【誤魔化す】《動詞・サ行五段活用》 ①人に見破られないように工夫して、悪いことをする。「数・を・ ごまかし・やがっ・た。」「笑っ・て・ ごまかそ・ー・と・ し・とる・な。」②だまして、表面を取り繕う。「割れ・た・ ガラス・に・ テープ・を・ 貼っ・て・ ごまかし・とる。」

こまかな【細かな】《連体詞》 隙間などが小さい。繊細である。細密である。「こまかな・ 計画・を・ 作る。」

こまかなる〔こまかーなる〕【細かなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①擦れ合ったり砕かれたりして、小さくなる。「波・で・ 砂・が・ こまかくなっ・とる。」②大きな金額の紙幣が小さな単位のものに変わる。「一万円札・を・ こまかなら・へん・やろ・か。」〔⇒こまこなる【細こなる】⇒くずれる【崩れる】

こまぎれ【細切れ】《名詞》 細かく切ったもの。細かく切れてしまったもの。「こまぎれ・の・ 時間」「こまぎれ・の・ 素麺」

こまく【鼓膜】《名詞》 空気の振動を受けて耳の奥へ音を伝える役割を果たす、耳の中にある薄い膜。「大きな・ 音・が・ し・て・ こまく・が・ ビーンと・ なっ・た。」

こまこい【細こい】《形容詞》 ①隙間などが小さい。繊細である。「こまこい・ ごみ・が・ 目ー・に・ 入っ・た。」②けちである。金銭についてのこだわりがある。「十円・の・ こと・でも・ こまこー・ 言()ー・ 人・や。」③大事に影響を与えない。心配は要らない。「一点・ぐらい・ 取ら・れ・ても・ こまこい・ こと・や。」④行動や考えなどが緻密である。「こまこーに・ 説明し・てくれ・て・ よー・ わかっ・た。」■対語=「おおきい【大きい】」「あらい【粗い】」〔⇒こまかい【細かい】、こまこまかしい【細かしい】、こまい【小まい】、こんまい【小んまい】

こまこする〔こまこーする〕【細こする】《動詞・サ行変格活用》 ①小さく砕く。「機械・で・ 粒・を・ こまこする。」②大きな金額の紙幣を小さな単位のものに変える。「銀行・の・ 両替機・で・ こまこし・た。」〔⇒こまかくする【細かくする】⇒くずす【崩す】

こまこなる〔こまこーなる〕【細こなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①擦れ合ったり砕かれたりして、小さくなる。「めげ・た・ ガラス・を・ 踏ん・だら・ こまこなっ・た。」②大きな金額の紙幣が小さな単位のものに変わる。「五千円札・が・ こまこなっ・た。」〔⇒こまかなる【細かなる】⇒くずれる【崩れる】

こまごま【細々】《副詞と、動詞する》 ①様々なものがたくさんある様子。細部にまで行きわたっている様子。「こまごまし・た・ 旅行用品・を・ 揃える。」②一つ一つ詳しく丁寧である様子。「うるさい・ほど・ こまごまと・ 指示さ・れる。」

こましゃくれる《動詞・ラ行下一段活用》 幼いのにかかわらず、大人びたことを言ったりしたりする。「こましゃくれ・た・ こと・を・ 言()ー。」

こます《補助動詞・サ行五段活用》 ⇒てこます〔でこます〕《補助動詞・サ行五段活用》を参照

こますぎる【小ま過ぎる】《動詞・ガ行上一段活用》 ①面積、体積、身長などの値がわずかであって、よくない。「字ー・が・ こますぎ・て・ 読ま・れ・へん。」②程度や規模などがわずかであって、よくない。「工場・が・ こますぎ・て・ 1週間・で・は・ よー・ 作ら・へん・やろ。」③年齢が少なくて、よくない。「こますぎる・ 子・を・ 無理し・て・ 走らし・たら・ あか・ん・ぞ。」④音量が弱くて、よくない。「電話・の・ 声・が・ こますぎ・て・ 何・(を・) 言()ー・とる・の・か・ わから・へん・がな。」■対語=「おおきすぎる【大き過ぎる】」「おっきすぎる【大き過ぎる】」「おっけすぎる【大け過ぎる】」〔⇒ちいさすぎる【小さ過ぎる】

こまする【小まする】《動詞・サ行変格活用》 ①面積、体積、身長などの値をわずかにする。「土地・を・ こまし・て・ 分け・て・ 売る。」②会社や組織などを衰えさせる。程度や規模などを縮小する。「息子・が・ 店・を・ こまし・ても・た。」③隙間などを少なくする。「間・を・ こまし・て・ 並べ・なんだら・ 全部・は・ 入ら・へん。」④音量を弱くする。「ラジオ・は・ もっと・ こまし・て・ 聞き・なはれ。」■自動詞は「こまなる【小まなる】」■対語=「おおきする【大きする】」「おおけする【大けする】」〔⇒ちいさする【小さする】、ちいそする【小そする】、ちっさする【小っさする】、ちっそする【小っそする】、こもする【小もする】

こまなる〔こまーなる〕【小まなる】《動詞・ラ行五段活用》 ①面積、体積、身長などの値がわずかになる。「釣れる・ 魚・が・ だんだん・ こまなっ・た。」②程度や規模などがわずかになる。「不景気・で・ 会社・の・ 売り上げ・が・ こまなっ・た。」③隙間などが少なくなる。「路地が・ だんだん・ こまなっ・てき・た。」⑤音量が弱くなる。「しんどなっ・てき・て・ 声・が・ こまなっ・た。」⑥恐縮してちぢこまる。「失敗し・て・ こまーなっ・とっ・てん。」■他動詞は「こまする【小まする】」■対語=「おおけなる【大けなる】」「おおきなる【大きなる】」〔⇒ちいさなる【小さなる】、ちいそなる【小そなる】、ちっさなる【小っさなる】、ちっそなる【小っそなる】、こもなる【小もなる】

こまめ【小まめ】《形容動詞や()》 小さな事にもよく気が付く様子。細かなことまで気を付けて動いたり働いたりする様子。骨惜しみしないで行動する様子。「こまめに・ 仕事・を・ する・ 人・や・さかい・ 信用できる。」

こまる【困る】《動詞・ラ行五段活用》 ①処置や判断のしようがなくて苦しむ。困惑する。「電車・に・ 乗り遅れ・て・ こまっ・た。」②物やお金がなくて、苦しむ。「若い・ とき・は・ 月給日・の・ 前・に・は・ こまっ・た・もん・や。」③人間関係で周囲に迷惑をかけたり悪い影響を与えたりする。「酒飲み・の・ こまっ・た・ やつ・や。」①②⇒よわる【弱る】

こみ【込み】《接尾語》 違う種類のものを一緒にすること。あるものを他のものに含めること。「送料こみ・で・ 2千円・で・ 買()ー・た。」〔⇒こめ【込め】

ごみ【塵】《名詞》 ①要らなくなったもの。使えなくなったもの。「これ・は・ ごみ・や・さかい・ ほかし・とい・てんか。」②その場所を汚している、きたないもの。「海岸・の・ ごみ・を・ 拾う。」〔⇒ごみくず【塵屑】

ごみ《名詞》 白い花が咲き、小さな赤い実がつく低木。また、その木にできる実。「ごみ・の・ 木ー・に・ 実・が・ なっ・た。」〔⇒ぐみ〕

こみいる【込み入る】《動詞・ラ行五段活用》 いろいろな要素が入り交じって、複雑になる。ものごとが複雑に絡んで、もつれる。「話・が・ ごっつー・ こみいっ・て・ どない・ し・たら・ えー・の・か・ わから・なんだ。」

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2016年11月13日 (日)

奥の細道を読む・歩く(74)

飯塚②

 

 雨がやや小降りになってきたので、歩くことを再開します。旧堀切邸の前を通って「ちゃんこちゃんこ」に向かいます。そして引き返して、開館時刻を待って旧堀切邸の中を見せてもらう予定です。

 「俳聖松尾芭蕉ゆかりの地入口」という石柱があり、その真後ろに「ちゃんこちゃんこ」の説明板があります。西条八十作詞・中山晋平作曲の飯坂小唄に歌われる「ちゃんこちゃんこ」というのは「滝の湯」に下りていく73段の石段であると書いてあります。下駄を履いて石段を下りていくとチャンコチャンコと音が鳴るというわけです。「滝の湯」は飯坂の名湯であったが1937(昭和12)の火災によって焼失したという説明があります。その細い石畳道を下っていくと、左にカーブして摺上川のそばに出ます。

 「俳聖松尾芭蕉ゆかりの地」という碑があって、「奥の細道」飯塚の一節が刻まれています。そばには「長らく芭蕉が入浴したのは滝ノ湯であると言われてきて、その跡地に芭蕉の碑を建立した。しかし、奥の細道の研究が進み、芭蕉と曾良が入ったのは滝ノ湯ではなく鯖湖湯あるいは当座湯であるという考えが有力になっている」という旨が書かれた謙虚な説明板が建っています。滝ノ湯のかつての写真も掲出されて、河畔に立つ滝ノ湯の建物と摺上川に渡し船が往来する様子が紹介してあります。明治・大正時代の写真です。このあたりの周りの建物には足場が組まれており、廃墟のように感じられて、ちょっと不気味です。

 もとの坂を上って、旧堀切邸へ行きます。門の前で開くのを待っていると、定刻9時の10分前に入れてもらえました。ここは江戸時代から続いていた豪農・豪商の旧家です。1578(天正6年)に若狭の国から移住した梅山太郎左衛門があたりを開作し農業や養蚕に力を注ぎ、氾濫を繰り返した赤川の堀を切って流れを変えたので堀切と呼ぶようになったそうです。堀切家は地域の経済に貢献するとともに、衆議院議長を務めた堀切善兵衛や、東京市長を務めた堀切善次郎などを輩出しています。堂々とした表門を入ると左手に主屋があり、部屋を回って係の方の説明を聞かせてもらいます。米蔵などとして使われた「十間蔵」や、井戸小屋などを見ているうちに雨が止んできました。

 駅に向かって歩いていると、西覚寺の掲示板に「雨の日には雨のおめぐみ」と墨書したものが張られています。まさにその通り、この日にぴったりです。加藤さんもこの言葉に感じ入り、これから後、雨模様になったときには、私たち二人の合い言葉になりました。

 駅前の十綱橋を対岸まで往復し、川岸に「十綱の渡し」と書かれているのを見てから、駅前広場の芭蕉像に別れを告げます。開業90周年を迎えた福島交通飯坂線の電車で福島駅に戻ります。

 「奥の細道」には、飯塚からは「馬かりて桑折の駅に出る。遙なる行末をかゝへて、斯る病覚束なしといへど、羈旅辺土の行脚、捨身無常の観念、道路にしなん是天の命なりと、気力聊とり直し、路縦横に踏で伊達の大木戸をこす。」と書いてあります。

 飯坂から桑折まではそんなに遠くはありませんが、私たちは迂回して、いったん福島駅に出て、JR東北線で桑折駅へ行きます。そして桑折の町を見た後、伊達の大木戸を目指して、福島県最北端にある貝田駅まで歩きます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (197)    (通算2195回)

日常生活語 「こ」⑰

 

ごぶ【五分】《名詞、形容動詞や()》 ①尺貫法で、1寸の半分の長さ。およそ1.5センチ。「板・の・ 端・を・ ごぶ・ほど・ 切り落とす。」②1割の半分の数値。5パーセント。「合計・から・ ごぶ・ 割り引い・とき・ます。」③両方の実力や形勢などに差がなく、その優劣が同程度であること。「明日・ 勝てる・ 見込み・は・ ごぶ・ぐらい・や。」⇒ごぶごぶ【五分五分】、はんぶん【半分】、はんはん【半々】、はんぶんはんぶん【半分半分】、はんぶはんぶ(半分半分)、はんぶんずつ【半分ずつ】

こふう〔こふー〕【古風】《名詞、形容動詞や()》 その時代の考え方や風俗などよりも古めかしいこと。昔の古いものが残っている考え方ややり方。「あんた・は・ えらい・ こふーな・ 考え方・を・ する・ん・や・な。」「こふーな・ 建物」■対語=「いまふう【今風】」

ごふく【呉服】《名詞》 和服用の織物や反物。「ごふく・を・ 売っ・とる・ 店・も・ 少(すけ)のー・ なり・まし・た。」

ごぶごぶ【五分五分】《名詞、形容動詞や()》 両方の実力や形勢などに差がなく、その優劣が同程度であること。「明日・ 雨・が・ 降る・か・ 降ら・ん・か・は・ ごぶごぶやろ。」「どっち・も・ 強ー・て・ 勝ち負け・は・ ごぶごぶ・と・ ゆー・ とこ・や。」〔⇒ごぶ【五分】、はんぶん【半分】、はんはん【半々】、はんぶんはんぶん【半分半分】、はんぶはんぶ(半分半分)、はんぶんずつ【半分ずつ】

ごぶさた【ご無沙汰】《名詞、動詞する》 長い間、訪ねなかったり、手紙を出さなかったりしたこと。また、それを詫びるときに使う言葉。「長い・こと・ ごぶさたし・ており・ます。」◆「ぶさた【無沙汰】」という言い方をすることは、ほとんどない。

こぶらがえり(腓返り)】《名詞、動詞する》 泳いだときなどに、すねの裏側の筋肉が急に痙攣を起こすこと。足がつって、激しく痛むこと。「こぶらがえり・に・ なら・ん・よーに・ 海・へ・ 入る・ 前・に・ よー・ 体操し・とけ・よ。」

こぶり【小降り】《名詞》 雨や雪の降り方が、弱く少ないこと。「こぶり・に・ なっ・た・さかい・ 出・てき・まし・てん。」■対語=「ほんぶり【本降り】」

こぶり【小振り】《形容動詞や()》 一般のものに比べて、形が小さい様子。「こぶりの・ 鯛・を・ 1匹・ 買()ー・た。」■対語=「おおぶり【大振り】」

こぶん【子分】《名詞》 仲間の中心となっている人に従って、命令を受けたり行動を共にしたりする人。「あいつ・は・ わし・の・ こぶん・みたいな・ もん・や・さかい・ 言()ー・ こと・を・ 聞ー・てくれる。」■対語=「おやぶん【親分】」

こべ《接尾語》[動詞の連用形に付く] 過度に何かの動作をするということを表す言葉。「いらいこべ・に・ し・て・ めん・でも・た。」「塗りこべ・の・ 壁」「混ぜこべ・に・ 色・を・ 塗る。」〔⇒ちゃんこ、さんこ〕

ごぼう〔ごぼー〕【牛蒡】《名詞》 大きな葉があり、土の中には細くて長い根が伸びて、それを食用にする野菜。「ごぼー・の・ ささがけ」〔⇒ごんぼ(牛蒡)

こぼす【零す】《動詞・サ行五段活用》 ①中にある液体や細かな固体を、あふれ出させたり、不注意で外へ出してしまったりする。「コップ・に・ 入れ・た・ 水・を・ こぼす。」②整っていたものの一部を欠けるようにしてしまう。「堅い・ もん・を・ 切っ・て・ 鋏・の・ 刃ー・を・ こぼし・た。」■自動詞は「こぼれる【零れる】」

こぼね【小骨】《名詞》 魚などの細く小さな骨。「こぼね・を・ 取っ・て・から・ 食べ・さす。」

こぼれる【零れる】《動詞・ラ行下一段活用》 ①中にある液体や細かな固体が、あふれ出たり、外へ出てしまったりする。「バケツ・から・ 水・が・ こぼれ・た。」②整っていたものの一部が欠ける。「鋸・の・ 刃ー・が・ こぼれ・た。」■他動詞は「こぼす【零す】」

こま【駒】《名詞》 将棋で使う、五角形の小さな木片。「歩・の・ こま・が・ 1個・ 足ら・ん。」

ごま【胡麻】《名詞》 円柱状の果実の中に多くの種を持ち、その白・黒・黄褐色などの種を料理に使ったり、油を搾ったりして使う作物。「おひたし・に・ ごま・を・ 振る。」

ごま【独楽】《名詞》 木や金属で作り、心棒を中心にくるくると回る玩具。「ごま・を・ 回ーし・て・ 遊ぶ。」

ごま《名詞》 ①自動車や自転車などの車輪。「古なっ・て・ 外し・た・ 自転車・の・ ごま・を・ 道・で・ 回し・て・ 遊ぶ。」「トラック・の・ ごま・が・ パンクし・た。」②自転車などの補助輪。「子ども用・の・ ごま・付き・の・ 自転車」③戸につけて、戸の開閉を滑らかにする、小さな車輪。戸車。「戸ー・の・ 下・に・ ごま・が・ つい・とる。」

ごまあぶら【胡麻油】《名詞》 胡麻の種を搾ってとった油。「こばしい・ ごまあぶら・の・ 匂い」

こまい〔こーまい〕【古米】《名詞》 前年までに穫れた米。「新米・が・ 穫れ・た・けど・ こまい・が・ まだ・ 残っ・とる。」■対語=「しんまい【新米】」〔⇒こまえ(古米)

こまい【小まい】《形容詞》 ①体積がささやかで、わずかの場所を占めている。「こまい・ 家・に・ 住ん・どる。」②面積が狭い。「こまい・ 字ー・や・さかい・ 読みにくい。」「とーし・の・ 網・の・ 目ー・が・ こまい。」③背丈などが低い。「背ー・の・ こまい・ 人」④数や程度が甚だしくない。「こまい・ 店・や。さかい・ 儲け・は・ 少ない・ねん。」「もー・ちょっと・ こまい・ 音・で・ 聞ー・てんか。」「そんな・ もん・は・ こまい・ こと・や・さかい・ 気ー・に・ せ・んとい・て。」⑤年が下である。「こまい・ 子ー・の・ 世話・を・ する。」⑥けちである。金銭についてのこだわりがある。「金・に・ こまい・ 人」⑦繊細である。「こまい・ 仕事・を・ する・の・は・ 苦手や。」「芸・が・ こまい。」■対語=「おおきい【大きい】」「おっきい【大っきい】」「おおけえ【大けえ】」「おっけえ【(大けえ)】」「ごっつい」「ごつい」〔⇒こんまい【小まい】①②③④⑤⇒ちさい【小さい】、ちいさい【小さい】、ちっさい【小っさい】、ちっこい【小っこい】、ちいこい【小こい】、ちっちゃい【小っちゃい】、こまい【小まい】

こまいぬ【狛犬】《名詞》 神社の拝殿の前に、魔除けのために向かい合わせに置かれている、獣(多くは、犬)の像。「こまいぬ・に・も・ 賽銭・を・ あげる。」

こまいめ【小まい目】《名詞、形容動詞や()》 ①ものの大きさが、少し小さいこと。比較的小さいと思われること。「こまいめの・ 画用紙・に・ 描く。」②音量が弱いこと。「こまいめの・ 音・で・ 聴く。」■対語=「おおきめ【大き目】」「おおきいめ【大きい目】」「おおけえめ【大けえ目】」「おっきめ【大っき目】」「おっきいめ【大っきい目】」「おおけめ【大け目】」「おっけめ【大っけ目】」「おっけえめ【大っけえ目】」「ごっつめ【ごっつ目】」「ごっついめ【ごっつい目】」〔⇒ちいさいめ【小さい目】、ちいさめ【小さ目】、ちっこいめ【小っこい目】、ちっちゃいめ【小っちゃい目】、こんまいめ【小んまい目】

こまえ〔こーまえ〕(古米)】《名詞》 前年までに穫れた米。「新米・と・ こまえ・を・ 混ぜ・て・ 炊く。」■対語=「しんまえ【(新米)】」〔⇒こまい【古米】

こまかい【細かい】《形容詞》 ①隙間などが小さい。繊細である。細密である。「1センチ・ずつ・に・ こまこー・ 分け・て・ 線・を・ 引く。」「その・ 時・の・ 様子・を・ こまかく・ 説明する。」②けちである。金銭についてのこだわりがある。「金・の・ こと・に・ こまかい・ 人・や。」③大事に影響を与えない。心配は要らない。「一点・ぐらい・ 入れ・られ・ても・ こまかい・ こと・や。」④行動や考えなどが緻密である。「こまこー・に・ 気ー・を・ 使い・なはれ。」■対語=「おおきい【大きい】」「あらい【粗い】」〔⇒こまこい【細こい】、こまかしい【細かしい】、こまい【小まい】、こんまい【小んまい】

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2016年11月12日 (土)

奥の細道を読む・歩く(73)

飯塚①

 

 「其夜飯塚にとまる。温泉あれば湯に入て宿をかるに、土坐に莚を敷て、あやしき貧家也。灯もなければ、ゐろりの火かげに寝所をまうけて臥す。夜に入て、雷鳴、雨しきりに降て、臥る上よりもり、蚤・蚊にせゝられて、眠らず。持病さへおこりて、消入斗になん。短夜の空もやうやう明れば、又旅立ぬ。猶、夜の余波、心すゝまず。馬かりて桑折の駅に出る。遙なる行末をかゝへて、斯る病覚束なしといへど、羈旅辺土の行脚、捨身無常の観念、道路にしなん是天の命なりと、気力聊とり直し、路縦横に踏で伊達の大木戸をこす。」

 芭蕉は飯塚に泊まった書いていますが、それは飯坂温泉のことです。「曾良随行日記」にも飯坂とあります。「温泉あれば湯に入て宿をかるに、土坐に莚を敷て、あやしき貧家也。灯もなければ、ゐろりの火かげに寝所をまうけて臥す。夜に入て、雷鳴、雨しきりに降て、臥る上よりもり、蚤・蚊にせゝられて、眠らず。持病さへおこりて、消入斗になん。」と印象悪く書いていますが、当時の飯坂は湯治場のようなところであったのかもしれません。「曾良随行日記」の(五月)二日の項には「昼より曇、夕方より雨降、夜ニ入、強。飯坂ニ宿。湯ニ入。」とありますから、空模様の悪さもあって宿に当たり散らしている傾向も感じられます。

 飯塚の宿が「あやしき貧家」であったことや、芭蕉がこの宿で持病に苦しんだことは、曾良の日記には書かれていません。

 さて、芭蕉たちは「短夜の空もやうやう明れば、又旅立ぬ。」ということになるのですが、私たちは朝、宿を出て飯坂温泉を一巡りします。少し雨模様です。宿を出て緩い坂を上っていくと左手に「ゆざわ芭蕉の道公園」という小公園があります。このあたりを芭蕉が歩いたというのでしょう。道が右にカーブしていったところに「鯖湖湯跡地」という石柱があり、「あ~しあわせの湯」と書かれた休憩施設があります。その向こうに鯖湖神社が見えてきます。境内に「飯坂温泉発祥の地」という石柱と解説碑があり、与謝野晶子の歌と正岡子規の句とを並べて刻んだ文学碑もあります。お湯かけ薬師如来があるので、お湯をすくってかけます。

 源泉を汲み出している櫓があって、その向こうが鯖湖湯です。飯坂温泉で最も古い湯だそうで、芭蕉と曾良もここの湯を使ったのでしょうか。さきほど「芭蕉と曾良入浴の地」という石碑を見ました。道後温泉の建物よりも古く、かつては日本最古の木造建築共同浴場と言われたそうですが、現在は改築されています。

 鯖湖湯を過ぎて旧・堀切邸の横の坂を上りかけたところで雨が強くなりました。しばらく鯖湖湯の軒下に避難し、雨の対策を整えます。それでも止まないので、「ゆざわ芭蕉の道公園」へ戻って、屋根のあるところで石に腰掛けて、しばらく時間を過ごします。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (196)    (通算2194回)

日常生活語 「こ」⑯

 

ごねる《動詞・ナ行下一段活用》 気に入らなくて、他人に不平や文句などを言う。自分に都合の良いように、苦情を言う。周りの者と協調せず、騒動を引き起こす。ものごとの進行を妨害する。「何・でも・ 反対し・て・ ごねる・ 奴(やつ)・が・ おる・さかい・ みんな・が・ 困っ・とる。」■名詞化=ごね〔⇒ごてる〕

この【此の】《連体詞》 ①空間的にあるいは心理的に、自分に近いものを指し示す言葉。「この・ 本・を・ 貸し・てください。」②時間的に、近いものを指し示す言葉。「この・ 月末・に・ 運動会・が・ ある。」「この・ 冬・は・ 特別・ 寒い・なー。」

この〔このー〕《感動詞》 人を非難したり叱責したりするときに、その気持ちを強めるために使う言葉。「この・ 阿呆(あほ)んだら」「このー・ 間抜け」「もー・ このー。」

このあいだ【この間】《名詞》 あまり遠くない過去のあるとき。今日より少し前のとき。「このあいだ・は・ お世話・に・ なり・まし・た。」〔⇒さきごろ【先頃】、せんじつ【先日】、せんだって【先だって】、こないだ〕

このごろ【此の頃】《名詞》 ①少し前から今に至るまでの時。「このごろ・は・ 雨・ばっかり・ 続い・とる。」②今の時代。「このごろ・は・ 柄・の・ 悪い・ テレビ・の・ 番組・が・ 多い・な。」〔⇒ちかごろ【近頃】、さいきん【最近】⇒こんにち【今日】

このしゅう〔このしゅー〕【此の週】《名詞》 ①今日が属している週。現在、過ごしている週。「このしゅー・は・ 仕事・が・ 忙しー・ねん。」②特定の週を指し示して言う言葉。「このしゅー・は・ 忙しー・て・ 短い・ 週・やっ・た。」⇒こんしゅう【今週】

このたび【この度】《名詞》 何かが今行われている折り、または行われたばかりの折り。今般。「このたび・は・ いろいろ・ お世話・に・ なり・まし・た。」「このたび・は・ 合格・ おめでとー。」

このつき【此の月】《名詞》 ①今日が属している月。現在、過ごしている月。「このつき・は・ 温い・ 日ー・が・ 続い・とる。」②特定の月を指し示して言う言葉。「震災・の・ あっ・た・ このつき・は・ 寒かっ・た・なー。」⇒こんげつ【今月】

このぶん【この分】《名詞》 今、直面している状態や傾向や事柄など。「このぶん・やっ・たら・ 明日・は・ 晴れ・まっ・せ。」

このへん【この辺】《名詞》 ①この場所の辺り。「昔・は・ 確か・ このへん・に・ 店・が・ あっ・てん・けど・なー。」「昔・ このへん・に・ 郵便局・が・ あっ・た・やろ。」②この時のあたり。「このへん・が・ 一番・ 苦しかっ・た・ 時・や・なー。」「このへん・から・ 景気・が・ 悪ーなっ・てん。」

このみ【好み】《名詞》 好きだと思うこと。希望すること。また、その内容。趣味や嗜好。「あんた・の・ このみ・の・ 場所・へ・ 案内し・まっ・せ。」

このよ【此の世】《名詞》 今、生きて生活しているところ。「このよ・は・ つらい・ こと・も・ ぎょーさん・ ある。」■対語=「あのよ【彼の世】」

ごはぎ【ご剥】《名詞》 口は小さくとがり、体は平たい菱形をしている魚。カワハギ。「ごはぎ・の・ 皮・を・ むく。」

ごはさん〔ごわさん〕【ご破算】《名詞》 ①算盤で、置いていた玉をはらって元に戻すこと。「ごわさん・で・ 願い・まし・て・は・ 5432円・なり。」②計画などを取り止めること。白紙の状態に戻すこと。「参加者・が・ 少(すけ)ない・さかい・ ごわさん・に・ し・ょー。」

こばしい【香ばしい】《形容詞》 煎ったり焼いたりした匂いが、こんがりして良い。「こばしー・ 煎餅・の・ 匂い・が・ する。」「こばしい・ お茶」〔⇒こうばしい【香ばしい】

こばしり【小走り】《名詞》 小さな歩幅で、急いで歩くこと。「こばしり・で・ 行っ・てき・ます・さかい・ ちょっと・ 待っ・とい・てください。」

こばん【小判】《名詞》 江戸時代末期まで使われていた、1両に相当する薄くて楕円形の金貨。「大判・ こばん・が・ ざっくざっくの・ 昔話」■対語=「おおばん【大判】」

ごはん【ご飯】《名詞》 ①米、麦などを炊いて主食とするもの。「今日・は・ 饂飩・より・ ごはん・が・ 食べ・たい・なー。」②生命を維持するためにものを食べること。また、その食べ物。「そろそろ・ ごはん・の・ 時間・です・な。」◆①②ともに、丁寧語である。〔⇒めし【飯】、まま()、まんま()⇒うまうま()、うまんま()

ごばん【碁盤】《名詞》 碁を打つときに使う、縦横それぞれ19本の線が引いてある、木でできた正方形の厚い板。「ごばん・と・ 碁石・を・ 持っ・てき・てくれ。」

ごはんごしらえ【ご飯拵え】《名詞、動詞する》 食事の準備をすること。「ごはんごしらえする・さかい・ 毎日・ 五時半・に・ 起きる。」「ごはんごしらえする・の・に・ 1時間・ かかる。」〔⇒めしごしらえ【飯拵え】、こしらえ【拵え】、したく【支度】

ごはんつぶ【ご飯粒】《名詞》 米を炊いてできたご飯の粒の一つ一つ。「ごはんつぶ・を・ 大事に・ 食べ・なはれ・」〔⇒ごはんつぼ(ご飯粒)、めしつぶ【飯粒】、めしつぼ(飯粒)、ままつぶ【飯粒】、ままつぼ(飯粒)

ごはんつぼ(ご飯粒)】《名詞》 米を炊いてできたご飯の粒の一つ一つ。「ごはんつぼ・で・ そっくい〔続飯〕・を・ こしらえる。」〔⇒ごはんつぶ【ご飯粒】、めしつぶ【飯粒】、めしつぼ(飯粒)、ままつぶ【飯粒】、ままつぼ(飯粒)

ごばんのめ〔ごばんのめー〕【碁盤の目】《名詞》 縦横の直線の交差によって、規則正しく作られている格子状のもの。「ごばんのめー・の・ 模様・の・ 着物」「京都・の・ 町・は・ ごばんのめー・に・ なっ・とる。」

こびき【木挽き】《名詞》 材木を挽き割って角材や板にすること。製材をすること。また、その仕事をする人。「こびき・さん・に・ 頼ん・で・ 木ー・を・ ひー・てもらう。」〔⇒こびきひき【木挽き挽き】

こびきひき