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2017年1月31日 (火)

【掲載記事の一覧】

 新年になってからも、「奥の細道を読む・歩く」と、「【書籍版】『明石日常生活語辞典』」との2本立てを続けました。それ以外の記事はありません。「奥の細道を読む・歩く」の記事は2月の下旬でいったん終わります。象潟を経て酒田までです。

 糸魚川の大火には心を痛めました。日本海側の大雪もたいへんなことだろうと思います。これから歩くことにしている地域の様子はいろいろ気になります。酒田からの旅は3月下旬に再開し、秋までには大垣にたどりつく予定です。

 ブログをお読みくださってありがとうございます。

 お気づきのことなどは、下記あてにメールでお願いします。

 gaact108@actv.zaq.ne.jp

 これまでに連載した内容の一覧を記します。

 

◆奥の細道を読む・歩く ()(153)~継続予定

    [2016年9月1日開始~ 最新は2017年1月31日]

 

◆【明石方言】 明石日常生活語辞典 ()(2274)~継続予定

    [2009年7月8日開始~ 最新は2017年1月31日]

 

◆日本語への信頼 ()(261)~継続予定

    [2015年6月9日開始~ 最新は2016年7月8日]

 

◆名寸隅舟人日記 ()(16)~継続予定

    [2016年1月1日開始~ 最新は2016年4月2日]

 

◆新・言葉カメラ ()(18)~継続予定

    [201310月1日開始~ 最新は20131031日]

 

◆名寸隅の記 ()(138)~継続予定

    [2012年9月20日開始~ 最新は2013年9月5日]

 

……【以下は、連載を終了したものです。】……………………

 

◆名寸隅の船瀬があったところ ()()

    [2016年1月10日~2016年1月14日]

 

◆言葉カメラ ()(385)

    [2007年1月5日~2010年3月10日]

 

◆『明石日常生活語辞典』写真版 ()()

    [2010年9月10日~2011年9月13日]

 

◆新西国霊場を訪ねる ()(21)

 2014年5月10日~2014年5月30日]

 

◆放射状に歩く ()(139)

 2013年4月13日~2014年5月9日]

 

◆百載一遇 ()()

    [2014年1月1日~2014年1月30日]

 

◆茜の空 ()(27)

    [2012年7月4日~2013年8月28日]

 

◆国語教育を素朴に語る ()(51)

    [2006年8月29日~20071212日]

 

◆改稿「国語教育を素朴に語る」 ()(102)

    [2008年2月25日~2008年7月20日]

 

◆消えたもの惜別 ()(10)

    [2009年9月1日~2009年9月10日]

 

◆地名のウフフ ()()

    [2012年1月1日~2012年1月4日]

 

◆ことことてくてく ()(26)

    [2012年4月3日~2012年5月3日]

 

◆テクのろヂイ ()(40)

    [2009年1月11日~2009年6月30日]

 

◆神戸圏の文学散歩 ()()

    [20061227日~20061231日]

 

◆母なる言葉 ()(10)

    [2008年1月1日~2008年1月10日]

 

◆六甲の山並み[言葉つれづれ] ()()

   [20061223日~20061226日]

 

◆おもしろ日本語・ふしぎ日本語 ()(29)

    [2007年1月1日~2009年6月4日]

 

◆西島物語 ()()

    [2008年1月11日~2008年1月18日]

 

◆鉄道切符コレクション ()(24)

    [2007年7月8日~2007年7月31日]

 

◆足下の観光案内 ()(12)

    [20081114日~20081125日]

 

◆写真特集・薔薇 ()(31)

    [2009年5月18日~2009年6月22日]

 

◆写真特集・さくら ()(71)

    [2007年4月7日~2009年5月8日]

 

◆写真特集・うめ ()(42)

    [2008年2月11日~2009年3月16日]

 

◆写真特集・きく ()()

    [20071127日~20081113日]

 

◆写真特集・紅葉黄葉 ()(19)

    [200712月1日~20081215日]

 

◆写真特集・季節の花 ()()

    [2007年5月8日~2007年6月30日]

 

◆屏風ヶ浦の四季 [2007年8月31日]

 

◆昔むかしの物語 [2007年4月18日]

 

◆小さなニュース [2008年2月28日]

 

◆辰の絵馬    [2012年1月1日]

 

◆しょんがつ ゆうたら ええもんや ()(13)

    [2009年1月1日~2010年1月3日]

 

◆文章の作成法 ()()

    [2012年7月2日~2012年7月8日]

 

◆朔日・名寸隅 ()(19)

    [200912月1日~2011年6月1日]

 

◆江井ヶ島と魚住の桜 ()()

    [2014年4月7日~2014年4月12日]

 

◆教職課程での試み ()(24)

    [2008年9月1日~2008年9月24日]

 

◆相手を思いやる姿勢と、自分を表現する力 ()()

    [200610月2日~200610月4日]

 

◆学力づくりのための基本的な視点 ()()

    [200610月5日~20061011日]

 

◆教員志望者に必要な読解力・表現力 ()(18)

    [20061016日~200611月2日]

 

◆教職をめざす若い人たちに ()()

    [2007年6月1日~2007年6月6日]

 

◆これからの国語科教育 ()(10)

    [2007年8月1日~2007年8月10日]

 

◆現代の言葉について考える ()()

    [2007年7月1日~2007年7月7日]

 

◆自分を表現する文章を書くために ()(11)

    [20071020日~20071030日]

 

◆兵庫県の方言 ()()

    [20061012日~20061015日]

 

◆暮らしに息づく郷土の方言 ()(10)

    [2007年8月11日~2007年8月20日]

 

◆姫路ことばの今昔 ()(12)

    [2007年9月1日~2007年9月12日]

 

◆私の鉄道方言辞典 ()(17)

    [2007年9月13日~2007年9月29日]

 

◆高校生に語りかけたこと ()(29)

    [200611月9日~200612月7日]

 

◆ゆったり ほっこり 方言詩 ()(42)

    [2007年2月1日~2007年5月7日]

 

◆高校生に向かって書いたこと ()(15)

    [200612月8日~20061222日]

 

◆1年たちました ()()

    [2007年8月21日~2007年8月27日]

 

◆明石焼の歌 ()()

    [2007年8月28日~2007年8月30日]

 

◆中山道をたどる ()(424)

    [201311月1日~2015年3月31日]

 

◆日光道中ひとり旅 ()(58)

    [2015年4月1日~2015年6月23日]

 

◆奥州道中10次 ()(35)

    [20151012日~20151121日]

 

◆失って考えること ()()

    [2012年9月14日~2012年9月19日]

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奥の細道を読む・歩く(153)

大石田③

 

 県道30号に出て、北に進むと、西光寺に行き着きます。大きな門には左右に真っ赤な仁王像があります。細かさに欠ける像ですが、これは1868(慶應4年)に町の船大工たちが刻みあげたものだと言います。

 本堂から裏手に回っていくと、3つの石碑に屋根がかけられています。真ん中が「さみだれをあつめてすゞしもがみ川」の芭蕉句碑です。これは、1769(明和6年)に建てられた句碑の副碑として1975(昭和50)に作られたものですから、新しいものです。

 本堂の近くに小さな芭蕉像があります。目深に頭巾を被って、ちょっと首を傾げて何かを見つめている姿です。屋外に設置されているものとしては、これまで見てきた芭蕉像の中でも最小のものです。

 句碑の建立場所については、ちょっと疑問になることがあります。東北地方にとっては芭蕉と「奥の細道」は観光資源としては恰好のものですから、あちらこちらに芭蕉像や芭蕉句碑があります。同一の句の碑が複数作られたりもしています。また、曾良もずいぶん優遇されて碑が作られています。それに異を唱えるつもりはありません。

 けれども、「五月雨をあつめて早し最上川」の句碑は、芭蕉の足跡を追って旅をしている私たちにとっては、「奥の細道」の文章の流れに沿って、大石田や本合海よりもっと下流の地域に建立してある方が嬉しいと思います。大石田で「あつめてすゞし」の句形が作られていたとしても、です。

 最上河畔へ来たときとは別の道を通って大石田駅に戻ります。途中に「かおり風景100選 大石田そば街道」という看板が目に入ります。これは2001(平成13)に環境省が選定したものです。大石田は古くからそばの栽培が盛んでした。そばの花には強い香りはありませんが、石臼等でひいて粉にするときに独特の香りを発するようになります。大石田はさほど広い町ではなく、人口も7500人ほどですが、町内に十数軒の手打ちそばの店があるようです。

 なお「かおり風景100選」に選ばれている風景で「奥の細道」に関係ある場所のものとしては、草加せんべい醤油の香り、須賀川牡丹園の牡丹焚き火、那須八幡のツツジ、羽黒山南谷の蘇苔と杉並木などがあります。

 大石田からは山形新幹線で帰途につきます。昨日・今日と歩き続けて、日山温泉(赤倉温泉駅近く)から大石田駅までは、交通機関を使うことなく、自分の足でたどり着きました。鉄道を使って一部区間を短絡することも組み込みますが、長い区間を続けざまに歩くと旅の成就感はいっそう強くなります。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (276)    (通算2274回)

日常生活語 「せ」⑦

 

せめる【責める】《動詞・マ行下一段活用》 相手の失敗や罪をとがめて、反省を促したり償いを求めたりする。なじったりして相手を苦しめる。しきりに要求する。「子ども・を・ せめ・たら・ あか・ん・よ。」

セメン〔せめん〕【英語=cementの省略形】《名詞》 建築材料などとして使うための、石灰岩と粘土を混ぜて焼き粉末にしたもの。「一日・ 置い・たら・ せめん・が・ 固まっ・た。」〔⇒セメント【英語=cement

セメン〔せめん〕【ラテン語=semen cinaeの省略形】 子供などに飲ませ回虫駆除薬。「天王寺・の・ せめん菓子」

セメント〔せめんと〕【英語=cement】《名詞》 建築材料などとして使うための、石灰岩と粘土を混ぜて焼き粉末にしたもの。「せめんと・で・ 壁・を・ 作る。」〔⇒セメン【英語=cementの省略形】

せり【芹】《名詞》 春の七草の一つで、湿ったところに生えて、葉や茎に強い香りがあり食用となる草。「いい・ 香り・の・ する・ せり」

せりあう【競り合う】《動詞・ワア行五段活用》 互いに負けまいと激しくきそいあう。「きょうだい・で・ せりおー・とる。」〔⇒せる【競る】

せる【競る】《動詞・ラ行五段活用》 ①互いに負けまいときそいあう。「阪神・と・ 巨人・が・ せら・ん・ こと・に・は・ 面白・ない・なー。」②混み合う。広くないところに詰め合う。「狭い・ ところ・に・ みんな・が・ せっ・て・ 座っ・とる。」⇒せりあう【競り合う】

セルロイド〔せるろいど〕【英語=celluloid】《名詞》 文房具やおもちゃなどの材料となる、植物の繊維から作る化学的な物質。「せるろいど・で・ でけ・た・ キューピー」◆燃えやすいので、今では、他の材質のものに取って代わられてしまっている。

ゼロ〔ぜろ〕【英語=zero】《名詞》 ①数がまったくないこと。正でも負でもない数字。「ずーっと・ ぜろ・ばっかり・が・ 続い・とる・ 野球・の・ 試合・は・ おもろー・ない・なー。」②能力などがまったくないこと。「指導力・は・ ぜろ・や。」〔⇒れい【零】

セロハン〔せろはん〕【フランス語=cellophane】《名詞》 透き通った、薄い紙のようなもの。「色付き・の・ せろはん」

せわ【世話】《名詞、動詞する》 ①気を配って、人の面倒を見ること。人のために力を尽くすこと。「入院し・とる・ 親・の・ せわ・を・ する。」②間を取り持つこと。人と人とを関係づけること。「お前・の・ 嫁はん・を・ わし・が・ せわし・たる・わ。」

せわ【世話】《形容動詞や()》 手数がかかって煩わしい様子。込み入って面倒な様子。人の面倒を見るのに手数がかかる様子。「せわや・けど・ なんとか・ 頼む・わ。」「わざわざ・ 役場・まで・ 行か・んならん・の・は・ せわな・ こと・や。」「あの・ 話・は・ せわやっ・た・さかい・ 断わっ・たら・ よかっ・た・なー。」「何やかや・ 頼み・に・ 来る・ せわな・ 人・や。」〔⇒やっかい【厄介】

せわがやける【世話が焼ける】《動詞・カ行下一段活用》 面倒で手数がかかる。「一人・で・ でけ・へん・の・か。せわがやける・ やつ・や・なー。」

せわしい〔せわしー〕【忙しい】《形容詞》 ①しなければならないことが重なって、ゆっくりする暇がない。「今日・は・ 仕事・が・ ぎょーさん・ あっ・て・ せわしー・ 日ー・やっ・た。」②動きなどが速くて落ち着かなく、ゆったりしていない。「せわしー・ 人・や・なー。もー・ ちょっと・ 落ち着い・たら・ えー・のに。」〔⇒いそがしい【忙しい】、せわしない【忙しない】、せからしい【急からしい】

せわしない【忙しない】《形容詞》 ①しなければならないことが重なって、ゆっくりする暇がない。「ここ・ 一週間・ほど・は・ せわしない・ 日ー・が・ 続い・とる・ねん。」②動きなどが速くて落ち着かなく、ゆったりしていない。「せわしない・ 話し方・を・ する・さかい・ よー・ わから・なんだ。」「せわしない・ 歩き方・を・ する・ 人・や・なー。」◆「せわしい【忙しい】」の強調表現としての「せわしない【忙しない】」と言う。〔⇒いそがしい【忙しい】、せわしい【忙しい】、せからしい【急からしい】

せわずき【世話好き】《形容動詞や()、名詞》 他の人の面倒を見るのが好きな様子。また、そのような人。「せわずきな・ おばちゃん」

せわにん【世話人】《名詞》 会や催しの中心になって面倒を見る人。「忘年会・の・ せわにん・を・ 決める。」

せわやき【世話焼き】《名詞》 ①進んであれこれと他人の面倒を見ること。頼まれもしないのに他人のために尽力すること。また、そのような人。「せわやき・の・ 人・が・ おっ・てくれ・たら・ ありがたい・のに・なー。」②人が嫌がるほど、面倒を見ようとする人。おせっかい。「うち・の・ 母親(はほや)・は・ せわやき・で・ うるさい・ねん。」

せわ()やく【世話を焼く】《動詞・カ行五段活用》 進んであれこれと他人の面倒を見る。「親・に・ 何でもかんでも・ せわをやい・てもろー・とる。」■名詞化=せわやき【世話焼き】

せん【線】《名詞》 ①点が動いた跡が、連なったもの。「鉛筆・で・ せん・を・ 引く。」②糸のように、細長く続くもの。「せん・に・ なっ・て・ 並ん・どる。」③電車、バスや、道路の通る経路。「隣・の・ せん・に・ 乗り換える。」「山陽せん・の・ 電車」。④人の度量や性格などから受ける感じ。「せん・の・ 細い・ 人」①②③⇒すじ【筋】

せん【栓】《名詞》 ①瓶などの口につけて、中身が漏れないようにするもの。「葡萄酒・の・ 瓶・の・ せん・が・ なかなか・ 開か・へん。」②外のものが入ってくるのを防ぐためのもの。「耳・に・ せん・を・ する。」③水道管やガス管などに取り付けて、流れる量の調節をしたり開閉をしたりするためのもの。蛇口。「水道・の・ せん・から・ 水・が・ ぽたぽた・ 落ち・とる。」①②⇒つめ【詰め】、ふた【蓋】①③⇒かぶせ【被せ】⇒キャップ【英語=cap⇒コック【英語=cock

せん【先】《名詞》 現在をさかのぼった以前のこと。「あんた・と・は・ せん・に・ 会()ー・た・ こと・が・ おまし・た・なー。」

せん【千】《名詞》 数の単位で、百の10倍。十の100倍。「1個・ せん・円・で・ 買える。」

せん【銭】《助数詞》 お金の単位で、1円の100分の1にあたるもの。「100円・で・ 200個・ ある・ん・やっ・たら・ 1個・ 50せん・や。」

ぜん【膳】《名詞》 ①食べ物を載せる、一人用の小さな台。「仏さん・の・ おぜん」②折り畳みができる、脚の付いた低い食卓。卓袱台。「おぜん・を・ 畳む。」③客に向けて準備した、台に乗せて整えた食事。「10人分・の・ ぜん・を・ 注文する。」〔⇒おぜん【お膳】

ぜん【前】《名詞》 ①現在から隔たった、過去のある時期。「ぜん・は・ 去年・に・ 会い・まし・た・かいな。」②反復したり継続したりすることがらの、この前のとき。今回のひとつ前のとき。「ぜん・は・ どこ・まで・ お話し・まし・た・か。」〔⇒まえど【前度】、まいど(前度)⇒まえ【前】、まい()⇒ぜんかい【前回】、まえのかい【前の回】、まいのかい(前の回)

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2017年1月30日 (月)

奥の細道を読む・歩く(152)

大石田②

 

 乗舩寺からさらに下っていくと、いよいよ最上川に出会います。大橋は、その名の通り大きな鉄橋です。折しも工事をしていますが、対岸(左岸)まで渡って、引き返します。渡るにつれて最上川が広がります。最上川は日本三急流のひとつですが、このあたりではゆったりと流れています。波立っているところはありません。五月雨(梅雨)の季節には違った姿を見せるのかもしれません。芭蕉が最上川下りの舟に乗るのは本合海で、それはここからはだいぶ下流の地点です。

 手前(右岸)を振り返ると舟役所が見えます。大石田は最上川舟運の中枢ですから1792(寛政4年)に幕府の舟役所が設置されましたが、川縁にその建物が復元されています。また、堤防に沿って石垣や塗り壁を連ねて、600メートルにもわたる壁画が描かれています。

 対岸にある「大石田塀蔵の実物模型」という説明板によれば、最上川の洪水はたびたび起こり、築堤の必要に迫られたと書いてあります。もともとは自然堤防であったものを防災のために工事をして、石垣・塗り壁や舟役所なども整備・復元されたのでしょう。観光客には喜ばれるものとなったのでしょうが、芭蕉の頃の景色とはだいぶ違ったものになっているのでしょう。河原に下りてみると、石垣・塗り壁は見上げる高さになっています。加藤さんは、橋の中ほどで、しばらくスケッチします。工事中だから、かえって立ち止まれる場所があります。

 右岸の堤防上の道を少し歩くと、「芭蕉翁真蹟歌仙〝さみだれを〟の碑」という小さな木柱があります。堤防を下りて、細い道を入ります。説明板には、「芭蕉翁は、元禄二年に大石田を訪れ、新古ふた道に踏み迷っている、一榮と川水に俳諧の指導をしました。そして、出来ましたのが歌仙〝さみだれを〟といわれる一巻です。芭蕉翁は、自ら筆を執ってこの歌仙を書きました。」と書いてあります。「奥の細道」300年を記念して建てられた碑には、芭蕉・曾良・一榮・川水がそれぞれ9句ずつ、一榮宅で催された36句の歌仙のうち、初折の表6句、名残の裏6句、奥書が刻まれています。

 「奥の細道」の文章、「爰に古き誹諧の種こ ぼれて、忘れぬ花のむかしをしたひ、芦角一声の心をやはらげ、此道にさぐりあしして、新古ふた道にふみまよふといへども、みちしるべする人しなければと、わりなき一巻残しぬ。」といのが、これのことです。その時の芭蕉の表発句が「さみだれをあつめてすゞしもがみ川」として、この碑に刻まれているのです。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (275)    (通算2273回)

日常生活語 「せ」⑥

 

せなかあわせ〔せなかあーせ〕【背中合わせ】《名詞、形容動詞や()》 2つのものや2人が、背と背を向け合って、互いに後ろ向きになっていること。「せなかあわせに・ 座っ・とっ・て・ お互い・ 気・が・ つか・なんだ。」「せなかあわせに・ 住ん・どる。」■対語=「むかいあわせ【向かい合わせ】」

ぜに【銭】《名詞》 紙幣と貨幣を合わせたもの。金銭。また、特に、金属で作られた貨幣。「札・が・ 無()ー・て・ ぜに・しか・ 持っ・とら・へん。」「ぜに・を・ 儲け・なんだら・ 生き・ていか・れ・へん。」〔⇒ぜぜ()、じぇに()、かね【金】、おかね【お金】

せのび【背伸び】《名詞、動詞する》 ①爪先を立てて伸び上がること。背を伸ばしてできる限り身長や目の位置を高くすること。「せのびし・たら・ 海・が・ 見え・た。」②自分の力以上のことをしようと、無理をすること。「せのびし・たって・ 合格・は・ 無理や。」

せばい(狭い)】《形容詞》 ①ものとものとの間隔や隙間が小さい。空間や面積に余裕がない。「机・の・ 上・が・ せばい。」②仕切られた幅が小さい。「村・の・ 中・の・ 道・が・ せばい。」③及ぶ範囲が小さい。「せまい・ 所(から)・しか・ 買い・に・ 来・てくれ・へん。」■対語=「ひろい【広い】」■名詞化=せばさ(狭さ)〔⇒せまい【狭い】

せばくるしい〔せばくるしー〕(狭苦しい)】《形容詞》 面積や間隔が小さくて、周りとの間でゆとりがなく、不自由な感じがする。「せばくるしー・ 廊下」〔⇒せまくるしい【狭苦しい】、せまくろしい(狭苦しい)、せばくろしい(狭苦しい)、せせこましい〕

せばくろしい〔せばくろしー〕(狭苦しい)】《形容詞》 面積や間隔が小さくて、周りとの間でゆとりがなく、不自由な感じがする。「物・を・ いっぱい・ 並べ・て・ せばくろしー・ 店・や・なー。」〔⇒せまくるしい【狭苦しい】、せまくろしい(狭苦しい)、せばくるしい(狭苦しい)、せせこましい〕

せばさ(狭さ)】《名詞》 面積の小ささ。面積の小ささの程度。面積が小さいこと。「あの・ 球場・の・ せまさ・やっ・たら・ ホームラン・が・ よー・ 出る。」■対語=「ひろさ【広さ】」〔⇒せまさ【狭さ】

せばまる【狭まる】《動詞・マ行五段活用》 面積や間隔などが小さくなる。「道・が・ だんだん・ せばまっ・た。」■自動詞は「せばめる【狭める】」■対語=「ひろがる【広がる】」

せばめる(狭める)】《動詞・マ行下一段活用》 面積や間隔などを小さくする。「筒・の・ 口・を・ せばめ・て・ 落ち・ん・よーに・ する。」■自動詞は「せばまる【(狭まる)】」■対語=「ひろげる【広げる】」

せび()】《名詞》 幼虫のとき数年以上は土中で木の根の養分を吸って生活し、成虫になった夏には木にとまって、雄は高い声で鳴く昆虫。「せび・が・ 飛ん・でき・て・ 木ー・に・ とまっ・た。」〔⇒せみ【蝉】、せみせみ【蝉々】、せびせび(蝉々)

せびせび(蝉々)】《名詞》 幼虫のとき数年以上は土中で木の根の養分を吸って生活し、成虫になった夏には木にとまって、雄は高い声で鳴く昆虫。「せびせび・が・ ジャンジャン・ 鳴い・とる。」◆幼児語。〔⇒せみ【蝉】、せび()、せみせみ【蝉々】

せびりとる【せびり取る】《動詞・ラ行五段活用》 金品をうるさく、ねだって取る。せがんで奪う。「子ども・に・ 学費・を・ せびりとら・れ・とる。」

せびる《動詞・ラ行五段活用》 金品をうるさく、ねだる。せがむ。「旅行・に・ 行く・ 言()ー・て・ 子ども・に・ 金・を・ せびら・れ・た。」

せびろ【背広。英語=civil clotherの日本語形】《名詞》 折り襟で腰までの丈の上着と、同じ布地で作ったズボンを合わせた、男性用の通常服。「せびろ・ 着・て・ ネクタイ・ 締める。」

せぼね【背骨】《名詞》 人や獣や魚などの体の中心部や背中を通って中軸になっている骨。「鯛・の・ せぼね・は・ 堅い。」

せまい【狭い】《形容詞》 ①ものとものとの間隔や隙間が小さい。空間や面積に余裕がない。「台所・が・ せまー・て・ 困っ・とる。」②仕切られた幅が小さい。「行・の・ 間・が・ せまい・さかい・ 字ー・が・ 書きにくい。」③及ぶ範囲が小さい。「顔・が・ せまい・さかい・ 知っ・とる・ 人・が・ 少ない。」■対語=「ひろい【広い】」■名詞化=せまさ【狭さ】〔⇒せばい(狭い)

せまくるしい〔せまくるしー〕【狭苦しい】《形容詞》 面積や間隔が小さくて、周りとの間でゆとりがなく、不自由な感じがする。「欄・が・ せまくるしー・て・ 字ー・を・ 書きにくい。」「せまくるしー・ 店」〔⇒せまくろしい(狭苦しい)、せばくるしい(狭苦しい)、せばくろしい(狭苦しい)、せせこましい〕

せまくろしい〔せまくろしー〕(狭苦しい)】《形容詞》 面積や間隔が小さくて、周りとの間でゆとりがなく、不自由な感じがする。「せまくろしー・ 家・に・ 来・てもろ・て・ すんまへん・なー。」〔⇒せまくるしい【狭苦しい】、せばくるしい(狭苦しい)、せばくろしい(狭苦しい)、せせこましい〕

せまさ【狭さ】《名詞》 面積の小ささ。面積の小ささの程度。面積が小さいこと。「部屋・が・ 3つ・しか・ ない・ せまさ」■対語=「ひろさ【広さ】」〔⇒せばさ(狭さ)

せまる【迫る】《動詞・ラ行五段活用》 ①時間的に、または空間的に近づく。もう少しで届きそうになる。「原稿・の・ 締め切り・の・ 日ー・が・ せまっ・とる。」②間隔や幅が小さくなる。「家・の・ 後ろ・に・ 崖・が・ せまっ・とる。」◆他を圧するようになっているという印象が伴う言葉である。

せみ【蝉】《名詞》 幼虫のとき数年以上は土中で木の根の養分を吸って生活し、成虫になった夏には木にとまって、雄は高い声で鳴く昆虫。「せみ・が・ 飛ん・でき・て・ 木ー・に・ とまっ・た。」〔⇒せび()、せみせみ【蝉々】、せびせび(蝉々)

せみせみ【蝉々】《名詞》 幼虫のとき数年以上は土中で木の根の養分を吸って生活し、成虫になった夏には木にとまって、雄は高い声で鳴く昆虫。「ほら、せみせみ・が・ とまっ・とる。」◆幼児語。〔⇒せみ【蝉】、せび()、せびせび(蝉々)

せみせみ《副詞》 蝉の鳴く様子。また、その声。「朝っぱら・から・ せみせみ・ ゆー・て・ 鳴い・て・ やかましー・ こと・や。」

せめこむ【攻め込む】《動詞・マ行五段活用》 押し寄せて敵の陣地に入っていく。「ボール・を・ 蹴っ・て・ せめこん・だ。」

せめて《副詞》 それだけでは十分ではないが、少なくともそれだけは、という気持ちを表す言葉。最低限それだけは。「せめて・ 遅刻・だけ・は・ せ・ん・よーに・ し・てんか。」

せめる【攻める】《動詞・マ行下一段活用》 ①敵対する相手をうち破ろうとして積極的に戦いをしかける。「両側・から・ 挟ん・で・ せめる。」②押し寄せて相手に迫ろうとする。「蚊ー・に・ せめら・れ・て・ 寝ら・れ・なんだ。」■名詞化=せめ【攻め】■対語=①「まもる【守る】」

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2017年1月29日 (日)

奥の細道を読む・歩く(151)

大石田①

 

 「最上川のらんと大石田と云所に日和を待。爰に古き誹諧の種こぼれて、忘れぬ花のむかしをしたひ、芦角一声の心をやはらげ、此道にさぐりあしして、新古ふた道にふみまよふといへども、みちしるべする人しなければと、わりなき一巻残しぬ。このたびの風流、爰に至れり。」

 「奥の細道」は、尾花沢、立石寺、大石田…という順序になっています。

 私たちの今回の旅は、尾花沢から大石田へ歩いて、大石田を見て回った後、新幹線・大石田駅から帰途につくという計画です。立石寺は次回の旅で訪れる予定です。

 素英の生前墓を見た後、その北にある交差点を左折して西に向かいます。住宅前という普通名詞のようなバス停を過ぎ、県立高校の横を通って、東北中央自動車道を越えて、35分ほど歩くと道路は大石田町に入りますが、そこから5分で大石田駅に着きます。地下道をくぐって駅の表側に出ます。駅には「大石田町へようこそ よぐござったなっす~」と書いてあります。もう一枚には「大石田・尾花沢さ よくござってけだなっすー」と書いてあります。

 芭蕉は最上川下りに都合のよい天候を待つために大石田で3泊していますが、曾良随行日記によれば、それほどの悪天候ではなかったようです。むしろ俳諧の愛好者たちと交流し指導するために時間を費やしたからであったのかもしれません。

 大石田の駅構内が狭苦しく感じられるのに対して、駅前はそれに似つかわしくないほど広々としています。左手に向かって歩き、大石田中学校の前を通って、坂道を下っていくと、やがて乗舩寺に着きます。

 大石田は最上川が重要な水運の役割を果たしていた頃、その河岸として栄えました。文学者としては斎藤茂吉が1946(昭和21)1月から翌年11月まで大石田で疎開生活を送っていますし、神戸生まれの洋画家の金山平三も移り住んで茂吉と親交を結んでいます。乗舩寺には斎藤茂吉の墓があります。茂吉の墓は、東京の青山墓地と、生地の上山市と、大石田の3か所にあります。茂吉は1953(昭和28)2月に没していますが、ここの墓はそれより20年近く後に作られています。境内には、斎藤茂吉の「最上川逆白波のたつまでにふゞくゆふべとなりにけるかも」の歌碑、正岡子規の「ずんずんと夏を流すや最上川」句碑も建立されています。 また、この寺には高桑川水家の墓碑があります。大石田の大庄屋を務めた家の初代から5代までの墓が並んでいます。曾良随行日記によれば、五月廿八日の山寺からの帰途に「上飯田より壱リ半。川水出合。」とあり、六月朔日には「大石田を立。一榮・川水、阿弥陀堂迄送ル。」とあるように、川水は大石田滞在中を含めて芭蕉を接待しています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (274)    (通算2272回)

日常生活語 「せ」⑤

 

せたかのっぽ〔せーたかのっぽ〕【背高のっぽ】《名詞、形容動詞や()》 背が水準を超えて高いこと。細くて背がたいへん高いこと。また、そのような人。「せーたかのっぽ・は・ バスケット・を・ し・たら・ とくや。」「えらい・ せーたかのっぽ・の・ 小学生・や・なー。」〔⇒のっぽ〕

せたけ【背丈】《名詞》 ①背の高さ。「6尺・ほど・の・ せたけ・の・ 人」②衣服の、体の前面と背面を覆う部分。また、その長さ。「せたけ・が・ ちょっと・ 短こー・ なっ・た。」⇒しんちょう【身長】

せちがらい【世知辛い】《形容詞》 ①面倒なことが多かったり、周囲がこせこせしたりして、生きていくのがわずらわしい。「せちがらい・ 世の中・や。」②勘定が細かすぎたり、計算高かったりしている。打算的で抜け目がない。「せちがらい・ やつ・や・さかい・ 金・は・ 出し・よら・へん。」

せつ【節】《名詞》 時間の流れの中での、過去・現在・未来のある時期。「あの・ せつ・は・ いろいろ・ お世話・に・ なり・まし・た。」「うまいこと・ いか・ん・よーに・ なっ・たら・ その・ せつ・は・ 助け・て・な。」

せっかい【石灰】《名詞》 生石灰を焼いて作る白い粉。「運動場・に・ せっかい・で・ 線・を・ 引く。」〔⇒いしばい【石灰】

せっかく【折角】《副詞》 ①そのことのために努力したり、特別の心遣いで行ったりする様子を表す言葉。「せっかく・ 来・てもろ・た・のに・ あいそなし・で・ すん・まへ・ん。」②折り悪しくうまくいかない様子を表す言葉。「せっかく・です・なー、売り切れ・です。」⇒わざわざ〕

せっきょう〔せっきょー〕【説教】《名詞、動詞する》 ①堅苦しい教訓話を言って聞かせること。小言や注意を言って聞かせること。「先生・に・ 昨日・の・ こと・を・ せっきょーさ・れ・た。」②僧侶が経文の意味などを語り聞かせること。「法事・の・ 後・で・ せっきょー・を・ 聞い・た。」

せっく【節句】《名詞》 端午や七夕などの、季節の変わり目に設けられた、お祝いをする日。「桃・の・ せっく」「端午・の・ せっく」

せっけん【石鹸】《名詞》 あかや汚れを落とすために使う、油と苛性ソーダで作ったもの。「せっけん・で・ 手・を・ 洗う。」

せっけんこ〔せっけんこー〕【石鹸粉】《名詞》 汚れを落とすために使う、油とと苛性ソーダで作ったものを粉末にしたもの。「洗濯機・に・ せっけんこー・を・ 入れる。」〔⇒こなせっけん【粉石鹸】

せっこう〔せっこー〕【石膏】《名詞》 白い鉱石の粉。「せっこー・で・ 作っ・た・ 顔・を・ 見・て・ 絵・を・ 描く。」

せっし【摂氏】《名詞》 水の凍る温度を0度、沸騰する温度を100度とした温度目盛りの単位。また、それによって計る温度。「せっし・の・ 60度」◆現在では、特に断らないかぎり、温度を表す数字は「せっし【摂氏】」で行われている。■対語=「かし【華氏】」「かっし【(華氏)】」

せっしょう〔せっしょー〕【殺生】《名詞、動詞する、形容動詞や()》 ①生きている動物を殺すこと。「むやみに・ せっしょーし・たら・ あか・ん。」②思いやりがなく、むごいこと。残酷なこと。「明日・まで・に・ せー・(と・) 言()ー・て・ そら・ せっしょーや。」③出来事などの結果としてもたらされる、可哀相なことや情けないこと。「火事・に・ 遭ー・て・ せっしょーな・ こと・や。」

せっせい〔せっせー〕【摂生】《名詞、動詞する》 病気にかからないように、欲望などを慎んで、気をつけること。健康を維持するために、体を大事にすること。「せっせーし・て・ 酒・と・ 煙草・を・ 止()め・まし・てん。」■対語=「ふせっせい【不摂生】」〔⇒ようじょう【養生】

せっせっせ《唱え言葉》 相手と向かい合って、体の前で互いの両手を合わせるときに言う言葉。◆「せっせっせ」と言っておいてから、「夏も近づく八十八夜……」という歌に合わせて、手を合わせてたたき合うことなどをする。

せっせと《副詞》 休むことなく、何かを一生懸命にする様子。周りのことを気にせず、ものごとを進める様子。「せっせと・ 苗・を・ 植え・ていく。」

せった【雪駄】《名詞》 裏に皮を張ったり、かかとに金物を打ったりした草履。「せった・ 履い・た・ おっちゃん・が・ 来・た。」

せったい【接待】《名詞、動詞する》 ①やって来た客の相手をして、もてなすこと。「お客さん・の・ せったい係」②供養などのために、集まった人に少しずつの茶菓を渡すこと。「地蔵盆・に・ おせったい・を・ する。」

ぜったい【絶対】《副詞に》 ①どんな場合でもそのことが必ず起こるということを表す言葉。間違いなく必ず。「明日・の・ 天気・は・ ぜったい・ 晴れ・や。」「ぜったい・ 嘘・は・ 言()ー・とら・へん。」②決して。とうてい。「ぜったいに・ 負け・たら・ あか・ん・で。」◆後ろに打ち消しの意味か、それに相当する言葉が伴う。⇒ぜっぺ〕

せっちん【雪隠】《名詞》 大便や小便をするための設備のあるところ。「せっちん・は・ 家・の・ 外・に・ ある。」〔⇒せんち、せんちょ、べんじょ【便所】、ちょうず【手水】

せっぱつまる【切羽詰まる】《動詞・ラ行五段活用》 ものごとが行き詰まったり差し迫ったりして、どうしようもなくなる。最後のところまで来てしまって、しかたがなくなる。「せっぱつまっ・て・ 兄貴・に・ 金・を・ 借()る。」

せっぷく【切腹】《名詞、動詞する》 責任をとったり体面を保ったりするために、自分で腹を切って死ぬこと。「侍・が・ せっぷくする・ 映画・を・ 見・た。」

せつぶん【節分】《名詞》 立春の前日で2月3日頃にあたり、豆を撒いて悪鬼をはらう習慣のある日。「あっちこっち・の・ 宮・で・ せつぶん・に・は・ 豆・を・ 撒く。」〔⇒としこし【年越し】

ぜっぺ《副詞》 どんな場合でもそのことが必ず起こるということを表す言葉。間違いなく必ず。「今度・は・ 行か・なんで・も・ いつか・ ぜっぺ・ 行か・んならん・やろ。」「見・とっ・てみー。あいつ・は・ ぜっぺ・ 来る・さかいに。」〔⇒ぜったい【絶対】

せつめい〔せつめー〕【説明】《名詞、動詞する》 ことがらの内容・経緯・理由・意義などについて、相手によくわかるように話すこと。「きちんと・ せつめーし・てくれ・なんだら・ わから・へん・がな。」

せつやく【節約】《名詞、動詞する》 無駄を省いて、出費や使用量を切り詰めること。「昼飯代・を・ せつやくし・て・ 弁当・を・ 持っ・ていく。」「水道・を・ せつやくする。」

せともん【瀬戸物】《名詞》 土や石の粉で形を作り、うわぐすりを塗って焼いた器。陶磁器。「食堂・に・は・ せともん・が・ 少(すけ)のー・ なっ・て・ プラスチック・の・ 食器・が・ 増え・た。」〔⇒やきもん【焼き物】

せなか【背中】《名詞》 ①人や動物の体の後ろ側で、肩と腰の間の部分。「せなか・を・ 冷水摩擦する。」②人やものの正面とは反対の部分。人や動物の体の裏側。「カバン・の・ せなか・に・ 名前・を・ 書く。」⇒うしろ【後ろ】、おしろ(後ろ)

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2017年1月28日 (土)

奥の細道を読む・歩く(150)

尾花沢③

 

 尾花沢を歩くことはこれでお終いにして、大石田に向かおうと思うのですが、「奥の細道」に載せられている句について書いておきたいと思います。芭蕉は、尾花沢での句を3つ載せて、曾良の句を1つ紹介しています。「涼しさを我宿にしてねまる也」については既に書きました。

 尾花沢の名産である紅花は、太陽暦6~7月の頃に、アザミに似た形の紅黄色の花を付けます。その花は時間が経つと赤くなり、花から染料としての紅をとります。西南アジアの原産といわれますが、日本へは6~7世紀に渡来したようです。源氏物語に出てくる末摘花は紅花の異名で、茎の末に咲く花を摘むことに由来します。

 芭蕉が尾花沢に着いた頃は、紅花の花盛り、清風にとっては忙しい季節であったようですから、芭蕉の接待を素英に頼んだという事情があったのでしょう。清風宅での宿泊よりも養泉寺の方が多かったのもそのためであったのかもしれません。ただし清風はさまざまなもてなしの手配を整えていたことは確かでしょう。

 「這出よかひやが下のひきの声」の句は、蚕を飼っている家の床下で、声を忍ばせるようにして、ひき(大きなガマガエル)が鳴いているが、そんな陰気なところで鳴いていないで這い出して来いよ、と呼びかけている句です。旅の孤独な気持ちが、ひきの声に託されているのかもしれません。この地方は紅花の他に養蚕も盛んであったのでしょう。

 「まゆはきを俤にして紅粉の花」は、紅花は摘んで紅を作り、女性の口紅に用いたり、染料として使ったりします。眉掃は女性が使う化粧用具です。紅花は形が眉掃に似ているので、紅掃の形を真似て咲いていると詠んでいるのです。紅花から女性の化粧を連想し、化粧用具に思いを広げているのです。

 曾良の「蚕飼する人は古代のすがた哉」は、蚕の世話をしている人の簡素な姿に興味を感じた句です。作業をしている人たちの姿は大昔もこのようであったのであろうかと、昔が偲ばれると言っているのです。曾良の句は説明的ですが、清風に対する挨拶を曾良にもさせようとして、この句を並べたのかもしれません。

 さて、井本農一『奥の細道をたどる・上巻』(角川新書)には、次のような記述があります。

 

 清風のような豪家には、渡り歩きの絵師や歌よみや俳諧師が次々と訪ねよって来たことであろう。といってもちろん清風は江戸の芭蕉を知っているのだから、旅歩きの俳諧師たちよりずっと格の高い客人として遇したには相違ないであろうが、しかし又自分のたのしみの相手以上のものでなかったことも事実であろう。清風は芭蕉の世話をしたに相違ない。芭蕉主従を泊めてもてなすくらい、清風の巨冨をもってすれば、物の数ではなかった。しかし、芭蕉にかかりきりというほど熱心だったとも思われない。 (同書197ページ)

 

 紅花の繁忙期、清風宅での宿泊数の少なさ、接待を他の者に頼んだことなどの事情から見て、ここに書かれている内容を強く否定することはできませんが、芭蕉研究の中心にいた学者からの指摘はちょっと厳しすぎるように思います。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (273)    (通算2271回)

日常生活語 「せ」④

 

せきひ【石碑】《名詞》 ①亡くなった人を葬った場所に立てる、石で作った墓標。「うち・の・ 家・の・ 古い・ せきひ・の・ 字ー・が・ 読ま・れ・へん・よーに・ なっ・ても・た。」②石で作った碑。記念や由来などの言葉を書いて建てた石。「池・の・ 改修記念・の・ せきひ」〔⇒せきとう【石塔】⇒はかいし【墓石】、はか【墓】

せきゆ〔せきゆー〕【石油】《名詞》 蒸留・精製して燃料などとして用いる、地中から出る黒くどろどろした、燃えやすい液体。「また・ せきゆー・が・ 値上がりし・た。」

せきり【赤痢】《名詞》 激しい下痢と粘液性の血便に見舞われる、菌によって起こる大腸の急性伝染病。「昔・は・ よー・ せきり・が・ はやっ・た。」

せく【急く】《動詞・カ行五段活用》 ①先を急ぐような気持ちになって、いらいらして気をもむ。そのことが実現するようにと思って、気をもんで、落ちつきを失う。「せー・たら・ こけ・て・ かえって・ 遅ー・ なる。」②すぐにするように促す。人を急がせる。「せか・れ・ても・ 今日中・に・は・ でけ・へん。」③早く終わらせようとする。短い時間で終わらせようとする。そのために、気持ちがあせる。「せか・へん・ねん・けど・ そろそろ・ 払(はろ)・てもらえ・まっ・しゃろ・か。」④目的地に早く着こうとして速く歩く。速く着こうとする。「せー・たら・ 5分・で・ 駅・まで・ 行ける。」⇒せける【急ける】、あせる【焦る】、きがせく【気が急く】⇒せかす【急かす】、せかつく【急かつく】③④⇒いそぐ【急ぐ】

せく【咳く】《動詞・カ行五段活用》 風邪を引いたり、食べ物にむせたりしたときなどに、急に激しく息を吐き出す。「えらい・ せー・て・ 苦しそうや・なー。」

せける【急ける】《動詞・カ行下一段活用》 ①期限などが迫っている。「その・ 返事・(は・) せけ・ます・の・か。」②先を急ぐような気持ちになって、いらいらして気をもむ。そのことが実現するようにと思って、気をもんで、落ちつきを失う。「気持ち・が・ せけ・て・ けつまずい・て・ 怪我・を・ し・た。」⇒せく【急く】、あせる【焦る】、きがせく【気が急く】

せけん【世間】《名詞》 人々が集まって暮らしているところ。人々が生活している現実社会。自分が生きている社会。「せけん・の・ 目ー・が・ 気・に・ なる。」〔⇒よのなか【世の中】

せけんしらず【世間知らず】《名詞、形容動詞や()》 経験が乏しくて、世の中の事情や世渡りの方法などをよく知らないこと。また、そのような人。「せけんしらずで・ 挨拶・も・ よー・ せ・ん・ やつ・や。」

せけんせばい(世間狭い)】《形容詞》 他人のことを思いやる気持ちが乏しく、自己中心の考えである。周りの人々との接し方に疎くて、了見が狭い。「自分・の・ こと・ばっかり・ 言()ー・て・ せけんせばい・ 人・や。」〔⇒せけんせまい【世間狭い】

せけんせまい【世間狭い】《形容詞》 他人のことを思いやる気持ちが乏しく、自己中心の考えである。周りの人々との接し方に疎くて、了見が狭い。「せけんせまい・ こと・ 言わ・んと・ 一つ・ぐらい・ あげ・たら・ どない・や。」〔⇒せけんせばい(世間狭い)

せけんなみ【世間並み】《名詞、形容動詞や()》 世の中の他の人と同じぐらいであること。「せけんなみに・ 大学・に・も・ 行かし・てもー・た。」〔⇒ひとなみ【人並み】、しとなみ(人並み)

せけんばなし【世間話】《名詞》 世の中の出来事や他人のうわさなどについての、気楽な話。「お茶・ 飲ん・で・ せけんばなし・を・ する。」

せこい《形容詞》 ①自分の利益のために、正しくないことをする。狡猾で、横着である。「せこい・ 金儲け・を・ し・たら・ あか・ん・ぞ。」②金品を出すのを惜しんでいる。計算高い。「みみっちー・なー・ せこい・ こと・を・ せ・んとい・てんか。」〔⇒こすい。⇒すこい、ずるい【狡い】、ずるっこい【狡っこい】、すっこい、いしこい。⇒けち、けちけち、けちんぼう、けっちんぼう、いじぎたない【意地汚い】

せすじ【背筋】《名詞》 背骨に沿って縦に通っている筋肉。背中の中心線。「背筋・を・ 伸ばし・て・ 立ち・なさい。」

ぜぜ()】《名詞》 紙幣と貨幣を合わせたもの。金銭。また、特に、金属で作られた貨幣。「貯金箱・に・ ぜぜ・を・ 貯める。」「細かい・ ぜぜ・を・ 持っ・てき・とら・へん。」「何・ぞ・ ぜぜ・に・ なる・ 商売・ あら・へん・やろ・か。」◆幼児語。老人語。〔⇒ぜに【銭】、じぇに()、かね【金】、おかね【お金】

せせくりまわす〔せせくりまーす〕【せせくり回す】 ①隅々までつつくようにして、中のものを取り出す。また、そのようにして食べる。「蟹・を・ せせくりまーし・て・ 食う。」②手でやたら触ったり動かしたりする。過度にもてあそぶ。「やばたい・ 箱・や・さかい・ せせくりまーし・たら・ めげ・てまう・がな。」〔⇒せせりまわす【せせり回す】⇒いじる【弄る】、いじくる(弄る)、いらう、せせくる、せせる、いじりまわす【弄り回す】、いじくりまわす(弄り回す)、いらいまわす【いらい回す】

せせくる《動詞・ラ行五段活用》 ①つつくようにして、中のものを取り出す。また、そのようにして食べる。「爪楊枝・で・ 歯ー・を・ せせくる。」②手で触ったり動かしたりする。もてあそぶ。「庭・の・ 石・を・ せせくり・まし・てん。」■名詞化=せせくり〔⇒せせる。⇒ほじくる、ほじる、ほでくる、ほでる。⇒いじる【弄る】、いじくる(弄る)、いらう、せせる、いじりまわす【弄り回す】、いじくりまわす(弄り回す)、いらいまわす【いらい回す】、せせくりまわす【せせくり回す】、せせりまわす【せせり回す】

せせこましい〔せせこましー〕《形容詞》 ①面積や間隔が小さくて、周りとの間でゆとりがなく、不自由な感じがする。「せせこましー・ 部屋・しか・ 空い・とら・んで・ すん・まへ・ん。」②性質がこせこせしていて、ゆとりがない。おおらかに人を受け入れようとする姿勢に欠けている。「お前・の・ 考え方・は・ せせこましー・なー。」⇒せまくるしい【狭苦しい】、せまくろしい(狭苦しい)、せばくるしい(狭苦しい)、せばくろしい(狭苦しい)

せせりまわす〔せせりまーす〕【せせり回す】 ①隅々までつつくようにして、中のものを取り出す。また、そのようにして食べる。「せせりまーし・て・ 魚・の・ あら・を・ 食べる。」②手でやたら触ったり動かしたりする。過度にもてあそぶ。「せせりまーし・とっ・たら・ 風船・が・ はぜっ・ても・た。」〔⇒せせくりまわす【せせくり回す】⇒いじる【弄る】、いじくる(弄る)、いらう、せせくる、せせる、いじりまわす【弄り回す】、いじくりまわす(弄り回す)、いらいまわす【いらい回す】

せせる《動詞・ラ行五段活用》 ①つつくようにして、中のものを取り出す。また、そのようにして食べる。「魚・の・ 粗(あら)・を・ せせる。」②手で触ったり動かしたりする。もてあそぶ。「植木鉢・の・ 中・を・ せせり・過ぎ・たら・ 枯れ・てまう・ぞ。」■名詞化=せせり〔⇒せせくる。⇒ほじくる、ほじる、ほでくる、ほでる。⇒いじる【弄る】、いじくる(弄る)、いらう、せせくる、いじりまわす【弄り回す】、いじくりまわす(弄り回す)、いらいまわす【いらい回す】、せせくりまわす【せせくり回す】、せせりまわす【せせり回す】

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2017年1月27日 (金)

奥の細道を読む・歩く(149)

尾花沢②

 

 朝、芭蕉清風歴史資料館の前にある芭蕉像のところへ立ち寄ります。前日は光線が乏しくて写真がうまく撮れなかったのです。人の背丈に近い高さの大きな石の上に芭蕉像が立っています。長い杖を右手に持って、どっしりと構えた姿です。下から見上げる芭蕉の顔は、鼻筋が通って、眉毛が濃くて、ぱっちりと見開いた目です。顎がちょっと突き出たような感じですが、全体としては現代風な美男子に見えます。旅の疲れなどは感じさせず、元気はつらつという感じが漂っています。

 次の目的地は養泉寺です。歩くこと10分弱で着きます。寺の入口に最上第二十五番札所・奥の細道第十三番札所という看板が掲げられていますが、奥の細道札所というのがあるのでしょうか。他の寺で目にしなかったので、どの範囲で札所巡りをしているのかがわかりません。寺の説明板によれば、旧堂は1688(元禄元年)に新築と書いてありますから、芭蕉が来たときには新しい木の香りが漂っていたことでしょう。

 仁王門をくぐると、木立に囲まれた境内に、銅板葺きの小さなお堂が建っています。その前に「涼しさを我宿にしてねまる也」の句碑があり、涼し塚と書いてあります。清風宅と同じように、この寺にも身を寄せて、くつろいだ時間を過ごしたのでしょう。芭蕉ゆかりの井戸というのもあります。芭蕉は養泉寺に7泊もしたようですが、寺は1895(明治28)の大火で類焼して、往時の面影が失せたようで、この外井戸だけが芭蕉当時を偲ぶ唯一のものだ書いてありますから、寂しい限りです。「十泊のまち尾花沢 芭蕉翁」と書いた石碑があり、芭蕉・清風・曾良・素英の4人の句を並べて刻んだ歌仙の碑も建っています。

 寺の前の民家と見えるところに御朱印受け所と書いてありますので、朱印を受けます。三井さんというお宅です。ただし、朱印帳に書いてもらうのではなく、出来上がっている紙片を貼り付けてくださいということでした。

 知教寺という寺の前を通り、本堂伽藍が清風の私財によって建立されたという念通寺に立ち寄り、村川素英の生前墓があるところを目指します。

 素英は、芭蕉の尾花沢滞在中に、忙しい清風に代わって接待役を務めたといわれる俳人で、養泉寺に刻まれている4人の句のひとりです。生前墓は、観音堂の近くにあって、四角い石が土に埋められています。土の上に出ているのは一辺30センチ程度の立方体ですが、側面に刻まれている文字の一部が見えています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (272)    (通算2270回)

日常生活語 「せ」③

 

せいめいほけん〔せーめーほけん〕【生命保険】《名詞》 死亡したり、ある年齢に達したりしたときに支払いを受ける約束を取り交わして、契約者が決められた金額を一定期間継続して払い込むする保険。「せーめーほけん・が・ 満期・に・ なっ・た。」

せいもん〔せーもん〕【正門】《名詞》 正面にある門。正式な門。「会社・の・ せーもん・の・ 脇・に・ ある・ 公衆電話」■対語=「うらもん【裏門】」〔⇒おもてもん【表門】

せいよう〔せーよー〕【西洋】《名詞》 日本やアジア地域から見て、ヨーロッパやアメリカなどの国々や地域を指して言う言葉。「せーよー・の・ 家・の・ 建て方」■対語=「とうよう【東洋】」

せいり〔せーり〕【整理】《名詞、動詞する》 ①散らかっているものを整えるようにすること。「せーり・が・ 行き届い・とる。」②要らないものを捨てること。無駄を省いて物事がうまくいくように処理をすること。「せーりし・て・ 廃品回収・に・ 出す。」⇒せいとん【整頓】、きれいきれい(する)【綺麗綺麗(する)

せいりょく〔せーりょく〕【精力】《名詞》 ものごとを次々と成し遂げていく、心や体の元気さや活動力。「年・ とっ・て・ せーりょく・が・ 無()ー・ なっ・てき・た。」

せいれつ〔せーれつ〕【整列】《名詞、動詞する》 一定の順序などに従って、列を作ってきちんと並ぶこと。「せーれつし・て・ 改札口・を・ 通る。」

せいろう〔せーろー、せーろ〕【蒸籠】《名詞》 木製の枠の下にすのこを敷いたもので、湯を沸かした釜の上に載せて、ものを蒸すための道具。「せーろ・で・ 蒸し・た・ 饅頭」

セーター〔せーたー〕【英語=sweater】《名詞》 頭からかぶって着る、毛糸で編んだ上着。「寒い・さかい・ せーたー・を・ 着る。」

セーフ〔せーふ〕【英語=safe】《名詞》  ①遊びやスポーツで、塁に出ることが認められたり、安全圏にあったりすること。「バンドし・て・ 1塁・に・ 走っ・て・ せーふ・に・ なっ・た。」②遊びやスポーツで、失敗や失格ではないと判定されたり判断されたりすること。「マラソン・の・ 道・を・ 間違え・た・けど・ 元・に・ 戻っ・て・ 走り直し・た・さかい・ せーふ・やっ・た。」■対語=「アウト【英語=out】」

せか《名詞》 忙しそうで、落ち着かない態度の人。慌て者。先々のことに気を回す人。「せか・や・さかい・ よー・ じっと・ し・とら・れ・へん。」

せかい【世界】《名詞》 ①地球全体の国家や地域の集まり。「せかい・の・ 歴史」②同類であると思われるもので作っている集まり。「昆虫・の・ せかい」

せかす【急かす】《動詞・サ行五段活用》 すぐにするように促す。人を急がせる。「そない・ せかし・たら・ 失敗する・やん・か。」〔⇒せかつく【急かつく】、せく【急く】

せかせか《副詞と、動詞する》 ①落ち着かない感じで動き回ったり、忙しくものごとに取り組んだりしている様子。「せかせか・ 動き回る。」「今日・は・ 一日中・ せかせかし・とっ・てん。」「せかせかし・た・ もの・の・ 言い方・を・ する・ 人・や・なー。」②先々のことに気を回す様子。「来年・の・ こと・を・ せかせか・ 考え・ん・よーに・ し・なはれ。」

せかつく【急かつく】《動詞・カ行五段活用》 ①忙しそうにして、落ち着きなく動く。「せかつか・んと・ 落ち着き・なはれ。」②すぐにするように促す。人を急がせる。「そないに・ せかつか・んとい・てー・な。」⇒せかす【急かす】、せく【急く】

せからしい〔せからしー〕【急からしい】《形容詞》 ①早くしようと思って、焦って急ぐような気持ちになっている。「明日・まで・に・ 作ら・んなら・ん・さかい・ せからしー・ねん。」②しなければならないことが重なって、ゆっくりする暇がない。「あんた・は・ 今日・ せからしー・に・ し・とっ・てや・さかい・ 明日・ 来・ます・わ。」③動きなどが速くて落ち着かなく、ゆったりしていない。「せからしー・ 歩き方・を・ する・ 人・や。」②③⇒せわしい【忙しい】、せわしない【忙しない】、いそがしい【忙しい】

せがれ【倅】《名詞》 自分の息子のことを、へりくだって言う言葉。「せがれ・も・ 成人式・や・ねん。」

せき【咳】《名詞、動詞する》 風邪を引いたり、食べ物にむせたりしたときなどに、急に激しく吐き出される息。「せき・が・ 出る・さかい・ マスク・を・ する。」

せき【堰】《名詞》 水の流れを止めたり、ある方向に流したりするために、川や溝などに作る仕切り。「せき・を・ 作っ・て・ 田圃・に・ 水・を・ 入れる。」

せき【席】《名詞》 ①座る場所。「せき・は・ 20人分・ 用意し・たら・ よろしー・か。」②座る位置や順序。座るために決められた場所。「ひとりひとり・の・ せき・を・ 決める・の・は・ むつかしー・なー。」

せき【籍】《名詞》 ①本籍地、氏名、生年月日、家族関係などを書いて、役所が管理する公文書。「嫁はん・を・ せき・に・ 入れる。」②学校や会社・団体などの一員としての資格を持っていること。「大学・に・ せき・は・ ある・けど・ アルバイト・ばっかり・ し・て・ 学校・へ・ 行っ・とら・へん。」⇒こせき【戸籍】

せきこむ【咳き込む】《動詞・マ行五段活用》 風邪を引いたり、食べ物にむせたりしたときなどに、急に激しく吐き出される息が続けざまに出る。「水・が・ むせ・て・ せきこん・だ。」

せきじゅうじ〔せきじゅーじ〕【赤十字】《名詞》 病院経営などをするとともに、人道上のさまざまな事業を全世界的に行っている団体。また、その団体の、白地に赤い十字形を表したマーク。「せきじゅーじ・の・ 看護婦さん」◆戦中戦後、その社員章が多くの家の門などに貼られていることがあった。

せきじゅん【席順】《名詞》 あらかじめ決められた、座る位置や順序。「結婚式・の・ せきじゅん・を・ 決める。」〔⇒すわりじゅん【座り順】

せきたん【石炭】《名詞》 太古に地下に埋もれた植物が固まって黒い石のようになった燃料。「せきたん・を・ 燃やす・ ストーブ」

せきたんばこ【石炭箱】《名詞》 石炭を入れるために作った頑丈な木箱。「せきたんばこ・を・ 台・に・ し・て・ 仕事・を・ する。」「せきたんばこ・に・ 荷物・を・ 詰め・て・ 送る。」◆この箱はいろんな用途に転用した。

せきとう〔せきとー〕【石塔】《名詞》 ①亡くなった人を葬った場所に立てる、石で作った墓標。「さんまえ〔=墓地〕・の・ せきとー・が・ 地震・で・ ぎょーさん・ こけ・た。」②石で作った碑。記念や由来などの言葉を書いて建てた石。「江戸時代・に・ 寛政池・が・ でき・た・ 記念・の・ せきとー」〔⇒せきひ【石碑】⇒はかいし【墓石】、はか【墓】

せきとめる【堰き止める】《動詞・マ行下一段活用》 水などの流れをふさいで、さえぎる。「川・を・ せきとめ・て・ 工事・を・ し・とる。」

せきとり【席取り】《名詞、動詞する》 自分たちの使う場所や座席をあらかじめ確保すること。「運動会・の・ 見物席・の・ せきとり・を・ する。」

せきにん【責任】《名詞》 ①任されていて、果たさなければならない務め。「ちゃんと・ 育てる・の・は・ 親・の・ せきにん・や。」②よくない結果や失敗などについてのせめを負うこと。また、その内容。「事故・の・ せきにん・を・ 取り・なはれ。」

せきはん【赤飯】《名詞》 お祝いの時などに作る、餅米に小豆を入れて蒸したご飯。「建前・の・ 日・に・ せきはん・を・ 配る。」〔⇒あかごはん【赤御飯】、おこわ【お強】

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2017年1月26日 (木)

奥の細道を読む・歩く(148)

ドレミファそら日記(27)     20161027

 

0825分 ひやま山荘発。

0845分 一刎。

0920分 山刀伐峠入口。二十七曲りを上る。

0950分 最上町・尾花沢市境界、駐車場(1005)

1010分 山刀伐峠頂上。子宝地蔵尊。(1025) ◆加藤さん、スケッチ。

1045分 与市の茶屋跡。

1105分 舗装道路に出る。

1120分 思い木坂。おにぎり昼食。(1140)

1155分 山刀伐峠出口駐車場。

1215分 市野々の赤井川沿い(1225) ◆加藤さん、スケッチ。

1305 市野々の中心部。

1325分 宮沢地区への入口。

1340分 同・出口。

1355分 旧高橋小学校前。

1420分 押切地区。

1430分 伝順徳天皇陵の近く。このあたりから強い向かい風。

1440分 御所神社。(1450)

1455分 上ノ野地区。

1505分 正厳大堰の前。

1525分 浦宿地区。

1530分 丹生川を渡る。

1620分 芭蕉清風歴史資料館。(1650)

1700分 ホテルおもたか着。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (271)    (通算2269回)

日常生活語 「せ」②

 

せいしょ〔せーしょ〕【清書】《名詞、動詞する》 試しに書いたものに訂正などを加えて、きちんときれいに書き直すこと。練習ではなく、提出用としてきれいに書くこと。また、そのようにして書いたもの。「下書き・を・ 書い・た・ 作文・を・ せーしょする。」「練習・が・ すん・だら・ 半紙・に・ せーしょ・を・ する。」■対語=「したがき【下書き】」

せいじん〔せーじん〕【成人】《名詞、動詞する》 心身ともに成長して、社会の一員として一人前になること。また、そのようになった人。「うち・の・ 子ども・も・ やっと・ せーじんし・た。」

せいじんのひ〔せーじんのひ、せーじんのひー〕【成人の日】《名詞》 国民の祝日の一つで1月の第2月曜日に設定されており、満20歳になった人たちを祝い励ます日。「せーじんのひー・は・ 市民会館・で・ 式・が・ ある。」

せいず〔せーず〕【製図】《名詞、動詞する》 器具を使って、機械や建築物などの設計図などを書くこと。「せーず・を・ 書く。」

せいせい〔せーせー〕【清々】《動詞する、副詞》 それまでにあった不快感やわだかまりなどがなくなって、気持ちがさっぱりして晴れやかになる様子。「怒鳴っ・てやっ・たら・ 気持ち・が・ せーせーし・た。」

せいぜい〔せーぜー〕【精々】《副詞》 ①じゅうぶんに多く見積もってもそれが限度であるということを表す言葉。たかだか。「なんぼ・ 大勢やっ・ても・ せーぜー・ 50人・しか・ 来・ん・やろ。」②できるだけ努力することを表す言葉。存分に。力の及ぶ限り。「せーぜー・ 頑張り・なはれ。」〔⇒せいだい(精大)、せいだして【精出して】

せいせき〔せーせき〕【成績】《名詞》 仕事や勉強などをした結果のありさま。試験などの出来具合。「学校・の・ せーせき・は・ よー・なかっ・た。」

せいぞう〔せーぞー〕【製造】《名詞、動詞する》 原料を加工したり、もとになるものを組み立てたりして、品物を作ること。「お菓子・を・ せーぞーする。」

せいぞろい〔せーぞろい〕【勢揃い】《名詞、動詞する》 ある目的のために、大勢の人やたくさんのものが、一か所に集まること。「今度・の・ 大会・は・ 強い・ やつ・が・ せーぞろいし・とる。」

せいだい〔せーだい〕【盛大】《形容動詞や()》 ものごとがたいへん盛んであったり大規模であったりする様子。「せーだいな・ 結婚式・やっ・た。」

せいだい〔せーだい〕(精大)】《副詞》 ①じゅうぶんに多く見積もってもそれが限度であるということを表す言葉。たかだか。「せーだい・ 千円・で・しか・ 売れ・まへ・ん。」②できるだけ努力することを表す言葉。存分に。力の及ぶ限り。「せーだい・ 気張っ・て・ 走る・ん・や・ぜ。」「せーだい・ 粘っ・て・ 頑張り・なはれ。」〔⇒せいぜい【精々】、せいだして【精出して】

ぜいたく〔ぜーたく〕【贅沢】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①必要以上にお金をかけて暮らしたり物事を行ったりすること。「一生・に・ 一遍・や・さかい・ ぜーたくし・て・ 結婚式・を・ ホテル・で・ する。」②ふさわしい程度を超えて、恵まれすぎている様子。「ぜーたくな・ 生活・を・ せ・んと・ もっと・ 始末し・なはれ。」

せいだして〔せーだして〕【精出して】《副詞》 ①じゅうぶんに多く見積もってもそれが限度であるということを表す言葉。たかだか。「せーだして・も・ 10番・ぐらい・に・しか・ なら・ん・やろ。」②できるだけ努力することを表す言葉。存分に。力の及ぶ限り。「せーだして・ 金儲け・を・ し・なはれ。」〔⇒せいぜい【精々】、せいだい(精大)

せいだす〔せーだす〕【精出す】《動詞・サ行五段活用》 熱心に取り組んで働く。力いっぱい努力をする。「朝・から・ せーだし・て・ 働い・とっ・て・です・なー。」「沖・の・ 島・まで・ せーだし・て・ 泳い・だ。」

せいち〔せーち〕【整地】《名詞、動詞する》 家を建てたり作物を植え付けたりするために、土地を平らにすること。「せーち・が・ 済ん・で・から・ 地鎮祭・を・ する。」

せいちょう〔せーちょー〕【成長】《名詞、動詞する》 人や動物が育って、体や心が一人前の状態になったり更に進歩したりすること。「知ら・ん・ 間ー・に・ この・ 犬・ ごっつい・ せーちょーし・た・なー。」

せいと〔せーと〕【生徒】《名詞》 ①中学生や高校生。「せーと・が・ 煙草・ 吸ー・たら・ あか・ん。」②塾などで教えを受けている人。「ピアノ教室・の・ せーと」

せいとん〔せーとん〕【整頓】《名詞、動詞する》 散らかっているものを整えるようにすること。「机・の・ 上・を・ せーとんする。」〔⇒せいり【整理】、きれいきれい(する)【綺麗綺麗(する)

せいねん〔せーねん〕【青年】《名詞》 20歳代から30歳代あたりの若い男女。「えー・ せーねん・が・ 遊ん・どっ・たら・ あか・ん・がな。」

せいねんがっぴ〔せーねんがっぴ〕【生年月日】《名詞》 生まれた年と月と日。「ここ・に・ せーねんがっぴ・を・ 書い・てください。」

せいねんだん〔せーねんだん〕【青年団】《名詞》 ①地域の、若い人で作るグループ。「祭り・の・ 時・に・は・ せーねんだん・が・ 協力し・てくれる。」②全体の人員構成の中で、若いグループに分類できる人。「お前・みたいな・ せーねんだん・は・ 元気・が・ ある・わ・なー。」

せいのう〔せーのー〕【性能】《名詞》 機械などの性質や、目的に応じた働き具合。「この・ 車・は・ せーのー・が・ 良ー・て・ よー・ 走る・ねん。」

せいばつ〔せーばつ〕【征伐】《名詞、動詞する》 悪者や服従しない者を、攻めて懲らしめて従わせること。「桃太郎・の・ 鬼・せーばつ」

せいひん〔せーひん〕【製品】《名詞》 あるものを原料などとして作った品物。作って販売している商品。「良()ー・ せーひん・やっ・たら・ よー・ 売れる・ はず・や。」

せいふ〔せーふ〕【政府】《名詞》 内閣とその下にある機関などの、国の政治を行う中心となるところ。「せーふ・が・ しっかり・ し・てくれ・らな・ あか・ん・がな。」

せいふく〔せーふく〕【制服】《名詞》 学校や会社など同じ集団に属する人が着る、色や形などが決められている衣服。「詰め襟・の・ せーふく」

せいぶつ〔せーぶつ〕【生物】《名詞》 ①動物と植物に大別され、生きて活動する、命あるもの。「地球・に・ おる・ せーぶつ・の・ 種類」②高等学校などの理科の教科のうち、動物や植物のことについて教える科目の名。「入試・は・ せーぶつ・で・ 受験する。」⇒いきもの【生き物】、いきもん【生き物】

せいぶん〔せーぶん〕【成分】《名詞》 化合物や混合物を作り上げている、もとになる物質。「この・ 薬・に・は・ よー・ 効く・ せーぶん・が・ 入っ・とる・らしー。」

せいぼ〔せーぼ〕【歳暮】《名詞》 年末に、知人や世話になった人などに贈り物をすること。また、その品物。「せーぼ・に・ 鮭・を・ 贈る。」◆対語=「ちゅうげん【中元】」

せいまい〔せーまい〕【精米】《名詞、動詞する》 玄米を搗いて、外皮の部分を取り去って白くすること。「せーまい所」

ぜいむしょ〔ぜーむしょ〕【税務署】《名詞》 税金の割り当てや取り立てをする、国の役所の出先機関。「ぜーむしょ・に・ 申告する。」

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2017年1月25日 (水)

奥の細道を読む・歩く(147)

尾花沢①

 

 「尾花澤にて清風と云者を尋ぬ。かれは富るものなれども、志いやしからず。都にも折々かよひて、さすがに旅の情をも知たれば、日比とゞめて、長途のいたはり、さまざまにもてなし侍る。

   涼しさを我宿にしてねまる也

   這出よかひやが下のひきの声

   まゆはきを俤にして紅粉の花

   蚕飼する人は古代のすがた哉  曾良 」

 

 芭蕉清風歴史資料館は1630分までの開館です。清風邸跡のすぐ隣にある資料館に着いたのは1620分でしたが、しばらく時間を延長して見せていただくことができました。この建物は、旧丸屋・鈴木弥兵衛家の店舗と母屋を、清風宅跡に移転復元したもので、この地方の江戸時代町家の完成した姿を伝えているそうです。

 1651(慶安4年)生まれの鈴木八右衛門(三代目)は芭蕉より7歳若く、清風は俳号です。金融業や、紅花などの商品取引で財をなしたのですが、芭蕉の言うように「富るものなれども、志いやしからず。都にも折々かよひて、さすがに旅の情をも知たれ」という人であったようです。商売の関係で京都や江戸へしばしば出かけて、文化活動でも交友関係を築いていったのです。芭蕉は尾花沢で10泊しています。尾花沢に着いた日に泊めてもらったのは清風宅ですが、養泉寺にも泊まっています。10泊というのは、出羽の国では最も長い滞在です。

 芭蕉が尾花沢に着いたのは5月17日で、それを太陽暦に直すと7月3日に当たります。遠来の客を迎えて清風はいろいろな配慮をして迎えたでしょうが、芭蕉はそれを「長途のいたはり、さまざまにもてなし侍る。」と表現しています。そのもてなしの中には、真夏のことゆえ、涼しさを演出する工夫も含まれていたことでしょう。「涼しさを我宿にしてねまる也」は、もてなしに対する感謝の気持ちも含まれているでしょう。「ねまる」というのは、寝そべるという意味や、楽な姿勢で座るという意味などがあるようですが、歓待を受けて、まるで自分の家にいるような気持ちになってくつろいでいる様子が浮かんできます。

 芭蕉清風歴史資料館には、芭蕉真筆の書簡や、鈴木清風撰の「誹諧おくれ双六」「稲筵」「誹諧一橋」の三部作などが展示されています。「豆人形で巡るおくのほそ道」という展示では、芭蕉を囲んで歌仙を巻いているときの様子などが小さな人形で表現されています。歴史資料館という名が示すように、芭蕉や俳諧以外の資料も多く展示されています。古い写真が並んでいるコーナーがありますが、山刀伐峠降り口の旧道の写真を見ると、現代的な構築物などがなくて、素朴な風景が広がっています。山刀伐という被りものの実物も展示されています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (270)    (通算2268回)

日常生活語 「せ」①

 

せ〔せー〕【背】《名詞》 ①人の身長。「小学1年生・の・ せー・の・ 高さ」②動植物やものの高さ。「せ・の・ 高い・ ビル・が・ 建っ・た。」「せ・の・ 高い・ 松」「せー・の・ 高い・ 梯子」

【畝】《名詞》 尺貫法での土地の広さの単位で、1畝は1反の10分の1で、およ99平方メートルの広さ。「1反・5せ・の・ 田んぼ」

ぜ〔ぜー〕《終助詞》 念を押したり、呼びかけたりするときに使う言葉。「そろそろ・ 行き・ます・ぜ。」◆「ぜ」にも、「で」にも聞こえる。短く発音すると「行き・まっ・せ」に聞こえる。〔⇒で〕

せい〔せー〕【姓】《名詞》 代々その家に継承される、家の名。氏名の「氏」の方。「あの・ 家・の・ せー・は・ 卜部・や。」〔⇒みょうじ【苗字】、みよじ(苗字)

せい〔せ、せー〕【精】《名詞》 ①自分を励まして動くこと。一生懸命であること。活動の源になる気力。張り切って物事に取り組もうとする気持ち。「朝・から・ せー・ 出し・て・ 仕事する。」「毎日・ 遅(おそ)ー・まで・ せ・が・ 出・まん・な。」②生きる勢いや元気。生きるための張り合い。「子ども・が・ 落第し・て・ せー・の・ ない・ こと・や。」「頑張っ・てん・けど・ 負け・ても・て・ せー・が・ ない。」③生き物が体外から取り入れて、生きていくことに役立てる養分。「えー・ もん・ 食ー・て・ せー・を・ つけ・なはれ。」「鰻・を・ 食べ・た・さかい・ せー・が・ つい・た。」◆②は、「せい・が・ ない」という言い方はするが、「せい・が・ ある」とは言わない。⇒えいよう【栄養】、じよう【滋養】

せい〔せー〕【所為】《名詞》 好ましくないようなことになった原因や理由。「それ・も・ これ・も・ みんな・ お前・の・ せー・や。」「人・の・ せー・に・ し・やがっ・た。」

せいいっぱい〔せーいっぱい〕【精一杯】《副詞、形容動詞や()》 ①自分にできる力の限りである様子。「マラソン大会・で・ せーいっぱい・ 走る。」②可能なことの限界である様子。「せーいっぱい・ まけ・て・ こん・だけ・の・ 値段・だす。」

せいかい〔せーかい〕【正解】《名詞、動詞する》 正しく解答したり解釈したりすること。また、その正しい解答や解釈。「せーかいし・たら・ 賞品・が・ もらえる・ねん。」

せいかく〔せーかく〕【正確】《形容動詞や()》 事実に合っていて信用できる様子。細かいところまで間違いのない様子。「足袋・の・ 寸法・を・ せーかく・に・ 測る。」

せいかく〔せーかく〕【性格】《名詞》 考え方、感じ方、行動の仕方などに表れる、その人に特有の傾向。「あいつ・は・ 生まれつき・ 明るい・ せーかく・や。」

せいかつ〔せーかつ〕【生活】《名詞、動詞する》 ①人や動物が活動して生きていくこと。「1週間・ 山・の・ 中・で・ せーかつする。」②社会に順応して、暮らしを立てること。また、その生計のあり方。「会社・に・ 勤め・て・ せーかつし・て・ます・ねん。」

せいがない〔せーがない、せがない〕【精がない】《形容詞》 ①努力に対する結果が悪くて、落胆してしまう。「お客さん・が・ 来・なんだら・ 店・ 開け・とっ・ても・ せーがない・なー。」「大学・に・ 落ち・て・ せーがない・ こと・や。」②生きるための張り合いがない。生き甲斐がない。「子ども・が・ 死ん・で・ 生きる・ せーがない・ねん。」

せいき〔せーき〕【世紀】《名詞》 キリスト生誕の年をもとにして、100年を単位として年代を数えるやり方。「21せーき・に・ なっ・て・から・ もー・ 10年・にも・ なる・ねん・なー。」

せいきゅう〔せーきゅー〕【請求】《名詞、動詞する》 当然の権利として受け取るべきものを、相手に求めること。「貸し・た・ 金・を・ 返せ・と・ せーきゅーする。」

せいきゅうしょ〔せいきゅーしょ、せーきゅーしょー〕【請求書】《名詞》 金額を明記して、お金を払うように求める書類。「せーきゅーしょ・を・ もろ・たら・ 振り込み・を・ し・まっ・さ。」

せいきん〔せーきん〕【精勤】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①休まず真面目に仕事などに取り組むこと。「あいつは・ せーきんな・ 男・や。」②皆勤でないが、休むことが少ないこと。「一遍・ 休ん・だ・さかい・ 皆勤・や・のー・て・ せーきん・や。」

ぜいきん〔ぜーきん〕【税金】《名詞》 国や地方公共団体が経費にあてるために、決められた規則により、住民それぞれから集めるお金。租税として収める金銭。「酒・も・ 煙草・も・ ぜーきん・が・ 高い・けど・ やめ・られ・へん。」〔⇒かかり【掛かり】

せいくらべ〔せーくらべ〕【背比べ】《名詞、動詞する》 身長を調べて比較し合うこと。「友達・と・ せーくらべする。」

せいけつ〔せーけつ〕【清潔】《形容動詞や()》 ①綺麗で、さっぱりしている様子。「せーけつな・ 電車」②細菌などが付いていなくて、衛生上、望ましい様子。「せーけつに・ し・とっ・たら・ 病気・も・ うつら・へん・やろ。」③生活の姿勢などに不正や問題などがない様子「せいけつで・ ない・ 政治家・は・ 困る・なー。」■対語=「ふけつ【不潔】」

せいご〔せーご〕《名詞》 体長20センチ程度までの、すずきの幼魚。「せーご・を・ 塩焼き・に・ する。」

せいこう〔せーこー〕【成功】《名詞、動詞する》 ①ものごとが計画通りに、または思い通りにうまくいくこと。「考え・とっ・た・ 作戦・が・ せーこーし・て・ 試合・に・ 勝っ・た。」②高い地位や財産を得て、社会的に認められること。「若い・ とき・に・ 大阪・へ・ 出・て・ せーこーし・た・ん・や・て。」■対語=「しっぱい【失敗】」

せいざ〔せーざ〕【星座】《名詞》 空に見える恒星をいくつかずつまとめて、動物や器物などの形に見立ててグループ分けしたもの。「ひしゃく・の・ 形・を・ し・た・ せーざ」

せいざ〔せーざ〕【正座】《名詞、動詞する》 脚を折り重ねて、足の裏に尻をのせて、きちんと座ること。「せーざし・て・ お茶・を・ 飲む。」動詞⇒ぎょうぎにすわる【行儀に座る】、おっちんする、おっちんちょする〕

せいざい〔せーざい〕【製材】《名詞、動詞する》 切り出した木を、柱や板の形にすること。「せーざい・を・ 仕事・に・ し・とる・ 家」

せいじ〔せーじ〕【政治】《名詞》 国や地方を治めて運営していくこと。「せーじ・の・ こと・なんか・ よー・ わから・へん。」

せいしつ〔せーしつ〕【性質】《名詞》 ①それぞれの人が生まれつき持っている気質や、気持ちの現れ方。「穏やかな・ せーしつ・の・ 人」②その物がもともと持っている特徴のある形や性能など。「竹・の・ せーしつ・を・ 考え・て・ じょーずに・ 曲げる。」

せいしゅ〔せーしゅ〕【清酒】《名詞》 米を発酵させて酒にする、我が国独特の醸造法によってつくられる濁りのない酒。「お祝い・に・ せいしゅ・を・ 1本・ 提げ・ていく。」〔⇒さけ【酒】、にほんしゅ【日本酒】

せいしゅん〔せーしゅん〕【青春】《名詞》 夢や希望にあふれ疲れなどを知らない、人生の若くて元気のある時期。「わしら・の・ せーしゅん・時代・は・ もの・が・ 不足し・とっ・た。」

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2017年1月24日 (火)

奥の細道を読む・歩く(146)

大山越え④

 

 市野々から尾花沢までの道のりがずいぶん長いと感じ始めました。こんなことならばバスを待って乗ればよかったかもしれないと思うほど遠いのです。計画段階では、山刀伐峠を越えることに関心が集中していて、市野々からあとの距離を甘く見ていました。びっくりするほど遠いわけではないと思っていたのですが、実際にはずいぶん時間を費やすことになります。

 宮沢地区の押切橋で赤井川を渡ります。「この赤井川は人口河川です」という説明板があります。川を新しく作ったというのではなく、上流の山裾を削った土砂が川床を高くして、しばしば洪水を引き起こしたので、流れの一部を変えたという説明が書いてあります。昭和初年の工事です。

 「芭蕉の道フラワーロード」という看板が見え、続いて伝順徳天皇陵という案内板があります。鎌倉幕府を打倒するために挙兵したが朝廷側が敗北し、順徳天皇は佐渡島に流されその地で崩御したと言われるが、島を脱出してこの宮沢地区で亡くなったとも伝えられていると言うのです。少し迂回すれば、その天使塚を見ることができるのですが、疲れているから割愛します。

 市野々もそうですが宮沢も、その名前で示している地域名がずいぶん広いのに驚きます。30分歩いても同じ地域名というのは、歩いている者にとっては変化の乏しさを嘆きたくなります。

 道路に沿って鉄パイプの構築物が続いているところにさしかかります。近くに人家がなく田圃の中の道です。風が強くなる季節には板をはさみ込んで、防風としての対策をするところです。今はその季節ではないはずですが、ここを歩いていると意外と強い風が吹き始めました。前へ進むのに力が要ります。地形の関係でこの場所がいつも風が強いところなのか、今日はたまたまこの時刻に強風となったのか、どちらであるのかわかりませんが、ちょっと体力を消耗します。

 集落となるところのとっかかりに御所神社があります。順徳天皇を祀っているといいます。境内に入ると風が弱くなりましたので、ちょっと一休みします。このあたりは上ノ宿という地域です。上横道というところで正厳大堰を通り過ぎます。細い流れですが田圃への用水路としての役割を果たしてきたものです。

 浦宿あたりで道は90度左カーブして尾花沢に向かいます。道路に、只今の気温11度という表示があります。少しずつ上り坂になって長い橋で丹生川を渡り、このあたりから市街地らしい様子になってきます。

 それでも、橋から40分以上も歩いてやっと、清風邸跡という説明板のあるところにたどり着きます。その前が今夜の宿泊を予約しているところです。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (269)    (通算2267回)

日常生活語 「す」⑬

 

ずるずる《形容動詞や()》 ①水分が多すぎて漏れ出たり、鼻水を垂れ流したりしている様子。「風邪・を・ ひー・て・ 鼻・が・ ずるずるや。」②音を立てて汁などを吸い込む様子。「ずるずると・ 音・を・ 立て・んと・ 飲み・なはれ。」③腐敗が進んでいる様子。「西瓜・が・ 腐っ・て・ ずるずるに・ なっ・とる。」

ずるずるべったり《形容動詞や()》 けじめや区切りがなく、なしくずしのようにして、そのままの状態が続く様子。「ずるずるべったりの・ 不景気・で・ しとっつも・ 良()ー・ こと・が・ 起こら・へん。」

ずるっこい【狡っこい】《形容詞》 自分の利益のために、正しくないことをする。狡猾で、横着である。「じゃんけん・で・ 後出しする・の・は・ ずるっこい・ぞ。」〔⇒すこい、ずるい【狡い】、すっこい、いしこい、こすい、せこい〕

ずるむけ《名詞、形容動詞や()》 化膿したり、腐ったりしていた箇所が、めくれあがっている状態。「火傷・の・ あと・が・ ずるむけ・に・ なっ・た。」「瓜が・ 腐っ・て・ 皮・が・ ずるむけ・に・ なっ・とる。」

ずるむける【ずる剥ける】《動詞・カ行下一段活用》 皮膚などの化膿したり腐ったりしていた箇所が、めくれあがる。「手ー・の・ 皮・が・ ずるむけ・た。」■名詞化=ずるむけ【ずる剥け】

ずれ《名詞》 ものごとや意見などが互いに一致しないこと。組み合わせの部分が、ぴったりと合うことがないこと。「考え方・に・ ずれ・が・ ある。」「高さ・に・ ずれ・が・ でけ・ても・た。」〔⇒くいちがい【食い違い】

すれすれ【擦れ擦れ】《形容動詞や()》 ①もう少しでくっつきそうであるほど近くなっている様子。「鴉・が・ 地面・ すれすれ・まで・ 下り・てくる。」②かろうじてそのようである様子。「試験・は・ すれすれで・ 合格し・た。」⇒ぎりぎり〕

すれちがう【擦れ違う】《動詞・ワア行五段活用》 ①触れ合いそうな近い位置を通って、それぞれ反対方向へ通り過ぎる。「上り・と・ 下り・の・ 電車・が・ すれちがう。」②気づかないで、行き違いになる。「どこか・で・ すれちご・て・ 会え・なんだ。」■名詞化=すれちがい【擦れ違い】

すれる【擦れる】《動詞・ラ行下一段活用》 ①押しつけられたまま前後・左右などに続けて動く。あるものと他のものとが強く押し当てられたまま動く。「風・が・ 吹い・て・ 木ー・の・ 枝・が・ 窓・に・ すれ・た。」②触れ合って、切れたり減ったりする。「ズボン・が・ すれ・てしまっ・た。」■他動詞は「する【擦る】」〔⇒こすれる【擦れる】

ずれる《動詞・ラ行下一段活用》 ①あるべき場所から上下や左右などに外れる。「地震・で・ 線路・が・ ずれ・た。」②ものごとや意見などが互いに一致しない。組み合わせの部分が、ぴったりと合うことがない。「2人・の・ 考え方・が ずれ・とる。」■名詞化=ずれ⇒くいちがう【食い違う】

すわりごこち【座り心地】《名詞》 椅子などに座ったときの感じ。「これ・は・ すわりごこち・の・ えー・ 椅子・や。」

すわりじゅん【座り順】《名詞》 あらかじめ決められた、座る位置や順序。「すわりじゅん・は・ 後ろ・の・ 方・やっ・た。」〔⇒せきじゅん【席順】

すわりこむ【座り込む】《動詞・マ行五段活用》 ある場所に座って、動かない。「道・に・ すわりこん・だら・ あか・ん・ぞ。」

すわる【座る】《動詞・ラ行五段活用》 ①膝を折り曲げて、尻をつける。「座布団・に・ すわる。」「畳・に・ すわる。」②膝を曲げて、椅子・台・段などに座る。「椅子・に・ すわる。」③しっかりと位置を占める。「上座・に・ すわる。」◆①を「すわる【座る】」と言い、②を「こしかける【腰掛ける】」と言って、区別することがある。■名詞化=すわり【座り】⇒こしかける【腰掛ける】

すわる【据わる】《動詞・ラ行五段活用》 ①ものが安定していて、じっとして動かない。「目ー・が・ すわる。」「赤ちゃん・の・ 首・が・ すわる。」②ものが、あるべき場所にしっかりと置かれる。位置を決めて置かれる。「工場・の・ 中・に・ 機械・が・ すわっ・た。」■他動詞は「すえる【据える】」■名詞化=すわり【据わり】

すん【寸】《名詞》 ①尺貫法で長さを表す単位であり、1寸は約3.03センチで、10寸で1尺となる長さ。「5すん・の・ 釘・を・ 打つ。」②ものの長さの度合い。「この・ 木ー・で・ 物干し・を・ 作る・に・は・ すん・が・ 足ら・へん。」⇒すんぽう【寸法】

ずんぐり《副詞と、動詞する》 背が低くて、肉付きが豊かな様子。「ずんぐりし・た・ おっさん」

ずんた《形容動詞や()、動詞する、名詞》 ①怠けている様子。横着である様子。「ずんたし・て・ 仕事・を・ せ・ん・ やつ・が・ おっ・たら・ 困る。」「ずんた・ 言わ・んと・ 仕事せ・んかい。」②怠けたり、横着をしている人。「ずんた・に・ 仕事・を・ まかし・たら・ うまいこと・ いか・へん・ぞ。」

すんなり《副詞と、動詞する》 大きな抵抗もなく、ものごとが曲折なく順調に進行して、期待通りの結末に達する様子。「だいぶ・ もめ・とっ・た・けど・ 最後・は・ 会議・で・ すんなり・ 決まっ・た。」

ずんべら《形容動詞や()、動詞する》 一面に平らで、凹凸がない様子つるつるで変化に乏しい様子。「ずんべらの・ 足・の・ 裏」〔⇒ずんべり、ずんべらぼう、ずんべらぼん、のっぺら、のっぺり、のっぺらぼう、のっぺらぼん、ぼんべらぼう、ぼんべらぼん〕

ずんべらぼう〔ずんべらぼー〕《形容動詞や()》 一面に平らで、凹凸がない様子。つるつるで変化に乏しい様子。「枝・を・ 払いすぎ・て・ ずんべらぼーの・ 木・に・ なっ・ても・た。」「ずんべらぼーの・ 顔・を・ し・た・ お化け」〔⇒ずんべら、ずんべり、ずんべらぼん、のっぺら、のっぺり、のっぺらぼう、のっぺらぼん、ぼんべらぼう、ぼんべらぼん〕

ずんべらぼん《形容動詞や()》 一面に平らで、凹凸がない様子。つるつるで変化に乏しい様子。「ずんべらぼんで・ 何・の・ 飾り・も・ つい・とら・へん。」〔⇒ずんべら、ずんべり、ずんべらぼう、のっぺら、のっぺり、のっぺらぼう、のっぺらぼん、ぼんべらぼう、ぼんべらぼん〕

ずんべり《形容動詞や()、動詞する》 一面に平らで、凹凸がない様子つるつるで変化に乏しい様子。「お化け・の・ 顔・は・ ずんべりし・とる。」〔⇒ずんべら、ずんべらぼう、ずんべらぼん、のっぺら、のっぺり、のっぺらぼう、のっぺらぼん、ぼんべらぼう、ぼんべらぼん〕

すんぽう〔すんぽー〕【寸法】《名詞》 ①ものの長さの度合い。「机・の・ 縦・と・ 横・の・ すんぽー・を・ 測る。」②前もって決めておく手はず。予定や計画。「これ・から・ どない・する・ すんぽー・や。」⇒すん【寸】

すんません【済んません】《感動詞》 ①謝るときに言う言葉。「すんまへん。締め切り・に・ 遅れ・てしまい・まし・た。」②ものを頼むときに言う言葉。「すんません・が・ ちょっと・だけ・ 負け・てもらえ・まへ・ん・やろ・か。」③感謝するときに言う言葉。「昨日・は・ 息子・が・ えらい・ お世話・に・なっ・て・ すんません。」〔⇒すみません【済みません】、すみまへん【済みまへん】、すんまへん【済んまへん】

すんまへん【済んまへん】《感動詞》 ①謝るときに言う言葉。「すんまへん。わし・が・ 悪かっ・た。」②ものを頼むときに言う言葉。「すんまへん・けど・ 明日・まで・に・ でけ・まへん・やろ・か。」③感謝するときに言う言葉。「安ー・ し・てもろ・て・ ほんまに・ すんまへん・でし・た。」〔⇒すみません【済みません】、すんません【済んません】、すみまへん【済みまへん】

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2017年1月23日 (月)

奥の細道を読む・歩く(145)

大山越え③

 

 熊笹が生い茂っている頂上からの下りは、あまり人手が入っていないような林の中を分けて進みます。山伏澤橋のあたりは水害の跡のようで、荒れています。与市の茶屋跡というのは杉の木にその名を書いた板がぶら下げられているだけです。さらに、暗渠工事が28年5月24日に行われたという札もあります。鍋割の三吉茶屋跡地というのも杉の木に板が下がっています。こんなところに昔は茶屋があったというのが不思議なくらいです。杉林の中は人通りが絶えているかのような雰囲気も感じます。山刀伐峠の頂上までの道と、それを過ぎてからの道とは趣が異なっているのです。そのような道を40分ほど歩いて、車の通れる舗装道路に出ます。

 林の中と違って青空が広がり、緑の小山が見え、あたりが薄の原になっています。そして、道路縁に広場が作られているところに着きます。「芭蕉ねまる石」と名付けられた石など、大きな石がいくつも並んで、腰をかけて休むのにふさわしいところです。「ここは思い木坂」という板が木にかけられています。正午よりは30分以上前なのですが、日山温泉の宿で作ってもらったおにぎり弁当を広げます。

 しばらく休んでからは、車の通る道を離れて、細い道を下ることにします。20分余り歩くと視界が広くなって、峠道が終わったことが感じられるようになります。山刀伐ハス園という表示が見えて、広い道路の横に「尾花沢」と書いた高い標柱があります。峠の麓の駐車場です。「山刀伐峠入口」という大きな表示もあります。峠が終わったので振り返ってみますと、「篠の中踏分踏分、水をわたり、岩に躓て、」という表現を思わせるところはありましたが、観光客向けに整備された峠道からは「かの案内せしをのこの云やう『此みち、必不用の事有。恙なうおくりまゐらせて、仕合したり』と、よろこびてわかれぬ。」という緊張感を味わうことは無理でした。

 車の走る道を尾花沢の町に向かって歩きます。「杣駅の茶屋 山刀伐」という看板の掛かっている建物は無人です。砂防指定地になっている赤井川の流れに沿って進みます。路傍に市野々地区と書かれた花壇があって黄色や紫の花々が咲いています。振り返ると峠のあたりの山々が青空の下に丸みをもった姿を見せています。かつての日本にはどこにでもあった風景ですが、懐かしさを感じます。傾斜の急な川ですから水はところどころで段差を作って流れています。田圃も段々になっています。そんなところで加藤さんはスケッチ帳を広げます。少し行ったところで、棚田の続く中に「ひやま山荘 7㎞手前」という広告看板を見つけました。けさ歩き始めた宿から、車の道で7㎞遠ざかったことになります。

 峠を下りきったところから約1時間で、市野々のバス停を通り過ぎます。尾花沢からこのあたりまでは一日6便のバスが通っているのですが、私たちは歩き続けることにします。

 市野々の集落を過ぎて、荒川橋を渡ります。宮沢地区では広く伸びている道路から右の方に矢印があってそれが旧街道であるように示していますが、そのまま県道28号を進むと、やがて合流します。新しくて広い道を歩くよりは、迂回したようなあちらの道が良かったのかと反省しますが、引き返すことはしません。

 高橋というところは、山形の棚田20選の一つだと書いてあります。尾花沢市立高橋小学校は廃校となって、3階建ての校舎に「136年ありがとう高橋小」という大きな文字が見えます。地域の学校がなくなることは寂しいことに違いありません。金色の田圃を見ながら歩き続けます。このあたりでは、平野部に出たという印象が強くなり、銀山温泉への道の分岐点を過ぎて、尾花沢市街に向かって歩き続けます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (268)    (通算2266回)

日常生活語 「す」⑫

 

すもん(相撲)】《名詞、動詞する》 土俵の上でまわしをつけて取り組み、相手を倒すか、外に出すかによって勝負を決める運動競技。「子ども・が・ する・ すもん・も・ おもろい・なー。」〔⇒すもう【相撲】

すもんとり(相撲取り)】《名詞》 土俵の上でまわしをつけて取り組み、相手を倒すか、外に出すかによって勝負を決める運動競技をする人。力士。「まるで・ すもんとり・みたいな・ 大きな・ 体格・の・ 人・が・ 歩い・とる。」〔⇒すもうとり【相撲取り】

すやき【素焼き】《名詞、動詞する》 ①粘土で作った器を、薬をかけずに低温で焼くこと。また、そのようにして作った陶器。「すやき・の・ 皿」②肉や魚などを、何も付けないでそのまま焼くこと。「すやきし・て・から・ 醤油・を・ つけ・て・ 食べる。」

すやすや《副詞と》 静かに気持ちよさそうに眠っている様子。「すやすや・ 眠っ・とる・ん・や・から・ 起こさ・んとき。」

ずらす《動詞・サ行五段活用》 ①ある場所から、持ち上げないで滑らせるようにして動かす。「箱・の・ 置き場所・を・ 右・の・ 方・へ・ ずらす。」②予定していた日取りや時間や時刻などを、他のものと重ならないように、少し前後に変更する。「雨・で・ 運動会・を・ 1日・ ずらす。」

すらすら《副詞と》 ①つかえたりよどんだりすることなく、滑らかに進む様子。「すらすらと・ 本・を・ 読む。」「言い間違え・ず・に・ すらすらと・ 説明する。」②隠し立てをしない様子。「尋ね・られ・て・ すらすらと・ 白状する。」⇒すらっと〕

すらっと《副詞》 ①ほっそりとして形が良い様子。「すらっと・ 背ー・の・ 高い・ 人・が・ 好きや。」②つかえたりよどんだりすることなく、滑らかに進む様子。「すらっと・ 読める・ 本」⇒すらすら〕

ずらっと《副詞》 人やものなどが、たくさん並んでいる様子。「自治会・の・ 役員・が・ ずらっと・ 前・に・ 並ぶ。」

すり【掏摸】《名詞》 人混みの中などで、人にさわったはずみなどを利用して、金などをこっそり盗むこと。また、それをする人。「財布・を・ すり・に・ やら・れ・た。」

すりガラス〔すりがらす〕【擦り  オランダ語=glas】《名詞》 表面を硬い砂などでこすって、透き通らないようにしたガラス。「窓・の・ すりがらす・が・ 雨・に・ 濡れ・とる。」

すりきず【擦り傷】《名詞》 ものに当たったりこすったりして、擦り剥いてできた傷。「すりきず・や・さかい・ じきに・ 治る・やろ。」〔⇒かすりきず【掠り傷】

すりきれる【擦り切れる】《動詞・ラ行下一段活用》 物と物とが何度もこすれ合って、切れる。物と物とがこすれ合って、減ったり薄くなったりする。「シャツ・の・ 袖口・が・ すりきれ・てき・た。」

すりこぎ【擂り粉木】《名詞》 食べ物などをすり鉢ですりつぶすために使う先の丸い棒。「芋・を・ すりこぎ・で・ すりつぶす。」〔⇒れんげ(連木)

スリッパ〔すりっぱ〕【英語=slipper】《名詞》 主として室内などで、つっかけてはく履き物。「廊下・を・ すりっぱ・で・ 歩く。」

すりつぶす【擦り潰す】《動詞・サ行五段活用》 すって、細かく砕いて、原形がないようにする。「豆・を・ すりつぶし・て・ 餡・に・ する。」

すりばち【擂り鉢】《名詞》 すりこぎを使って食べ物をすりつぶすために使う、内側に刻み目の入った鉢。「すりばち・で・ 胡麻・を・ する。」

すりへらす【磨り減らす】《動詞・サ行五段活用》 こすって薄くしたり小さくしたりする。「靴・の・ 底・を・ すりへらし・た。」■自動詞は「すりへる【磨り減る】」

すりへる【磨り減る】《動詞・ラ行五段活用》 こすられて薄くなったり小さくなったりする。「自転車・の・ タイヤ・が・ すりへっ・とる。」■他動詞は「すりへらす【磨り減らす】」

すりむく【擦り剥く】《動詞・カ行五段活用》 物にこすれて皮膚がはがれる。「こけ・て・ でぼちん〔=額〕・を・ すりむい・た。」

する《動詞・サ行変格活用》 ①動作や行動を行う。「旅行・を・ する。」「建て前・を・ する。」②あるものに作り上げる。「海老・を・ 天ぷら・に・ する。」③身につける。「ネクタイ・を・ する。」④ある状態が起こる。感じがある。「吐き気・が・ する。」「ぐったりと・ する。」⑤何かの用途に使う。「袋・を・ ごみ入れ・に・ する。」⑥時が経過する。「ひと月・ し・たら・ 出来上がる。」⑦動作をする人の意思を表す。決める。決断する。「一緒に・ 行か・へん・ こと・に・ する。」⑧費用・時間・労力などが必要である。「タクシー・で・ 3000円・ する。」⇒かかる【掛かる、懸かる】

する【擦る】《動詞・ラ行五段活用》 押しつけたまま前後・左右などに続けて動かす。あるものと他のものとを強く押し当てて動かす。手などをもみ合うようにする。「マッチ・を・ する。」「硯・で・ 墨・を・ する。」「擂り鉢・で・ 味噌・を・ する。」■自動詞は「すれる【擦れる】」〔⇒こする【擦る】

する【刷る】《動詞・ラ行五段活用》 字や絵を、墨やインクで、紙に写し出す。印刷する。版木などから写し取る。「謄写版・で・ プリント・を・ する。」「年賀状・を・ プリントごっこ・で・ する。」

する【掏る】《動詞・ラ行五段活用》 人混みの中などで、人の金品などを気づかれないように盗む。「財布・を・ すら・れ・た。」

ずる《動詞・ラ行五段活用》 ①揃っていたものが前後・左右などに動いて、ぴったりと合わない状態になる。「上・の・ 板・が・ 右・へ・ ずっ・とる。」②土砂などが全体的に、下の方へゆっくり滑り動く。「地震・で・ 揺れ・て・ 瓦(かーら)・が・ ずっ・ても・た。」「大雨・が・ 続い・て・ 山・の・ 土・が・ ずっ・てき・た。」

ずるい【狡い】《形容詞》 自分の利益のために、正しくないことをする。狡猾で、横着である。「ずるい・ 考え・を・ せ・ん・よーに・な。」〔⇒すこい、ずるっこい【狡っこい】、すっこい、いしこい、こすい、せこい〕

ずるがしこい【狡賢い】《形容詞》 自分の利益のために、正しくないことをしようとして、悪知恵が働く。「ずるがしこい・ 考え方・を・ し・やがっ・た。」

ずるける《動詞・カ行下一段活用》 ①結んでいたものが、もとに戻ったり、緩んだりする。「縄・の・ 結び目・が・ ずるけ・た。」「ずるけ・ん・よーに・ しっかり・ くくっ・とけ。」②化膿したり、腐ったりして、表面に水分が多くなる。「火傷し・た・ ところ・が・ ずるけ・てき・た。」③すべき仕事や勉強をしないで、ほうっておく。それをする時間の余裕があるのに、しないで無駄に過ごす。ずる休みをする。「仕事・を・ ずるける。」⇒すぼける。⇒サボる【フランス語=sabotageの動詞化】、どぶせる【ど臥せる】、なまける【怠ける】、なまくら(する)、なまくらぼうず【なまくら坊主】(する)

するする《副詞と》 滑らかに、素早く動く様子。ものごとが滑らかに進んでいく様子。「するすると・ 木ー・に・ 登っ・ていく。」「するすると・ 人・より・ 前・に・ 出・てき・た。」

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2017年1月22日 (日)

奥の細道を読む・歩く(144)

大山越え②

 

 いよいよ山刀伐峠への道にとりかかります。左手下には少し広い道があるのですが、私たちは本来の峠道らしいところを案内表示に沿って上っていきます。2人が横に並ぶことはできない、細い道です。「大曲り登り」という矢印が設けられていますが、ブナの原生林に覆われて、行きつ戻りつしながら標高差150メートルを登っていく道は「二十七曲がり」と言われています。褐色になった落ち葉が道に敷きつめられて土が見えないようなところが続きます。しばらくして、いったん車道を横切ります。地図を見ると車道は、細い道の何倍もの距離を走って勾配をゆるやかにしています。峠道の途中には、芭蕉が腰を下ろして休んだところという設定もしてありますが、誰が厳密にそんなことを調べたのでしょうか。けれども、そのような虚構を楽しむのも楽しいことです。

 登り始めてから30分足らずで、駐車場のあるところに出ます。ここは峠の頂上ではありませんが、最上町と尾花沢市の境界になるところで、芭蕉庵と名付けられた休憩施設やトイレが設けられています。あたりは紅葉・黄葉の交響楽です。しばらく休みます。

 車道を少し下ってから、右手の山道に入ります。峠まで250メートルと書かれています。本当にほどなく山刀伐峠の頂上に着きます。

 ハイキングコースとしての整備が進められたからでしょうか、芭蕉が書いているような「道さだかならざれば、道しるべの人を頼て、越べき」心配は全くありませんでした。

 峠の頂上には「奥の細道山刀伐峠」の碑があり、「高山森々として一鳥声きかず、木の下闇茂りあひて、夜る行がごとし。雲端につちふる心地して、篠の中踏分踏分、水をわたり、岩に躓て、肌につめたき汗を流して、最上の庄に出づ」の文章が加藤楸邨の筆で書かれています。

 頂上には、小さなお堂もあって、子宝地蔵尊が祀られています。また、そのそばに立つ子持ち杉は神霊の宿る杉として信仰されているようです。休憩施設としての四阿もあります。

 山刀伐峠についての説明板には、「往時は原生林が山を覆い、馬の交易や出羽三山参詣の道筋でもあった」と書いてあります。多くの人が行き交った道なのでしょう。加藤さんは奥の細道碑や、子宝地蔵尊、子持ち杉などの方に向かってスケッチをしています。

 山刀伐峠という名については、長い間、「究竟の若者反脇指をよこたへ、樫の杖を携て、我々が先に立て行。けふこそ必あやふきめにもあふべき日なれと、辛き思ひをなして、後について行。」という表現から、山賊に鉈で襲われる恐れがあることから名付けられたのではないかというような連想をしていました。

 資料を調べたりするうちにそうではないことがわかり、封人の家で、「山刀伐」というかぶり物のことを知りました。山仕事や狩りの際に付けたもので、その形になぞらえて峠の名にしたことを知りました。山刀伐は一方がなだらかで、もう一方がすとんと落ちる形をしています。ここまでの傾斜が急で、尾花沢に向かってゆっくり長く下っていくことをあらわしています。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (267)    (通算2265回)

日常生活語 「す」⑪

 

すましじる【澄まし汁】《名詞》 野菜や魚などを入れて、味付けをした透き通った汁。「若布・の・ すましじる」〔⇒すまし【澄まし】、すいもん【吸い物】

すます【澄ます】《動詞・サ行五段活用》 ①曇りや濁りなどをおさめて、透明な水や液体などにする。「水・を・ すまし・て・ 上かさ・を・ 汲む。」②真面目そうに振る舞ったり、気取ったりする。「今日・は・ えらい・ すまし・て・ 歩い・とる・やないか。」③気持ちを集中して行う。「耳・を・ すまし・て・ 聞く。」■自動詞は「すむ【澄む】」■対語=①「にごす【濁す】」「にごらす【濁らす】」■名詞化=すまし【澄まし】

すます【済ます】《動詞・サ行五段活用》 ①ものごとをやり遂げる。予定通りに終わらせる。「今日・の・ 宿題・を・ すまし・た。」②それで間に合わせる。不十分であっても、それでよいことにする。「昼飯・は・ ある・ もん・で・ すまし・とく。」■自動詞は「すむ【済む】」

すまる《名詞》 魚釣りなどに使う、小さな碇の形をしたもの。落ちたものを引っかけて上げるために、先端にかぎ形のものをつけた道具。「井戸・に・ 落とし・た・ もん・を・ すまる・で・ 引き上げる。」

すまん【済まん】《連体詞》 申し訳ない気持ちである。「遅れ・て・ すまん・ こと・を・ し・た。」

すまん【済まん】《感動詞》 相手に向かって、申し訳ない気持ちや謝りたい気持ちを表す言葉。「すまん・ 堪忍し・て。」

すまんこ(隅んこ)】《名詞》 角になったところの内側にあたるところ。ものや場所の真ん中からはずれたところ。「すまんこ・に・ ごみ・が・ 残っ・とる。」〔⇒すま()、すみ【隅】、すみっこ【隅っこ】、すまんだ(隅んだ)

すまんだ(隅んだ)】《名詞》 ①角になったところの内側にあたるところ。ものや場所の真ん中からはずれたところ。「納屋・の・ すまんだ・に・ 隠れ・とっ・てん。」②ものとものとの間の狭い空間。「壁・と・ 机・の・ すまんだ・に・ 定規・が・ 落ち・ても・た。」⇒すま()、すみ【隅】、すみっこ【隅っこ】、すまんこ(隅んこ)

すみ【炭】《名詞》 木を蒸し焼きにして、燃料として使うもの。木が焼けて、黒く残ったもの。「すみ・を・ 入れ・た・ 俵」「すみ・を・ 焼く。」

すみ【墨】《名詞》 ①書画を書くときに擦って液を作るために、良質の煤をにかわで固めて、長方形に仕上げたもの。「すみ・を・ 擦っ・て・ 字・を・ 書く。」②蛸や烏賊が危急のときなどに吐き出す黒い汁。「蛸・に・ すみ・を・ かけ・られ・た。」⇒くろべ【黒べ】

すみ【隅】《名詞》 ①ものの尖って突き出ているところ。「すみ・が・ 尖っ・とる・ 板・や・さかい・ 気いつけ・なはれ。」②角になったところの内側にあたるところ。ものや場所の真ん中からはずれたところ。「部屋・の・ すみ・に・ ごみ・が・ たまっ・とる。」⇒かど【角】⇒すま()、すみっこ【隅っこ】、すまんだ(隅んだ)、すまんこ(隅んこ)

すみきる【澄み切る】《動詞・ラ行五段活用》 少しの曇りや濁りもなく透き通って、美しく感じられる。「秋・に・ なっ・て・ 空・が・ すみきっ・てき・た。」「すみきっ・た・ 水・を・ すくう。」

すみごこち【住み心地】《名詞》 その住宅などで暮らす気分。「すみごこち・の・ 良()さそーな・ 家」

すみこみ【住み込み】《名詞》 雇われて、勤務先の店や会社などで寝起きして働くこと。また、そのようにしている人。「すみこみ・で・ 寮・の・ 管理人・を・ し・てます・ねん。」

すみずみ【隅々】《名詞》 ものや場所の真ん中からはずれた、あちらこちら。どこもかしこも全部の方角。「すみずみ・まで・ 綺麗に・ 掃除し・とい・て・な。」「会社・の・ こと・を・ すみずみ・まで・ 知っ・とる。」

すみっこ【隅っこ】《名詞》 角になったところの内側にあたるところ。ものや場所の真ん中からはずれたところ。「鞄・を・ 部屋・の・ すみっこ・に・ 置く。」「教室・の・ すみっこ・に・ 座る。」〔⇒すま()、すみ【隅】、すまんだ(隅んだ)、すまんこ(隅んこ)

すみび【炭火】《名詞》 木炭でおこした火。「すみび・で・ 焼い・た・ 魚・は・ うまい。」

すみません【済みません】《感動詞》 ①謝るときに言う言葉。「すみません。遅く・ なっ・てしまい・まし・た」②ものを頼むときに言う言葉。「すみません・が・ 一緒に・ 行っ・てもらえ・ませ・んか。」③感謝するときに言う言葉。「いい・ もの・を・ いただい・て・ 本当に・ すみません。」〔⇒すんません【済んません】、すみまへん【済みまへん】、すんまへん【済んまへん】

すみまへん【済みまへん】《感動詞》 ①謝るときに言う言葉。「すみまへん。壊れ・てしまい・ました。」「遅れ・て・ どーも・ すみまへん。」②ものを頼むときに言う言葉。「すみまへん・が・ 梯子・を・ 貸し・てくれ・へん・やろ・か。」③感謝するときに言う言葉。「貸し・てもろ・て・ すみまへん。」〔⇒すみません【済みません】、すんません【済んません】、すんまへん【済んまへん】

すみやき【炭焼き】《名詞、動詞する》 木を焼いて木炭を作ること。また、それを仕事にしている人「真っ黒に・ なっ・て・ すみやきし・とる・ 人」

すみれ【菫】《名詞》 春に濃い紫や白の小さな花を咲かせる、野山や道端などに生える草。「かいらしー・ すみれ・が・ 咲い・とる。」

すむ【住む、棲む】《動詞・マ行五段活用》 ①人が居るところを決めて生活する。そこに居ついて暮らす。「田舎・に・ すん・でます。」②巣を作るなどして、動物がそこにいる。「池・に・ 大きな・ 亀・が・ すん・どる。」

すむ【澄む】《動詞・マ行五段活用》 ①曇りや濁りがなくなく、混じりがなくなる。水や液体などが、汚れていなくて透き通っている。「秋・に・ なっ・て・ 空・が・ すん・でき・た。」「すん・だ・ 水・が・ 湧き出し・とる。」②音や声が響き通る。「鳥・が・ すん・だ・ 声・で・ 鳴い・とる。」■他動詞は「すます【澄ます】」■対語=「にごる【濁る】」■名詞化=すみ【澄み】

すむ【済む】《動詞・マ行五段活用》 ①続いていたものが途切れたりなくなったりする。ものごとが終了する。「今日・の・ 仕事・が・ すん・だ。」②期待していたことや心配していたことなどが起こらないで、経過する。懸案などが解決する。「困っ・とっ・た・ん・や・けど・ 金・を・ 払っ・て・ なんとか・ すん・だ。」③気持ちが落ち着く。「あんた・の・ 気・の・ すむ・よーに・ し・たら・ えー・ねん。」④何かをするのに、それだけで間に合う。「タクシー代・は・ 2千円・で・ すん・だ。」■他動詞は「すます【済ます】」①②⇒おわる【終わる】⇒たる【足る】

ずめん【図面】《名詞》 建物、機械などの構造や設計などを図であらわしたもの。「建てる・ 家・の・ ずめん」

すもう〔すもー〕【相撲】《名詞、動詞する》 土俵の上でまわしをつけて取り組み、相手を倒すか、外に出すかによって勝負を決める運動競技。「すもー・を・ テレビ・で・ 見る・の・が・ 好きや。」〔⇒すもん(相撲)

すもうとり〔すもーとり〕【相撲取り】《名詞》 土俵の上でまわしをつけて取り組み、相手を倒すか、外に出すかによって勝負を決める運動競技をする人。力士。「街・で・ すもーとり・に・ 出会(でお)・た。」〔⇒すもんとり(相撲取り)

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2017年1月21日 (土)

奥の細道を読む・歩く(143)

大山越え①

 

 「あるじの云、『是より出羽の国に、大山を隔て、道さだかならざれば、道しるべの人を頼て、越べきよし』を申。さらばと云て、人を頼侍れば、究竟の若者反脇指をよこたへ、樫の杖を携て、我々が先に立て行。けふこそ必あやふきめにもあふべき日なれと、辛き思ひをなして、後について行。あるじの云にたがはず、高山森々として一鳥声きかず、木の下闇茂りあひて、夜る行がごとし。雲端につちふる心地して、篠の中踏分踏分、水をわたり、岩に躓て、肌につめたき汗を流して、最上の庄に出づ。かの案内せしをのこの云やう『此みち、必不用の事有。恙なうおくりまゐらせて、仕合したり』と、よろこびてわかれぬ。跡に聞てさへ、胸とゞろくのみ也。」

 

 いよいよ陸奥と出羽を隔てる奥羽山脈を越えます。芭蕉は大山を越えると表現していますが、山刀伐峠です。山刀伐峠の頂上は標高470メートルですから、堺田の分水嶺の標高338メートルと比べると高低差は大きくはないのですが、なにしろ「奥の細道」の表現からは身構えたくなります。現代の旅では山賊の恐れなどはありませんが、「高山森々として一鳥声きかず、木の下闇茂りあひて、夜る行がごとし。雲端につちふる心地して、篠の中踏分踏分、水をわたり、岩に躓て、肌につめたき汗を流して」歩いたというのですから、難儀な道だろうと想像します。

 日山温泉から道を下って、一日が始まります。太い道に出る前に、「おくのほそ道 芭蕉の道」という矢印があって、芭蕉はここを歩いたのだと横道を指し示しています。どうしてそんなことがわかるのかと思いますが、その道は遠くまで続いているようには見えませんし、すぐ先に太い道が見えていますから、横道しないで通り過ぎます。

 路線バスの通う県道28号に出て、赤倉スキー場というバス停を過ぎ、一刎という地名を過ぎ、県道262号との分岐点を過ぎ、道は左にカーブしていきます。しばらく行くと道の右側に山神社という小さな社があり、道は上り勾配が続きます。紅葉している木々が目に入って、気持ちよく朝の道を歩き続けます。「只今の気温9度」という電光表示があります。蛇行する道を上っていくと、目の前にトンネルが現れます。日山温泉から50分余り歩きましたが、トンネルの入口左側が山刀伐峠への登り口です。トンネル入口に設けられている「尾花沢19㎞」という表示は直進の表示ですから県道の距離で、「山刀伐峠1.8㎞」という表示は左斜め向きに矢印が添えてありますから、歩行者向けのものです。私たちは今日、山刀伐峠を越えて、尾花沢市中心部まですべて歩く予定です。

 ここはちょっとした広場になっていて、足元に「山刀伐峠越」という石柱があり、人の背丈の2倍ほどの大きな看板もあります。「芭蕉の山刀伐峠越」という説明板や地図もあります。

 峠道が始まるところにある「熊出没注意!」という表示にはどきりとしますが、「奥の細道」の文章では山道を越えるときにも熊の心配を書いている箇所はありません。芭蕉の時代には熊出没が少なかったのか、山賊などの恐れの方が大きかったのか、どちらなのでしょうか。それにしても、昨今は熊の注意書きをしばしば目にします。中山道や甲州道中など、街道歩きではこの言葉にしょっちゅう出会っていました。幸いにして、熊に遭遇することはありませんでしたが…。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (266)    (通算2264回)

日常生活語 「す」⑩

 

スプリング〔すぷりんぐ〕【英語=spring】《名詞》 鋼などを巻いたり曲げたりして、強い弾力性や跳ね返る力を持たせたもの。「ソファー・の・ 中・に・ 入っ・とる・ すぷりんぐ」〔⇒ばね【発条】

すべ【術】《名詞》 何かを実現させるための手段や方法。また、それに役立つもの。「どない・ し・たら・ 良()ー・の・か・ すべ・が・ わから・へん。」「試験・に・ 合格する・ すべ・を・ 教え・てほしー。」〔⇒やりかた【遣り方】、しかた【仕方】

すべ()】《名詞》 藁の穂の芯。「すべ・を・ くくっ・て・ 箒・に・ する。」「すべ・の・ 箒」〔⇒しべ【蘂】

すべりこむ【滑り込む】《動詞・マ行五段活用》 ①滑って中に入る。なめらかに中に入る。「3塁・の・ ベース・に・ すべりこむ。」「電車・が・ ホーム・に・ すべりこむ。」②ぎりぎりで間に合う。やっとのことで間に合う。「なんとか・ 遅刻せ・ん・よーに・ 教室・に・ すべりこん・だ。」■名詞化=すべりこみ【滑り込み】

すべりだい【滑り台】《名詞》 高いところから滑り降りるようにした、子ども用の遊具。「遊園地・の・ すべりだい」

すべる【滑る】《動詞・ラ行五段活用》 ①ものの上を、接触しながら滑らかに進む。「スケート・で・ すべる。」②足元がつるつるして立っていられなくなり、倒れたり、倒れそうになったりする。「急な・ 坂・で・ すべっ・た。」③進級などができなくなる。落第する。試験などに不合格となる。「大学・に・ すべる。」④言うべきでないようなことまで、思わず言ってしまう。「口・が・ すべっ・て・ 言わ・んでも・ えー・ こと・を・ 言()ー・ても・た。」■名詞化=すべり【滑り】⇒おちる【落ちる】

スポイト〔すぽいと、すぽいど〕【オランダ語=spuit】《名詞》 端を細くしたガラス管などの端にゴムなどの袋を付けて、液体を吸い上げて他の容器などへ移すための器具。「すぽいと・で・ 万年筆・に・ インキ・を・ 入れる。」

スポーク〔すぽーく〕【英語=spoke】《名詞》 自転車などの車輪と車軸をつなぐ、細い鉄の棒。「すぽーく・が・ 折れる。」

スポーツ〔すぽーつ〕【英語=sports】《名詞、動詞する》 ①体力を増進したり健康を保ったりするために、体を動かすこと。「何・ぞ・ すぽーつ・を・ やっ・とっ・た・ん・か。」②体を動かして腕前や勝負を競い合う、さまざまな種目。「プロ・の・ すぽーつ・の・ 選手・に・ なり・たい・ねん。」⇒うんどう【運動】

すぼける《動詞・カ行下一段活用》 ①結んでいたものが、もとに戻ったり、緩んだりする。「風呂敷・が・ すぼけ・て・ 中・が・ 見え・とる。」②くくっていた中身が、すり抜けて外れる。外れて落ちる。「自転車・の・ 後ろ・に・ くくっ・てい・た・ 荷物・が・ すぼけ・て・ 落とし・てき・た。」③人の間から、すり抜けていく。すばしこい行動をする。「あいつ・は・ いつの間ー・に・か・ すぼけ・て・ おら・ん・よーに・ なっ・た。」⇒ずるける〕

すぼし【素干し】《名詞》 小さな鰯を日光で乾かしたもの。「すぼし・を・ 焜炉・で・ 焼い・て・ 食う。」

すぼっこい《形容詞》 ①人に対して愛想を示さない様子。すげない態度をとる様子。「すぼっこい・ もの・の・ 言ー方・を・ する・ 人・や・なー。」②じっとしていなくて、いつの間にかいなくなるような様子。すり抜けてしまう様子。「すぼっこい・さかい・ 気・が・ もー・ おら・へん・がな。」

すぽっと《副詞》 ①栓の口などが軽く抜ける様子。「ビール・の・ 栓・を・ すぽっと・ 抜く。」②同じくらいの大きさのものが、別のものの中に円滑に収まる様子。「リックサック・に・ 荷物・が・ すぽっと・ 入っ・た。」

ずぼっと《副詞》 手足などを、柔らかいものの中に入れる様子。また、そこから抜き出す様子。「じゅるい・ 田圃・に・ ずぼっと・ 足・が・ 入っ・ても・た。」「足・を・ ずぼっと・ 引き抜く。」

すぼぬける【すぼ抜ける】《動詞・カ行下一段活用》 くくっていたものがほどけて、落ちたり外れたりする。「自転車・の・ 後ろ・に・ くくっ・とっ・た・のに・ すぼぬけ・て・ 荷物・を・ 落とし・てき・た。」「巻い・とっ・た・ 包帯・が・ すぼぬけ・た。」

すぼむ(萎む)】《動詞・マ行五段活用》 ①開いていたり、ふくらんでいたりしたものが、小さくなって縮む。大きかったり生き生きしたりしていたものが、小さくなって縮む。ぺしゃんこになる。「空気・が・ 抜け・て・ 風船・が・ すぼん・でも・た。」②開いていた花が、水分を失って閉じたり小さくなったりする。「昼・に・ なっ・たら・ 朝顔・が・ すぼん・でまう。」③ものの一方が、他の部分よりも、狭く小さくなる。「すそ・が・ すぼん・だ・ スカート・を・ はい・とる。」■他動詞は「すぼめる【窄める】」〔⇒しぼむ【萎む】、しゅぼむ(萎む)⇒へこむ【凹む】、へっこむ【凹っ込む】⇒しおれる【萎れる】、ひしぼる【干しぼる】、へしぼる(干しぼる)

すぼめる【窄める】《動詞・マ行下一段活用》 開いていたり、ふくらんでいたりしたものを狭く小さくする。「傘・を・ すぼめる。」■自動詞は「すぼむ【窄む】」〔⇒しぼめる(窄める)、しゅぼめる(窄める)

ずぼら《形容動詞や()、動詞する》 生活態度や仕事の様子などがだらしなく、いいかげんな様子。なすべきことをしない様子。横着である様子。「手ー・を・ ズボン・に・ つっこん・だ・ ずぼらな・ 格好」「ずぼらし・て・ 家・の・ 中・から・ 出・てき・やへん。」

すぽん《副詞と》 締まっていたものが、瞬間的に開く様子。「すぽんと・ 一升瓶・の・ 栓・が・ 抜け・た。」◆音を立てる場合にも使い、音を立てない場合にも使う。

ズボン〔ずぼん〕【フランス語=jupnoから】《名詞》 洋服で、二股になっていて、腰から下にはくもの。「こけ・て・ ずぼん・が・ 破れ・た。」◆長さによって「ながズボン【長ズボン】」「はんズボン【半ズボン】」と言い分ける。

スポンジ〔すぽんじ〕【英語=sponge】《名詞》 ①海底の岩についている海綿動物の繊維状の骨を乾燥させたもので、柔らかく水をよく吸うもの。「すぽんじ・で・ 指・を・ 濡らし・て・ 紙・を・ 数える。」②合成樹脂で、水をよく吸うようにした製品。「すぽんじ・で・ お皿・を・ 洗う・」⇒かいめん【海綿】

すぽんすぽん《形容動詞や()》 中のものが、外側のものとぴったりしていないで、隙間がある様子。「箱・の・ 中・が・ すぽんすぽんで・ 動い・てまう。」

すぽんと《副詞》 物がすっきりと中に入っている様子。「隙間・に・ すぼんと・ はまっ・た。」

すま()】《名詞》 角になったところの内側にあたるところ。ものや場所の真ん中からはずれたところ。「部屋・の・ すま・で・ 内緒話・を・ する。」〔⇒すみ【隅】、すみっこ【隅っこ】、すまんだ(隅んだ)、すまんこ(隅んこ)

スマート〔すまーと〕【英語=smart】《形容動詞や()》 ①身なりや動作や言葉遣いなどが洗練されて、気がきいている様子。「すまーとに・ 走る。」②体つきがすらりとして、格好がよい様子。「すまーとに・ なっ・て・ 体重・が・ 減っ・た。」

すまい【住まい】《名詞》 住んでいるところ。住所。「あんた・の・ すまい・は・ どちら・です・か。」

すまし【澄まし】《名詞》 野菜や魚などを入れて、味付けをした透き通った汁。「味噌汁・より・も・ すまし・が 好きや。」〔⇒すましじる【澄まし汁】、すいもん【吸い物】

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2017年1月20日 (金)

奥の細道を読む・歩く(142)

ドレミファそら日記(26)     20161026

 

0740 ホテルたきしま発。

0815分 大谷川を渡る。鳴子峡の入口を望む。

0825分 尿前の関跡。芭蕉像、芭蕉句碑など。(0845)

0900分 こけし館。(0915)

0930分 ほっとパーク(足湯あり)

1006分 JR陸羽東線、鳴子温泉駅発。普通・小牛田行。

1014分 川渡温泉駅着。

1055分 小黒崎。(1100)

1115分 美豆の小島。(1130) ◆加藤さん、スケッチ。

1251分 JR陸羽東線、川渡温泉駅発。普通・鳴子温泉行。

1300分 鳴子温泉駅着。

1305分 JR陸羽東線、鳴子温泉駅発。普通・新庄行。

1312分 中山平温泉駅着。

1330分 中山宿跡。

1410分 軽井沢。

1430分 甘酒地蔵。(1440) ◆加藤さん、スケッチ。

1450分 橋のない沢を渡る。

1510分 「頭上注意」の木々が続く。

1515分 関沢(県境)

1530分 封人の家。(1550) ◆加藤さん、スケッチ。

1600分 堺田分水嶺。(1610)

1629分 JR陸羽東線、堺田駅発。普通・新庄行。

1635分 赤倉温泉駅着。

1645分 ひやま山荘着。(迎えの車にて)

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (265)    (通算2263回)

日常生活語 「す」⑨

 

ずにのる〔ずーにのる〕【図に乗る】《動詞・ラ行五段活用》 自分の思い描く計画や工夫にそって、調子に乗る。つけあがって、ふてぶてしく行動する。少しぐらいのことには動じない様子で行動する。「ずーにのっ・て・ まだ・ 大けな・ 声・を・ 出し・とる。」「ずーにのっ・て・ 大けなっ・た・ 会社」

すね【脛】《名詞》 足の、膝から足首までの間。特に、その前面。「階段・を・ 上り・よっ・て・ すね・を・ 撲っ・た。」〔⇒すねぼん【脛ぼん】、すねぼし【脛ぼし】

すね【拗ね】《名詞、形容動詞や()》 人に向かってわざと逆らったり不満を述べたりする性格の人。また、そのようにしている様子。「あいつ・は・ すねや・さかい・ きつい・ こと・を・ 言()ー・たら・ あか・ん・ぞ。」〔⇒すねぼし【拗ねぼし】、すねぼん【拗ねぼん】、すねなすび【拗ね茄子】

すねかじり【脛齧り】《名詞、動詞する》 親から生活費や学費などをもらって世話になっていること。また、そのような人。「まだ・ すねかじり・が・ 2人・も・ おり・ます・ねん。」

すねなすび【拗ね茄子】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 人に向かってわざと逆らったり不満を述べたりする性格の人。また、そのようにしている様子。「この・ 子ー・は・ このごろ・ すねなすび・に・ なっ・とり・ます・ねん。」〔⇒すね【拗ね】、すねぼし【拗ねぼし】、すねぼん【拗ねぼん】

すねのさら【脛の皿】《名詞》 膝頭の部分の骨。「すねのさら・が・ 痛い。」〔⇒すねぼんのさら【脛ぼんの皿】

すねぼし【脛ぼし】《名詞》 足の、膝から足首までの間。特に、その前面。「すねぼし・に・ 膏薬・を・ 貼る。」〔⇒すね【脛】、すねぼん【脛ぼん】

すねぼし【拗ねぼし】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 人に向かってわざと逆らったり不満を述べたりする性格の人。また、そのようにしている様子。「すねぼし・ばっかり・ 言()ー・ 年頃・や・さかい・ 扱いにくい。」〔⇒すね【拗ね】、すねぼん【拗ねぼん】、すねなすび【拗ね茄子】

すねぼん【脛ぼん】《名詞》 足の、膝から足首までの間。特に、その前面。「ひっくり返っ・て・ すねぼん・に・ 怪我・を・ し・た。」◆「ぼん」は、「脛小僧」の「小僧」にあたる部分を「坊」と表現し、その発音が変化したものであろうか。〔⇒すね【脛】、すねぼし【脛ぼし】

すねぼん【拗ねぼん】《名詞、形容動詞や()、動詞する》 人に向かってわざと逆らったり不満を述べたりする性格の人。また、そのようにしている様子。「あいつ・は・ いっぺん・ すねぼんし・たら・ なかなか・ 機嫌・が・ 直ら・へん・なー。」〔⇒すね【拗ね】、すねぼし【拗ねぼし】、すねなすび【拗ね茄子】

すねぼんのさら【脛ぼんの皿】《名詞》 膝頭の部分の骨。「自転車・で・ こけ・て・ すねぼんのさら・を・ 撲っ・た。」〔⇒すねのさら【脛の皿】

すねる【拗ねる】《動詞・ナ行下一段活用》 ①自分の気に入らないことに、文句を言ったり、わざと逆らったりする。「みんな・に・ 反対さ・れ・て・ すね・とる。」②野菜の実などが、曲がって成長する。「えらい・ すね・た・ 胡瓜・や・なー。」■名詞化=すね【拗ね】

すのこ【簀の子】《名詞》 細い板や竹を、隙間を開けて横に並べて、編んだり木に打ちつけたりしたもの。「風呂場・に・ すのこ・を・ 敷()く。」〔⇒す【簀】、すいた【簀板】

すのこ【簾の子】《名詞》 寿司を巻いたりするときに使う、細く裂いた竹などを糸で編んだ小さなもの。「すのこ・を・ ちょっと・ 押さえ・ながら・ 寿司・を・ 巻く。」〔⇒す【簾】

すのもん【酢の物】《名詞》 魚や貝や野菜などを酢に浸して味付けした食べ物。「若布・の・ すのもん」

すばい【素灰、炭灰】《名詞》 炭を焼いたときにできる、粉のようになった炭。籾殻を焼いて灰にしたもの。「火鉢・に・ すばい・を・ 入れる。」

スパイ〔すぱい〕【英語=spy】《名詞、動詞する》 相手の情報をひそかに調べること。相手側の内部に入って秘密を探ること。また、それをする人。「すぱい・の・ 映画・を・ 見・た。」

スパイク〔すぱいく〕【英語=spike】《名詞》 滑らないように、底に金具を打った靴。また、その金具。「野球選手・が・ 履い・とる・ すぱいく」

すばこ【巣箱】《名詞》 鳥が巣として住めるように、木などにかけてやる箱。「すばこ・を・ 作っ・て・ 木ー・に・ ぶらさげる。」

ずばずば《副詞と》 ①遠慮なく言ったり、したりする様子。「ずばずば・ 言わ・れ・たら・ 言い返さ・れ・へん。」「ずばずばと・ 仕事・を・ する。」②物事が次々と的中したりして、うまく展開する様子。「宝くじ・が・ ずばずば・ 当っ・たら・ 良()ー・ねん・けど。」

すばしこい《形容詞》 ①動作が目立って素早い。「あの・ 選手・は・ すばしこー・に・ 動い・とる。」②人のすきをうかがって行動し、抜け目がない。「すばしこい・さかい・ じっきに・ おら・ん・よーに・ なっ・てまう。」〔⇒はしかい〕

ずばっと《副詞》 ものごとの要点や核心を鋭く指摘する様子。周りの人に遠慮しないで、ものを言う様子。「問題点・を・ ずばっと・ 言()わ・れ・たら・ なるほど・なー・と・ 思う。」

ずばぬける【ずば抜ける】《動詞・カ行下一段活用》 普通の程度よりもぐんと優れている。群を抜いて優秀である。「ずばぬけ・た・ 成績・を・ とる。」「ずばぬけ・た・ 背ー・の・ 高さ」

すばらしい〔すばらしー〕【素晴らしい】《形容詞》 思わず感嘆するほど見事で、優れている。感心させられるほど立派である。「すばらしー・ 声・を・ し・とる・やないか。」

スピーカー〔すぴーかー〕【英語=speaker】《名詞》 ①電流によって声や音を大きくして、遠くまで聞こえるようにする器械。「村中・に・ 聞こえる・よーに・ 作っ・た・ すぴーかー」「ラジオ・の・ すぴーかー」②ラジオやテレビや蓄音機(プレイヤー)などで、電流を音に変える装置。⇒かくせいき【拡声器】

スピード〔すぴーど〕【英語=speed】《名詞》 乗り物やものごとなどの進む度合い。速度。速力。また、その度合いが高いこと。「新幹線・の・ すぴーど」〔⇒はやさ【速さ】

スプーン〔すぷーん、すぷん〕【英語=spoon】《名詞》 液体や粉末の食べ物をすくい取るための、小皿のような頭部に柄をつけた小さな道具。「すぷーん・で・ カレー・を・ 食べる。」〔⇒さじ【匙】、しゃじ()

ずぶずぶ《形容動詞や()》 ひどく濡れている様子。「雨・に・ 降ら・れ・て・ ずぶずぶに・ なっ・た。」

ずぶとい【図太い】《形容詞》 肝がすわっていて、少々のことには動じない様子。開き直った感じで、ふてぶてしい様子。「しーしー・(と・) 追い払)ー・ても・ 逃げ・ていか・へん・ ずぶとい・ 猫・や。」〔⇒ずうとい(図太い)

ずぶぬれ【ずぶ濡れ】《形容動詞や()》 全体がひどく濡れている様子。すっかり濡れている様子。「夕立・で・ ずぶぬれに・ なる。」〔⇒びしょぬれ【びしょ濡れ】、びしゃぬれ【びしゃ濡れ】、びちょぬれ【びちょ濡れ】、びちゃぬれ【びちゃ濡れ】

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2017年1月19日 (木)

奥の細道を読む・歩く(141)

[堺田の分水嶺]

 

 分水嶺というのはなじみの言葉ですが、分水嶺になっているところを実際に見るのは初めてです。屋根のようになっていて水の流れが左右に分かれるような、そんな典型的な姿ではないだろうと思っていますが、実際にはどんな様子なのか予想がつきません。

 封人の家から国道47号の左手に向かって進みます。広い土地を細い道が蛇行するように続いていますが、公園予定地のような感じで、この先に分水嶺があるのだろうかといぶかしく思うようなところです。数分歩くと、整備された一画に着きます。堺田の分水嶺から海に至るルートについての説明板があります。太平洋側へは、大谷川支流、大谷川、江合川、旧北上川を流れて、石巻市まで116.2㎞です。日本海側へは、芦ヶ沢川、明神川、最上小国川、最上川を流れて、酒田市まで102.6㎞です。太平洋側の海は石巻の日和山から眺めました。日本海側の海は、次回の旅で、同じ名前の、酒田の日和山から眺める予定です。

 分水嶺の標高は338メートルと書かれています。東北地方の背骨である奥羽山脈はあちらこちらに分水嶺があるはずですが、人々の生活している身近なところにあることが嬉しい気持ちになります。

 何ということもない細い用水路が向こうからこちらへゆっくりとし水の動きを見せています。その突き当たりで左右2本のやや太い用水路にわかれて、両方にゆっくりと動いています。水が分かれるところには、最上石で、向かって右が太平洋へ、向かって左が日本海へつながることを示すモニュメントがあります。目の前で水が東西にわかれているのです。山の頂上や稜線が分水嶺になっている場合は、このような目に見える形のものではありませんから、平坦な土地にある分水嶺は珍しい存在であるのかもしれません。周りには大きなモニュメントも作られ、ベンチが置かれています。

 木で作られた分水嶺表示板に堺田駅という文字も書かれていて、そこまで行くと、低い位置にある堺田駅が見えてきます。ホームには「奥羽山脈分水嶺 県境の駅堺田」という駅名表示板が立っています。

 堺田駅から一駅だけ乗って赤倉温泉駅で降りて、迎えに来ていただいた旅館の車で日山温泉の宿に向かいます。隣の赤倉温泉と違って、一軒だけの宿ですが、ここには、泳げる露天風呂というのがありました。プールになっていて贅沢な湯がたたえられているのです。キャッチフレーズ通りに、泳いで2、3回往復しました。この日の夜のニュースは富士山が初冠雪したと告げています。1956(昭和31)と並んで最も遅い記録だそうです。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (264)    (通算2262回)

日常生活語 「す」⑧

 

すっぽん【鼈】《名詞》 食用にもなる、川や沼地などにすみ、亀に似ているが甲羅が柔らかい動物。「すっぽん・は・ くらいつい・たら・ 離れ・へん。」

すっぽん《形容動詞や()》 衣類などを何も身に付けていない様子。「すっぽんで・ 歩き回っ・たら・ あか・ん・がな。」〔⇒あかはだか【赤裸】、まるはだか【丸裸】、すっぱだか【素っ裸】、すっぽんぽん、すっぽんぽんのまるはだか【すっぽんぽんの丸裸】、すっとんとん〕

すっぽんたび【鼈足袋】《名詞》 足にぴったりとくっつくようにできている、運動用の足袋。「毎年・ 運動会・に・は・ すっぽんたび・を・ 買()ー・た。」

すっぽんぽん《形容動詞や()、名詞》 衣類などを何も身に付けていない様子。また、そのような人。「風呂・から・ あがっ・て・ すっぽんぽん・の・ 時・に・ 電話・が・ かかっ・てき・た。〔⇒あかはだか【赤裸】、まるはだか【丸裸】、すっぱだか【素っ裸】、すっぽん、すっぽんぽんのまるはだか【すっぽんぽんの丸裸】、すっとんとん〕

すっぽんぽんのまるはだか【すっぽんぽんの丸裸】《形容動詞や()、名詞》 衣類などを何も身に付けていない様子。また、そのような人。「夏・は・ すっぽんぽんのまるはだかで・ 寝・たい・なー。」〔⇒あかはだか【赤裸】、まるはだか【丸裸】、すっぱだか【素っ裸】、すっぽん、すっぽんぽん、すっとんとん〕

すてき【素敵】《形容動詞や》 心を引きつけられて、素晴らしいと感じられる様子。魅力があって、非常に優れている様子。「すてきな・ 着物・を・ 買()ー・て・やっ・た・ん・や・ね。」◆やや共通語的な意識で使う。

すてご【捨て子】《名詞》 何らかの事情で、親に置き去りにされた子。「病院・に・ すてご・を・ する・ 人・が・ あっ・た・ん・やて。」

すててこ《名詞》 男性用の、ひざ下まである下着。短い股引。「夏・は・ すててこ・で・ 家・の・ 中・を・ 歩い・とる。」

すてる【捨てる】《動詞・タ行下一段活用》 ①要らないものとして、置いたり投げ出したりする。「どこ・に・でも・ ごみ・を・ すて・たら・ あか・ん・やろ。」②取り組んでいたことを途中で止めて放棄する。望みが持てなくて、努力することをやめる。「試合・を・ すて・てまう・の・は・ もったいない。」〔⇒してる(捨てる)、ほかす【放下す】⇒ちゃいする、ぽいする、ほりなげる【放り投げる】、ほったらかす【放ったらかす】、ほっちらかす【放っ散らかす】、ほっとく【放っとく】、ぶつける。⇒あきらめる【諦める】

ステン〔すてん〕【英語=stainlessの省略形】《名詞》 錆びないことを目的にした、鉄とニッケルとクロムの合金。「すてん・の・ 包丁(ほちょ)〔⇒ステンレス【英語=stainless

すてんと《副詞》 からだ全体が大きく動いて転ぶ様子。「坂道・で・ すてんと・ ひっくり返っ・た。」

ステンレス〔すてんれす〕【英語=stainless】《名詞》 錆びないことを目的にした、鉄とニッケルとクロムの合金。「山陽電車・の・ すてんれす・カー」〔⇒ステン【英語=stainlessの省略形】

スト〔すと〕【英語=strikeの省略形】《名詞、動詞する》 働く人が、要求をかかげて、一斉に仕事を休むこと。抗議の意思をこめて、じっとして動かないこと。「このごろ・は・ 電車・の・ すと・が・ 無い・ので・ ありがたい。」「怒っ・たら・ 子ども・が・ すと・を・ 起こし・て・ 飯・を・ 食い・よら・へん。」〔⇒ストライキ【英語=strike

すど【簾戸】《名詞》 土間や座敷などにある、ガラスや紙などが張られていなくて縦の桟が密になっている格子戸。「夏・は・ すど・に・ 風・が・ 通っ・て・ 涼しー。」

すどおり〔すどーり〕【素通り】《名詞、動詞する》 立ち寄らないで、通り過ぎること。立ち止まらないで、通り過ぎること。「すどーりし・たろ・(と・) 思(おも)・とっ・てん・けど・ あんた・に・ 見つかっ・ても・た。」

ストーブ〔すとーぶ〕【英語=stove】《名詞》 電気、ガス、石油、薪、炭などを使って部屋を暖める道具。「昔・は・ 石炭すとーぶ・で・ 煙・が・ よー・ 出・た・もんや。」

ストップ〔すとっぷ〕【英語=stop】《名詞、動詞する》 ①動いているものが止まること。動いているものを止めること。「踏切事故・で・ 電車・が・ すとっぷし・た。」②交通信号などにおける止まれという合図、または言葉。「待て・ すとっぷ・ すとっぷ。」

ストライキ〔すとらいき〕【英語=strike】《名詞、動詞する》 働く人が、要求をかかげて、一斉に仕事を休むこと。抗議の意思をこめて、じっとして動かないこと。「工場・が・ すとらいき・で・ 休ん・どる。」〔⇒スト【英語=strikeの省略形】

ストライク〔すとらいく〕【英語=strike】《名詞》 野球で、投手の投げた玉が、本塁上の決められた範囲内を通ること。「なんぼ・ 投げ・ても・ すとらいく・が・ 入ら・へん。」

すとんと《副詞》 ①ものを下の方に落とす様子。ものが下の方に落ちる様子。「かかえ・とっ・た・ もの・を・ すとんと・ 落とし・た。」「成績・が・ すとんと・ 落ちる。」②真っ直ぐなものが続く様子。「駅・まで・ すとんと・ 道・が・ でけ・た。」

ずどんと《副詞》 相手にぶち当たったりして、打撃を与える様子。鉄砲などを撃つ様子。また、そのときに出る音。「ずどんと・ 一発・ かまし・たれ。」「猪・を・ ずどんと・ 撃つ。」

すな【砂】《名詞》 海岸や川岸などにある、岩石が風化してできた、とても小さな粒。「浜・を・ 歩い・て・ 靴・に・ すな・が・ 入っ・た。」

すなお【素直】《形容動詞や()》 ①性質が穏やかで、ひねくれていない様子。人に逆らうことがない様子。「すなおに・ 言()ー・ こと・を・ 聞く・ 子」②曲がったり歪んだりしていない様子。癖がなくて、伸び伸びしている様子。「すなおな・ 文章・や・さかい・ わかりやすい。」「節・の・ ない・ すなおな・ 材木」

すなじ【砂地】《名詞》 ①砂ばかりの土地。砂の多い土地。「下・が・ すなじ・や・さかい・ 雨・が・ 降っ・ても・ じっきに・ 乾く。」②海底で、砂になっているところ。「すなじ・で・ 鰈・を・ 釣る。」

すなどけい〔すなどけー〕【砂時計】《名詞》 真ん中がくびれたガラス容器に砂を入れて、落ちる砂の量によって大まかな時間を計る仕掛け。「茹でる・ 時間・を・ すなどけー・で・ 5分・ 計る。」

すなば【砂場】《名詞》 運動場や公園などの一画に囲いを作って、砂を入れた遊び場。「すなば・で・ トンネル・を・ 作る。」

すなはま【砂浜】《名詞》 砂が一面に広がっている海岸。「周り・は・ 埋め立て・を・ し・ても・た・さかい・ この・ 辺・の・ すなはま・は・ 貴重品・なん・や。」

すなぼこり【砂埃】《名詞》 細かい砂が、ほこりのように舞い上がったもの。「すなぼこり・が・ 立っ・て・ 目ー・ 開け・とら・れ・へん。」

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2017年1月18日 (水)

奥の細道を読む・歩く(140)

封人の家

 

 「南部道遙にみやりて」で始まる文章は、岩手の里、小黒崎・みづの小島、なるごの湯、尿前の関を述べ、封人の家のことまでを一気に短く書いていて、最後を「蚤虱馬の尿する枕もと」の句で結んでいます。

 私たちは出羽街道中山越を歩き終えて、国道47号を歩いて、ほどなく封人の家の前に着きます。その途中の家の表札を加藤さんがめざとく見つけて、封人の家と同じ有路(ありじ)姓であると教えてくれます。封人とは国境を警備する、地元の村の庄屋のような人のことですが、この家の当主は15代目だそうです。ここは仙台領と境を接する新庄領です。

 この建物の様式や技法は元禄以前のものだと考えられています。芭蕉が実際に泊まった家で現在も残っているものは稀で、もしかしたらここが唯一かもしれません。加藤さんは少し離れたところから建物全体をスケッチします。

 入口左側には木の像が2つ並んでいます。左の像は、がっしりした体格で、正面の方を見ています。右の像は、笠をかぶって、視線がやや上に向いており、ちょっと小柄な感じがします。どちらの像も杖を突いています。左の像が芭蕉のように見えますが、右の像を曾良であるとは断言しにくいと思います。もしかしたら、どちらも芭蕉の像なのでしょうか。入口右側には、冬に備えてのことでしょう、割られた薪が積まれています。

 建物は茅葺き寄せ棟造りで、入ったところは土間で、土間には竈や水屋があります。土間の右手は馬屋になっています。左手は、手前が「ござしき」という板の間で、囲炉裏が切ってあります。その向こうに畳敷きの座敷が2つあり、床の間があって、板の間の納戸もあります。納戸には、藁ぐつやその他の生活用品などが展示してあります。この家の模型や、「奉上棟旧有路家住宅」と書いた板もあって、昭和4710月と書いてあります。大がかりな改修をしたときのものなのでしょうか。

 家の庭先に「蚤虱馬の尿する枕もと」の句碑があります。芭蕉たちは強い風雨に阻まれて、ここで3日間を過ごしています。蚤や虱にせめられて、一晩中寝付くことができないで過ごし、すぐ枕元では馬が小便をする音が聞こえるというのです。芭蕉たちは冷遇されたわけではないでしょうから、座敷で寝ただろうと想像します。けれども一つ屋根の下に人と馬とが一緒にいる状態であり、家じゅうの物音は芭蕉の耳に届いていたでしょう。旅のわびしさのように感じられますが、これを奥州での生活体験の一齣として味わっているような趣もあります。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (263)    (通算2261回)

日常生活語 「す」⑦

 

ずつ《副助詞》 ①関係あるすべての人やものに対して、同じ分量を割り当てるときに使う言葉。「1人・が・ 5枚・ずつ・ 取っ・てください。」②一定の量に限られた程度のことを、何度も繰り返すことを表す言葉。「ちょっと・ずつ・ 進ん・で・ 登っ・ていく。」

ずつう〔ずつー〕【頭痛】《名詞》 ①頭部に痛みを感じること。「ずつー・の・ 薬」②困った事柄。心の痛み。「会社・で・の・ もめごと・が・ ずつー・や・ねん。」〔⇒あたまいた【頭痛】

すっからかん《形容動詞や》 ①空っぽである様子。中に何もない様子。「引っ越しし・て・ 家・の・ 中・は・ すっからかんに・ なっ・た。」②持っていた金銭やものなどがなくなってしまう様子。無一物になってしまう様子。「パチンコ・で・ すっからかんに・ なる。」⇒すってんてん〕

すっかり《副詞》 ①さまざまなものを含んで。すべてに行きわたって。一つ残らずすべて。「すっかり・ 無い・よーに・ なっ・ても・た。」②完全にその状態になっていると感じられる様子を表す言葉。「すっかり・ 秋・に・ なり・まし・た・なー。」⇒こっきり、こっきら、こっきらこ、こっきらこい、なにもかも【何も彼も】、なんにもかも【何にも彼も】、なんもかも【何も彼も】、なんもかんも(何も彼も)

すっきゃき(鋤焼き)】《名詞》 肉・豆腐・葱などを入れて、肉の脂で焼き、たれで煮ながら食べる料理。「祭り・の・ 晩・は・ すっきゃき・を・ 食う。」〔⇒すきやき【鋤焼き】

すっきり《副詞と、動詞する》 ①不快感などがあとに残らず、すがすがしく気持ちがよい様子。不必要なものがなくなって、爽快に感じる様子。「要ら・ん・ 物・を・ 捨て・て・ 部屋・の・ 中・が・ すっきりし・た。」「頭痛(あたまいた)・が・ 治っ・て・ すっきりと・ し・た。」②味などがしつこくなく、あっさりしている様子。「すっきりし・た・ 味・の・ ビール・が・ 好きや。」③複雑に入り組んでいなくて、わかりやすい様子。「すっきりし・た・ 話・で・ よー・ わかっ・た。」①②⇒さっぱり〕

ずっきん(頭巾)】《名詞》 布で袋の形に縫って、頭や顔をおおうもの。「ずっきん・を・ かぶっ・た・ 泥棒・が・ 入っ・た。」「鞍馬天狗・の・ ずっきん」〔⇒ずきん【頭巾】

ズック〔ずっく〕【オランダ語=doek】《名詞》 ①木綿や麻などの糸で織った、厚い布。「ずっく・で・ でき・とる・ テント」②木綿や麻などの糸で作った、ゴム底の靴。「ずっく・ 履い・て・ 学校・へ・ 行く。」

すっこい《形容詞》 自分の利益のために、正しくないことをする。狡猾で、横着である。「後・から・ 来・て・ 前・へ・ 割り込む・の・は・ すっこい・ぞ。」〔⇒すこい、ずるい【狡い】、ずるっこい【狡っこい】、いしこい、こすい、せこい〕

すっこむ《動詞・マ行五段活用》 ①人や動物が、中に入って、外に出ない。「風邪・ ひー・て・ 家・に・ すっこん・どっ・た。」②主だったところや、表になるところから入り込んでいる。後ろへ下がって、表面に出ない。「退職し・て・から・は・ すっこん・で・ 自治会・の・ 役員・も・ やめ・ても・た。」「亀・の・ 首・が・ すっこん・だ。」③中が低く落ち込む。周りよりも低く落ち込む。窪む。「すっこん・だ・ 眼」■他動詞は「すっこめる」〔⇒ひっこむ【引っ込む】、へっこむ(引っ込む)

すっこめる《動詞・マ行下一段活用》 ①出していたものを、中に入れる。「竿・の・ 先・を・ すっこめる。」「蟹・が・ ハサミ・を・ すっこめ・た。」②いったん言ったり出したりしていたものを、取り下げる。「前・に・ 言()ー・た・ 話・を・ すっこめる。」■自動詞は「すっこむ」〔⇒ひっこめる【引っ込める】、へっこめる(引っ込める)

ずっしり《副詞と》 手応えや、ものの重みを強く感じさせる様子。「この・ 箱・は・ ずっしりと・ 重たい。」「小さい・ こと・に・は・ うろちょろし・ない・ ずっしりし・た・ 人」〔⇒ずしん〕

すってんてん《形容動詞や()》 持っていた金銭やものなどがなくなってしまう様子。無一物になってしまう様子。「競馬・で・ すってんてんに・ なっ・ても・た。」〔⇒すっからかん〕

すっと〔すーっと〕《副詞、動詞する》 ①動きが滑らかに、すばやく行われる様子。「燕・が・ すっと・ 飛ん・でいく。」「手ー・を すっと・ 出す。」②もやもやしていたものから解放されて、気持ちが良くなる様子。「屁ー・ こい・たら・ すっとし・た。」③まっすぐに長く伸びる様子。「杉・の・ 木ー・の・ 枝・が・ すっと・ 伸び・とる。」

ずっと〔ずーっと〕《副詞》 ①ある状態が長い間にわたって続く様子。時間の隔たりが大きい様子。「ずっと・ 野球・を・ し続け・てき・た。」「ずっと・ 昔・に・ 会()ー・た・よーな・ 気・が・ する。」②ある状態が広がっている様子。空間の隔たりが大きい様子。「向こう・の・ 方・まで・ ずっと・ 田圃・が・ 続い・とる。」「駅・は・ ずーっと・ 向こう・の・ 方・や。」③比較してみると、大きな差や違いがある様子。「こーゆー・ やり方・の・ 方・が・ ずっと・ 早(はよ)ー・ 出来上がる。」

ずっとこせ《形容動詞や()》 ある動作や状態などを、休みなく続ける様子。「ずっとこせに・ 歩い・てき・た。」「ずっとこせーに・ 走っ・たら・ 倒れ・てまう・さかい・ いっぺん・ 休も・と・ 思う。」

すっとんとん《形容動詞や()》 ①衣類などを何も身に付けていない様子。「子ども・が・ すっとんとん・で・ 遊ん・どる。」②財産などを失って、体の外には何も持っていない様子。「競馬・で・ 負け・て・ すっとんとんに・ なっ・ても・た。」③遮るものがなくて、遠くまで見渡せるほである様子。「家・の・ 中・が・ すっとんとんや。」①②⇒すっぱだか【素っ裸】、あかはだか【赤裸】、まるはだか【丸裸】⇒すっぽん、すっぽんぽん、すっぽんぽんのまるはだか【すっぽんぽんの丸裸】、すっとんとん〕

ずつない【術無い】《形容詞》 ①息苦しくて、気持ちが悪い。「咳・が・ 出・て・ 喉・が・ ずつない。」②満腹で動きにくい。「餅・を・ 食い過ぎ・て・ ずつない・ねん。」③やりきれない気持ちである。「金・が・ 無()ー・て・ ずつない。」

すっぱだか【素っ裸】《形容動詞や()、名詞》 ①衣類などを何も身に付けていない様子。また、そのような人。②財産などを失って、体の外には何も持っていない様子。また、そのような人。「水害・に・ 遭ー・て・ すっぽんぽんに・ なっ・ても・た。」〔⇒あかはだか【赤裸】、まるはだか【丸裸】、すっとんとん。⇒すっぽん、すっぽんぽん、すっぽんぽんのまるはだか【すっぽんぽんの丸裸】

すっぽかす《動詞・サ行五段活用》 約束を守らないで、放置しておく。自分がすべき仕事などをしないでおく。「すっぽかし・て・ 約束・の・ 時間・に・ 来・なんだ。」

すっぽこだに【すっぽこ谷】《名詞》 周りの土地よりも一段と低くなっている土地。「山・の・ 向こう・の・ すっぽこだに・に・ 田圃・が・ ある。」〔⇒ひっこんだに【引っ込ん谷】

すっぽり《副詞と》 ①すっかり覆い尽くされている様子。全体に覆いかぶさっている様子。「すっぽり・ 布団・を・ 被る。」②何かの拍子に、抜けたり漏れ落ちたりする様子。「酒・に・ 酔ー・て・から・の・ こと・は・ すっぽり・ 何・も・ 覚え・とら・へん・ねん。」

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2017年1月17日 (火)

奥の細道を読む・歩く(139)

出羽街道中山越

 

 鳴子温泉駅の次の中山平温泉駅で下車します。尿前の関から大深沢越を経て中山平駅までの区間を省略しましたが、ここから堺田駅までを歩きます。中山宿、甘酒地蔵などを通って、封人の家、堺田分水嶺までを歩きます。

 標高251メートルの駅前には中山平の大桜があります。1917(大正6年)の駅開業に際して植えられた吉野桜で、根元は太い幹で、人の背丈のあたりから四方に枝を広げています。ここから歩き始めてみると、「おくのほそ道」に関する案内板が充実していて、封人の家まで4.5㎞と書いてあります。

 緩やかな下り坂を歩いていくと、ほどなく中山宿駅跡があります。ここからは国道47号を離れて、北側の細い道をたどります。岩出山から中山までは玉造五宿駅と言われ、1625(寛永2年)に宿が設けられました。とは言え、幕末の頃に戸数10戸、人口46人であったといいますから、寂しい街道筋であったのでしょう。

 くねった道の端に遊佐大神の碑があります。名関守といわれた遊佐平左衛門の徳をしのんだもので、田を開くために堰を掘り、水を引くのに成功した功績を讃え、神として崇めたのです。山間の村で、耕作に苦労したことがしのばれます。

 すぐ近くに山神社があります。赤い鳥居をくぐって石段を上るようになっていますが、神社の前を通る道をそのまま上っていくと、神社の横のあたりに出て、この神社の規模が大きいことがわかります。かつては相撲や神楽を奉納する行事があったようです。

 杉林の中の道を辿っていくと、空が明るくなって原っぱに出ます。西原というところです。しばらく、田畑や遠くの山を見ながら歩きます。山の一部は紅葉を見せています。山神社から20分余りの地点から、左手の山道に分け入るようになっています。甘酒地蔵まで1.2㎞とあります。頭の上から降り注ぐ日光で、木々の葉が黄色く見えます。

 小さな流れと出会って、そこには板の橋が架けられています。軽井沢というところです。岸辺は少し荒れた感じがしますが、水は澄んでいます。森の中の静かな一画です。

 少し上って、落ち葉で覆われた道を気持ちよく歩きます。国道47号への緊急避難道路という案内板を目にしますが、悪天候の時にここを歩くのは大変なことなのでしょう。

 軽井沢から10分余りで甘酒地蔵に着きます。1187(文治3年)、源義経が北の方と弁慶を伴って平泉に向かっていて、ここで日が暮れてしまったときに、野猿がお堂を建てて甘酒で接待したので、そのお礼に地蔵尊を祀ったという話が伝わっています。粗末なお堂に石仏が祀られています。

 その先にある後沢で小さな流れと出会いますが、ここは橋が架けられていません。流れに向かって下っていく石段はあるのですが、肝腎の橋はありません。浅い流れですから、石を踏んで流れを跳び越えます。今日は問題なく通り過ぎることができますが、増水すれば足止めを食らいそうです。

 四阿のようなところの前を通り、木立に覆われた道を抜け出したところで、大きな道に出ます。国道47号です。出口には「出羽街道中山越」の石柱が立っています。県境がどの地点であったのかはよくわかりませんが、国道脇には「ようこそ山形県へ」という看板が見えます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (262)    (通算2260回)

日常生活語 「す」⑥

 

すじがき【筋書き】《名詞》 ①物語や映画などの大まかな内容。また、それを書きつづったもの。「面白い・ すじがき・の・ 話・や。」②仕組んでおいた計画や予定。「不景気・で・ 儲ける・ すじがき・が・ つぶれ・ても・た。」⇒すじ【筋】

ずじまい【ず終い】《補助形容動詞や()》[動詞の未然形に付く] その行為などをしないで終わってしまうこと。「今年・の・ 夏・は・ 西瓜・を・ 食わずじまいやっ・た。」「早(はよ)ーに・ 退院し・ても・た・さかい・ あいつ・の・ 見舞い・は・ 行かずじまいに・ なっ・ても・た。」「忙しゅー・て・ あの・ 映画・は・ 見ずじまいに・ なっ・ても・た。」〔⇒んじまい【ん終い】

すじみち【筋道】《名詞》 ものごとの道理や論理的な順序。また、その正しさ。「すじみち・(を・) 立て・て・ 話・を・ せ・なんだら・ 何・(を・) 言(ゆ・とる・ん・か・ わから・へん・やん。」〔⇒すじ【筋】、みちすじ【道筋】

ずしん《副詞と》 手応えや、ものの重みを強く感じさせる様子。「大きな・ 箱・を・ ずしんと・ 置い・た。」「荷物・が・ ずしんと・ 肩・に・ こたえる。」〔⇒ずっしり〕

すす【煤】《名詞》 ①煙に混じっている黒い粉。「蝋燭・の・ すす」②煙とほこりが一緒になって、天井などにくっついているもの。「天窓・の・ とこ・に・ すす・が・ 溜まっ・とる。」

すず【鈴】《名詞》 中が空洞になっている丸い形の金属製や陶器製のものに、小さな玉などを入れて振って鳴らすもの。「猫・に・ すず・を・ つける。」

すすき【薄】《名詞》 秋の七草の一つで、細長い葉で、白くて長い穂を出し、山や野原に群がって生える植物。「すすき・に・ 穂ー・が・ 出る。」

すずき【鱸】《名詞》 背は灰青色、体は銀白色で、口が大きくうろこが小さく、近海や河口にすむ魚。「すずき・の・ 小()まい・の・が・ せいご・や。」

すすきにからまつ【薄に唐松】《名詞》 こよりの先に火薬を包み込んだ、小さな花火。「すすきにからまつ・を・ 買()ー・てき・て・ 花火・を・ する。」◆はじける火の形をなぞらえた表現である。〔⇒せんこうはなび【線香花火】

すすける【煤ける】《動詞・カ行下一段活用》 ①すすが付いて黒くなる。「すすけ・とる・ 窓・を・ 拭い・て・ 綺麗に・ する。」②古くなって薄汚れた色になる。「本・の・ 表紙・が・ すすけ・とる。」

すずしい〔すずしー〕【涼しい】《形容詞》 暑さを感じないほどの快い気温である。ひんやりとして、気持ちがいい。「風・が・ 吹い・て・ すずしー・なー。」

すする【啜る】《動詞・ラ行五段活用》 うどん・そば・粥・茶や、垂れてくる鼻水などを、息とともに、音をたてて、ずるずると吸い込む。「風邪・を・ ひー・て・ 鼻・を・ すする。」「饂飩・を・ すする。」「汁・を・ すすっ・て・ 飲ん・でまう。」

すすはらい【煤払い】《名詞、動詞する》 建物の内外などにたまった、煙から生じた黒い粉やほこりなどを除いてきれいにすること。「年末・に・ みんな・で・ すすはらいする。」

すすむ【進む】《動詞・マ行五段活用》 ①前方や目的地などに向かって動く。「前・へ・ すすみ・なさい。」②程度が上がる。上達する。「算盤・の・ 3級・へ・ すすむ。」③ものごとが進行する。ものごとがはかどる。「仕事・が・ ちょっと・ずつ・ すすむ。」④盛んになる。勢いがつく。積極的にそうしようとする。「行け・と・ 言()わ・れ・ても・ 気持ち・が・ すすま・へん。」⑤時計が、正しい時刻より早まる。「1日・に・ 1分・も・ すすむ・ 時計・は・ 困る・なー。」■他動詞は「すすめる【進める】」

すずむ【涼む】《動詞・マ行五段活用》 風にあたるなどして、暑さを避ける。「床几・で・ すずん・で・ 将棋・を・ する。」

すずむし【鈴虫】《名詞》 雄は鈴を振るような澄んだ声で鳴く、触角が長くて黒褐色をした小形の昆虫。「庭・の・ 方・で・ すずむし・が・ 綺麗な・ 声・で・ 鳴い・とる。」

すずめ【雀】《名詞》 人家の近くに群れをなしてすむ、茶色に黒の斑点があり腹は白い小さな鳥。「すずめ・を・ 空気銃・で・ 撃つ。」〔⇒ちゅんちゅん〕

すすめる【進める】《動詞・マ行下一段活用》 ①ものごとをはかどらせる。「仕事・を・ どんどん・ すすめる。」「その・ 話・は・ 賛成・でっ・さかい・ 前・へ・ すすめ・てください。」②時計の針を早める。「昔・は・ 1時間・ すすめる・ サマータイム・ 言()ー・の・が・ あっ・た。」■自動詞は「すすむ【進む】」

すすめる【勧める】《動詞・マ行下一段活用》 ①良いと思われることを、人にもするようにと働きかける。「旅行・に・ 一緒に・ 行か・へん・か・と・ すすめ・た。」②相手が食べたり使ったりするように促す。「お客さん・に・ 座布団・を・ すすめる。」■名詞化=すすめ【勧め】

すずり【硯】《名詞》 石や瓦などで作り、墨を水で練りおろすのに使う道具。「すずり・に・ 水・を・ 入れ・て・ 擦る。」〔⇒すずりいし【硯石】

すずりいし【硯石】《名詞》 石や瓦などで作り、墨を水で練りおろすのに使う道具。「値打ちもん・の・ すずりいし・や。」〔⇒すずり【硯】

すずりばこ【硯箱】《名詞》 書道に使う、硯や墨や筆などを入れておく箱。「すずりばこ・を・ 机・の・ 上・に・ 置く。」

すそ【裾】《名詞》 ①和服や洋服などの下のふち。「背中・の・ すそ・が・ 汚れ・とる・ぞ。」②順番に並べたときの最後のあたり。「学校・の・ 成績・は・ すそ・やっ・てん。」③髪の毛の襟首に近い部分。「すそ・は・ バリカン・で・ 刈る。」④兄弟姉妹のうち、いちばん後に生まれた子。「すそ・は・ まだ・ 小学生・や。」⇒すえっこ【末っ子】、おとんぼ、おとご、おとんご〕

ずたずた《形容動詞や()》 簡単には復元できないほどに、細かく切れ切れになる様子。「紙・を・ ずたずたに・ 破っ・てまう。」「鋏・で・ ずたずたに・ 切る。」「電車・の・ ダイヤ・が・ ずたずたに・ なっ・とる。」「考え・とっ・た・ 予定・が・ ずたずたに・ なっ・た。」

すだれ【簾】《名詞》 日除けや目隠しなどにする目的に使う、細く裂いた竹や、葦の茎などを糸で編んだもの。「縁側・に・ すだれ・を・ 掛け・たら・ 涼しー・なー。」〔⇒す【簾】

スタンド〔すたんど〕【英語=stqnd】《名詞》 ①机の上などに置く、台の付いた電灯。「すたんど・で・ 机・を・ 照らす。」②自転車を止めるときに倒れないように支える、バネのついた台。ものを立てておく台。「自転車・の・ すたんど・を・ 立てる。」⇒でんきスタンド【電気  英語=stand

スタンプ〔すたんぷ〕【英語=stamp】《名詞》 ①インクを付けて押すゴム印。ゴム印で押された印影。「シャチハタ・の・ すたんぷ」②使ったしるしとして、切手や葉書に押すもの。「すたんぷ・を・ 押し忘れ・た・ 葉書・が・ 来・た。」⇒けしいん【消印】

■山陽電気鉄道は、かつて、すべての駅に観光用のスタンプを設置していたことがあり、そのスタンプを集めるという催しも行っていました。

 駅のスタンプは、かつての国鉄がディスカバー・ジャパンを合い言葉に旅行意欲を喚起しようとして、全国的にスタンプを整備し、ブームとなったことがあります。

 ところで、山陽電鉄のスタンプはその時が最初というわけではない。それより前にも、主要駅や、観光が主体となる駅にはスタンプがあったように思う。

 20年ほど前に設置されたスタンプは既に姿を消してしまっています。もしかして、どこかの駅には残っているのでしょうか。けれども、山陽電鉄は全駅自動改札を推し進めて、その結果として主要駅以外は無人化されましたから、今ではスタンプを置いても管理が行き届かなくなることでしょう。

 今でも沿線のあちこちでスタンプラリーという催しは行われていますが、それは駅に設置したスタンプではなく、あちこちの名所にスタンプを置いているのです。

 さて20年ほど前のスタンプの印影です。西江井ヶ島駅のスタンプには、日本酒の酒蔵とウイスキー蒸留所が描かれ、蒸留所の空には風見鶏の姿があります。それから、魚住城跡の標柱があり、沖には淡路の島影が見えます。(魚住城については、後日、書くことにします。)

 一方、魚住駅のスタンプには、藤の花で有名な中尾・住吉神社と、牡丹で知られる薬師院(通称はボタン寺)が描かれています。海に向かって開放的な風景が広がるのが住吉神社です。

 魚住駅は、JRの駅名と区別するために、正確には山陽魚住駅と言います。この魚住駅は、西江井ヶ島駅と同時に開設されました。終戦直前の1945(昭和20)7月20日から営業を休止しましたが、2年後の1947(昭和22)1115日に再開しています。いずれにしても、国鉄(現・JR西日本)魚住駅の開設よりは古いのです。

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2017年1月16日 (月)

奥の細道を読む・歩く(138)

小黒崎、みづの小島②

 

 国道47号から少し離れて下っていくと、みづの小島が見えてきます。ススキの原のように見えているところの向こうに、ぽっかりと浮かんだ低い山です。小さくて可愛らしい姿です。

 「奥の細道 美豆の小島」という案内板などが設けられているのは、そこよりも手前にある広場です。近くに歌碑があります。「をぐろ崎みつの小島の人ならば都のつとにいざと言はましを」という古今集・巻二十に載っている東歌が刻まれています。小黒崎はかすかで暗いという名を持ち、みづの小島は「見つ」(見た)という名を持っているのですが、もしそれらが人であるのなら、遠い都へのお土産として、さあ一緒に行きましょうと言うのにねぇ、というような意味の歌です。東歌ですから、作者不詳で東国民謡のような趣がある歌です。みづの小島を詠んだものとしては、続古今集に四条天皇や順徳院の歌も残されています。

 先に引用した曾良随行日記の記述によれば、川の中に岩の島があって、松が3本とその他の小さな木が生えて、川の向こう側と地続きになっていたようです。古来、川の流れは何度も変化したようで、川のあちら側になったり、こちら側になったりしたのでしょう。小島は1890(明治23)の洪水で荒廃したようです。

 広場の中にぽっかりと盛り上げられたように見えるみづの小島に近づいていきます。加藤さんは少し離れたところに足を止めてスケッチをします。

 近づくにつれて岩は黒々としたものであることがわかります。川の側にまわっていくと、案外に上りやすい形になっています。上っていくと赤い鳥居があって、その向こうに小さな祠があります。これまで川の水は見えなかったのですが、鳥居のあたりからは川の中が見えます。江合川はゆったりと流れているのですが、川底が浅いので岩に当たって白いさざ波が立っています。

 もと来た道を川渡温泉駅まで引き返し、食堂らしきものがない駅前で、食品ストアを見つけてパンとジュースなどを買い、駅の待合室で食べます。列車を鳴子温泉駅で乗り継いで、中山平温泉駅に向かいます。湯けむりラインと言うだけあって、このあたりの駅名は「温泉」と付くのが多いのです。

 鳴子温泉駅を出た列車は、トンネルとトンネルの間の、鳴子峡が見えるところでスピードをぐんと落として、紅葉風景を満喫させてくれます。ここは鉄道写真の名所で、列車がトンネルから顔を出した瞬間を切り取ったものは、あまりにもポピュラーです。紅葉の季節は、列車がゆっくり走ってくれるから、国道から写真を撮る人にとっても好都合なのでしょう。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (261)    (通算2259回)

日常生活語 「す」⑤

 

ずけっと《副詞》 遠慮しないで、ものを言う様子。当人を前にして単刀直入に批判や非難をする様子。「ずけっと・ 言わ・なんだら・ あいつ・は・ 気ー・ 付け・へん・」〔⇒ずけずけ〕

すけない(少ない)】《形容詞》 数や量が僅かである。基準とする数や量よりも小さい。「今日・は・ お客さん・が・ すけない。」■対語=「おおい【多い】」「おかい【(多い)】」〔⇒すくない【少ない】

すけないめ(少ないめ)】《名詞、形容動詞や()》 ものの数や量が、やや僅かであること。普通に比べて、あるいは予期していたことに比べて少ないと思われること。「冬休み・の・ 宿題・は・ すけないめや・さかい・ 嬉しー・なー。」■対語=「おかいめ【(多いめ)】」〔⇒すくないめ【少ないめ】、すくなめ【少なめ】、すけなめ(少なめ)

すけなめ(少なめ)】《名詞、形容動詞や()》 ものの数や量が、やや僅かであること。普通に比べて、あるいは予期していたことに比べて少ないと思われること。「昨日・ 飲ん・だ・さかい・ 今日・の・ 朝飯・は・ すけなめに・ 食べ・てん。」■対語=「おかいめ【(多いめ)】」〔⇒すくないめ【少ないめ】、すくなめ【少なめ】、すけないめ(少ないめ)

すける【助ける】《動詞・カ行下一段活用》 ①他人の仕事・作業などに力を注いで、負担を軽くしてやる。手をさしのべる。「手ー・を・ すける。」「食べる・の・を・ すける。」②軽く持ち上げることに協力する。「ちょっと・ そっち側・を・ 持っ・て・ すけ・てんか。」■名詞化=すけ【助け】⇒たすける【助ける】、てつだう【手伝う】、てったう【手伝う】、て()かす【手()貸す】

すける【透ける】《動詞・カ行下一段活用》 間にある何かを通して、中や向こう側が見える状態になっている。物と物の間から中や向こう側が見える。「スカート・の・ 中・が・ すけ・てまっ・せ。」〔⇒すく【透く】

すこい《形容詞》 自分の利益のために、正しくないことをする。狡猾で、横着である。「横取りする・の・は・ すこい・ぞー。」〔⇒ずるい【狡い】、ずるっこい【狡っこい】、すっこい、いしこい、こすい、せこい〕

すごい【凄い】《形容詞》 ①ものごとの程度などが甚だしい。普通でない。「雲・が・ すごい・ 出・てき・た・ 思(おも)・たら・ 急に・ 降っ・てき・た。」②感嘆するほど、素晴らしく優れている。「すごい・なー。褒め・たる・よ。」⇒ごつい、ごっつい、たいそう【大層】

ずこう〔ずこー〕【図工】《名詞》 絵を描いたり、物を作ったりする、小学校の教科の名。「ずこー・は・ 好きや・けど・ 音楽・は・ 苦手や。」◆「ずがこうさく〔ずがこーさく〕【図画工作】」をつづめて言う言葉。〔⇒ずがこうさく【図画工作】、ずが【図画】

すごく(扱く)】《動詞・カ行五段活用》 何かの間に挟んだり通したりして引っ張り、周りについているものを取り除く。「藁・を・ すごい・て・ 汚い・ ところ・を・ 捨てる。」〔⇒しごく【扱く】、こく【扱く】

すこし【少し】《形容動詞や()》 数量や程度などが僅かである様子。「すこし・だけ・や・けど・ 値段・が・ 下がっ・た。」「すこしや・けど・ どーぞ・ 食べ・てください。」

すごす【過ごす】《動詞・サ行五段活用》 ①その状態のままにしておく。無視する。「1本・ すごし・て・ 次・の・ 電車・に・ 乗っ・た。」②時間を費やす。時間が過ぎていくのにまかせる。「正月・は・ 寝・て・ すごし・た。」③ある限度を超えて、ものごとをする。「酒・を・ すごさ・ん・よーに・ 気ー・を・ つけ・なはれ。」

すこすこ《副詞と、形容動詞や()、動詞する》 ①少し堅いが、歯切れのよい口触りである様子。「すこすこし・た・ 蓮根・で・ 美味い。」②風や冷気などによって、肌寒く感じる様子。「背中・が・ すこすこする。」

すこたん《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①行ったことに対する手応えがないこと。目標などに当たらないこと。「てっころ〔=木槌〕・で・ すかたん・ 叩い・て・ 手・が・ しびれ・た。」②くじや抽選などに当たらないこと。あてが外れること。「福引き・の・ すこたん・の・ 券・ 10枚・で・ キャラメル・を・ 1箱・ くれ・た。」③見当違いなことをして失敗すること。「人・の・ 言()ー・とる・ こと・を・ 聞か・んと・ すこたんな・ こと・を・ し・とる。」④期待はずれであること。期待が裏切られること。「会社・を・ 変わっ・たら・ すこたんな・ 給料・しか・ くれ・なんだ。」■対語②=「あたり【当たり】」〔⇒すか、すかたん。⇒はずれ【外れ】

スコップ〔すこっぷ〕【英語=schop】《名詞》 土や砂などをすくったり穴を掘ったりするための、柄の短い道具。「すこっぷ・で・ 庭・に・ 穴・を・ 掘る。」

すこぶ【酢昆布】《名詞》 酢や砂糖などで漬けた、おやつにする昆布。「遠足・に・ すこぶ・を・ 持っ・ていく。」

すこべ【透こ屁】《名詞、動詞する》 音のしない屁。こっそりとする屁。「すこべ・ こい・た・ やつ・が・ おる・みたいや。」〔⇒すかべ【透か屁】

すごろく【双六】《名詞》 紙面に多くの区画を作って進む順序を決めておいて、サイコロを振って進んで、あがりに到達することを競う遊び。「雑誌・の・ 付録・の・ すごろく・で・ 遊ぶ。」

すし【寿司、鮨】《名詞》 ①酢を入れたご飯の上に生の魚や貝などをのせて、いっしょに握ったもの。または、酢を入れたご飯と、生の魚や貝などとを混ぜ合わせて作った食べ物。「鯖・の・ すし」②ご飯や具を海苔や卵焼きなどで巻いたもの。「太巻き・の・ すし」⇒にぎり【握り】、にぎりずし【握り鮨】。⇒まき【巻き】、まきずし【巻き寿司】

すじ【筋】《名詞》 ①点が動いた跡が、連なったもの。「紙・の・ 上・に・ すじ・を・ 引く。」②糸のように、細長く続くもの。「白い・ 雲・が・ 3つ・の・ すじ・に・ なっ・とる。」③電車、バスや、道路の通る経路。「どの・ すじ・の・ 市電・に・ 乗っ・たら・ えー・の・やろ・か。」④細長く続いている通り。「本町・の・ すじ・に・ ある・ お菓子屋さん」⑤動物の体を動かすために、細い肉質のものが集まってできている運動器官。「走っ・て・から・ すじ・が・ 痛(いと)ー・ なっ・た。」⑥血管。特に、皮膚の表面に浮き上がって見える血管。「顔・に・ すじ・を・ 立て・て・ 怒っ・とる。」⑦植物の繊維質。「すじ・の・ 多い・ 芋」⑧先祖から子孫へと続く、親子や兄弟姉妹のような血縁。「あの・ 家・は・ 音楽家・の・ すじ・や。」「長生き・を・ する・ すじ」⑨物語や映画などの大まかな内容。また、それを書きつづったもの。「話・の・ すじ・を・ 聞い・たら・ その・ 本・を・ 読み・とー・ なっ・た。」⑩ものごとの道理や論理的な順序。また、その正しさ。「すじ・の・ 通っ・た・ 考え方・を・ する・ 人・や。」①②③⇒せん【線】⇒きんにく【筋肉】⇒ち【血】、ちすじ【血筋】、けなみ【毛並み】、けっとう〔けっとー〕【血統】⇒すじがき【筋書き】⇒すじみち【筋道】、みちすじ【道筋】

すじかい【筋交い】《名詞》 ①直角でなく、斜めの角度に交わっていること。「踏切・は・ ちょつと・ すじかい・に・ なっ・とる。」②斜め前の位置。「すじかい・の・ ところ・に・ ある・ 家」③家の柱と柱の間に斜めに取り付ける材木。「柱・の・ 間・に・ すじかい・を・ 入れる。」①②⇒はすかい【斜交い】 

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2017年1月15日 (日)

奥の細道を読む・歩く(137)

小黒崎、みづの小島①

 

 順番が逆になりましたが、歌枕として知られる小黒崎とみづの小島に行きます。鳴子温泉駅から引き返して川渡温泉駅に降ります。

 曾良随行日記には、(五月)十五日の項に次のような記述があります。

 

 小黒崎・水ノ小嶋有。名生貞ト云村ヲ黒崎ト所ノ者云也。其ノ南ノ山ヲ黒崎山ト云。名生貞ノ前、川中ニ岩嶋ニ松三本、其他小木生テ有。水ノ小嶋也。今ハ川原、向付タル也。古ヘハ川中也。

 

 小黒崎とみづの小島は、川渡温泉駅と池月駅の中間地点で、どちらから歩いてもかなり遠いのです。川渡温泉駅前の観光案内板には、小黒ヶ崎、美豆の小島と表記され、美豆の小島は川の真ん中にあるように書かれています。

 国道47号をどんどん歩いていくと、大崎市鳴子温泉黒崎という地名表記があって、そこから数分進んだところに、「芭蕉もここでひとやすみ… 名勝小黒崎 小黒崎観光センター」という看板が見えてきます。ところが、その小黒崎観光センターは閉鎖されてしまっていて、人の姿がありません。北側の小山に向かって矢印があって「景勝小黒ヶ崎」と書いた案内板があります。

 道路の南側の、草が茂っているところに芭蕉の像があります。杖を突いて、頭陀袋に手をかけて、ちょっと頭を右に傾げている姿で、等身大です。そばに「奥の細道」本文と、曾良随行日記から、このあたりについての記述が抄出された案内板があります。灯籠のようなものも置かれていますが、手入れがされていません。

 さて肝腎の小黒崎は、高さ200メートルほどの山ですが、とりたてて珍しい姿でもありません。手元に持っている写真と比べて、この山がそうだろうと判断しますが、いくつもの山々が連なっているところですから、ここがなぜ好まれたのだろうかと首を傾げます。山の木々には黄色くなっているものや赤くなっているものが混じっています。

 陸羽東線には「奥の細道湯けむりライン」という愛称をつけています。川渡温泉-池月の駅間距離は6.4㎞ありますから、「奥の細道」愛好者のためになら、中間点に駅を設けてもよいだろうと思いますが、小黒崎がそれほど魅力のあるところではないようです。観光センターの閉鎖を見ても、それはうなずけることです。

 小黒崎から引き返して、みづの小島に向かいます。国道47号の南側、みづの小島への入口の案内板は、ここに来る途中で確認しています。小黒崎の山は、先ほどの観光センターのあたりから見上げるよりも、少し離れてみる方が、なだらかで優しい姿のように感じられます。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (260)    (通算2258回)

日常生活語 「す」④

 

すきま【隙間】《名詞》 2つ以上のものにはさまれた狭い場所。ものとものとの間の、空いている部分。「すきま・に・ 挟まっ・ても・て・ 取ら・れ・へん。」「すきま・から・ 風・が・ 吹き込ん・でき・て・ 寒い。」〔⇒あい()、あいだ【間】、あいま【合間】、すき【隙】、ま【間】

すきまかぜ【隙間風】《名詞》 戸や障子や窓などの隙間から吹き込んでくる寒い風。「田舎・の・ 家・や・さかい・ すきまかぜ・で・ 寒(さぶ)い・ねん。」

すきやき【鋤焼き】《名詞》 肉・豆腐・葱などを入れて、肉の脂で焼き、たれで煮ながら食べる料理。「冬・は・ すきやき・が・ 美味い・なー。」〔⇒すっきゃき(鋤焼き)

すぎる【過ぎる】《動詞・ガ行上一段活用》 ①時間や場所などが移っていく。ある時や場所を経過する。「知ら・ん・ 間ー・に・ 半年・も・ すぎ・ても・た。」「電車・は・ もー・ 神戸・を・ すぎ・た。」②数量・程度の限界や、数量・程度の一定の程度を超える。「忘れ・とっ・て・ 締め切り日・を・ すぎ・ても・とっ・た。」「60・の・ 坂・を・ 過ぎ・て・ 体・が・ しんどなっ・てき・た。」■名詞化=すぎ【過ぎ】

すぎる【過ぎる】《接尾語・ガ行上一段活用》[動詞の連用形および形容詞・形容動詞の語幹に付く] ものごとの程度をこえていることを表す言葉。「きつい・ こと・を・ 言ーすぎ・たら・ あか・ん・よ。」「食いすぎ・たら・ 病気・に・ なる・ぞ。」「小遣い・が・ 少なすぎる・ゆーて・ 文句・を・ 言()ー・とる。」「元気すぎる・ 赤ちゃん・や・なー。」

ずきん【頭巾】《名詞》 布で袋の形に縫って、頭や顔をおおうもの。「防空・ずきん」「赤・ずきん」〔⇒ずっきん(頭巾)

すく【好く】《動詞・カ行五段活用》 愛情を感じる。異性として心が引かれる。好みに合う。よいと思う。「人・の・ 世話・を・ する・の・を・ すい・て・ 何・でも・ 引き受け・てくれる。」「みんな・に・ すか・れ・とる。」■対語=「きらう【嫌う】」

すく【鋤く】《動詞・カ行五段活用》 田畑を鋤や農機具などを使って掘り返して耕す。「畑・を・ すい・て・ 種・を・ 蒔く・ こしらえ〔=準備〕・を・ する。」

すく【梳く】《動詞・カ行五段活用》 髪の毛を櫛でとかす。「髪・の・ 毛ー・を・ 櫛・で・ すく。」「犬・の・ 毛ー・お・ すい・たる。」

すく【漉く】《動詞・カ行五段活用》 水にとかしたものを、薄く伸ばす。「海苔・を・ すく。」

すく【空く】《動詞・カ行五段活用》 ①物と物との間にあいた部分ができる。「柱・と・ 障子・の・ 間・が・ すい・とる。」②詰まっているものがなく、まばらになる。少なくなる。「おなか・が・ すい・た。」「電車・が・ すい・とる。」③時間の空きができる。ひまになる。忙しくなくなる。「手ー・が・ すい・とっ・たら・ 手伝(てつど)ー・てくれ・へん・か。」

すく【透く】《動詞・カ行五段活用》 間にある何かを通して、中や向こう側が見える状態になっている。物と物の間から中や向こう側が見える。「垣・の・ 向こう・が・ すい・て・ 見える。」〔⇒すける【透ける】

すぐ【直ぐ】《副詞に》 ①時間があまり隔たらないことを表す言葉。「着い・たら・ すぐに・ 連絡し・ます。」「すぐ・ 行き・まっ・さ。」②距離があまり離れていないことを表す言葉。「すぐ・ 隣・の・ 家・へ・ 回覧板・を・ 回す。」〔⇒じき【直】、じっき()

すくう〔すくー〕【救う】《動詞・ワア行五段活用》 ①死の危険が伴う病気・事件・事故などから他の人を逃れるようにさせる。「潰れ・た・ 家・から・ 人・を・ すくう。」「溺れ・とる・ 子・を・ すくー・たる。」②他人の仕事や作業などに力を注いで、負担を軽くしてやる。手をさしのべる。「店・が・ 借金だらけに・ なっ・た・ 時・に・ すくー・てもろ・た。」◆存亡の危機に陥っている場合などに使うことが多い。■名詞化=すくい【救い】〔⇒たすける【助ける】

すくう〔すくー〕【掬う】《動詞・ワア行五段活用》 ①液体や粉末などを、下から上へ汲み上げる。「魚・を・ 網・で・ すくー・た。」「水・を・ 手ー・で・ すくー・て・ 飲む。」②網などを使って、液体の表面や中にあるものを取り出す。「魚・を・ 網・で・ すくう。」

スクーター〔すくーたー〕【英語=scooter】《名詞》 膝を揃えて乗り、オートバイよりは軽便で、エンジンで動かして走る、車輪の小さな二輪車。「すくーたー・で・ 買い物・に・ 行く。」

すくすく《副詞と》 動物や植物が元気よく、勢いを伴って育つ様子。「孫・が・ すくすく・ 大(おー)け・ なっ・た。」

ずくずく《形容動詞や()、動詞する》 すっかり濡れて、しずくが垂れる様子。水浸しである様子。「雨・に・ 降ら・れ・て・ 服・が・ ずくずくに・ なっ・た。」〔⇒じゅくじゅく、びしょびしょ、びしゃびしゃ、びちゃびちゃ、びちょびちょ、べしょべしょ〕

すくない【少ない】《形容詞》 数や量が僅かである。基準とする数や量よりも小さい。「残り・の・ お金・が・ すくない。」■対語=「おおい【多い】」「おかい【(多い)】」〔⇒すけない(少ない)

すくないめ【少ないめ】《名詞、形容動詞や()》 ものの数や量が、やや僅かであること。普通に比べて、あるいは予期していたことに比べて少ないと思われること。「ご飯・は・ すくないめに し・てんか。」◆「すくなめ」よりも「すくないめ」を使う方が日常語らしいと思われる。■対語=「おおいめ【多いめ】」〔⇒すくなめ【少なめ】、すけなめ(少なめ)、すけないめ(少ないめ)

すくなめ【少なめ】《名詞、形容動詞や()》 ものの数や量が、やや僅かであること。普通に比べて、あるいは予期していたことに比べて少ないと思われること。「塩・を・ すくなめに・ 入れる。」■対語=「おおめ【多め】」〔⇒すくないめ【少ないめ】、すけなめ(少なめ)、すけないめ(少ないめ)

スクリュー〔すくりゅー〕【英語=screw】《名詞》 扇風機の羽根のような螺旋形をしていて、船を進める装置。「すくりゅー・の・ 付い・とる・ おもちゃ・の・ 船・を・ たらい・で・ 走らす。」

すけ【助け】《名詞》 他人の仕事や作業などに力を注いで、負担を軽くしてやること。また、そのようにする人。「友だち・の・ 宿替え・の・ すけ・に・ 行こ・-・と・ 思(おも)・とる・ねん。」〔⇒てつだい【手伝い】、てったい(手伝い)、てだすけ〕

すけ【助】《接尾語》 あまり望ましくない行為をする人に対して、非難したり批判したりする気持ちがあることを、人の名前のようになぞらえて言う言葉。「寝坊(ねぼ)すけ」「飲みすけ」「食いすけ」

スケート〔すけーと〕【英語=skate】《名詞、動詞する》 底に金具の刃がついている靴を履いて、氷の上を滑るスポーツ。「氷・の・ 上・で・ すけーとする。」

ずけずけ《副詞と》 遠慮しないで、ものを言う様子。当人を前にして単刀直入に批判や非難をする様子。「あいつ・に・は・ ずけずけ・ 言わ・れ・ても・ 腹・が・ 立た・ん・なー。」〔⇒ずけっと〕

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2017年1月14日 (土)

奥の細道を読む・歩く(136)

尿前の関②

 

 舗装された道の突き当たり、その右側が尿前の関の跡になっています。木の柵が施され、入口は木でできた鳥居形の門です。門をくぐると、下が広場になっていて、石段を10段余り下ります。広場の斜め右手に陶板でできた説明板があって、尿前の関ができてからの変遷などが書かれています。

 広場の斜め左手に芭蕉の像があります。繁った木立に隠れるようなところに、ややほっそりした姿で、筆で何かをしたためようとする姿が等身大で作られています。立ち止まって、右手に筆を持ち、左手に冊子と矢立をつかんでいます。ずっと立ち続けているから、表面の塗装がちょっとはげ落ちているところがあります。そばに文学碑があって、「南部道遙にみやりて、」から「蚤虱馬の尿する枕もと」までの「奥の細道」の一節が活字体で記されています。碑の下の部分には、蕪村の描いた画巻の一部が彫り込まれています。

 舗装道路の左手の先から山道が始まるようになっていて、そこに「出羽街道中山越」の石碑があります。道は森の中に消えていきます。芭蕉がたどって、「大山をのぼつて、日既暮ければ、封人の家を見かけて、舎を求む。」という旅をした道です。封人の家までは10㎞近くの距離がありますが、私たちは今日の午後に、中山平駅から堺田駅までのルートを歩く計画です。(ここから中山平駅までの区間を省略します。)この道は、元禄時代の絵図に、「鳴子村より境まで難所、10月より3月まで積雪、馬足不叶」と書かれているほどの場所です。

 その中山越の道が始まる手前の場所に、自然石でできた芭蕉句碑があります。石積みの台の上にあって、表の面に「芭蕉翁」と書かれ、裏面に「蚤虱馬の尿する枕元」と刻まれています。作られたの明和5年となっていますから1768年です。その碑の奥の方には崩れかかった小さな祠があります。

 「奥の細道」に書いている「三日、風雨あれて、よしなき山中に逗留す。」は封人の家に泊まってからのことですが、芭蕉がこのあたりを歩いたのは五月雨(梅雨)の最中です。旅の印象は天候に著しく左右されますが、私たちにとっての尿前の関は、快晴の日です。中山越の道こそは鬱蒼とした森の中へ消えていますが、関所の周りは明るい日の光に満ちています。江戸時代に歩いて旅する人の感覚と、バスや車を利用する現代の観光客の感覚ほどには離れていないまでも、尿前の関では、芭蕉の旅の困難さを追体験できなかったかもしれないという反省は残ります。それを広げて考えれば、「奥の細道」のすべての地点にあてはまることになるのですが…。

 関址からの引き返して、こけしの展示即売をしている施設にちょっと立ち寄って見学し、もと来た道を鳴子温泉駅に戻ります。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (259)    (通算2257回)

日常生活語 「す」③

 

ずが【図画】《名詞》 ①絵を描くこと。また、描いた絵。「夏休み・の・ 宿題・で・ ずが・を・ 3枚・ 描く・ねん。」②絵を描いたり、物を作ったりする、小学校の教科の名。「ずが・の・ 時間・に・ 写生する。」◆①は、「ずがこうさく〔ずがこーさく〕【図画工作】」という言葉の後半を省いて言う言葉。⇒ずがこうさく【図画工作】、ずこう【図工】

スカート〔すかーと〕《英語=skirt》 腰の部分から下を覆う、女の人の着る筒形の洋服。「風・で・ スカート・が・ めくれる。」

ずがこうさく〔ずがこーさく〕【図画工作】《名詞》 絵を描いたり、物を作ったりする、小学校の教科の名。「ずがこーさく・の・ 時間・に・ 外・へ・ 写生・に・ 行く。」〔⇒ずこう【図工】、ずが【図画】

すかし【透かし】《名詞》 紙を光にかざすと見えるようにしてある模様や文字。「一万円札・の・ すかし」

すかす【空かす】《動詞・サ行五段活用》 腹を減らす。空腹を感じる。「みんな・は・ 腹・を・ すかし・て・ 待っ・とる・やろ・なー。」

すかす【透かす】《動詞・サ行五段活用》 ①隙間や物を通して、向こうにあるものを見る。「垣・の・ 合間・から・ すかし・て・ 中・を・ 見る。」②光にかざすなどして、紙でできているものなどの裏や中身が見えやすいようにする。「封筒・を・ すかし・て・ 何・が・ はいっ・とる・か・ 見・てみる。」③ものとものとの間に隙間を作る。「目ー・を・ すかし・て・ 毛糸・を・ 編む。」■名詞化=すかし【透かし】

すかす【賺す】《動詞・サ行五段活用》 ①相手を言いくるめたりして、言っていることをうまく外した方向に持っていく。「すかし・て・ 今日・は・ 行く・ こと・を・ やめ・た。」②怒ったり泣いたりしている人を慰めて、気持ちを落ち着かせる。「泣い・とる・ 子ども・を・ すかす。」⇒なだめる【宥める】、なだめすかす【宥め賺す】

すかすか《形容動詞や()》 ①紙などが薄くて、透けて見えるような様子。「すかすかの・ 封筒・に・ 入れ・たら・ 中身・が・ わかっ・てしまう・やろ。」②中身が乏しくて、からっぽに近いような様子。中身に隙間が多い様子。「給料袋・は・ すかすかで・ 一万円札・が・ ちょっと・しか・ 入っ・とら・ん。」③根菜の芯に隙間ができている様子。「すかすかの・ 大根」

すがた【姿】《名詞》 ①人やものの身なりや形。外から見たときの様子や形。身に付けている服装などの印象。他人から見られたときの全体的な印象。「芝居・の・ 役者・の・ すがた・に・ 惚れる。」②人やものが存在している有り様。「親父・の・ すがた・が・ 見え・へん。」⇒かっこう【格好】、ふう【風】、なり【形】、ていさい【体裁】

すかたん《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①行ったことに対する手応えがないこと。目標などに当たらないこと。「釘・を・ すかたん・ 打っ・て・ 金槌・で・ 手ー・ たたい・た。」②くじや抽選などに当たらないこと。あてが外れること。「くじ運・が・ 弱い・さかい・ すかたん・ばっかり・ 引ー・た。」③見当違いなことをして失敗すること。「仕事・を・ すかたんし・て・ 怒鳴ら・れ・た。」④期待はずれであること。期待が裏切られること。「あいつら・ 三振・ばっかり・ し・て・ ほんまに・ すかたんな・ やつ・や。」■対語②=「あたり【当たり】」〔⇒すか、すこたん。⇒はずれ【外れ】

すかっと《副詞》 ①引き締まっていて、さわやかな感じを伴う様子。「すかっと・ し・た・ 味・の・ ジュース」②ものごとをうまくやり終えて気持ちがよい様子。「試験・に・ 通っ・て・ すかっと・ し・とる。」③鮮やかにものを切る様子。「西瓜・を・ すかっと・ 2つ・に・ 切る。」

すかべ【透か屁】《名詞、動詞する》 音のしない屁。こっそりとする屁。「誰・か・ すかべ・を・ こい・た・な。」〔⇒すこべ【透こ屁】

すかみたい《形容動詞や()》 手応えがない様子。期待はずれである様子。とるにたりない様子。「すかみたいな・ 点数・を・ 取っ・た・ん・や・なー。」「すかみたいな・ 色」

ずがら【図柄】《名詞》 配置されている図や形や模様。デザイン。「手拭い・の・ ずがら・が・ 古風や。」「昔・の・ 百円玉・と・は・ 違う・ ずがら・の・ お金」

ずかん【図鑑】《名詞》 動物や植物やその他のものを、絵を見てわかるようにした本。「花・の・ ずかん・を・ 見る・の・が・ 好きや。」

すき【隙】《名詞》 ①緊張感が失せたときの、気のゆるみ。「すき・が・ 無()ー・て・ 斬り込ま・れ・へん。」②2つ以上のものにはさまれた狭い場所。ものとものとの間の、空いている部分。「板・の・ すき・に・ 落ち・た。」⇒あい()、あいだ【間】、あいま【合間】、すきま【隙間】、ま【間】

すき【好き】《形容動詞や()》 ①人やものが気に入っている様子。人やものに心が引かれる様子。それに関わろうとする様子。「あの・ 人・が・ 好きや。」「旅行・が・ すきな・ん・や。」②自分の好みに任せる様子。自分の判断に従う様子。「すきで・ やっ・とる・ 仕事・や・さかい・ 人・が・ どない・ 言ー・ても・ 気・に・ なら・へん。」③ものごとに束縛されずに、したいようにする様子。「みんな・が・ すきな・ こと・を・ 言()ー・さかい・ まとまら・へん。」■対語=①「きらい【嫌い】」②③⇒すきかって【好き勝手】

すぎ【杉】《名詞》 建築や器具製作などの広い用途に使われる、針のような葉をもっている、直立して背が高い常緑樹。「すぎ・の・ 香り・の・ する・ 桶・は・ 気持ちえー。」

すぎ【過ぎ】《接尾語》[数値を表す言葉や、動詞の連用形に付く] ①その時刻や年齢などを超えていることを表す言葉。「5時すぎ・に・ 目・が・ 覚め・た。」「50すぎ・の・ お巡りさん・が・ 立っ・とる。」②その程度が度を超していることを表す言葉。「今日・は・ ちょっと・ 食いすぎ・や。」「さぼりすぎ」

スキー〔すきー〕【英語=ski】《名詞、動詞する》 一対の細長い板を両足につけて、雪の上を滑るスポーツ。また、その細長い板。「修学旅行・で・ すきー・に・ 行く。」

すきかって【好き勝手】《形容動詞や()》 ①自分の好みに任せる様子。自分の判断に従う様子。「食堂・で・ すきかってな・ もの・を・ 注文する。」②ものごとに束縛されずに、したいようにする様子。「すきかってな・ 方・へ・ 行か・よーに・ し・て・ この辺・に・ おっ・てください。」〔⇒すき【好き】

すききらい【好き嫌い】《名詞》 好むことと好まないこと。好きなものに心が動き、嫌いなものを受け付けないこと。選り好み。「すききらい・ 言()ー・とっ・たら・ 丈夫な・ 体・に・ なら・れ・へん・ぞ。」◆とりわけ、食べ物について言うことが多い。

すきずき【好き好き】《形容動詞や()》 人によって好みが違う様子。「みんな・ すきずきな・ 所・で・ 弁当・を・ 食べ・とる。」

すきとおる〔すきとーる〕【透き通る】《動詞・ラ行五段活用》 ①表面にあるものや、遮っているものを通して、透けて向こうがよく見える。「沖縄・の・ すきとーっ・た・ 海・は・ 綺麗やっ・た。」②声などが澄んで、よく通る。「すきとーっ・た・ 声・で・ 歌う。」

すぎな【杉菜】《名詞》 地下茎から土筆が出てくる、野原や土手などに生えるシダ植物。「このへん・に・ すぎな・が・ ある・さかい・ 土筆・も・ 見つかる・ はず・や。」

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2017年1月13日 (金)

奥の細道を読む・歩く(135)

尿前の関①

 

 芭蕉は岩出の里から、小黒崎・みづの小島を通って、鳴子温泉を経て尿前の関へと進んでいます。私たちは、鳴子温泉に宿泊し、朝のうちに尿前の関へ行き、そのあと列車で引き返して、小黒崎・みづの小島を訪ねることにします。

 昨夜は暗くなった雨の中を宿に急いだのですが、今朝は晴れ渡っているのでゆっくりと鳴子温泉駅に引き返します。途中にはご利益足湯と書かれたところがあり、駅には「鳴子ダム土木遺産認定」と書かれた横断幕がかかっています。

 駅前を通り過ぎて道は少しずつ下り坂になります。道のあちこちに鳴子こけしの工房があります。第六北羽前街道踏切を渡って線路の反対側に出ます。踏切から10分ほど歩くと、小さな川の橋を渡りますが、上流に陸羽東線の橋が見え、川には小さな砂防ダムのようなものがいくつも並び、川端のイチョウの黄色が目にしみるようです。

 鳴子峡鳴子口というバス停を少し進むと大谷川に架かる橋があります。先ほどの川よりも大きな川です。車道の他に歩行者向けの橋がありますが、古めかしさが漂う橋です。ここが鳴子峡の入口で、川は右カーブして上流は見えませんが、紅葉の美しさの一端が見えています。鳴子峡は大谷川の侵食によって刻まれた深さ100メートルにも及ぶ峡谷ですが、川に沿った遊歩道は閉鎖されていて、蛇行する川に沿って歩くことはできません。本来は中山平温泉駅に向かって鳴子峡を歩けるようですが、本年版の鳴子峡案内のリーフレットには閉鎖中という文字がいくつも書き込まれています。

 橋を渡り終えてから国道47号に戻って、その歩道を歩きます。地名は大崎市鳴子温泉字尿前となっています。

 少し行くと「おくのほそ道入口」という表示がありますので、そこから右の方に下ります。しばらく杉林の中の道を歩くと関所らしい趣の場所があらわれます。私たちは長い時間をかけて「奥の細道」の旅を続けていますから、ここが「おくのほそ道入口」だという表示に戸惑いを感じます。後でわかったことですが、ここが出羽街道中山越えの入口であるという意味で書かれたもののようです。

 このあたりは陸奥と出羽の境に近く、別の場所にあった関所が17世紀初めの元和の頃にここに移されて、尿前の関と呼ばれるようになったようです。芭蕉がここを通る70年ほど前のことです。

 「奥の細道」には「なるごの湯より尿前の関にかゝりて出羽の国に越んとす。此路、旅人稀なる所なれば、関守にあやしめられて、漸として関をこす。」と書かれていますが、ここでは関守に怪しまれて、簡単に通過できなかったようです。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (258)    (通算2256回)

日常生活語 「す」②

 

スイトピー〔すいとぴー〕【英語=sweet pea】《名詞》 えんどうに似た つる性の茎に、春、蝶の形に似た白・赤・紫などとりどりの色が咲く草花。「紫色・の・ すいとぴー」

すいとりがみ【吸い取り紙】《名詞》 手などを汚さないようにするために、書いたばかりのインクや、押したばかりのスタンプの水分などを吸って取る紙。「判子・を・ 押し・て・ すいとりがみ・を・ あてる。」

すいとる【吸い取る】《動詞・ラ行五段活用》 ①水分などを、引きつけるような力で取り出す。「牛乳パック・の・ 底・の・ 方・を・ ストロー・で・ すいとる。」②布や紙などにしみ込ませて、吸うような感じで中に収め入れる。「こぼし・た・ 水・を・ 雑巾・で・ すいとる。」

すいな【粋な】《連体詞》 ①一風、変わった。「コーラ・と・ 言()ー・の・は・ すいな・ 味・が・ する・ 食べ物・や・なー。」②地味で渋い感じがする。「すいな・ 着物・を・ 着・とる・なー。」

すいにいる【水に入る】《動詞・ラ行五段活用》 水の中に潜る。「すいにいっ・て・ 魚・を・ 突い・て・ 獲る。」

すいぶん【水分】《名詞》 ①ものの中に含まれている水の量。「すいぶん・の・ 多い・ トマト」②水や飲用物などの液体。「夏・は・ すいぶん・を・ よー・ 飲み・なはれ。」〔⇒みずけ【水気】

すいへい〔すいへー〕【水平】《名詞、形容動詞や》 表面が、静かな水面のように、上がり下がりがなく平らなこと。「坂・が・ 無()ー・て・ 道・が・ すいへー・に・ 続い・とる。」

すいへいせん〔すいへーせん〕【水平線】《名詞》 空と海が接して見える、平らな線。「すいへーせん・に・ お日さん・が・ 沈ん・だ。」

すいもん【吸い物】《名詞》 野菜や魚などを入れて、味付けをした透き通った汁。「松茸・の・ すいもん・の・ 香り・が・ 良()ー。」〔⇒すまし【澄まし】、すましじる【澄まし汁】

すいよう〔すいよー〕【水曜】《名詞》 1週間の7日間のうちの4日目で、火曜日の次、木曜日の前にある日。「先週・の・ すいよー・は・ 雨・やっ・た。」〔⇒すい【水】、すいようび【水曜日】

すいようび〔すいよーび〕【水曜日】《名詞》 1週間の7日間のうちの4日目で、火曜日の次、木曜日の前にある日。「すいよーび・に・ ゴミ・の・ 回収・が・ ある。」〔⇒すい【水】、すいよう【水曜】

すいれん【睡蓮】《名詞》 池などに生え、葉は水面に浮き、夏に白や桃色などの小さな花を咲かせる植物。「公園・の・ すいれん・が・ 咲い・た。」

すう〔すー〕【吸う】《動詞・ワア行五段活用》 ①人や動物が、空気や水や液体を、鼻や口から取り入れる。「赤ちゃん・が・ 乳・を・ すー・とる。」「人・の・ 煙草・の・ 煙・を・ すー・の・は・ 嫌な・ん・や。」②植物などが水分や養分などを取り込む。「よー・ 水・を・ すー・ 花・や。」③器械がごみやほこりなどを空気と一緒に取り込む。「掃除機・が・ ごみ・を・ すー・てくれる。」④土、紙、水などが水分を含んだり蒸発させたりする。「夏・は・ 水・を・ 撒い・ても・ じっきに・ 土・が・ すー・てまう。」

すうがく〔すーがく〕【数学】《名詞》 ①数・量や空間・図形などについて研究する学問。「すーがく・の・ 頭・が・ なかっ・たら・ 家・は・ 建て・られ・へん。」②前項の内容を教える中学校や高等学校の教科の名。「中学校・の・ 時・から・ すーがく・は・ 苦手やっ・た。」

すうじ〔すーじ〕【数字】《名詞》 数を表すのに用いる文字。「すーじ・を・ 書き写す・ とき・に・ 間違え・た。」◆日常としては、漢数字とアラビア数字の両方を使う。アラビア数字を「さんようすうじ【算用数字】」と言うことがある。

ずうずうしい〔ずーずーしー、ずーずしー、ずずしー〕【図々しい】《形容詞》 恥を恥とも感じないほど、自分勝手に好きなことをする様子。自分の利益になるように行動する様子。「家・の・ 前・の・ 道・に・ もの・を・ 干し・て・ ずーずーしー・ 人・や・なー。」「自分・の・ こと・しか・ 考え・へん・よーな・ ずーずーしー・ 男・や」〔⇒あつかましい【厚かましい】

ずうたい〔ずーたい〕【図体】《名詞》 ①人や動物の体の輪郭について受ける感じ。体ぜんたいの姿。体つきの程度。「あの・ ずーたい・で・は・ 投げ飛ばさ・れ・へん。」「大けな・ ずうたい・の・ ピアノ」②並みの程度を超えたような、大きな体つき。「大けな・ ずーたい・ し・とっ・て・ 喧嘩・は・ 弱い。」◆①は、物体についても言うことがある。〔⇒から【柄】、がら【柄】、なり()、どんがら【どん柄】

ずうとい〔ずーとい〕(図太い)】《形容詞》 肝がすわっていて、少々のことには動じない様子。開き直った感じで、ふてぶてしい様子。「ちょっと・ぐらい・ ずーとーなかっ・たら・ 生き・ていか・れ・へん・よ・なー。」〔⇒ずぶとい【図太い】

すうどん【素饂飩】《名詞》 具の入っていない饂飩。「すうどん・と・ どんぶり飯・を・ 食う。」◆実際には、葱だけが入れられることが多い。関東で言う「かけ饂飩」にあたる。

スープ〔すーぷ〕【英語=soup】《名詞》 肉や魚や野菜などを煮たものに味を付けた汁。「昼ご飯・は・ パン・と・ すーぷ・に・ する。」

すうりょう〔すーりょー〕【数量】《名詞》 ものの個数や分量。「荷物・の・ すーりょー・を・ 調べる。」

すえ【末】《名詞》 ①年や月の最後や、ある期間の最後。「2月・の・ すえ・は・ まだ・ 寒い・ 日ー・が・ 続く。」②もののいちばん後ろの端。末端。「すえ・に・ 並ん・どっ・たら・ もらわ・れ・へん・なんだ。」〔⇒おわり【終わり】

すえっこ【末っ子】《名詞》 兄弟姉妹のうち、いちばん後に生まれた子。「すえっこ・は・ 甘えた・で・ 困り・ます。」〔⇒おとんぼ、おとご、おとんご、すそ【裾】

すえつける【据え付ける】《動詞・カ行下一段活用》 その場所で使えるようにするために、ものをある場所に動かないように固定して置く。「工場・に・ 発動機・を・ すえつける。」◆「すえる【据える】」と比較すると、「すえつける【据え付ける】」には、固定するための何らかの作業が加わるように思われる。〔⇒すえる【据える】

すえる【饐える】《動詞・ア行下一段活用》 食べ物や飲み物が腐って、酸っぱい味や臭いがする。「夏・は・ じっきに・ 飯・が・ すえ・てまう。」

すえる【据える】《動詞・ア行下一段活用》 ①ものを安定させて、じっとして動かないようにする。「腰・を・ すえ・て・ 仕事・を・ する。」②その場所で使えるようにするために、ものをある場所に動かないように固定して置く。「植木鉢・を・ 置く・ 台・を・ すえる。」③人をある地位や場所などに位置づける。「あの・ 人・を・ 会長・に・ すえ・たら・ えー。」■自動詞は「すわる【据わる】」⇒すえつける【据え付ける】

すか《名詞、形容動詞や()、動詞する》 ①行ったことに対する手応えがないこと。目標などに当たらないこと。「投網・を・ 打っ・た・けど・ すかやっ・た。」②籤などで、当たっていないもの。くじや抽選などに当たらないこと。あてが外れること。「福引き・を・ 引ー・た・けど・ すか・ばっかり・やっ・た。」③見当違いなことをして失敗すること。「電車・の・ 時間・を・ すかし・て・ 駅・へ・ 行っ・て・ 半時間・も・ 待た・さ・れ・た。」④期待はずれであること。期待が裏切られること。「新任・3人・の・ うち・ 1人・は・ すかやっ・た。」■対語=②「あたり【当たり】」〔⇒すかたん、すこたん。⇒はずれ【外れ】、から【空】

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2017年1月12日 (木)

奥の細道を読む・歩く(134)

ドレミファそら日記(25)     20161025

 

0816分 東海道新幹線、新大阪駅発。ひかり512号。

1110分 東京駅着。

1136分 東北新幹線、東京駅発。やまびこ49号。

1351分 古川駅着。

1358分 JR陸羽東線、古川駅発。普通・鳴子温泉行。

1416分 岩出山駅着。

1435分 芭蕉像(南町商店街)

1445分 城山公園。

1455分 伊達政宗の像。

1505分 岩出山城址。

1530分 有備館。(1645) ◆加藤さん、スケッチ。

1721分 JR陸羽東線、有備館駅発。普通・鳴子温泉行。

1745分 鳴子温泉駅着。

1805分 ホテルたきしま着。

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【書籍版】明石日常生活語辞典 (257)    (通算2255回)

日常生活語 「す」①

 

す〔すー〕【巣】《名詞》 鳥や虫や魚などが籠もってすみ、卵を生んで育てるところ。ねぐら。「軒・に・ 燕・が・ すー・を・ 作り・よっ・た。」「鳥・の・ すー・みたいな・ ぼさぼさの・ 頭・の・ 毛ー。」

す〔すー〕【酢】《名詞》 食べ物に酸っぱい味を付けるときに使う液体の調味料。「寿司飯・に・ 入れる・ すー」

す〔すー〕【簀】《名詞》 ①細い板や竹を、隙間を開けて横に並べて、編んだり木に打ちつけたりしたもの。「廊下・に・ すー・を・ 並べる。」②七輪の中などに置く火格子。「焜炉・の・ すー」③火にかけて食べ物などを焼くときに使う、針金を粗く組んだ道具。「練炭・の・ 上・に・ すー・を・ 置い・て・ するめ・を・ 焼く。」⇒すいた【簀板】、すのこ【簀の子】⇒あみ【網】

す〔すー〕【簾】《名詞》 ①日除けや目隠しなどにする目的に使う、細く裂いた竹や、葦の茎などを糸で編んだもの。「夏・に・ なっ・たら・ えんげ〔=縁側〕・に・ すー・を・ ぶらくる〔=吊す〕。」②寿司を巻いたりするときに使う、細く裂いた竹などを糸で編んだ小さなもの。「海苔・を・ ひい・て・ 飯・を・ 載せ・て・ すー・で・ 巻く。」⇒すだれ【簾】⇒すのこ【簾の子】

す〔すー〕【鬆】《名詞》 根菜の芯にできる細かく通った隙間。「大根・に・ すー・が・ 入っ・とる。」

《助動詞》 ①人に何かをするようにしむけるという意味(使役)を表す言葉。「薬・を・ 飲ま・す。」「言()ー・て・ 聞か・す。」「パン・を・ 買い・に・ 走ら・す」②人にそれをすることを認めるという意味(許可)や、それをするがままにさせておくという意味(放任)を表す言葉。「食い・たい・ん・やっ・たら・ 食わ・し・とけ。」◆「す」は、五段活用動詞に接続する。同じ活用型の補助動詞も同様である。〔⇒さす、らす〕

ず〔ずー〕【図】《名詞》 ①面や線などからできあがっている形。「教科書・に・ 載っ・とる・ 埴輪・の・ ずー」「天気予報・の・ ずー」②説明するために、ものの形や様子などを描いたもの。「ずー・(を・) 書い・て・ 道案内・(を・) する。」⇒え【絵】

ず〔ずー〕《名詞》 野菜や果物などの実の真ん中にある、種などを含んで、ねばねばした部分。「瓜・の・ ずー・は・ 甘(あも)ー・て・ うまい。」

《助動詞》 打ち消しの意味を表す言葉。「昨日・は・ 行っ・た・けど・ 今日・は・ 行か・ず・や。」「時間・が・ 無()ー・て・ 昼飯・ 食わ・ず・に・ すん・でも・た。」「徹夜し・て・ 寝・ず・やっ・た。」

すあげ【素揚げ】《名詞、動詞する》 魚や野菜などを、パン粉や溶いた小麦粉を付けないで油で揚げたもの。「さつまいも・の・ すあげ・が・ うまい。」〔⇒あげもん【揚げ物】

すあし【素足】《名詞》 足に靴下などをつけないこと。また、その足。「すあし・で・ 靴・を・ 履い・た・さかい・ 靴ずれ・が・ でき・た。」〔⇒はだし【裸足】