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2017年2月 7日 (火)

奥の細道を読む・歩く(160)

山寺④

 

 「奥の細道」山寺の項の全文がプレートとして岩壁に設置されているところを過ぎてから、上ってきた道とは違う、細い道を選んで下りていきます。私が過去2回歩いて印象に残っているのはこんな道であったようです。幅2メートルほどで、段になっているところもあり、緩やかな傾斜の道が続いているところもあります。これがかつての登山道で、今は拡幅されて別のルートに変更されているのでしょう。便利になり安全になったのと引き換えに、観光地化し俗化してゆくのでしょう。黄色くなった葉がぎっしり散り敷いているところがありますが、この道を上り下りする人は少ないようです。

 姥堂の手前で、整備された道と合流します。山門を出てからは、右に折れて、来たときとは違う道をたどって駅に向かいます。途中に対面石と対面堂があります。慈覚大師が山寺を開くにあたって、この地域を支配していた狩人と大師がこの石の上で対面して、仏道を広める根拠地をこの地に求めたと言われている大石です。

 立谷川を山寺宝珠橋で渡ったところの店で、山寺名物の力こんにゃくを食べます。店頭で、串に刺されたこんにゃくにかぶりつきます。山形県が作っているリーフレットに、こんにゃく消費日本一と書いてありますが、もしかしたら日本一というのは観光客の胃袋も加算されてのことであるのかもしれません。この店ではトチ餅や「奥の細道」羊羹というのも売っています。

 昨日の列車遅延によって急に予定を組み替えましたから、時間の都合で、少し離れた山寺芭蕉記念館には立ち寄ることができませんでした。

 駅に戻ると、観光案内を兼ねているような待合室で、列車を待っている人が何人もいます。ポスターや、俳句を書いた板なども掲示され、部屋の片隅には、ドライフラワーのようになった紅花があります。仏教伝来の頃に日本にもたらされたと書いてありますが、今では山形県の県花になっています。

 「奥の細道」に天童の記述はありませんが、芭蕉は天童の近くから立石寺へ往復する道筋を辿っています。立石寺も今では山形市に含まれているのですが、天童市・山形市中心部・立石寺を結ぶと正三角形に近い形になります。

 ホームから改めて山寺を仰ぎ見てから車中の人になります。東にある面白山の方向には山頂付近が雪でうっすら白く見えます。終点の山形までは戻らずに、北山形駅で奥羽本線の列車に乗り換えて天童に向かいます。

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