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2017年2月16日 (木)

奥の細道を読む・歩く(169)

[小砂川]

 

 天候に恵まれて、青空が広がります。寒さは感じません。芭蕉が雨に悩まされながら象潟に向かったことは曾良随行日記に見えますし、「奥の細道」の象潟の部分も雨のことを書いています。昨日今日のことを言うと、このあたりは昨日、寒くて雪がちらついたのだそうです。酒田駅では電車の雪を見ました。

 「ようこそ にかほ市へ」という看板に迎えられるように小砂川駅へ向かいます。女鹿駅の次は小砂川ですから、そこまで歩きます。国道の傍らに「秋田県史跡 三崎山旧街道」という白い標柱が立っていて、そこから見る海は青く穏やかです。渚だけには白い波が見えます。

 県境から歩くこと15分弱で道が二股に分かれます。私たちは国道7号からわかれた、集落の中へと続く道を歩くことにします。小砂川の駅の位置はよくわかりませんが、駅につながるのはこちらの道のように思ったからです。羽後交通バスの「アマクラ」というバス停があります。カタカナ書きである理由はわかりませんし、どんな漢字なのかの想像もできません。少し行くと、道端に同じ会社の「ここから運賃が変わります」という黄色い標柱が立っています。近くにバス停はありません。想像するに、バスは停留所以外のどこであっても手を挙げたら停まってくれて、しかし、運賃が違うようになる地点の表示が必要であるのでしょう。

 集落の中に「菅江真澄が宿泊した磯家跡」という説明板があります。どっしりとした建て方の家で、かつては旅籠であったそうです。文人紀行家の菅江真澄は1784(天明4年)9月25日、三崎山を通って小砂川に入り、悪天候のためここで2泊して汐越(象潟)に向かったと書いてあります。「秋田のかりね」という書物にこのあたりのことが書いてあるのです。

 山側を貨物列車が通り過ぎます 線路からそんなに離れていないので安心です。入江に砂浜が広がっているところが小砂川海水浴場で、しばらく上り坂になってから小砂川駅前というバス停に着きます。

 駅に着いたので安心し、発車時刻まで間があるので海岸へ出てみます。砂浜ではなく断崖の上のようなところです。景色がよいので加藤さんはスケッチ帳を広げます。松の木の間から、台地のような飛島が見えます。空も海も青く広がっています。少し離れたところに頭白稲荷神社という小さな社があります。

 小砂川駅は無人駅です。けれども、「小砂川駅の駅長さんありがとう でんしゃえんそく たのしかったです」という杉の子幼稚園の子どもたちの作品が掲示されています。

 この駅の時刻表は他で見られないような文字が記されています。女鹿駅のことは既に書きましたが、酒田方面行きは6時03分発、7時01分発以外のすべての電車は女鹿通過と書いてあります。一方、秋田方面行きには桂根通過、折渡通過という文字があふれていて、特に桂根に停まるのは6時03分発の1本だけです。それぞれの駅に用がある人にとっては、泣きたくなるような時刻表ではありませんか。2両編成の電車が到着して、2つ先の象潟駅に向かいます。

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