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2017年2月26日 (日)

【書籍版】明石日常生活語辞典 (302)    (通算2300回)

日常生活語 「た」⑭

 

たのきそば(狸蕎麦)】《名詞》 油揚げをのせた蕎麦。「たのきそば・の・ おつゆ・が・ うまい。」〔⇒たぬき【狸】、たのき()、たぬきそば【狸蕎麦】

たのしい〔たのしー〕【楽しい】《形容詞》 ①心が満ち足りて伸び伸びして、気持ちが良い。「山登り・の・ 遠足・は・ たのしー・なー。」②先のことに期待をかけて、心待ちに思われる。「合格発表・の・ 日ー・が・ たのしー・なー。」

たのしみ【楽しみ】《名詞》 ①心が満ち足りて伸び伸びして、気持ちが良いこと。趣味。「山登り・が・ わし・の・ たのしみ・や。」②先のことに期待をかけて、心待ちにすること。「子ども・が・ 大きーなる・の・が・ たのしみ・です。」

たのしむ【楽しむ】《動詞・マ行五段活用》 ①良さを味わって、心の満足を感じる。「落語・を・ 聞ー・て・ たのしむ。」②好きなことをして心を慰める。「花・を・ 作っ・て・ たのしん・どる・ねん。」③それが実現することを心待ちにする。「孫・が・ 大きなる・の・を・ たのしん・どる。」■名詞化=たのしみ【楽しみ】〔⇒たのしゅむ【楽しゅむ】

たのしゅむ【楽しゅむ】《動詞・マ行五段活用》 ①良さを味わって、心の満足を感じる。「どーぞ・ 旅行・を・ たのしゅん・でき・てください。」②好きなことをして心を慰める。「暇な・ 時・は・ パン作り・を・ たのしゅん・どる・ねん。」③それが実現することを心待ちにする。「上達・を・ たのしゅん・で・ 練習する。」〔⇒たのしむ【楽しむ】

たのみ【頼み】《名詞》 ①婚約が成立したしるしに、互いに金品を取り交わすこと。また、その金品。「上・の・ 娘・に・ たのみ・が・ 届い・た。」②力になってくれるように願って、助力を働きかけること。また、その内容。「わし・の・ たのみ・を・ 聞い・てくれ・へん・か。」⇒ゆいのう【結納】、いいのう(結納)

たのむ【頼む】《動詞・マ行五段活用》 何かをしてほしいと、他人に願う。他人をあてにして、よりかかる。それをすることを他人に任せる。「娘・に・ 留守番・を・ たのむ。」「無理・を・ たのむ。」■名詞化=たのみ【頼み】

たば【束】《名詞》 細長いものや紙などを一つにまとめたもの。または、それを紐や紙などでくくったもの。「稲・の・ たば」「焚き物(もん)・の・ たば」

たばこ【煙草】《名詞》 タバコという植物の葉を乾かし発酵させて加工し、火を付けて吸うようにしたもの。「たばこ・なんか・ 吸ー・の・は・ やめ・とき。」〔⇒たぼこ(煙草)、ぱっぱ〕

たばこぼん【煙草盆】《名詞》 ①煙草を吸うときに使う灰皿。「瀬戸物・の・ たばこぼん」②刻み煙草、灰落とし、きせるなどをセットにして、小さな箱などに収めたもの。「縁側・で・ たばこぼん・を・ 出し・て・ たばこ・を・ 吸う。」〔⇒たぼこぼん(煙草盆)

たばねる【束ねる】《動詞・ナ行下一段活用》 細長いものや髪などを一つにまとめる。または、それを紐や紙などで縛る。「刈っ・た・ 稲・を・ たばねる。」「髪・の・ 毛ー・を・ たばねる。」

たび【旅】《名詞、動詞する》 ある期間、住んでいるところを離れて、あるいは移動しながら過ごすこと。「お伊勢参り・の・ たび・に・ 行く。」◆歩くという要素が加わっているような感じが伴う。〔⇒りょこう【旅行】

たび【足袋】《名詞》 主に和服を着るときに履く、布で作って足先を親指と他の四指とに分けて、くるぶしの後ろで小はぜで留めるようにしたもの。「子ども・の・ 頃・は・ 学童服・を・ 着・て・ たび・ 履い・て・ 学校・へ・ 行っ・た。」〔⇒たんたん〕

たび【度】《名詞》 何かが繰り返される機会。「雨・が・ 降る・ たび・に・ かび・が・ 生える。」「見る・ たび・に・ 大きく・ なっ・てき・た。」〔⇒たんび()

たびたび【度々】《副詞》 同様のことがらが、回を重ねて繰り返し何度も起こったり行われたりすることを表す言葉。「そないに・ たびたび・ 遅刻し・たら・ あか・ん・やろ。」〔⇒さいさい【再々】

だぶだぶ《形容動詞や()、動詞する》 ①衣服などの身につけるものが、体に対して大きすぎて、不格好である様子。「だぶだぶの・ ズボン・を・ はく。」②入れ物などが大きすぎて、中身の液体などが揺れ動く様子。「袋・が・ 大き過ぎ・て・ 中・が・ だぶだぶや。」③液体で満たされている様子。「水・を・ 飲み過ぎ・て・ 腹・が・ だぶだぶする。」〔⇒だぼだぼ。①②⇒がばがば、がぶがぶ、がぼがぼ〕

だぶる【英語=doubleの動詞化】《動詞・ラ行五段活用》 重なる。二重になる。二回、繰り返す。「おんなじ・ 人・から・ 年賀状・が・ だぶっ・て・ 届い・た。」「落第し・て・ 2年生・を・ だぶっ・た。」

たぶん【多分】《副詞》 ものごとを推測したり判断したりして、そうである可能性が高いと考えるときに使う言葉。「明日・は・ たぶん・ 風・が・ 強(つよ)・ なる・やろ。」〔⇒たしか【確か】

たべもん【食べ物】《名詞》 人や動物が、生きるために口にするもの。そのままで、または調理をして食べ物とする品物。「たべもん・の・ 好き嫌い・は・ あら・へん・ねん。」〔⇒くいもん【食い物】、しょくひん【食品】

たべもんや【食べ物屋】《名詞》 ①人に食事を提供する店。「駅前・に・ たべもんや・が・ でけ・た。」②そのまますぐに食べられる、調理済みのものを売っている店。「市場・の・ 中・の・ たべもんや・で・ 買()ー・て・ 帰る。」⇒くいもんや【食い物屋】、しょくどう【食堂】

たべる【食べる】《動詞・バ行下一段活用》 ①生命を維持するために、飲食物を体内に取り入れる。「昼・に・ パン・を・ たべる。」②暮らしを立てる。生活する。「たべる・だけ・は・ 何・とか・ 稼い・どる。」〔⇒くう【食う】⇒くちにする【口にする】

だぼ《名詞、形容動詞や()》 ①ぼんやりしていて、頼りないところがあること。鋭さに欠けたり手抜かりが生じたりすること。また、そのような人。「あー・ だぼな・ こと・を・ し・ても・た。」「あの・ だぼ・が・ おる・さかい・ 負け・た・ん・や。」②機能や働きが失われること。効き目がないこと。「ねじ・が・ だぼに・ なっ・とる。」⇒ぬけ【抜け】、まぬけ【間抜け】、あほう【阿呆】、あっぽ【阿っ呆】、ぼけ【呆け】、ばか【馬鹿】、ぬけさく【抜け作】、あほうたれ【阿呆垂れ】、あほうだら【阿呆垂ら】、あほんだら(阿呆垂ら)、あほんだれ(阿呆垂れ)、だぼさく【だぼ作】、ぼけさく【呆け作】、ぼけなす【呆けなす】、とぼけさく【惚け作】、ばかもん【馬鹿者】、ばかたれ【馬鹿垂れ】

■木内昇さんの小説『櫛挽道守』(集英社刊)は、木曽街道(中山道)の薮原宿でお六櫛を作り続ける女性を主人公にした物語である。その中の会話文に次のような表現がある。

 

 「馬鹿言うな。そんねな手間かけてどうするね。あれは直助の仕業と決まったわげではないだがね」(同書71ページ)

 「勝手場も手伝わんで、馬鹿言って、無駄に家をかき回しとるだんね」(同書73ページ)

 

 前者の「馬鹿言うな」には「だぼこくな」というルビが施されており、後者の「馬鹿言って」には「だぼこいて」というルビがある。

 馬鹿という意味で「だぼ」を使うのは、明石方言とまったく同じである。

 『日本方言大辞典』の「だぼ」の項を見ると、ばか、愚か者という意味で使う地域として、新潟県東蒲原郡、西頸城郡、富山県砺波、長野県西筑摩郡、兵庫県明石郡、加古郡、徳島県、海部郡の地名が挙げられ、「だぼー」とのばす地域として、越後、山梨県南巨摩郡、長野県佐久が挙げられている、

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