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2017年9月 3日 (日)

奥の細道を読む・歩く(200)

朝の高田の町

 

 高田を離れる列車に乗る前に、高田の町を回ってみることにします。昨日は東に向かいましたが、今朝は北に向かいます。「奥の細道」とのつながりでなくとも、高田の町のあちこちに興味を引くものがあります。

 城下町高田さんぽと題したリーフレットを見ると、駅前から東に延びる通りが儀明川と交わるところの南西角に「芭蕉宿泊地」という書き入れがあります。朝の最初の探訪地をそこと決めて、あたりを細かく探してみましたが、説明板も何もありませんでした。高田での芭蕉宿泊地を細川春庵宅として、今の仲町6丁目(駅から東北の方向)のあたりだと書いてあるガイドブックがありますが、それとは違うようです。

 本町通りという、雁木の続く通りを北に向かいます。高田小町という町屋交流館の向かい側に、高田世界館という映画館があって現役で上映しているのだそうです。文化庁の登録有形文化財であり、経済産業省の近代化産業遺産にもなっています。

 少し進んでから東に折れて、小川未明生誕地を訪ねます。

 本町通りのひとつ東側の通りを引き返します。大町通りという名前です。進んで行くにつれて、再び雁木のある通りになって、黒い格子で囲まれた町家の旧今井染物屋の前を通ります。多くの職人などが住み込んで働いていたのでしょう、大きな建物です。

 このあたりでは、一階の屋根から二階の屋根に梯子がかけられている家が続いています。何か工事中か思って見ていると、次の家も、その次の家もそのような梯子があります。豪雪にそなえて常設のままにしてあるのだということに気づきます。

 この通りでは、朝市の準備が始まっています。開店している店もあります。時刻は8時を過ぎたばかりです。野菜、果物、漬け物、菓子、日用品など、様々なものが商われています。「こしあぶら」という名の野菜はおいしいのだそうです。道ばたに四九市場という石柱が建っていて、ここは四のつく日と九のつく日に開かれている市場なのだそうです。石柱の裏側には創立大正拾参年という文字が見えます。例えば飛弾の高山市のような観光客相手の朝市とは異なるようです。地域の生活と結びついているからこそ1世紀近くも続いているのでしょう。いや、起源は1世紀どころではないのかもしれません。芭蕉が来た頃にもそれらしきものがあったと仮定すれば、なかなか心楽しく感じられるではありませんか。この通りには、他にも二のつく日と七のつく日に開かれている市場もあるのだそうです。合わせると月間12日も朝市があるのです。

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