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2017年9月11日 (月)

奥の細道を読む・歩く(208)

うまい水、タテモン、蜃気楼

 

 『奥の細道』には、「くろべ四十八が瀬とかや、数しらぬ川をわたりて、那古と云浦に出。」と書かれています。「くろべ四十八が瀬」というのは、黒部川の河口近くが、昔は堤防もなく、洪水のときには流れるままに氾濫して幾筋もの瀬を作ったからであろうと言われています。

 『曾良随行日記』の記述は、「人雇テ荷ヲ持せ、黒部川ヲ越。雨ツヾク時ハ山ノ方ヘ廻ベシ。橋有。壱リ半ノ廻リ坂有。昼過、雨聊降晴。申ノ下尅滑河ニ着、宿。暑気甚シ。」ですから行路は順調であったようです。現在の黒部川は広い川幅ですが、川筋はわかれてはいません。

 芭蕉たちは、市振の次は滑川に泊まっています。私たちは黒部市には立ち寄らないで魚津市と滑川市を訪ねます。

 魚津というと、蜃気楼の町ということと、米騒動の発祥地ということとが思い浮かびます。駅前の観光案内所に寄ると、「昨日は蜃気楼が見えたから、今日も見えるかもしれないよ」と嬉しいお達しです。

 魚津駅前には「うまい水」という碑があって、「ほんとうに魚津は水がうまく空気がうまい 長生きしたけりゃ魚津においでうまい空気に水がある」と彫られています。洗足学園魚津短期大学の教授としてこの地に赴任していた池田彌三郎さんの言葉です。傍には水がほとばしり出ています。柄杓がありますから、喉をうるおします。そういえば、黒部川河口にも、黒部川扇状地湧水群というのがあります。

 旧北陸街道を歩いて海岸に向かいます。途中で22メートル道路というのに交差します。魚津も大火があった町です。その教訓から広い道が作られたのでしょうか。

 「たてもん伝承館」というのがあります。タテモン行事についての説明板があります。海岸に面して諏訪神社がありますが、タテモンは諏訪神社の行事です。

 ユネスコの無形文化遺産として「山・鉾・屋台行事」として33件が登録されましたが、そのうちのひとつです。台の中心に高さ約15メートルの心棒を立てて90個ほどの提灯を、全体が三角形となるように飾り付けるのだそうです。台車には車輪がなく橇のようになっているのを引き回すと言います。全部で7基が立てられる、8月初めの行事です。

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