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2017年9月20日 (水)

奥の細道を読む・歩く(217)

ドラマチックな倶利伽羅へ

 

 「くろべ四十八か瀬とかや、数しらぬ川をわたりて、那古と云浦に出。擔籠の藤浪は春ならずとも、初秋の哀とふべきものをと、人に尋れば、是より五里、いそ伝ひして、むかふの山陰にいり、蜑の苫ぶきかすかなれば、蘆の一夜の宿かすものあるまじと、いひおどされて、かゞの国に入。

    わせの香や分入右は有磯海 」

 

 芭蕉は、擔籠(たこ)の藤浪を見たいと考えましたが、那古から5里ほど離れた、寂しいところだと言われて、行くのを断念します。現在の氷見の西南にあった入江のようです。一気に「かゞの国に入」ると書いてありますが、越中と加賀の境に、卯の花山、倶利伽羅谷があります。

 倶利伽羅峠は、1183(寿永2年)に木曽義仲が牛の角に松明をともして平家の陣に追い入れる奇襲を行ったところです。

 私は、20代の頃、北陸を旅したときに、倶利伽羅駅で下車して峠を歩いて石動駅へ出たことがあります。ずいぶん昔のことですから、峠道の様子についてはほとんど記憶が薄らいでしまっています。

 今回の「奥の細道」の旅は、東から西に向かって歩いていますから、石動駅から倶利伽羅駅へ向かいます。3泊4日の旅の11回目の始まりです。

 今回の3泊4日の旅は5月22日から25日までです。前回に書き漏らしたので、ここに書きますが、前回は4月23日から26日まででした。今年の4月23日を旧暦に直すと3月27日でした。旧暦3月27日は、「弥生も末の七日」で、芭蕉が深川を出立した日でした。

 それから1か月たって、旧暦4月27日頃、芭蕉は須賀川にいました。私たちは2年がかりの旅をしていますから、今ごろの季節に芭蕉はどこでどうしていたのだろうかなどということを気にしながら旅を続けています。

 小矢部市の、あいの風とやま鉄道の石動駅前には「義仲・巴の魅力を全国に! 大河ドラマ誘致プロジェクト発動中」という大きな看板が立っています。NHKの大河ドラマは観光客の増加に大きな役割を果たしていますから、実現することは大きな魅力です。芭蕉よりは義仲・巴です。ところで実現可能性はゼロですが、「奥の細道」の旅を大河ドラマ化すればどうなるのかと考えると、波瀾万丈でもなく、登場人物間の絡み合いも少ない物語は、やっぱり無理なことは自明です。別の意図で制作するならば、何十回にもわたる番組には作れるでしょうが…。

 私たちは、倶利伽羅峠を目指して歩き始めます。旧北陸街道の砂川橋一里塚跡を経て、護国八幡宮(埴生八幡宮)に立ち寄ります。今回も天候に恵まれて、歩き始めると暑さを感じ始めます。

 

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