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2018年1月19日 (金)

奥の細道を読む・歩く(235)

那谷寺と芭蕉

 山門から向かって左半分に普門閣や奇岩遊仙境や大悲閣があって、右半分には芭蕉句碑や護摩堂、鐘楼などがあります。どちらかというと左に人の流れが多く、右に少なくなっています。

 芭蕉150回忌の天保年間に建立された句碑に刻まれているのは「石山の石より白し秋の風」ですが、すぐ右側には翁塚があって、「山中の温泉に行ほど、白根が嶽後にみなしてあゆむ。……」から「……奇石さまざまに、古松植ならべて、萱ぶきの小堂、岩の上に造りかけて、殊勝の土地也。」までの文章と、「石山の」の句が刻まれています。あたり全体が苔むした感じになっているのを好ましく感じます。高等学校の頃だったと思いますが、はじめて「石山の」の句を習ったときは、近江の石山寺と比べてそれよりももっと白く、という意味を教わったと記憶しています。けれども、「石山」を那谷寺の眼前の石山と見て、その石山よりももっと白く、秋の風を感じると考えてもよいのだという気持ちになりました。那智、谷汲、石山寺というような他の寺院とは関係なく、那谷寺はすっくと存在していると思うのです。

 近くに縁結びの神としての庚申像があって、縁結びのご利益が書かれていて、現実世界に引き戻される気がします。

 すこし上っていったところに、修法を行う護摩堂と、袴腰の上部まで石造りの鐘楼があります。どちらも寛永年間の建立で国の重要文化財ですが、このあたりまで足を延ばす人は少なくて、静かな雰囲気を味わえます。

 下ってきて、バスの時刻まで間がありますから、聖茶(ひじりちゃ)と菓子をいただきます。

 私たちは小松に戻り、一泊します。

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