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2018年1月 6日 (土)

じいさまはヤマへしばかりに -明石日常生活語辞典を作るということ-⑧

()言葉はゆっくり変化している

 

 私が方言について興味・関心を持ち、調査や研究らしきことを始めてから半世紀以上が経過しました。ひとつひとつの言葉の使われ方は、ゆっくりと変化していますが、長い目で見ると様相が異なってしまったと感じることも少なくありません。そのごく一例を挙げます。

 例えば、仮定を表す言い方では、祖父母の世代ではごく普通に使われていたと思われる、動詞の未然形で表す言い方、「明日(あした)、雨が降ら、運動会は中止や。」という言い方はほとんど聞かれなくなっています。今は、「明日、雨が降ったら」とか「明日、雨やったら」という言い方に置き換えられてしまっています。

 活用語の未然形で表す言い方は、形容詞にもありました。形容詞の未然形を使って、「長けら、二つに折れ。」と言いました。長いのならば二つに折りなさいという意味ですが、その言い方は、今ではほとんど聞くことはありません。「長かったら、二つに折れ」とか、「長いのやったら、二つに折れ」という言い方になってしまっています。

 また、例えば、理由などをあらわす接続助詞の「さかい」は、使用頻度が格段に少なくなりました。「雨が降りそうやさかい 傘を持って行きなはれ。」という言い方は、「から」や「ので」を使って表現する度合いが高くなっています。

 この日常語辞典で記述している内容を、例えば今後の半世紀という隔たりを経て見てみたら、おそらく大きな違いを感じることに違いないだろうと思います。

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