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2018年1月 1日 (月)

じいさまはヤマへしばかりに -明石日常生活語辞典を作るということ-③

(3)俚言を含めた全体が方言である

 

 方言というのは、ひとつの言語(例えば日本語)が地域によって異なった発達をして、音韻、アクセント、文法、語彙などの上で、違いが見出されるとき、それぞれの言語の体系を指して言う言葉です。例えば、語彙について言うと、その地域で使われている言葉の全体が方言なのです。

 全国のあちらこちらで、語彙を集めた方言集が作られていますが、それら出版物の大多数は地域特有の言葉(俚言)を集めたものです。例えば、前述の「やま」のような言葉は省かれているのが通例です。

 私たちの日常の言語生活は、全国で通用する共通語、広い地域にわたって使われている地域共通語、その地域だけで使われている俚言などを用いて営んでいます。私たちは共通語や俚言を織り交ぜながら、その折々にふさわしい言葉を選んで使っているのですが、それらをひっくるめたものが方言です。地域特有の言葉である俚言は、方言の一部であるのです。

 方言研究では地域特有の現象に関心が向くことは当然でしょうが、それぞれの地域の言語生活の全体像を見る目も大切であると思います。

 音韻、アクセント、文法などに関しては、その地域の全体傾向を説明することは多いのですが、語彙を全体として把握する研究は必ずしも多くないように思います。

 私は明石市を例にして、日常生活でごく普通に使われる語彙を、共通語・俚言という区別を設けないで、記述しようと考えました。そのような言葉を仮に日常生活語と名付けます。

 

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