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2018年2月18日 (日)

奥の細道を読む・歩く(265)

月山を目指す

 

 芭蕉の旅は馬や舟に助けられることはありましたが、それ以外は自分の足で歩いています。芭蕉に比べると軟弱な現代人である私たちは、月山八合目まではバスで行きます。羽黒山から月山まで歩くのは、登山を専門にしている人たちぐらいなものでしょう。

 宿を出ると、近くに芭蕉出羽三山句碑があります。「涼しさやほの三か月の羽黒山」「雲の峯幾つ崩て月の山」「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」の3つの句が、ひとつの碑に刻まれています。このあたりにはいくつもの宿坊が並んでいます。宿坊が受け入れる人は、地域ごとに分かれているのでしょうか、「青森県全域、岩手県九戸郡・久慈市・二戸郡・二戸市・旧東磐井郡 受持宿坊」などという看板を見かけたりします。

 そこからしばらく歩くと、羽黒山随神門に着きます。随神門から羽黒山頂へは長い石段が続いているのですが、石段で疲れてしまってはいけません。羽黒随神門前のバス停から、石段からは離れて走る羽黒山頂行のバスに乗ります。そして月山八合目行のバスに乗り継ぐのです。

 この旅に出発する前に、バスのことが心配になりました。もしも満員で乗り切れなかったらどうなるのかと、庄内交通バスの案内所に電話で問い合わせたところ、そんな事態は起こりませんとの返事でした。月山を目指す乗客は、私たち以外は数人でした。朝一番のバスであったからかもしれません。

 バスは、羽黒山頂近くの休暇村やビジターセンターの前には停まりましたが、そこから先は八合目終点まで乗降するところはありません。けれども、運転手は無線で連絡を取りながら、まるで列車のように、月山四合目(強清水)や月山六合目(平清水)を通過する時刻をきちんと守って走っています。狭い登山道路ですから、八合目から降りてくるバスとすれ違うところが設定されているのです。

 四合目、六合目と高くなるにつれて、霧が深くなったり晴れたりします。

 冷気に包まれた月山八合目に着いたのが、ちょうど9時です。駐車場が設けられ、ここから先は車は入れません。磐梯朝日国立公園・月山八合目という石碑もありますし、環境省や山形県が立てた案内板などもあります。

 いよいよ山登りです。ここから先、月山山頂を経て湯殿山神社までは、自分の足以外に交通機関はありません

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