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2018年3月10日 (土)

奥の細道を読む・歩く(285)

古い小学校、古い警察署

 

 登米神社には「降らずとも竹植る日は蓑と笠」の句碑があります。中国では竹を移植すると枯れないと言われているそうです。5月13日の竹酔日というときにするのが慣わしのようですが、日本ではちょうど五月雨(梅雨)の季節です。その作業には蓑や笠が必要です。それにちょっと風趣を感じて「降らずとも」と戯れているのです。

 登米神社から下ってきて、再び旧・登米高等尋常小学校へ行きます。1888(明治21)に建てられた、すべて木造の2階建ての建物です。コの字型になっている建物全体は黒い色ですが、2階にはバルコニーが設けられ、白く塗られて建物全体のアクセントになっています。屋根は寄せ棟、瓦葺きです。廊下は吹き抜けになっていますが、私が通った小学校の古い建物もそのようになっていました。時鐘として、お寺の鐘の小さな形のものが吊り下げられています。

 建物全体が懐かしく感じられます。建物の中は教室が再現され、教育資料が展示されているようですが、それよりも何よりも、校門の辺りから建物を眺め、校庭を歩きながら建物の中を見つめるだけで、とても嬉しい気持ちになります。ここにも昭和22年のカスリン台風の洪水水位が示されていて、子どもの背丈ほどにはなります。

 「玄昌石の館」というのがあり、その隣が旧・登米警察署庁舎で警察資料館になっています。これも1889(明治22)建築という古いもので、昭和43年まで現役の警察庁舎として使われたと言います。これも木造2階建て、吹き抜けのバルコニーが付いています。こちらは小学校と違って、全体が白いペンキで塗られています。小学校にも警察署にも、社会見学の小学生や中学生の団体がいました。

 昭和の30年代や40年代には、わたしの周りにもこのような建物はたくさんあって、現役として使われていました。それがあっと言う間に建て替えられて、古いものが姿を消してしまったように思います。壊さないで大切に保存したものが、今となっては珍しく、価値のあるものとなりました。思えば、勿体ないことをしてしまったように思います。

 さて、北上河畔の料理店で鰻に舌鼓をうってから、引き返して寺池城址公園のあたりを歩いてから、遠山之里に戻り、近くのバス停から登米市民バスに乗って柳津駅前に向かいます。

 JR気仙沼線の柳津駅からは、今度は列車で小牛田行に乗ります。小牛田駅で陸羽東線の新庄行に乗り換えます。古川から先にある、岩出山、有備館、川渡温泉、鳴子温泉、中山平温泉、堺田、赤倉温泉の各駅は、201610月の旅で、乗ったり降りたりした駅です。懐かしく感じて車窓を見つめました。

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