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2018年3月12日 (月)

奥の細道を読む・歩く(287)

雨の本合海

 

 雨になった朝、新庄駅前から大蔵村村営バスで本合海に向かいます。本合海は新庄市内ですが、バスのルートはこれのみです。肘折温泉で知られる大歳村は自前で、新庄と結ぶバスルートを作っているのですが、病院の前なども通りますから、新庄市民の足にもなっているようです。肘折は豪雪地帯としても知られるところです。新庄駅前からは鮎川村の村営バスも出ています。

 本合海寺前でバスを降ります。芭蕉像などがあるのはまっすぐ右手の方らしいと見当つけて歩くと、そのとおりでした。バス停のあるところからの短い道は兜太通りと名付けられています。金子兜太がNHKテレビの番組制作のために訪れたり、この地での俳句大会の撰者を務めたりしたことを記念するのだそうです。

 川を見下ろすところに史跡俳聖松尾芭蕉翁乗船之地という石碑が建っていて、「五月雨をあつめて早し最上川」の句碑があります。木の下に芭蕉像と曾良像が並んでいます。芭蕉は何かに腰掛けて笠を膝の上に置いている姿であり、曾良はその傍らで荷物を背にして立っている姿です。芭蕉の視線はやや上向きですが、曾良は背の荷物のせいでしょうか、もっと高いところを見つめている様子です。芭蕉は頭巾を被っていますが、何か現代の知識人のような凛々しさを感じさせます。

 ここは最上川ビューポイント選定地点なのだそうです。雨にけぶって川はゆったりと流れています。自然堤防のままですから、なんとも穏やかな感じがしています。

 少し先で、最上川はぐるりと迂回するように180度、流れの方向を変えますが、そこに支流の新田川が流れ込んでいます。

 私たちは川の右岸にいるのですが、芭蕉像の後ろに見えている本合海大橋を渡って、川の左岸に出ます。長い橋を渡ってから少し歩けば本合海プラザというところに着きます。けれども雨は本降りです。濡れながら歩きます。

 本合海プラザと言っても、特別な施設はありません。川岸近くに展望と休憩を兼ねた施設が一つ、屋根があるのが嬉しいのです。対岸に岩山が見えます。

 ここから上流方向に少し戻ると、矢向神社の赤い鳥居が川に向かって立っています。ご神体は対岸にあるようです。また金子兜太の「郭公の声降りやまぬ地蔵渦」と金子皆子の「ひぐらしの網かぶりたり矢向楯」を一つの石に刻んだ碑があります。川縁に船着き場も作られていますが、あたり全体が雨にけぶっています。

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