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2018年4月24日 (火)

言葉の移りゆき(7)

「多目的」のトイレ

 

 多目的ホールという言葉に初めて接したとき、そこでは音楽会や講演会やスポーツ行事など、さまざまなことが行われるのだろうと想像しました。多目的トイレという言葉を見たときには、トイレでの目的はただひとつ、大・小の用を足すだけなのに、その他にどんな目的があるのだろうと不思議な気持ちになりました。

 その後、実際に多目的トイレを目にして、入ってみたこともありますから、実物がどんなものであるのか理解できています。

 災害時に避難所となる学校のトイレの「バリアフリー」化が遅れているということを報じる記事の中に、「多目的トイレ」を説明した文章がありました。

 

 障害者や高齢者、子ども連れなど多様な人が利用しやすいよう工夫したトイレ。通常より広い空間や手すりを備え、おむつの交換台や、人工肛門をつけた人のための洗浄器があるものもある。「多機能トイレ」「みんなのトイレ」などとも呼ばれる。

 (読売新聞・大阪本社発行、2018年4月13日・夕刊、3版、10ページ)

 

 ホールとトイレでは、「多目的」という言葉の意味が異なって使われています。多目的ホールの場合は、催し物(使用目的)が多様であるのです。それに対して、多目的トイレの使用目的はほぼ同じでしょうが、機能が多様になっているのです。したがって「多機能トイレ」の方が理にかなった言い方でしょう。

 「みんなのトイレ」は焦点が絞れていない言い方です。誰でも使えるトイレと言っているだけで、さまざまな機能を備えているということを想像するのは難しいと思います。

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