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2018年4月18日 (水)

言葉の移りゆき(1)

ひとりの「爆笑」

 

 『広辞苑』の第7版が発売されて、いろいろなことが話題になりました。「爆笑」もそのひとつです。朝日新聞の「ことばの広場 -校閲センターから」の欄は次のように述べています。

 

 「爆笑」も、6版の「大勢が大声でどっと笑うこと」から、「はじけるように大声で笑うこと」と笑う人の数を問題としない語釈に変わりました。大勢で、と説明する国語辞典がまだ多数派で、「爆笑は本来1人ではできない」と指摘されてきました。しかし、約90年前の使用例でも1人で大笑いしていると捉えられるものがみられます。ようやく世間の実態に合ったとも言えます。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年3月14日・朝刊、10版、15ページ、田島恵介)

 

 「爆笑」は漢語です。約90年前に使用例があるということですが、初めて使われたのは明治時代でしょうか。それとも江戸時代にもあったのでしょうか。その時代から「爆笑」には〔大勢で〕という意味が加わっていたのでしょうか。歴史的な用例を参照するときには『日本国語大辞典』を見ることがあるのですが、「爆笑」については〔大勢でどっといっせいに笑うこと。〕とだけ書いてあって、用例は書かれていません。

 「爆」が使われている熟語を並べると、爆発、爆破、爆裂、爆撃、爆弾、爆音などがありますが、いずれも〔大勢で〕とか〔一斉に〕とかの意味はそなえていないように思います。〔大勢で〕ということに関しては「爆笑」が例外的な存在であるように思いますから、『広辞苑』7版の語釈の変化には、大きな違和感はありません。

 パソコン文章の中に()という表記がありますが、(爆笑)という表記も既に現れているのかもしれませんね。

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