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2018年5月 3日 (木)

言葉の移りゆき(16)

自分がする評価と、他人からの評価

 

 「キラキラ」の次は「サバサバ」です。「サバサバ女」などという言葉が生まれているとは知りませんでした。

 

 世にあまたのオノマトペ(擬態語)あれど、「サバサバ」ほどいわく付きの言葉もそうないと思います。

 試しに「サバサバ」をインターネットで検索すると、なかなか意地悪な結果が出てきます。「サバサバ女はモテる!」と持ち上げたかと思えば、「本当は恐ろしい自称・サバサバ女」と落とし、同性からも「正直、イラッとする」と評される。

 どうやら、他称は愛されるが自称は疎まれるようで、「私ってサバサバしてるからさー」と言う女性ほど、他人からは本当は粘着質だと思われているようです。

 (読売新聞・大阪本社発行、2018年4月3日・夕刊、4ページ、「小町拝見」、ジェーン・スー)

 

 「さばさば」は、小さなことにこだわらずさっぱりしている様子、嫌なことや気がかりなことがなくなって気持ちが爽やかになる様子、を表す言葉です。国語辞典には「試験が終わってさばさばした。」のような例も挙げられています。つまり、「さばさば」はプラスの評価を表す言葉です。新聞記事に「他称は愛されるが自称は疎まれる」とあるのは当然です。「サバサバ」は、いわく付きの言葉というほどの、特別な言葉というわけでもないでしょう。

 自分で自分をプラス評価をする人が警戒されるということであって、それは「サバサバした性格の人」であっても、「キラキラと目立つ人」であっても、自分で口にする言葉ではないということでしょう。もっとも、自称「サバサバ」な人は、他人からの評価などは気にしない、心の強い人なのかもしれません。

 世事に通じていて物わかりの良い人のことを「さばけた人」と言うことがありますが、その言葉も、他人からの評価を表すものであって、「私はさばけた人だ。」などと言うことはありません。

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