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2018年5月26日 (土)

言葉の移りゆき(39)

市民権を得ていない「ガチャガチャ」

 

 「ガチャガチャ」というのはクツワムシの俗称です。けれども、もう一つ別の「ガチャガチャ」があります。残念なことにたいていの国語辞典には載っていません。

 

 日本一高いビルのあべのハルカス(大阪市)に、巨大な「ガチャガチャ」が登場した。29日から5月5日まで、5千円の買い物をするごとに1回、挑める。

 高さ4メートル、幅、奥行き各2・4メートル。大当たりのカプセルは直径20センチで、ホテルのペア宿泊券や5万円分の商品券などが入っている。毎日、先着千人。

 黄金週間の集客の目玉にと同ビルが企画した。「はずれ」でもビル展望台の割引券などがもらえる。「日本有数のガチャと絶景を楽しんで」と担当者。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年4月28日・朝刊、13版、34ページ、「青鉛筆」)

 

 この文章で、どういうものか察しがつくと思います。もともとは、少ない金額で「当てもの」をしてカプセルの中の商品をもらうという、子ども向けのものです。「日本有数の」とありますから、このようなものは全国に普及しているのでしょうか。しかも「ガチャ」という略称まで書いてあります。

 国語辞典の編集者は、新しい言葉を見つけようと細心の努力を続けておられることと思いますが、「ガチャガチャ」に市民権を与えることを忘れているようです。日常語でありますから、国語辞典で見つからないと寂しいものです。

 同様に、大売り出しのときなどの抽選で、取っ手を持ってぐるぐる回して、ポトンと1個の小さな玉が落ちるという器具は、昔からあるのですが、あれは何という名前で呼ばれているのでしょうか。関西では、ガラガラとか、ガラガラポンとか、ガラポンとか言っていますが、この言葉も、国語辞典には見落とされている傾向が強いようです。小型の国語辞典こそ、日常生活と密着した言葉を収めてほしいと思います。ガチャガチャもガラガラも方言であるとは思えないのですが。

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