« 言葉の移りゆき(41) | トップページ | 言葉の移りゆき(43) »

2018年5月29日 (火)

言葉の移りゆき(42)

くだけた言葉の「かも」

 

 「か」という副助詞があります。「誰いませんか。」のように人やものなどを特定しないで指し示したり、「明日明後日に行きます。」のように列挙してそのうちの一つであることを示したりします。

 「も」という副助詞があります。「誰知っている人はいません。」のように一例や全体を示したり、「明日明後日予定が詰まっています。」のように同類の人やものなどを並べたり付け加えたりしたりします。

 その「か」と「も」が合わさると「かも」という言葉になります。「私は出席するかもしれません。」のように、不確かながら可能性があることを表現する場合などに使われます。「かも」を書き言葉の文末に使うこともありますが、くだけた印象は拭えません。

 あるテレビ番組を紹介(批評)した記事の最後が、次のような言葉で締めくくられていました。

 

 気軽な頭の体操は日曜の夜にぴったり。新規ビジネスのヒントになるかも?

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年5月4日・朝刊、13版、19ページ、「記者レビュー」、矢田萌)

 

 文章の末尾で「……かも」と言われたら、結論はどうなっているのだろうかと首を傾げざるを得ません。ヒントになると言っているのか、ヒントにならないと言っているのか、わけがわかりません。

 驚くのは、その言葉に「?」が付いていることです。「かもしれない」という曖昧な表現に、さらに疑問符が付くということは、記者は結局、何の判断も持っていないということなのでしょうか。

 

|

« 言葉の移りゆき(41) | トップページ | 言葉の移りゆき(43) »