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2018年6月 2日 (土)

言葉の移りゆき(46)

複数の島々

 

 瀬戸内海にはたくさんの島々がありますが、その中のまとまりごとに〇〇諸島などと呼んでいます。そのような仲間に入らない島もあります。

 兵庫県姫路市に属する家島は、日常的には家島群島と言ったり家島諸島と言ったりしています。どちらでもかまわないのでしょうが、どちらかに決めたらどうかという気持ちもあります。

 群島と諸島はどう違うのかという記事がありました。

 

 地図を作る国土地理院や、海図を作る海上保安庁海洋情報部によると、このような配置なら諸島、といった決まりはなく、歴史的な名称や現地での呼び方に従って地名を決めているとのことです。

 実際、両方が使われていて混乱があった場所もあります。

 歯舞や鹿児島県の奄美は、近年まで地図や海図で諸島・群島の両方の呼び名が混在していました。 …(中略)

 明治に入って、中央集権的な政府が行政区画を定め、外国との境を明確にする過程で、集まる島々をまとめる呼称が求められ、統一基準なく個々に付いていった流れが浮かびます。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2017年7月26日・朝刊、10版、11ページ、「ことばの広場 校閲センターから」、大月良平)

 

 上の記事途中では群島と諸島が話題になっていますが、この他に、列島という言葉もあります。日本列島をはじめとして、千島列島、五島列島 トカラ列島などがあります。小笠原諸島の中が父島列島、母島列島、聟島列島に分けられたりもしています。この列島こそ、「外国との境」に位置する島々であるようにも思います。

 公的な呼び名は別にして、日常的なレベルでは、どのように使い分けているのでしょうか。『明鏡国語辞典』の説明は、3つの説明が同じ文字数で書かれていて、お見事です。

 群島は〈ある海域にまとまって点在する多くの島〉であり、

 諸島は〈一定の区域内に散在するいくつかの島々〉であり、

 列島は〈列をなすように細長く連なっている島々〉です。

 けれども、辞書編集者が説明を書くときに、この3語を比較・対照して検討している気配は感じられません。

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