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2018年6月 6日 (水)

言葉の移りゆき(50)

漢字の「略し読み」

 

 若い頃、信濃路の旅をしていたときに、国鉄長野駅前でアナウンスを聞きました。「しんだいの〇〇さん、いらっしゃいましたら……」という呼び出しでした。こんなところにも神大(神戸大学)の関係者がいるのかとびっくりしたのですが、ここは長野県、信大(信州大学)の地元でした。校名を略して読むときには同じ発音のものがいくつもあることでしょう。新潟大学や神奈川大学も「しんだい」なのでしょうか、違うのでしょうか。

 さて、「鰻重」を「うなじゅう」と言い、「鰻丼」を「うなどん」と言うような、漢字の「略し読み」が話題になっている記事を読みました。

 

 茨城大学の略称は「茨大」ですが、これは「いばらだい」ではなく「いばだい」と読むのだそうです。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年2月3日・朝刊、be3ページ、「街のB級言葉図鑑」、飯間浩明)

 

 漢字で書く場合は2字が印象よく見えますが、発音する場合はどうやら5音よりも4音の方が落ち着くという事情があるようです。

 私の周囲の高等学校の校名を話題にしますと、加古川東高校は「かことん」、東播磨高校は「ひがはり」、須磨東高校は「すまひ」という発音をよく聞きます。同じ「東」の読み方が違っているのが面白いと思います。東を2音の「ひが」で止めてしまうのは「茨大」と共通した現象です。須磨東も「すまひが」と言えばよいように思いますが、末尾が「が」となるのは格助詞の「が」とぶつかって、避けたのでしょうか。

 ちょっと本題からはずれますが、姫路西高校は「ひめにし」ですが、明石西高校は「めいせい」です。これは訓読・音読で統一しようという意識が働いたかどうか。播磨南高校は「はりなん」と湯桶読みです。言葉を一つの法則でくくろうとするのは難しいことです。固有名詞はなおさらです。

 神戸大学は「しんだい」ですが、神戸高校は「じんこう」です。清音・濁音の区別にも法則はなさそうです。

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