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2018年6月17日 (日)

言葉の移りゆき(61)

「自撮り」と「自画撮り」

 

 「自撮り」とは、自分のカメラで自分を撮ることです。と言っても、シャッターを押すことを他人に頼んで、自分のカメラで自分を撮ってもらっても自撮りとは言わないでしょう。三脚を立ててシャッターのタイマーを使うのは自撮りの範疇にはいるのでしょうか。自撮りというのは、自分のカメラのシャッターを自分で押して自分を撮るということなのでしょうね。「自撮り」は写真を撮るときの方法についての言葉です。

 では「自画撮り」とは何でしょうか。こんな記事がありました。

 

 一都九県でつくる関東地方知事会議が二十三日、都内で開かれた。都の提案で、中学生や高校生らが自分の裸を撮影して他人に送り、画像が悪用される「自画撮り」被害を防ぐため、国に法改正を求めることで一致した。

 (東京新聞、2018年5月24日・朝刊、22ページ、したまち版、川田篤志)

 

 自画撮りとは、記事にあるように、自分の裸を撮影することのようです。これは自分でシャッターを押すとは限らないと思います。タイマーを使ったり、他人にシャッターを押してもらったりすることも含まれるでしょう。「自画撮り」は写真の中身(対象)についての言葉で、とりわけ「裸」がキーワードになっているのでしょう。

 観点の違う内容を、よく似た言葉で表すと、混乱が起こることがあります。「自撮り」と「自画撮り」は、一見同じことを表すようにも取れます。「国に法改正を求める」とありますから、今後、しばしば目にする言葉になるかもしれません。「自画撮り」は、他の言葉を工夫して使うようにするのがよいのではないかと思われます。

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