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2018年6月22日 (金)

地域の言葉について思うこと(2)

「真逆」という言葉

 

 私は、新しい言葉に抵抗感を示すことが多いのですが、「真逆」という言葉は少し違ったとらえ方をしています。

 何年か前の文化庁の「国語に関する世論調査」の結果などによると、今では「真逆」は「正反対」をしのぐ勢いなのだそうです。「真逆」を一語であるとすると、訓読み(「ま」)と音読み(「ぎゃく」)が交ざった湯桶読みをする言葉です。

 関西では一音節の言葉を長音にする傾向が強くて、「真」は、しばしば「まあ」となります。「まあ後ろ」「まあ前」とか「まあ東」「まあ西」と言います。(「まん前」というような言い方もないわけではありません。)その場合、「まあ後ろ」の「まあ」と「後ろ」は密接な一語になっているという印象ではなく、「まあ」と言って瞬間的な呼吸を置いてから「後ろ」にかかっていく、修飾語のような働きをしているように感じられます。

 例えば「まっ正面」は一語になってしまっているように感じますが、「まあ正面」は、「正面」を「まあ」が修飾しているように感じるのです。「真逆」にあたる日常語は、私の感覚では「まあ反対」であって、これも一語に熟してしまっているようには感じません。また、「まあ逆」と言っても違和感はありません。

 「真逆」と文字に書くことと、「ま逆」という共通語の発音と、「まあ逆」という長音化した日常語の使い方とは、それぞれ異なった印象を受けるのです。「まあ逆」は滑らかな響きを持つ言葉であると思います。

 言葉にも、地方分権的な視点を持つことは大切なことだと思います。

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