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2018年7月29日 (日)

言葉の移りゆき(99)

寿司の「一丁」と「一貫」

 

 見出しを見て、握り寿司の数え方として「一貫」の他に「一丁」というのがあるのかと思いました。その見出しは〈軽やかに一丁 こだわり握り〉となっていました。記事を読むと、これは見出しの付け方の間違いだということがわかります。

 

 右手でまとめられたシャリが左手のひらのネタ載るや否や、両手ともに軽やかに動き、あっという間に一丁あがり。「指に力を入れへんのがコツかな」。次々と11貫が出来上がり、鉄火巻き3つと共に、吸い物に添えて供された。 …(中略)

 いただきながら、「お寿司って、なんで1貫、2貫と数えるのかなあ」とふと。「江戸前握りは、せっかちな職人のお客相手に始まったから、1個が大きくて一文銭千個分、つまり1貫の大きさに例えたらしいですよ」。手を止めずに、蘊蓄を語る姿にも惚れ惚れした。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年7月3日・夕刊、3版、3ページ、「味な人」、井上理津子)

 

 「味処 利休」の林時春さんの紹介記事です。豆腐ではありませんから握り寿司を「一丁」と数えるはずはありません。見出しは、「一丁あがり」を「一丁」と約めて書いたのです。いくら字数の都合とは言え、「一丁あがり」を「一丁」と書くのはあまりにも乱暴です。これは筆者の責任ではなく、誌面を編集した人の行き過ぎです。

 ところで、寿司を1貫、2貫と数える理由は、さまざまな語源説があるのでしょうね。

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