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2018年8月 9日 (木)

言葉の移りゆき(110)

日本語を「ミミック」する表現

 

 昔、子どもの頃に、短くなった鉛筆を使うための、簡単な補助軸があって、使えなくなる寸前の短さまで使い続けたことがありました。ものの乏しい時代の、懐かしい思い出です。次の記事で紹介されているのは、同様のものの豪華版のようです。

 

 ミミックは、短くなった鉛筆を快適に使うための鉛筆補助軸だ。真鍮製の先端部分に、鉛筆を入れて固定すれば、全長3センチほどの鉛筆でもしっかり握れ、ストレス無く使うことができる。 …(中略)

 手作りのため、アイボリーと黒のマーブル柄は1本ずつ微妙に違っていて、同じものはないというプレミアム感もうれしい。 …(中略)

 ミミックとは、英語で「擬態者」という意味。つまりこの製品は、鉛筆やボールペンを万年筆に擬態させているのだ。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年6月24日・朝刊、13版、26ページ、「そばに置きたい」、納富廉邦)

 

 「ストレス」という言葉は深い意味を持つ言葉です。「ストレス無く使う」というのは、短くなった鉛筆をイライラせずに使うということでしょう。「プレミアム感」というは、同じものは他にないという嬉しさのことなのでしょう。

 日本語の中に、やや大袈裟な外来語を使うことによって、いかにも優れた品物であるということを、言葉の上で擬態させているように思われます。筆者は、ミミックという商品にふさわしい紹介文を書こうと心がけたのでしょうか。

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