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2018年8月19日 (日)

言葉の移りゆき(120)

「ミライトワ」と「ソメイティ」

 

 不思議な言葉に出会ったという印象が払拭できません。オリンピックとパラリンピックのマスコットの名前です。

 次のようなニュース記事を読みました。

 

 公式マスコットの名前が、五輪は「ミライトワ」、パラリンピックは「ソメイティ」に決まった。

 22日、大会組織委員会が発表した。

 ミライトワは、「未来」と「永遠」を結合。ソメイティは桜の「ソメイヨシノ」と英語の「so mighty(非常に力強い)」を掛け合わせた。

 小学生の投票で2月にデザインが決まった後、1998年長野冬季五輪のネーミングを手がけた業者が約30案を提示。英語、仏語など8言語で差別や中傷などの意味が含まれないかなどを確認し、大会組織委の審査会が投票で決めた。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年7月23日・朝刊、13版、2ページ)

 

 名前を、ネーミングを手がける「業者」が提示するということを初めて知りました。どんな斬新なネーミングが約30案も提示されたのでしょうか。デザインは全国の小学生を総動員しておきながら、名前は大会組織委員会という密室の投票で決まるという、その落差にも驚きました。

 何よりもびっくりするのは、言葉の組み立て方です。現代語「未来」と、古語に近い「永遠(とわ)」を結び付ける神経、しかも類語を強引に一語にしてしまっています。

 更に驚くのは、桜の品種名である「染井吉野」と英語の「so mighty」を掛け合わせるという、どこの国の言葉だかわからない造語法です。

 国際的な大会だから、日本語もその伝統をうち破れということでしょうか。日本語の「ミライ」が、「非常に力強く」破壊されていくような危惧を持ちます。

 選ばれた言葉の音声的効果もよくありません。ミライトワは「未来とは?」と疑問を投げかけられているような感じで、「トワミライ」の方が耳には馴染みやすいように思います。「ソメイティ」は薬か何かの名前のような印象を持ちます。

 もう少し、音の印象が良く、ほんわかとしたネーミングにできなかったのでしょうか。もっとも、言葉というものは不思議なもので、連呼しているのを聞いているうちに耳に馴染んでしまうかもしれません。

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