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2018年8月24日 (金)

言葉の移りゆき(125)

「もふもふ」は平仮名で書いてほしい

 

 例えば、毛糸で編んだものの手触りや目にした様子、動物の毛並みの手触りや目にした様子を、「ふわふわ」「ふんわり」「ふさふさ」などと言うのは昔からの言葉遣いです。「もこもこ」などと言うこともあります。

 そういう感触を表す言葉に「もふもふ」があることは、最近まで知りませんでした。

 NHKテレビに「もふもふモフモフ」という番組があり、それを紹介する記事がありました。

 

 犬や猫など、見た目が「ふわふわ」「もふもふ」している生き物たちを「もふもふ」と呼び、そんなもふもふの、かわいらしい姿や、面白い行動、うるっとさせてくれるエピソードが次々と登場する。

 全国の看板娘・息子として活躍する犬や猫を訪ねる「看板もふもふ」のコーナーでは、忍者の町・三重県伊賀市のお茶屋さんの看板娘が登場。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年5月10日・朝刊、13版、36ページ、「試写室」、鈴木友里子)

 

 難解な新語が多い中で、「もふもふ」は一見して、すぐに語感が理解できる言葉です。「もこもこ」と「ふわふわ」などが合わさった言葉のように感じますが、由来として正しいのかどうかはわかりません。先行する言葉とは無関係に、突如として湧き上がってきた言葉かもしれません。

 後日、この言葉を取り上げた記事がありました。

 

 犬や猫、ウサギ、アルパカ……。動物の豊かな毛並みの様子を、「モフモフしている」と表現しているのを見たことがありませんか? 毛足の長い動物をなでることを「モフる」、動物そのものをさして「モフモフ」と呼ぶこともあるようです。

 いかにも柔らかそうな雰囲気のあるこのことば、書籍の国語辞典にはまだ見当たりません。一方で、NHKでは動物番組のタイトルとして使われたり、SNSでは動物の写真に添えられていたりと、何かと目にする機会が増えています。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年7月25日・朝刊、10版、13ページ、「ことばの広場 校閲センターから」、市原俊介)

 

 けれども、「もふもふ」は平仮名で表記してほしい言葉です。「モフモフ」では外来語由来のようにも見えますし、やわらかさが損なわれます。

 余談ですが、〈書籍の国語辞典〉とは、ずいぶん寂しい表現です。まるで国語辞典の主流を電子書籍に奪われてしまったような印象が漂います。携帯電話の陰に隠れて、昔からあった電話機が「固定電話」になったり、ネットショッピングの隆盛によって、昔から長く続いてきた本屋さんが「リアル書店」と呼ばれたりと、言葉の変容は急激です。

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