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2018年9月 4日 (火)

言葉の移りゆき(136)

「必ず治る」とは言えないから…

 

 かつての医薬品の広告には、「〇〇が、ぴたっと治る」「必ず治る」「絶対に治る」というような言葉が横行していましたが、最近はなくなりました。薬の効き目は人によって異なるから、ということではないと思います。「治る」という言葉が誇大な宣伝にあたるからでしょう。

 けれども、医薬品業界は、言葉を巧みに操って人々の気持ちを惹きつけようとします。新聞2面を使った、こんな広告がありました。広告ですから、大きな文字で、個条書きのように書かれています。

 

 ひざが痛い  腰が痛い  肩が痛い

 痛みに5つの効果

 5つの効果効能

  1 関節痛に効く

  2 筋肉痛に効く

  3 神経痛に効く

  4 手足のしびれに効く

  5 眼精疲労に効く

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年8月25日・朝刊、別刷り全面広告、Aページ及びBページ、富山常備薬グループの広告)

 

 この広告の言葉は、「痛い」ときには飲んでほしいが、「治る」とは書けないからの苦肉の策でしょう。

 「効果」には、逆効果という言葉もあるぐらいですから、良い方に向かう効果だけとは限りません。

 「効能」にも、効能書きという言葉があって、言っているほどの効果がないというようなニュアンスでの使い方があります。

 キーワードとなっている「効く」という言葉は、効果や効能が現れることです。薬が効くことにも使いますし、冷房が効くことにも使いますし、宣伝が効くことにも使います。

 その薬が効くか効かないかは私にはわかりませんが、宣伝が効くことを願っていることだけはよく伝わってきます。

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