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2018年9月17日 (月)

言葉の移りゆき(149)

「?」をどう読むのか

 

 文章の中にさまざまな符号などを使うことが多くなっています。「これは新発見だ!」などと書いてあっても「!」は発音しないで済ませてしまいます。「どちらへ行くの?」の「?」も同様です。

 ところが、「どうも気持ちがしっくりしない……」というような、曖昧な気持ちを表している場合は「しっくりしないテンテンテン」と読んで、その状況を表現することがあります。

 このような符号などが句末に置かれている場合は、発音しないのも一つの方法でしょう。けれども、文章中に置かれている場合は、発音しないで通り過ぎることはできません。どう読めばよいのでしょうか。例えば、次のような場合は。

 

 お葬式の「?」をさまざまなイベントで探る「おてら終活祭」が2526両日、大阪市天王寺区下寺町1丁目の浄土宗應典院(秋田光彦住職、http://www.outenin.com)で開かれる。通夜や葬儀の再現、多宗派僧侶のトークや相談などがある。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年9月10日・夕刊、3版、3ページ)

 

 この記事の見出しは〈お葬式の「?」宗派超え探る〉となっていますから、よけいに目立ちます。しかも、カッコ付きで「?」と書かれています。

 記事を読む限りでは、行事の名前に「?」が使われていたようには思えません。記事の中にはこの1箇所しか「?」は使われていません。記者が勝手に「?」を使ったようです。

 そこで、改めて「?」の読み方を考えてみます。これを「疑問符」だの「クエスチョンマーク」だのと読む人はほとんどいないでしょう。疑問の助詞「か」と読む人もいないでしょう。思い浮かぶのは、「(お葬式の)疑問」「なぜ」「はてな」などです。つまり、品詞で言うと、名詞、副詞、感動詞などです。読み方が確定しません。

 勝手な想像を広げると「問題点」「疑問点」「行い方」など、無数に広がって行くでしょう。そうなったら、止まるところがなくなってしまいます。

 この記事は、文章は目で読むものだという前提で書かれています。「読む」とは本来、発音するものです。発音できない(あるいは、発音に著しい揺れが生じる)表現はすべきではありません。

 要するに、どう発音すればよいのかと、読む人の心を惑わせるような表現はやめたいと思います。奇抜さを狙うだけの表現は遠慮してほしいと思います。

 新聞の記事は、街にあふれるビラやチラシとは一線を画した日本語で書いてほしいものです。

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