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2018年9月29日 (土)

言葉の移りゆき(161)

マスコミのミニコミ化

 

 まず、新聞記事をお読みください。これが記事の全文です。記事に文章に問題はありません。

 

 今年で創刊50周年を迎えた漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」が、過去の人気作品を特集した50周年記念増刊シリーズを刊行する。

 13日には第1弾として、35年前の9月に連載が始まった「北斗の拳ジャンプ」が発売された。ファン投票で選ばれた人気場面のほか、原作者の武論尊さん、漫画家の原哲夫さんの記念色紙、人気キャラクターのラオウが登場した第65話、北斗の拳が表紙となったジャンプ紙面などが収録されている。

 10月には「幽☆遊☆白書ジャンプ」、11月には「ドラゴンボールジャンプ」、12月には「キン肉マンジャンプ」の増刊号が予定されている。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年9月27日・夕刊、3版、2ページ、加藤勇介)

 

 この記事に対して、どのような見出しを付けようと自由です。けれども、意図のわからない見出しに出会うと、頭が混乱します。

 見出しは、次のように書かれています。

 

 「週刊少年ジャンプ」50周年の記念増刊シリーズ / お前ももう買っている!?

 

 実際には、見出しを見てから本文を読みますから、見出しがどういう意味を持っているのかを考えながら読みます。最後まで読み終えて、見出しにどういう意味が込められていたのかと振り返ったとき、まったく理解できないのです。

 まっ先に頭をかすめたのは、「お前ももう買っている!?」というのは、掛詞で、「お前も儲かっている!?」の洒落かなと思いましたが、そういうことではなさそうです。

 「お前ももう買っている!?」という乱暴な言葉遣いは、9月に既に発売された「北斗の拳ジャンプ」の中に使われている、よく知られた言葉遣いなのでしょうか。そうでなければ、この言葉遣いは、読者を馬鹿にしたような表現です。

 買ったかどうかを尋ねるのなら「もう買っている?」という疑問符だけで十分です。見出しの「もう買っている!?」には感嘆符と疑問符が付いていますから、漫画の中の言い回しだろうと推測するのですが、それでよいのでしょうか。

 もし、漫画の中の言葉を引用して見出しを付けたのなら、わかる人だけにわかればよい、という姿勢の表れになります。大多数の新聞読者を対象にしているのではなく、漫画のことをよく知っている読者を対象にした記事であるということになります。

 新聞は、発行部数を徐々に減らしています。マスコミの代表格である新聞が、一部読者を対象にしたミニコミ化を進めていると見るのは、うがち過ぎでしょうか。

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