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2018年10月 1日 (月)

言葉の移りゆき(163)

「切符」は見出し用語?

 

 乗車券、観賞券、入場券などのことを「切符」と言いますが、切符という言葉はやや古風な言い方になってきている感じもします。けれども、この「切符」が出場権というような意味で使われ続けています。小さな国語辞典では、出場権という意味が書かれていないこともあります。

 

 わずか2日間のうちに、3回も使われています。まず、全日本大学駅伝の地区選考会のことを報じる記事の見出しです。

 

 広島経大 5大会連続切符

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年9月24日・朝刊、13版、13ページ、見出し)

 

 記事の言葉は、「広島経大が5大会連続22回目の出場を決めた。」です。

 そして、翌日の記事の見出しです。

 

 東北大が切符 25校出そろう

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年9月25日・朝刊、13版、13ページ、見出し)

 

 記事の言葉は、「東北大が6大会連続13回目の出場を決めた。」です。判で押したような、別の言葉で言えばコンピュータで作成したような記事と見出しのように感じられます。

 文化に関わる行事にも、同様の記事が見られます。

 

 県勢4校に全国切符 / 中学・高校部門 鷹匠中など

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年9月24日・朝刊、「神戸」版、13版△、21ページ、見出し)

 

 これは、関西合唱コンクールについての記事ですが、本文には「……が関西支部代表に選ばれ、全国大会に出場する。」と書いてあります。やっぱり記事には「切符」は使われていません。

 これらに共通することは、見出しに限って「切符」が頻出することです。見出しを作る人にとっては便利な言葉なのでしょう。あるいはコンピュータに覚えさせてあるのかもしれません。

 不思議なことに、高校野球の予選を勝ち抜いて全国大会に出場することになった場合には、この言葉をできるだけ避けているように思われます。

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