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2018年10月20日 (土)

言葉の移りゆき(182)

傘寿の翌年の「半寿」

 

 長命を言祝ぐのは嬉しいことですが、還暦から始まって、古稀、喜寿…と続きます。「〇寿」という言葉は、ややこじつけの感がないとは言えませんが、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿などは定着した言葉であると言ってよいでしょう。それにしても、その間隔に長短があるのはしっくりしませんが、愛嬌であると笑ってすませることにしましょうか。

 広告の中にこんな言葉を見つけました。

 

 慶びに咲く「本象牙の薔薇」-。いついかなる時も、国民をやさしく見守りくださる皇后美智子さま。平成2710月に迎えられた御年八十一の「半寿」を記念して、特別に創作された典雅な宝飾ブレスレットです。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年9月8日・朝刊、be1ページ、インペリアル・エンタープライズ株式会社の広告)

 

 傘寿が80歳であるのに、その翌年に半寿と命名したのは誰なのでしょう。「半」の文字を分解すれば、「八」と「十」と「一」に分けられるという理屈でしょう。けれども、「半」という文字のイメージはよくありません。まるで中途半端な長寿のようです。

 一年ごとに「〇寿」と言うのなら、82歳、83歳、……と毎年に名付けたらいかがでしょうか。知恵を絞っても、それは無理かもしれませんね。文字が見つかった歳だけに「〇寿」と名付けるのは、勝手な考え方かもしれません。

 広告にある「半寿」は、商売のために使っているという感は否めません。傘寿の年に作るのを忘れて、1年後になってしまったのでしょうか。「平成2710月」制作の商品を、「半寿」という言葉を呼び水にして売り払おうとしている、と考えるのは穿ち過ぎでしょうか。

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