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2018年11月12日 (月)

言葉の移りゆき(205)

誰が何を認めるの?

 

 大阪市港区にある、標高4・5メートルの天保山を、地元住民でつくる山岳会が「日本一低い山」とうたって登山証明書の発行を始めてから20年を迎えたというニュースがありました。発行枚数は約6万枚になったそうです。一種の遊びだと言ってしまえば、笑ってすむ話です。記事に、こんなことが書いてありました。

 

 天保山は1831(天保2)年ごろ、河川工事で出た土砂を積み上げてできた人工の山だ。大阪湾を望む公園にあり、入り口から1分足らずで山頂に着く。証明書の発行は、地元の橋本誠さん(66)ら有志の数人でつくる「天保山山岳会」が1998年から始めた。 …(中略)

 国土地理院によると山の明確な定義はなく、地元で昔から山と呼ばれているか、などが地形図への掲載基準。日本一低い山がどこかの公式見解はない。

 天保山に対抗し、「自然の山としては日本一低い」とPRするのが標高6・1メートルの弁天山(徳島市)だ。NPO法人「弁天山保存会」の山下釈道理事長(55)は「地元に誇りを持ち、競い合いながら盛り上げていければ」とエールを送る。

 (毎日新聞・大阪本社発行、2018年8月22日・夕刊、3版、9ページ、竹田迅岐)

 

 「日本一低い山」ということを証明するものが何もないのに、その山に登ったということを証明するというのは、矛盾に満ちた遊びのようです。

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