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2018年11月13日 (火)

言葉の移りゆき(206)

記念日はいくらでも認定できる

 

 何かを証明したり認定したりするという行為は、どのような根拠によって成り立っているのでしょうか。こんな記事がありました。

 

 語呂合わせで9月2日は「おおきにの日」、3月9日は「ミックスジュースの日」-。大阪の言葉や食文化を知ってもらおうと、大阪市中央区のコーヒー販売店が申請した記念日が日本記念日協会(長野県佐久市)に認定・登録された。11日、協会から記念日登録証が授与された。 …(中略)

 同協会は1991年に発足。協会によると、審査に合格すれば、申請者が原則として1件10万円(税別)を支払い、登録される。現在、登録されている記念日は約1700件。昨年だけで200件以上の記念日が登録され、近年、増える傾向にあるという。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年1月11日・夕刊、3版、1ページ、半田尚子)

 

 このような協会に審査してもらって記念日として認定される、というしくみが理解できません。民間の協会が登録料で成り立っているのであれば、記念日はいくらでも増殖することになるでしょう。

 「記念日協会って何物?」という見出しの記事がありました。1月11日の記事と関係があるのかどうかはわかりませんが、疑問を持っても当然でしょう。

 

 「信濃の国」県歌制定の日、牛たんの日、ドラゴンクエストの日、難病の日-。これは企業や自治体などが今年、一般社団法人日本記念日協会に登録した記念日の一部です。審査に合格する記念日は年間200件以上。協会って何? 審査ってどうするの? 詳しく話を聞いてみました。

 代表理事で長野県佐久市在住の加瀬清志さん(65)は放送作家。 …(中略)

 申請のあった記念日は毎週月曜日、インターネット電話の会議で審査されます。加瀬さんが仕事などで知り合った主婦や会社経営者、学生といった様々な肩書を持つ「普通の人たち」が出席。 …(中略)… 加瀬さんを除く6人のうちの過半数の同意で合格します。 …(中略)… 最終的には加瀬さんが判定します。

 昨年は8割強が合格。私も審査員をしたくなりましたが残念ながら募集はしていないそうです。

 (朝日新聞・大阪本社発行、2018年7月28日・夕刊、3版、2ページ、鈴木智之)

 

 公的な記念日も、この協会に申請しなければならないのでしょうか。それにしても、閉鎖的な僅かの人数で審査するとは驚きです。年間200件以上、登録料が2000万円を超えるのですから、効率的なビジネスです。

 人間というものは、他者から証明や認定を受けなければ、気持ちの上で安定感を得られないのでしょうか。その記念日が多くの人に支持され認められれば、このような協会の厄介になる必要はないと思うのですが…。

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