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2018年11月17日 (土)

言葉の移りゆき(210)

漢字、カタカナ、アルファベット

 

 「JAPANツウ」という言葉だけが目に入ったとき、その言葉の意味がわかりませんでした。日本語をカタカナで書いたりアルファベット(ローマ字)で書いたりすることがありますから、「JAPAN」に続く「ツウ」がいったい何なのか理解できなかったのです。次のような文章でした。

 

 日本にまつわる素朴な謎を、番組が「JAPANツウ」と名付けた専門家たちが解き明かす。

 日本人のマグロ好きの理由を解説するために招かれた「ツウ」は、目利きとして知られる鮮魚店主。 …(中略)… 歴史学者の磯田道史さんによる、その背景の説明もあり、自分も「マグロ通」になった気分が味わえた。

 (読売新聞・東京本社発行、20181022日・朝刊、12版、32ページ、長野県向け番組ページ、「試写室」、多可政史)

 

 「JAPANツウ」とは専門家のことだと言い、鮮魚店主がその「ツウ」に祭り上げられているようです。言われた人は気持ち悪くありませんから、その言葉を嫌がったりはしないのでしょう。

 「ツウ」という不思議な日本語表記は、「通」、すなわち、ある物事によく精通している人のことだとわかるようになっているのですが、どうしてカタカナ書きにする必要があるのでしょうか。

 テレビ番組の「やらせ」が問題になっています。それは番組の演出などに関わることだけではありません。日本語をいじくり回して、おかしな日本語や表記法を作り出していることも、歴とした「やらせ」です。けれども、日本語破壊作戦が糾弾されないのは不思議なことです。それは報道機関全体が日本語破壊作戦に参戦しているから、特定の番組を糾弾できなくなっているということなのだろうと思います。

 もっとも、新聞のテレビ・ラジオ欄は、いかにも客観的な記事であるように装いながらも、放送局の宣伝媒体になってしまっておりますから、放送局や番組のことを悪く書くことなどは、はじめから、ありえないことなのです。

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