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2018年11月28日 (水)

言葉の移りゆき(221)

増殖する放送局の伏せ字

 

 この連載の(201)回と関連した話題です。テレビ局発祥の伏せ字が新聞記者に伝播しています。

 

 こんな私は何を食べればいいですか? ★MBS 夜7・00

 たとえば高血糖の人にはずばり〇〇〇。食物繊維の量はゴボウより少ないが糖質が少ないのでおススメだそうだ。ただ、通常の料理法では効果を逃してしまうので□□にするとよい。って何? 気になりますよね。 …(中略)

 明日、スーパーで〇〇〇が売り切れていないことを祈るばかりだ。

 (朝日新聞・大阪本社発行、20181126日・朝刊、13版、32ページ、「試写室」、都築和人)

 

 (201)回の記事は、他社からの配信記事であったようですが、今回の記事は、試写を見て新聞記者が書いたと思われます。

 それにしても、この記事はテレビ画面の受け売りです。さらに、「って何? 気になりますよね。」などと言って、テレビ局の作戦に拍車をかけています。

 「明日、スーパーで〇〇〇が売り切れていないことを祈るばかりだ」などというのは、この言葉とは裏腹に、消費者をあおり立てている感じがします。

 画面に伏せ字が出ること自体が見苦しいのですが、新聞記事がそれに協力する必要はありません。あまりにも下品です。

 「たとえば高血糖の人にはずばり〇〇〇」などと言わずに、「高血糖の人にある野菜が効果的だと紹介されている」と書けないのでしょうか。「通常の料理法では効果を逃してしまうので□□にするとよい」などと言わずに、「その効果を逃がさない料理法も紹介されている」という文章にできないのでしょうか。記者は安易に、画面の文字をそのまま紹介しようとしているのです。

 放送局の作戦に、まんまと乗せられてしまうような、無批判、無色透明(言いなり)の記事を読むと、腹立たしさがつのります。

 こういう文章は、新聞社の社内で検討して、以後の反省材料にしていないのでしょうか。そのような気配を感じることができません。

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