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2018年12月10日 (月)

言葉の移りゆき(233)

開拓村かと思ったが…

 

 「江戸開府」という言葉があります。江戸に幕府が置かれ、江戸の町が開かれたことを表しています。

 学校の「開校」や「開学」は、それが初めてつくられたことを意味しています。前身となるものがある場合は、その前身の創立が「開校」や「開学」になるのでしょう。

 それでは、次のような例はどう考えればよいでしょうか。

 

 朝日村は20日、開村130周年の記念式典を村農業者トレーニングセンターで開いた。村と近隣市町の関係者、住民ら約150人が出席。昭和と平成の2度の大合併で、ともに自立の道を選んだ村の歩みを振り返った。 …(中略)

 朝日村は1889(明治22)年、西洗馬村、小野沢村、針尾村、古見村が合併して誕生。人口は4609人(5月1日現在)

 (信濃毎日新聞、20181021日・朝刊、31ページ)

 

 見出しは「開村130周年 朝日村で式典」となっていましたから、見出しを見たときは、開拓か何かで新たに村が誕生してから130年が経ったのかと思いました。実際には、4つの村が合併してから130年ということです。

 一般には、町制施行〇〇年とか、市制〇〇年と言いますが、朝日村の場合は、村が合併して新しい村になったのですから、村制〇〇年とは言えなかったのでしょう。それでも、それぞれの村はそれ以前に始まっているのですから「開村130年」はそぐわない気がします。「朝日村発足130年」とか「合併130年」とか言うのが普通でしょう。

 朝日村は、昭和と平成の2度の大合併の時代に左右されず、独立した歩みを続けてきたそうで、賞賛したいと思います。記事によれば、歌手・俳優の上條恒彦さんがこの村の出身だそうです。

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