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2019年3月 3日 (日)

言葉の移りゆき(316)

「シンシに」って何? 「受け止める」ってどうすること?

 

 沖縄の普天間飛行場の移設計画を巡って、辺野古沿岸部の埋め立ての是非を問う県民投票の結果が明らかになりました。その結果を、首相や官房長官は「結果を真摯に受け止める」と言っています。

 言葉は正しく使わなければなりませんから、沖縄問題のことがよくわかっていない小学生から、「シンシに受け止める」ってどういうこと?、と尋ねられたら、大人はきちんと答えなければなりません。

 試みに『チャレンジ小学国語辞典・第4版』(ベネッセコーポレーション発行)で、言葉の意味を確かめてみます。「真摯」を引いてみると、載っていません。そうです、「真摯」などというのは大人(政治家)が使う、まやかしの言葉ですから知らなくてよいのです。

 次に、「受け止める」を引いてみます。次のように書いてあります。

 

 ①自分に向かってくるものをとらえて、それが進むのを止める。例・シュートを受け止める。

 ②自分に向かってくることに、にげずに対応する。例・クラス全員の問題として受け止める。

 

 『三省堂国語辞典・第5版』は素っ気ない書き方ですが、主旨は同じです。次のように書いてあります。

 

 ①受けて・止める(ふせぐ)。「ボールを -」

 ②しっかりととらえる。「問題を -」

 

 なんとなんと、政治家は言葉を正しく使っているのです。「沖縄の問題を受け止める」というのは、国語辞典の①の意味なのです。

 自分(政権)に向かってくるもの(埋め立て阻止)を、「止める(ふせぐ)」という意味なのです。

 言葉にいくつかの意味があるとしても、政治家は、②の「にげずに対応する(しっかりととらえる)」ということなど眼中にないのです。

 そういうことを小学生に説明すれば、言葉の意味を正確に理解してくれるでしょう。政治家が、まじめに、ひたむきに努力しているかどうかは別のことです。実は、「まじめに、ひたむきに」というのが「真摯」という言葉の意味なのですが。

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