« 言葉の移りゆき(336) | トップページ | 言葉の移りゆき(338) »

2019年3月24日 (日)

言葉の移りゆき(337)

「こてこて」というオノマトペ①

 「こてこて」という言葉は、関西弁や大阪人と結びつきやすいようです。その「こてこて」はどのような意味をそなえた言葉なのでしょうか。
まずは、使用の一例を引用します。ある人の様子を描写した表現です。


 コテコテの関西弁で本音をズバズバまくし立てる。正しいと思えば一歩も引かない頑固な面もある。よく笑い、すぐ泣き、急に怒る。

 (読売新聞・大阪本社発行、2019年2月23日・夕刊、3版、8ページ、「ハレルヤ!西成 メダデ物語」、上村真也)


 まさに「コテコテ」の面目躍如というような使い方です。

 ところで、「こてこて」とはどういう様子を表す言葉なのでしょうか。小野正弘編『日本語オノマトペ辞典』(小学館)の「こてこて」の説明は次のようになっています。


 ①数や量がむやみに多いさま。過度に濃厚でくどいさま。

 ②ある性質などを深くもっていて、いかにもそれらしいさま。

 ③たどたどしく不器用にものごとを行うさま。


 そして、②の用例として「東京の下町の人間である私は、コテコテの大阪人が大好きだ」と、「こてこての大阪弁で、しゃべらはる」が挙げられています。「ある性質などを深くもっていて、いかにもそれらしいさま」という説明に従うならば、「こてこての東北弁」や「こてこての江戸っ子」というのもありうるのですが、そのような表現に出くわすことは少ないと思います。

 記事にある「コテコテの関西弁」という表現は、この辞典の説明の①にある「過度で濃厚」という要素も含まれているように思います。けれども、過度に濃厚というのは、関西弁や大阪人だけにふさわしいというわけでもないでしょう。

 「こてこて」という言葉は、もしかしたら、〈多くの関西人が持っている人柄や言葉遣い〉に限定して使われている言葉のようにも聞こえるのですが、いかがでしょうか。

 けれども、関西人すべてにあてはまるわけではなく、「こてこて」の人柄や言葉遣いを感じさせるのは、関西人の中でも限られた人たちだけであると言ってもよいでしょう。

 「こてこて」という言葉は、国語辞典によって説明の仕方が異なるように感じます。次回は、そのことに注目してみたいと思います。

|

« 言葉の移りゆき(336) | トップページ | 言葉の移りゆき(338) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 言葉の移りゆき(336) | トップページ | 言葉の移りゆき(338) »