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2019年4月14日 (日)

言葉の移りゆき(358)

ルールとマナーの違い、マナーとエチケットの違い


 皇居のお堀端を走るランナーたち。誰もが同じ方向へ走っていきます。見ると〈皇居周回は反時計周りがマナーです〉との表示。これに従っているんですね。 …(中略)…
 この走り方は常識とまでは言えず、むしろルールに近いものです。ただ、「ルール」にはきつい語感もあるので、それを避けたのでしょう。「マナー」の指す範囲が広がっているのかもしれません。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2019年1月5日・朝刊、be3ページ、「街のB級言葉図鑑」、飯間浩明)

 反時計周りがどのようにして定着していったのかということに興味がわいてきます。時計回りと反時計回りの両方が拮抗していて危険が伴ったので、反時計回りに統一したのでしょうか。それとも、いつからともなく反時計回りが多くなっていたという事情があるのでしょうか。前者ならば〈ルールの設定〉ですが、後者ならば、大勢の習慣に合わせていくという〈マナー〉であるのかもしれません。
 写真を見ると、この表示板には「千代田区」という発信者名が書いてあります。行政の指示であれば〈ルール〉かもしれませんが、世間一般の〈マナー〉を行政が明示した表示であるのかもしれません。
 〈マナー〉という言葉には、交通マナー、電車の車内でのマナー、テーブルマナーなど、社会生活を円滑に運ぶための工夫のことでしょう。
 〈ルール〉と〈マナー〉の間に画然とした一線が引けないのと同様に、〈マナー〉と〈エチケット〉の間にも一線は引けないでしょう。けれども、〈ルール〉と〈エチケット〉が混然となることはないでしょう。言葉とはそのようなものであるのでしょう。
 けれども、これらの言葉には、ルール違反、マナー違反、エチケット違反という言葉があるように、規範意識がずいぶん強い言葉であるように思います。

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