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2019年5月19日 (日)

言葉の移りゆき(393)

「チーズ」と「らりるれろ」


 写真を写すときに「はい、チーズ」と言います。「チーズ」という発音が、口を横に広げてにっこりした顔つきにさせるからです。けれども、その発音とともにシャッターが切られることは少ないようで、本当ににっこりとした写真ができあがることは少ないようです。
 それに比べると、こちらは効果覿面の言葉のようです。


 「・・・・・」「もっとはっきり」「らりるれろ」
 うなずく刑務官に礼を言う受刑者。隣の受刑者が、同じように刑務官から薬を受け取る。
 錠剤や粉薬を舌の上に乗せてそこにあることを示し、水と一緒にのみ込んだ後、何もなくなった舌を再び刑務官に見せる。最後に言う言葉が「らりるれろ」だ。
 「こうした言葉を言わせるのはいかがか、各自の称呼番号で十分ではないかという議論もありました。でもそれだと薬を確実に飲んだかわからない。舌の裏まで確認できる『らりるれろ』には一定の合理性がある。薬をため込んで人にあげたり、大量に飲んだりする事案を防ぐためです」と細川隆夫所長が説明する。
 (読売新聞・大阪本社発行、2019年1月21日・夕刊、3版、1ページ、「密着Document」)

刑に服する人も高齢化して、病気がちの人も多いそうです。睡眠薬、軟便剤、降圧剤など多くの薬が必要になると言います。
 確かに「らりるれろ」を発音している人の口もとを見れば、口の中の様子がよくわかります。「舌の裏まで確認できる」という効果は、その通りだと思います。

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