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2019年6月17日 (月)

言葉の移りゆき(422)

名詞に「る」「する」を付けて動詞にするやり方


新聞を読んでいると、次々に新しい言葉が出てきます。そんな言葉を理解できなければ、記事の内容がわからないということになります。
 外来語や名詞に「る」「する」を動詞にするという言い方が行われています。「サボる」や「パニクる」などに倣って、様々な言い方が広がっています。
 こんな記事を読みました。


 「空前絶後のディスり合戦開幕!」。話題の映画「翔んで埼玉」のうたい文句です。埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ、と東京都民から埼玉が過激にディスられる架空の設定ながら、なぜか地元で大ウケ。 …(中略)…
 「現代用語の基礎知識2019」によると、「ディスる」は「軽蔑する、けなす」の意で、英語の「disrespect(ディスリスペクト)」から。 …(中略)…
 いま風の造語法のようにもみえますが、辞書編集者の神永暁さんは「江戸時代に、すでにこのようなことば遊びに近い感覚で新語が作られている」と著書「悩ましい国語辞典」で解説、例として「ちゃづ(茶漬)る=茶漬けを食べる」などを挙げています。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2019年5月18日・朝刊、13版、13ページ、「ことばサプリ」、奈良岡勉)

 「ディスる」と「茶漬る」とを同類のようにする考えに賛成ではありません。「茶漬け」という言葉は日常的な言葉であり、誰でも知っている言葉です。そこから「茶漬る」という言葉が生まれても、理解は行き届くでしょう。「事故る」などという言葉も同じです。
 「ディスる」は「disrespect(ディスリスペクト)」から生まれたとしても、「茶漬る」の生まれ方とはまったく異なっています。「ディスリスペクト」は日常語になっておりませんし、その言葉の後半部をぶった切って、「る」をつけるというのは、一部の人の好みで作られた言葉に過ぎません。
 このような言葉が生まれることに対して、新聞が正当性を保証するような意見を述べると、ますます蔓延していって、歯止めが利かなくなるでしょう。
 新聞社は、言葉を短く使いたがっています。それは記事のためではなく、見出しを短い言葉で表すためです。それによって、新聞社は日本語をかき乱しているということに気づかなければなりませんが、「ディスる」などという言葉を見出しで使わないように願いたいと思います。

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