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2019年6月10日 (月)

言葉の移りゆき(415)

「竣功」のイメージ


 工事が終わって建造物ができあがることを「竣工」と言います。完工や落成という言葉もありますが、橋には「竣功」と書かれていることが多いようです。
 このことについて書かれた文章を見ました。


 あなたのご近所に橋がありますか。銘板を見ると、〈〇年〇月竣功〉と書いてありませんか。「竣工」は一般の文章でよく使われますが、「竣功」は見慣れませんね。
 国語辞典では、同一項目に「竣工・竣功」と表記が並んでいます。つまり、同じ意味の言葉です。「工」も「功」も仕事の意味があり、「竣」は終えることです。
 ただ、私の観察では、「竣工」は一般のビルや住宅に、「竣功」は神社や橋などに使うことが多いようです。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2019年5月11日・朝刊、be3ページ、「B級言葉図鑑」、飯間浩明)

 ここに書かれていることに異存はありません。
ただ、「功」には、優れた仕事とか、手柄という意味もあります。本文にもあるように「竣功」は神社や橋などに多く使われています。神社を建てるというたいへんな仕事が終わったときに「竣功」を使う気持ちは理解できます。
 また、川に橋を架けることは、建て物を建てることに比べると、難工事が多かったと思われますから、これにも「竣功」を使いたい気持ちは理解できます。
もうひとつ、気になることがあります。国語辞典には、確かに「竣工・竣功」と表記が並んでいますが、時代による変化について辞書では言及されていません。けれども、古くは「竣功」と書かれることが多く、しだいに「竣工」が多数派を占めるようになったという時代の流れもあるのではないかとも思います。橋も、だんだん「竣工」が増えてきているのではないかと思いますが、それは想像の域を出ません。

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