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2019年6月25日 (火)

言葉の移りゆき(430)

短くちょん切る言葉をなぜ使うのか


 新聞の見出しのスペースが限られていることはじゅうぶん承知しています。けれども、たった1文字や2文字を削ったとて、何の効果もありますまい。本当にスペースが足りないのなら、文字を小さくしたり、文字を変形すればよいのです。日本語を乱すような働きを、新聞の編集・整理を担当する人が犯してはいけないと思います。現状を見ると、「犯す」という言葉にふさわしいと思います。


 ワンピ 小物合わせて一新
 (朝日新聞・大阪本社発行、2019年5月20日・夕刊、3版、3ページ、「スタイリスト谷山伸子の幸服クローゼット」、山田佳奈、見出し)

 本文に現れる言葉は、3回とも「ワンピース」が使われています。見出しのスペースは余裕たっぷりですから2文字増えても、何の影響もありません。記事を整理した人の判断で「ワンピ」となったのでしょう。
 記事のタイトル「スタイリスト谷山伸子の幸服クローゼット」も、問題を含んでいます。近頃は「〇〇〇〇の」という人名を入れるタイトルが増えています。名前で宣伝する記事ではなく中身で読ませてください。「幸服」という文字遣いも古びた感じです。

 「つけま」でミドルもキリリ
 (読売新聞・大阪本社発行、2019年1月23日・夕刊、3版、4ページ、「いま風 きれい」、上原三和、見出し)

 この記事も、本文中や写真説明などの6箇所は「つけまつげ」です。記事を整理した人の判断で見出しが作られているのです。半ページにも及ぶ記事ですから、見出しぐらいはどのようにでも変えられます。
 「キリリ」というような言葉を、何の疑いもなくカタカナ書きにすることもよくありません。

 引用したのはたった2例だけですが、実は、日日の新聞にはこのような言葉があふれています。言葉をきちんと使おうという姿勢を失った人が、新聞の見出しを作ることはやめてほしいと思います。
 同一の記事が使われていても、発行本社によって異なった見出しになっているかもしれません。全国一律でこんな見出しが使われているとしたら、そちらの方が大きな問題であると言えるでしょう。

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